・福島県が公開した震災直後のモニタリングポストの数値について
・騙されないで真実を見抜くために
2012年9月26日水曜日
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
水野晶子
近藤勝重/毎日新聞専門編集委員MBSラジオ
水野:
京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんです。
小出さんこんばんは
小出:こんばんは
水野:そして東京には近藤さんです。
近藤:どうも、こんばんは
小出:近藤さん、こんばんは、よろしくおねがいします。
水野:
小出先生、たね蒔きジャーナルで小出先生にわたくしが質問させていただきますのは、
今日が最後となります。
これまで本当にありがとうございました。
小出:こちらこそ、長い間本当にありがとうございました。
水野:
ありがとうございます。
そして今、やっぱり思いだしますのは、3.11の直後のことです。
他の専門家や、国がですね、「直ちに影響が無い」とか「大丈夫」だという言葉を言っている時に、
小出さんは「1mでも風上に逃げて下さい」と言っていらっしゃいました。
あの3月14日からずーっと小出先生の言葉をお伝えしてきた緊張した日々が思い出されるんですが、
小出先生は今どんな思いで思い出されますか?あの当時を。
小出:
当時は、大変事故がドラスティックに進行している時に、
え…大変残念なことにこの日本という国では、正確な情報が流れない時間が続きました。
そんな時に私の発言をたね蒔きジャーナルが拾って下さって、大変ありがたく思いましたし、
何とか少しでも被ばくを少なくしたいと思う一念で時が過ぎていきました。
…残念なことに未だに事故は収束していませんし、
汚染地帯に人々がいまだに取り残されてしまっている訳で、
何とかしたいと思いますけれども、自分の非力をずっと感じながら今まで来ています。
水野:
あの、そうした中でですね、
今日は放射能汚染について注目すべき数字が出ているという事をお伝えしたいと思います。
原発事故のあった去年3月11日から31日まで、
放射性物質がどれだけ大気中に飛び散ったか。
福島県がモニタリングポストで観測した結果を公表しました。
最大の数値がですね、事故の翌日です。
つまり去年の3月12日です。
場所は原発から北西におよそ5.6km。
双葉町の上羽鳥というところです。
その放射線量なんですが、小出さん。
1時間当たり、1590マイクロシーベルト。という数字が発表されました。
これは原発の敷地以外でこれまでで最も高い数字だと福島県は言っていますけれども、
この1590マイクロシーベルトの意味を教えて下さい。
小出:
はい、私は京都大学原子炉実験所で働いていて、時に放射線管理区域に入ります。
1時間当たり0.6マイクロシーベルトを超えるような場所は「放射線管理区域」にしなければいけませんし、
たとえば私たちの原子炉実験所の放射線管理区域内であれば、
1時間に20マイクロシーベルトを超えるような場所は高線量区域と指定されて、
そこに入る時には「放射線管理の特別な許可を得ないと入れない」という、そういう事になっています。
それの20と、今水野さんがおっしゃった1590とを比べるわけですから、
私たちが高線量区域と呼ぶ値の、もう80倍とかですね、
水野:80倍ですか!高線量区域と呼ばれている値の80倍という事ですよね。
小出:
はいそうです。
私たちのような放射線業務従事者と呼ばれている人間にとっても、
「高放射線区域として気をつけろ」と言われている場所の、なおかつ80倍という値です。
水野:
はぁ~…
この最大値が観測された時間なんですが、
3月12日午後3時なんですね、一番数字が大きいのが。
で、この時刻が水素爆発の30分ほど前だっていうんです。
水素爆発の前にすでに大量に出ていたっていう事は、なにを意味するんでしょうか?
小出:
水素爆発というのは、原子炉が溶けてしまって、燃料棒が水と反応して出てきた水素なのです。
それが原子炉建屋の中に充満して爆発しました。
つまり、もう溶けてしまった炉心から、水素と一緒に放射性物質が噴出してきていた訳で、
水素爆発をする前に放射能はもうどんどん環境へ出ていたという事です。
水野:はぁ・・・
小出:
要するに水素が出てきたという事は、他の放射性物質も出てきていたということですし、
その水素が十分溜まって爆発したのですから、
それまでの時間の間に放射性物質が環境に漏れていたという事です。
水野:はぁ…それもこんなに高い数字ですよね。
小出:猛烈ですね。
水野:猛烈な数字で、出ていたという事は、どう言う事を私たちに示唆するんですか?
小出:
これは、事故当時に私は聞いていただいたと思いますけれども、
ベントという操作をやったのですが、
ベントという操作は
放射能を閉じ込める最後の防壁である原子炉格納容器という中に溜まっているガスを抜き出すのです。
もちろん水素も入っていますし、放射性物質も入っているのです。
それを「格納容器が大破壊しては困る」という事で意図的に外へ抜いてしまうというのがベントなのであって、
わたしはそのベントという作業をするためには、
その外側にフィルターを付けておかなければいけないとずーっと思いこんでいたのですが、
日本の福島の原子力発電所も含めて、全ての原子力発電所では、
ベントの先にフィルターが付いていないのです。
つまり、
水野:あー!フィルターも付けていないんですか!!
小出:
そうです。
ですからベントをしてしまうと放射性物質をそのまま環境へ放り出すという、
そういう設計になっていたのです。
水野:はぁ~、設計がそもそもフィルターさえつけていなかった。
小出:そうです。
水野:
で、それ、今伺いますと、
ベントをする前に、もう、多くの方々を遠くへ避難していただいておかなければならなかったと、
今更ながら思うのですけれども。
小出:
本当はそうなのです。
ただし、日本のこの国というのは、一番恐れたのはパニック…なのです。
わたしは住民を被曝させることが一番いけない事だと思うのですけれども、
国の方から見ると、住民の被ばくよりはむしろパニックを恐れるという事で事故に対処したわけです。
水野:…何で今頃こんな重大な数字が出てくると、小出先生は思われますか?
小出:
ん、良く分かりません。
あの…私としてはどんな些細な数字、というかですね、
え…一見意味の無いような数字だって、きちっと公表すべきだとずっと思ってきましたし、
私自身も自分が得たデータというのは、常に公表するように努めてきたつもりなのですが、
日本の国、あるいは電力会社の方から見ると、
「数字を公表すると住民がパニックを起こすから、なるべく公表しないでおこう」という、
そういう作戦に彼らが出てきたという事です。
水野:
あの、モニタリングポストの数値っていうのは、
知るためにこんな、一年半も時間がかかるものなんですか?
小出:( ´艸`)★。、::。.::・'゜
もちろんかかりませんし、そんな事になったら困るわけですね。
水野:意味無いですよね、今頃分かったって。
小出:
全く意味無いです、はい。
モニタリングというのは時々刻々その数字が分かるという事でやっているわけですから、
今頃出てくるという事は全くおかしなことです。
水野:
はぁ…
近藤さ~ん、あの当時政府は「直ちに健康に影響はない」と言い続けていましたね。
近藤:
あの先生、ぼくはね、
人の命よりも上に来るものはないと思ってます。
そうである以上人命に関わる嘘ちゅうのは許せないだろうと思っているんです。
で、あのー、しかしながら、我々の先輩は戦争を経験した際に、
えー、人の命に関わることではあっても、いろんな虚報が出ていったわけですね。
で、今度の原発の事故も含めて震災は、
戦後に対して災後といういい方がありましたけれども、
震災後の災ですね。
で、僕はその時に極力、そうであるならば正確な情報の側についてしゃべりたいと。
で、私自身そんなに知識がありませんから、
小出先生のですね、傍におれば、もうこれは何ちゅうんでしょう、
正確な情報の傍にいて、人の命に対して重要な情報が「あ、一緒に流せられるんだ」と思ってきました。
小出:ありがとうございます。
近藤:
ええ、その点で私は今本当に感謝を申し上げて今の言葉を発している訳なんですが、
どうもありがとうございました。
小出:とんでもないです。
近藤:
そういう点で、今、いま流している、水野さんが流している情報も、
「いやぁビックリだな」って思っているんですけれどもね、
水野:ビックリですね。
小出:
はい、
でも、水野さん近藤さん、たね蒔きジャーナルのスタッフの方々が、
ようやくにしてこういう情報をこれまで流してきて下さったわけで、
本当に私から感謝をお伝えしたいと思っています。
ありがとうございました。
水野:
こちらこそありがとうございます。
ちなみにこの1時間当たり1590マイクロシーベルトという、とてつもない数字ですよね、
小出先生。
小出:そうです。
水野:
この数字が発表されたのは9月21日、先週の金曜日。
というのは民主党の代表選の日です。
小出:なるほど、
水野:
ニュースの多くは民主党の代表選を伝える時間にはなりますわね、
また、祝日の土曜日の前の夜だったと、いう…ま・・あの、偶然なんでしょうけれども、
そうでございました。
こういうことになるとね、
もっと重要な情報が公開されていない可能性ってないのか?って思うんですが、
小出先生、いかがですか?
小出:
あるとおもいます。
「これからまた出てくるんだろうな」と思います。
水野:
またですね、食べ物の問題、内部被ばくの問題もある訳なんですが、
長野県のキノコから、国の基準値を超える放射性セシウムが検出されました。
これは軽井沢町と御代田の野生キノコです。
出荷停止になったんですが、
長野県産の出荷停止の話は、原発事故後初めてのことです。
しかし軽井沢って、福島第一原発から、なんと250kmも離れているんです!
こうした現実の中、わたしたちは、
小出先生、これから原発に関する情報の中でね、
騙されないで真実を見抜くために、どんな工夫をすればいいか、何に気を付けておけばいいのか、
皆さんにメッセージを頂けないでしょうか。
小出:
すみません、私もよく分からないのです。
政府や電力会社というデータを握っている当事者たちが、
出来るだけデータを見せないようにという事でやってきている訳で、
私もどうやればデータを出してもらえるのかよく分かりません。
でも、ま、日本という国は民主国家だと言われているわけですし、国民が主権者な訳ですから、
自分たちが主権者であるという事を自覚して、
政府、あるいは今回の事故を起こした責任者。あるいは私は犯罪者と呼びたいのですが、
東京電力に対してちゃんとデータの公表を求めるという行動をやり続けることが大切だと思います。
水野:
データーが出てくるのを待っているだけでは無理で、
やっぱりデーターを求めていくという動きが必要だという事ですかね。
小出:ということだとおもいます。
水野:
はい、
私はこの一年半、小出先生と話をしているうちに、
最初は原発を何時までにゼロにするという議論があったと思うんですが、
最近は「どんな条件で再稼働をするのか」という議論に変わってきているのかなと感じているんです。
小出:
私もそう思います。
原子力ムラは、ま、これまで原子力を進めてきた原子力ムラという組織が、
無傷のまま生き延びていると私には見えますし、
再度、原子力をまたどんどんやろうという攻勢を強めているように私には見えます。
水野:
小出先生、
明日もたね蒔きジャーナルでご出演、また教えていただくことをどうぞよろしくお願いいたします。
小出:こちらこそよろしくお願いします
水野:ありがとうございました。
小出:ありがとうございました。
水野:京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺いました。
続きを読むに
参考記事
東日本大震災:
福島第1原発事故 周辺の線量、爆発直前に最高値記録
毎日新聞 2012年09月22日 東京朝刊
福島県は21日、
福島第1原発周辺19カ所の測定地点で計測した昨年3月11日の事故後の空間放射線量を公表した。
東日本大震災で通信回線が途絶し、当時は把握できなかったがメモリーや記録紙を回収し分析した。
原発の北西5・6キロの双葉町上羽鳥で12日午後2〜3時、
原発敷地外で最高値となる毎時1590マイクロシーベルトを計測。
同日午後3時36分に1号機建屋の水素爆発が起きており、
爆発前に放射性物質が漏れ出した状況が裏付けられた。
原発の西北西4・1キロの双葉町山田では
2号機の圧力抑制室の圧力が低下し、白煙が確認された15日午前から線量が上がり始め、
16日午前0時までの1時間に同1020マイクロシーベルトを計測した。
データは福島県のホームページ
(http://www.pref.fukushima.jp/j/monitoringpost-sokkuteichi.pdf)で公開している。
↑※ページが移動しているようです ↓こちらで見られます
平成23年3月11日~3月31日(東日本大震災発生以降)に
モニタリングポストで測定された空間線量率等の測定結果について
平成23年3月11日~3月31日(東日本大震災発生以降)にモニタリングポストで
測定された空間線量率等の測定結果について【概要】
平成24年9月21日
福島県生活環境部原子力安全対策課
東京電力(株)福島第一原子力発電所
東京電力(株)福島第二原子力発電所
1 測定結果
空間線量率及び環境試料(降下物)の放射性核種分析の結果、原子力災害の影響と考えられる空間線量率の上昇や環境試料から高濃度のセシウム-137等の人工放射性核種が観測されました。
(1)空間放射線
福島県(25地点)及び福島第二(7地点)で空間線量率を常時測定した結果、
過去の最大値を大きく上回る値が複数地点で観測され、1時間値の最大値は1,590μGy/h(双葉町上羽鳥)でした。(別紙参照)
(2)空間積算線量
福島県(15地点)、福島第一(16地点)及び福島第二(13地点)で蛍光ガラス
線量計により空間積算線量を測定した結果、過去の最大値を大きく上回る値が観
測され、最大値は312mGy/90日(福島第一MP7)でした。
(3)降下物(ガンマ線放出核種)
福島県(3地点)が降下物のガンマ線放出核種の測定を行った結果、過去の最
大値を超えるセシウム-137等の人工放射性核種が検出され、セシウム-137の最大値は560万MBq/km2(大熊町大野)でした。
各地点の空間線量率の変動グラフ
福島県測定分
1 広 野 町 二ツ沼・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2 楢 葉 町 山田岡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
3 楢 葉 町 繁岡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
4 楢 葉 町 松館・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
5 楢 葉 町 波倉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
6 富 岡 町 上郡山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
7 富 岡 町 下郡山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
8 富 岡 町 仏浜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
9 富 岡 町 富岡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
10 富 岡 町 夜の森・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
11 大 熊 町 熊川 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
12 大 熊 町 向畑・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
13 大 熊 町 南台・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
14 大 熊 町 大野・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
15 大 熊 町 夫沢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
16 双 葉 町 山田・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
17 双 葉 町 郡山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
18 双 葉 町 新山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
19 双 葉 町 上羽鳥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
20 浪 江 町 請戸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
21 浪 江 町 棚塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
22 浪 江 町 浪江・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
23 浪 江 町 幾世橋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
25 南相馬市 福浦・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
26 福 島 市 紅葉山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25

爆発前から放射能漏れ?
双葉の上羽鳥毎時1590マイクロシーベルト
福島民報 ( 2012/09/22 09:57 カテゴリー:主要 )
東京電力福島第一原発事故で1号機が水素爆発を起こす直前の昨年3月12日午後3時に、
福島県双葉町上羽鳥で空間放射線量が毎時1590マイクロシーベルトだったことが20日、分かった。
県によると、原発敷地外では過去最大値。
当時、現地にはまだ住民が残っていた可能性もあり、
県は福島医大などと連携し健康への影響などを調べる参考にする。
県が20日、東日本大震災が発生した昨年3月11日から31日までの間に
東京電力福島第一原発、第二原発周辺のモニタリングポストなどで測定した結果を公表した。
双葉町上羽鳥は第一原発から北西に5.6キロの地点。
毎時1590マイクロシーベルトは
一般人の被ばく線量限度である年間1ミリシーベルト(1000マイクロシーベルト)を超える数値。
上羽鳥のモニタリングポストは停電で14日正午で計測が途絶えた。
この期間の平均値は毎時58.5マイクロシーベルトだった。
政府は12日午前に第一、第二原発から半径10キロ圏の避難指示を出した。
長野の野生キノコ、出荷制限=政府
時事ドットコム (2012/09/20-20:07)
政府は20日、長野県軽井沢町と御代田町で採れた野生のキノコから、
食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたとして、
県知事に出荷制限を指示した。野生キノコは福島、栃木両県の一部地域で出荷が制限されている。
厚生労働省によると、基準値を超えたのは
軽井沢町のチチタケ(1キロ当たり330ベクレル)と
御代田町のショウゲンジ(同630ベクレル)。
御代田の野生キノコ、基準値超える放射性セシウム
採取や出荷、摂取の自粛要請
信濃毎日新聞 09月01日(土)
県林務部は31日、
北佐久郡御代田町の国有林内で28日に採取した野生キノコ「ショウゲンジ」から、
国が定める一般食品の1キログラム当たり基準値(100ベクレル)を超える
630ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。
県は同日、同町内ですべての種類の野生キノコを対象に、
採取と出荷、摂取を自粛するよう同町などに要請した。
野生キノコについては、県の検査で昨年10月に佐久市で採取したチャナメツムタケから
当時の暫定基準値500ベクレルを上回る1320ベクレルを検出している。
今回の検査は、市民が持ち込む食材を調べる佐久市の検査で、
22日に持ち込まれた御代田町の野生キノコから、350ベクレルを検出したことを受けて実施した。
県環境保全研究所(長野市)で31日に調べ、
ショウゲンジから
放射性セシウム134を1キログラム当たり210ベクレル、同137を420ベクレル検出した。
同部は東京電力福島第1原発事故の影響とみており、
「立ち入りに許可が必要な場所で周辺の野生キノコは流通していない」としている。
同じ場所で採取したアカヤマドリからは
放射性セシウム137を56ベクレル検出、同134は検出しなかった。
同部によると、周辺の土などに蓄積された放射性セシウムを吸収した可能性があり、
同じ場所で値が違うのは「キノコの種類によって吸収のしやすさが違う可能性がある」としている。
県佐久地方事務所は近く、御代田町内の登山道入り口などに
野生キノコの採取自粛を呼び掛ける看板を設置する。
同町は町のホームページや回覧板で町民に注意を呼び掛ける。
・騙されないで真実を見抜くために
2012年9月26日水曜日
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
水野晶子
近藤勝重/毎日新聞専門編集委員MBSラジオ
水野:
京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんです。
小出さんこんばんは
小出:こんばんは
水野:そして東京には近藤さんです。
近藤:どうも、こんばんは
小出:近藤さん、こんばんは、よろしくおねがいします。
水野:
小出先生、たね蒔きジャーナルで小出先生にわたくしが質問させていただきますのは、
今日が最後となります。
これまで本当にありがとうございました。
小出:こちらこそ、長い間本当にありがとうございました。
水野:
ありがとうございます。
そして今、やっぱり思いだしますのは、3.11の直後のことです。
他の専門家や、国がですね、「直ちに影響が無い」とか「大丈夫」だという言葉を言っている時に、
小出さんは「1mでも風上に逃げて下さい」と言っていらっしゃいました。
あの3月14日からずーっと小出先生の言葉をお伝えしてきた緊張した日々が思い出されるんですが、
小出先生は今どんな思いで思い出されますか?あの当時を。
小出:
当時は、大変事故がドラスティックに進行している時に、
え…大変残念なことにこの日本という国では、正確な情報が流れない時間が続きました。
そんな時に私の発言をたね蒔きジャーナルが拾って下さって、大変ありがたく思いましたし、
何とか少しでも被ばくを少なくしたいと思う一念で時が過ぎていきました。
…残念なことに未だに事故は収束していませんし、
汚染地帯に人々がいまだに取り残されてしまっている訳で、
何とかしたいと思いますけれども、自分の非力をずっと感じながら今まで来ています。
水野:
あの、そうした中でですね、
今日は放射能汚染について注目すべき数字が出ているという事をお伝えしたいと思います。
原発事故のあった去年3月11日から31日まで、
放射性物質がどれだけ大気中に飛び散ったか。
福島県がモニタリングポストで観測した結果を公表しました。
最大の数値がですね、事故の翌日です。
つまり去年の3月12日です。
場所は原発から北西におよそ5.6km。
双葉町の上羽鳥というところです。
その放射線量なんですが、小出さん。
1時間当たり、1590マイクロシーベルト。という数字が発表されました。
これは原発の敷地以外でこれまでで最も高い数字だと福島県は言っていますけれども、
この1590マイクロシーベルトの意味を教えて下さい。
小出:
はい、私は京都大学原子炉実験所で働いていて、時に放射線管理区域に入ります。
1時間当たり0.6マイクロシーベルトを超えるような場所は「放射線管理区域」にしなければいけませんし、
たとえば私たちの原子炉実験所の放射線管理区域内であれば、
1時間に20マイクロシーベルトを超えるような場所は高線量区域と指定されて、
そこに入る時には「放射線管理の特別な許可を得ないと入れない」という、そういう事になっています。
それの20と、今水野さんがおっしゃった1590とを比べるわけですから、
私たちが高線量区域と呼ぶ値の、もう80倍とかですね、
水野:80倍ですか!高線量区域と呼ばれている値の80倍という事ですよね。
小出:
はいそうです。
私たちのような放射線業務従事者と呼ばれている人間にとっても、
「高放射線区域として気をつけろ」と言われている場所の、なおかつ80倍という値です。
水野:
はぁ~…
この最大値が観測された時間なんですが、
3月12日午後3時なんですね、一番数字が大きいのが。
で、この時刻が水素爆発の30分ほど前だっていうんです。
水素爆発の前にすでに大量に出ていたっていう事は、なにを意味するんでしょうか?
小出:
水素爆発というのは、原子炉が溶けてしまって、燃料棒が水と反応して出てきた水素なのです。
それが原子炉建屋の中に充満して爆発しました。
つまり、もう溶けてしまった炉心から、水素と一緒に放射性物質が噴出してきていた訳で、
水素爆発をする前に放射能はもうどんどん環境へ出ていたという事です。
水野:はぁ・・・
小出:
要するに水素が出てきたという事は、他の放射性物質も出てきていたということですし、
その水素が十分溜まって爆発したのですから、
それまでの時間の間に放射性物質が環境に漏れていたという事です。
水野:はぁ…それもこんなに高い数字ですよね。
小出:猛烈ですね。
水野:猛烈な数字で、出ていたという事は、どう言う事を私たちに示唆するんですか?
小出:
これは、事故当時に私は聞いていただいたと思いますけれども、
ベントという操作をやったのですが、
ベントという操作は
放射能を閉じ込める最後の防壁である原子炉格納容器という中に溜まっているガスを抜き出すのです。
もちろん水素も入っていますし、放射性物質も入っているのです。
それを「格納容器が大破壊しては困る」という事で意図的に外へ抜いてしまうというのがベントなのであって、
わたしはそのベントという作業をするためには、
その外側にフィルターを付けておかなければいけないとずーっと思いこんでいたのですが、
日本の福島の原子力発電所も含めて、全ての原子力発電所では、
ベントの先にフィルターが付いていないのです。
つまり、
水野:あー!フィルターも付けていないんですか!!
小出:
そうです。
ですからベントをしてしまうと放射性物質をそのまま環境へ放り出すという、
そういう設計になっていたのです。
水野:はぁ~、設計がそもそもフィルターさえつけていなかった。
小出:そうです。
水野:
で、それ、今伺いますと、
ベントをする前に、もう、多くの方々を遠くへ避難していただいておかなければならなかったと、
今更ながら思うのですけれども。
小出:
本当はそうなのです。
ただし、日本のこの国というのは、一番恐れたのはパニック…なのです。
わたしは住民を被曝させることが一番いけない事だと思うのですけれども、
国の方から見ると、住民の被ばくよりはむしろパニックを恐れるという事で事故に対処したわけです。
水野:…何で今頃こんな重大な数字が出てくると、小出先生は思われますか?
小出:
ん、良く分かりません。
あの…私としてはどんな些細な数字、というかですね、
え…一見意味の無いような数字だって、きちっと公表すべきだとずっと思ってきましたし、
私自身も自分が得たデータというのは、常に公表するように努めてきたつもりなのですが、
日本の国、あるいは電力会社の方から見ると、
「数字を公表すると住民がパニックを起こすから、なるべく公表しないでおこう」という、
そういう作戦に彼らが出てきたという事です。
水野:
あの、モニタリングポストの数値っていうのは、
知るためにこんな、一年半も時間がかかるものなんですか?
小出:( ´艸`)★。、::。.::・'゜
もちろんかかりませんし、そんな事になったら困るわけですね。
水野:意味無いですよね、今頃分かったって。
小出:
全く意味無いです、はい。
モニタリングというのは時々刻々その数字が分かるという事でやっているわけですから、
今頃出てくるという事は全くおかしなことです。
水野:
はぁ…
近藤さ~ん、あの当時政府は「直ちに健康に影響はない」と言い続けていましたね。
近藤:
あの先生、ぼくはね、
人の命よりも上に来るものはないと思ってます。
そうである以上人命に関わる嘘ちゅうのは許せないだろうと思っているんです。
で、あのー、しかしながら、我々の先輩は戦争を経験した際に、
えー、人の命に関わることではあっても、いろんな虚報が出ていったわけですね。
で、今度の原発の事故も含めて震災は、
戦後に対して災後といういい方がありましたけれども、
震災後の災ですね。
で、僕はその時に極力、そうであるならば正確な情報の側についてしゃべりたいと。
で、私自身そんなに知識がありませんから、
小出先生のですね、傍におれば、もうこれは何ちゅうんでしょう、
正確な情報の傍にいて、人の命に対して重要な情報が「あ、一緒に流せられるんだ」と思ってきました。
小出:ありがとうございます。
近藤:
ええ、その点で私は今本当に感謝を申し上げて今の言葉を発している訳なんですが、
どうもありがとうございました。
小出:とんでもないです。
近藤:
そういう点で、今、いま流している、水野さんが流している情報も、
「いやぁビックリだな」って思っているんですけれどもね、
水野:ビックリですね。
小出:
はい、
でも、水野さん近藤さん、たね蒔きジャーナルのスタッフの方々が、
ようやくにしてこういう情報をこれまで流してきて下さったわけで、
本当に私から感謝をお伝えしたいと思っています。
ありがとうございました。
水野:
こちらこそありがとうございます。
ちなみにこの1時間当たり1590マイクロシーベルトという、とてつもない数字ですよね、
小出先生。
小出:そうです。
水野:
この数字が発表されたのは9月21日、先週の金曜日。
というのは民主党の代表選の日です。
小出:なるほど、
水野:
ニュースの多くは民主党の代表選を伝える時間にはなりますわね、
また、祝日の土曜日の前の夜だったと、いう…ま・・あの、偶然なんでしょうけれども、
そうでございました。
こういうことになるとね、
もっと重要な情報が公開されていない可能性ってないのか?って思うんですが、
小出先生、いかがですか?
小出:
あるとおもいます。
「これからまた出てくるんだろうな」と思います。
水野:
またですね、食べ物の問題、内部被ばくの問題もある訳なんですが、
長野県のキノコから、国の基準値を超える放射性セシウムが検出されました。
これは軽井沢町と御代田の野生キノコです。
出荷停止になったんですが、
長野県産の出荷停止の話は、原発事故後初めてのことです。
しかし軽井沢って、福島第一原発から、なんと250kmも離れているんです!
こうした現実の中、わたしたちは、
小出先生、これから原発に関する情報の中でね、
騙されないで真実を見抜くために、どんな工夫をすればいいか、何に気を付けておけばいいのか、
皆さんにメッセージを頂けないでしょうか。
小出:
すみません、私もよく分からないのです。
政府や電力会社というデータを握っている当事者たちが、
出来るだけデータを見せないようにという事でやってきている訳で、
私もどうやればデータを出してもらえるのかよく分かりません。
でも、ま、日本という国は民主国家だと言われているわけですし、国民が主権者な訳ですから、
自分たちが主権者であるという事を自覚して、
政府、あるいは今回の事故を起こした責任者。あるいは私は犯罪者と呼びたいのですが、
東京電力に対してちゃんとデータの公表を求めるという行動をやり続けることが大切だと思います。
水野:
データーが出てくるのを待っているだけでは無理で、
やっぱりデーターを求めていくという動きが必要だという事ですかね。
小出:ということだとおもいます。
水野:
はい、
私はこの一年半、小出先生と話をしているうちに、
最初は原発を何時までにゼロにするという議論があったと思うんですが、
最近は「どんな条件で再稼働をするのか」という議論に変わってきているのかなと感じているんです。
小出:
私もそう思います。
原子力ムラは、ま、これまで原子力を進めてきた原子力ムラという組織が、
無傷のまま生き延びていると私には見えますし、
再度、原子力をまたどんどんやろうという攻勢を強めているように私には見えます。
水野:
小出先生、
明日もたね蒔きジャーナルでご出演、また教えていただくことをどうぞよろしくお願いいたします。
小出:こちらこそよろしくお願いします
水野:ありがとうございました。
小出:ありがとうございました。
水野:京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺いました。
続きを読むに

東日本大震災:
福島第1原発事故 周辺の線量、爆発直前に最高値記録
毎日新聞 2012年09月22日 東京朝刊
福島県は21日、
福島第1原発周辺19カ所の測定地点で計測した昨年3月11日の事故後の空間放射線量を公表した。
東日本大震災で通信回線が途絶し、当時は把握できなかったがメモリーや記録紙を回収し分析した。
原発の北西5・6キロの双葉町上羽鳥で12日午後2〜3時、
原発敷地外で最高値となる毎時1590マイクロシーベルトを計測。
同日午後3時36分に1号機建屋の水素爆発が起きており、
爆発前に放射性物質が漏れ出した状況が裏付けられた。
原発の西北西4・1キロの双葉町山田では
2号機の圧力抑制室の圧力が低下し、白煙が確認された15日午前から線量が上がり始め、
16日午前0時までの1時間に同1020マイクロシーベルトを計測した。
データは福島県のホームページ
(http://www.pref.fukushima.jp/j/monitoringpost-sokkuteichi.pdf)で公開している。
↑※ページが移動しているようです ↓こちらで見られます
平成23年3月11日~3月31日(東日本大震災発生以降)に
モニタリングポストで測定された空間線量率等の測定結果について
平成23年3月11日~3月31日(東日本大震災発生以降)にモニタリングポストで
測定された空間線量率等の測定結果について【概要】
平成24年9月21日
福島県生活環境部原子力安全対策課
東京電力(株)福島第一原子力発電所
東京電力(株)福島第二原子力発電所
1 測定結果
空間線量率及び環境試料(降下物)の放射性核種分析の結果、原子力災害の影響と考えられる空間線量率の上昇や環境試料から高濃度のセシウム-137等の人工放射性核種が観測されました。
(1)空間放射線
福島県(25地点)及び福島第二(7地点)で空間線量率を常時測定した結果、
過去の最大値を大きく上回る値が複数地点で観測され、1時間値の最大値は1,590μGy/h(双葉町上羽鳥)でした。(別紙参照)
(2)空間積算線量
福島県(15地点)、福島第一(16地点)及び福島第二(13地点)で蛍光ガラス
線量計により空間積算線量を測定した結果、過去の最大値を大きく上回る値が観
測され、最大値は312mGy/90日(福島第一MP7)でした。
(3)降下物(ガンマ線放出核種)
福島県(3地点)が降下物のガンマ線放出核種の測定を行った結果、過去の最
大値を超えるセシウム-137等の人工放射性核種が検出され、セシウム-137の最大値は560万MBq/km2(大熊町大野)でした。
各地点の空間線量率の変動グラフ
福島県測定分
1 広 野 町 二ツ沼・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2 楢 葉 町 山田岡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
3 楢 葉 町 繁岡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
4 楢 葉 町 松館・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
5 楢 葉 町 波倉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
6 富 岡 町 上郡山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
7 富 岡 町 下郡山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
8 富 岡 町 仏浜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
9 富 岡 町 富岡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
10 富 岡 町 夜の森・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
11 大 熊 町 熊川 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
12 大 熊 町 向畑・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
13 大 熊 町 南台・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
14 大 熊 町 大野・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
15 大 熊 町 夫沢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
16 双 葉 町 山田・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
17 双 葉 町 郡山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
18 双 葉 町 新山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
19 双 葉 町 上羽鳥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
20 浪 江 町 請戸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
21 浪 江 町 棚塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
22 浪 江 町 浪江・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
23 浪 江 町 幾世橋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
25 南相馬市 福浦・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
26 福 島 市 紅葉山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25

爆発前から放射能漏れ?
双葉の上羽鳥毎時1590マイクロシーベルト
福島民報 ( 2012/09/22 09:57 カテゴリー:主要 )
東京電力福島第一原発事故で1号機が水素爆発を起こす直前の昨年3月12日午後3時に、
福島県双葉町上羽鳥で空間放射線量が毎時1590マイクロシーベルトだったことが20日、分かった。
県によると、原発敷地外では過去最大値。
当時、現地にはまだ住民が残っていた可能性もあり、
県は福島医大などと連携し健康への影響などを調べる参考にする。
県が20日、東日本大震災が発生した昨年3月11日から31日までの間に
東京電力福島第一原発、第二原発周辺のモニタリングポストなどで測定した結果を公表した。
双葉町上羽鳥は第一原発から北西に5.6キロの地点。
毎時1590マイクロシーベルトは
一般人の被ばく線量限度である年間1ミリシーベルト(1000マイクロシーベルト)を超える数値。
上羽鳥のモニタリングポストは停電で14日正午で計測が途絶えた。
この期間の平均値は毎時58.5マイクロシーベルトだった。
政府は12日午前に第一、第二原発から半径10キロ圏の避難指示を出した。
長野の野生キノコ、出荷制限=政府
時事ドットコム (2012/09/20-20:07)
政府は20日、長野県軽井沢町と御代田町で採れた野生のキノコから、
食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたとして、
県知事に出荷制限を指示した。野生キノコは福島、栃木両県の一部地域で出荷が制限されている。
厚生労働省によると、基準値を超えたのは
軽井沢町のチチタケ(1キロ当たり330ベクレル)と
御代田町のショウゲンジ(同630ベクレル)。
御代田の野生キノコ、基準値超える放射性セシウム
採取や出荷、摂取の自粛要請
信濃毎日新聞 09月01日(土)
県林務部は31日、
北佐久郡御代田町の国有林内で28日に採取した野生キノコ「ショウゲンジ」から、
国が定める一般食品の1キログラム当たり基準値(100ベクレル)を超える
630ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。
県は同日、同町内ですべての種類の野生キノコを対象に、
採取と出荷、摂取を自粛するよう同町などに要請した。
野生キノコについては、県の検査で昨年10月に佐久市で採取したチャナメツムタケから
当時の暫定基準値500ベクレルを上回る1320ベクレルを検出している。
今回の検査は、市民が持ち込む食材を調べる佐久市の検査で、
22日に持ち込まれた御代田町の野生キノコから、350ベクレルを検出したことを受けて実施した。
県環境保全研究所(長野市)で31日に調べ、
ショウゲンジから
放射性セシウム134を1キログラム当たり210ベクレル、同137を420ベクレル検出した。
同部は東京電力福島第1原発事故の影響とみており、
「立ち入りに許可が必要な場所で周辺の野生キノコは流通していない」としている。
同じ場所で採取したアカヤマドリからは
放射性セシウム137を56ベクレル検出、同134は検出しなかった。
同部によると、周辺の土などに蓄積された放射性セシウムを吸収した可能性があり、
同じ場所で値が違うのは「キノコの種類によって吸収のしやすさが違う可能性がある」としている。
県佐久地方事務所は近く、御代田町内の登山道入り口などに
野生キノコの採取自粛を呼び掛ける看板を設置する。
同町は町のホームページや回覧板で町民に注意を呼び掛ける。
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コメント
要は福島県は、情報を住民にも国にも知らせず握りつぶす方を選んだ。SPEEDI情報の時と同じ。
実際の住民避難(原発から30キロ圏)でも、県はもっぱら国に責任を押し付けた。
実際の住民避難(原発から30キロ圏)でも、県はもっぱら国に責任を押し付けた。
ロッソ | 2012.09.27 12:40 | 編集