尿検査をうやむやに?~秘密会の果たした役割を市民が検証
記者会見 2012年10月18日(木)、東京都千代田区の参議院議員会館
動画はこちら↓
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/36231

阪上武代表:
わたくしは「福島老朽原発を考える会」代表をしております阪上と申します。
今日は、「尿検査をうやむやに?~秘密会の果たした役割を市民が検証」ということで、
私たちは尿検査についてはフランスACROという検査機関と協力して、継続的に実施をしております。
そういった中で、昨今福島県の検査結果検討会議の中で秘密会合行われていて、
その、意見のすり合わせみたいなものがですね、というのが行われているというのが明らかになっています。
その中で、私たちが一番最初に福島の10人の子どもたち、
「10人全員からセシウムが検出されて」と言う事で、尿検査を行った結果を公表して、
キッチリと県民の健康管理のためにも
こういった尿検査をしっかりと行政の側でもやるようにと当時要請をしてきたんですけれども、
今回の秘密会の暴露等によって、逆にその県民健康調査の方では、
健康調査という形で尿検査が行われたんですけれども、
「本格的な実施は見送り」というような結論に流れていく。
そんな中でこの秘密会というのがかなりの役割を果たしたんではないかと、
今日はこの秘密会の問題に関して、尿検査がどんな扱いになったか?というのに焦点を当てながら、
一方で私たちが継続して行っている尿検査の結果からどういう事が見えているのか?
その有効性というのを対比させながら、この秘密会の問題を検証していきたいという事で、
設定させていただきました。
中身については
福島老朽原発を考える会の事務局長で放射能測定プロジェクトの青木さんの方からしていただきます。

青木一政氏 事務局長:
福島老朽原発を考える会の青木と申します。よろしくお願いします。
前半は資料を使ってお話をして、
後半はプロジェクターを使って尿検査の状況というのをご説明したいと思います。
すでに皆さんご存じのように、福島県と福島県立医大で行っております県民健康管理調査ですね、
これで公開の検討委員会というのが定期的に開かれているのですが、
実はその前、直前に関係者委員で秘密会なるものが開かれていたと。
さらにその秘密会には進行表というものが配られていて、
事前に関係者の中で調整、あるいは合意というものが行われていたんではないか、
という新聞報道がなされています。
これに対しまして福島県は急遽調査委員会を立ち上げまして、
わずか5日間、しかも休日を2日間間に挟んでいるんですけれども、
その5日間の調査でですね、調査報告書というものを発表しました。
その中で県としては、調整あるいは意見の、委員の抑制や誘導はなかったということを
結論付けているわけです。
ところがですね、
私たちは福島県の調査委員会の報告書そのものをきちんと検証するなかでですね、
逆にいろいろな問題点が浮かび上がってきた。
その事をメインに今日はお話ししたいというふうに思っています。
特に全般にわたる話しというよりは、今阪上の方が話しをしましたようにですね、
私たちがずっと取り組んできました尿検査をめぐっても、
この秘密会、あるいは進行表の中でですね、どういう扱いがなされたのか?という、
非常に典型的な具体例がありますので、
それを中心にお話をしたいというふうに思います。
結論としてその資料に3点書いてありますが、それは読み上げます。
まず、2番目のところですが、
健康管理検討会、検討委員会ですね。
これは秘密会と進行表によって粛々と進められた、という点であります。
で、今日のお話しは福島県による調査報告書。これに基づいております。
それはお手元の資料のURLが書いてございますが、
そこからダウンロードできますので、ぜひご覧になっていただきたいというふうに思います。
「県民健康管理調査検討委員会」の会議運営に係る調査結果について(2012年10月9日)
全2ページ
「県民健康管理調査検討委員会」の会議運営に係る調査報告書(2012年10月9日)
全47ページ
その報告書によれば、そこに書いてありますように
「発言内容の調整を行ったというようなことはないです」とか、
「議論を一定の方向に誘導する意図はない。抑制誘導は確認できなかった」というように書かれていますが、
その調査報告の資料そのものに基づきまして私たちは、この点について反論したいというふうに思います。
まずその1点目ですが、
尿検査による内部被ばく検査についてどう扱われているか
ー画面切れるー
小規模な調査結果を見たうえで、内部被ばく検査の是非を判断したい。
で、「ただし…」というそこ以降は下線が引いてありますが、
これは私が引いたものではなくて、原文でそのように下線がひかれて強調されています。
「ホールボディーカウンターの今後の普及とゲルマニウム半導体のひっ迫状況(牛肉等)を考えると、
尿検査でホールボディー検査を代替をするのは困難ではないか」と
28ページ(↓画像をクリックすると福島県の調査報告書が別窓で開きます)
第3回検討委員会(平成23年7月24日開催)のための秘密会の進行表↓

ま、こういうような記載があります。
これに対してですね、県がまとめた資料で対応している委員会の本番の議事録ですが、
こちらでは、山下座長が
「今後尿検査をする意味があるのか?」という問いかけをしております。
それに対して明石委員が
「ICRPでは1日量の基準があるが」これは尿の事です。
体内のセシウムが一日に対して尿にどのくらい出てくるか?という基準があります。
これは確かでございます。で、一回量についてはない、と。
「今回の尿検査では極めて微量しか検出されなかった」
で、カッコ略。これも県の資料のまんまです。
「たとえば一日5リットルの尿が出る前提で、
つまり相当薄まっているという前提で問題ないという数値が示せるか、検証にもう少し時間を頂きたい」
こういう会話がなされているわけです。
最終的に県の判断は、
「進行表に記載がある内容に関する直接的な発言はなかった」
という事で「問題が無い」という分析になっているんです。
で、それに対する下のところに、私たちの批判を載せました。
ちょっと背景になりますが、
この秘密会が行われる約3週間前、6月30日に私たちの検査で、
福島市内の子ども10人を検査したわけですけれども、
10人全員から、尿からセシウムが出てくるという事で、それを記者会見で発表いたしました。
で、当日の午後には原子力災害対策本部に対して、尿検査を含む内部被ばく調査を行うよう、
要請行動も行っております。
この事は新聞やテレビでもかなり大きく報道されまして、
尿検査による内部被ばくの検査というものが社会的にも大きな争点になっていた訳です。
たねまきJ「尿からセシウム・汚泥が肥料に・簡易型線量計」
小出裕章氏(内容書き出し・資料あり)6/30
「福島市内の6~16歳の男女10人の尿を検査した結果、
全員から微量の放射性物質が検出されたと発表した」
で、問題の進行表ではですね、
こうした状況のもとでわざわざ下線を引いてですね、「尿検査は困難である」と。
しかもですね、その理由は
当時やはりもうひとつの問題として、
汚染された牛肉が発見されたという事で、牛肉の検査というのが大きな問題になっていた訳です。
尿検査が困難な理由として、
牛肉の検査等でゲルマニウム半導体が、測定に必要なゲルマニウム半導体がひっ迫していると。
「だから困難だ」と。
こういう形が進行表に書かれていたというふうになるわけです。
ーーーここで議事録チェック!
県民健康管理調査検討委員会 より。
Σ(♛益♛)!第3回の議事録が見られなくなっています(2012年10月19日現在)
「県民健康管理調査」検討委員会運営に係る調査委員会の指摘を受け修正中

1回から3回までの議事録が修正中で閲覧不可状態。
議事録を修正するってどういう事(。◔‸◔。)??
甲状腺がんの子どもが発見された第8回(平成24年9月11日開催)の議事録はまだ作成されていません。
ーーー
それから2点目の問題点ですが、
明石委員の、この山下座長に対する回答ですが、
これもですね、はなはだ問題を含んでいるというふうに考えます。
まず、「1日5リットルの尿が出る前提で」と書いてありますが、
これはですね、明石氏はお医者さんです。
(明石真言 独立行政法人放射線医学総合研究所理事) 418
で、一般人が考えてもですね、普通の人が5リットルも尿を出すわけがないんですね。
そういう事が堂々とこの場で発言されて記録に残されているということです。
そのあとを見ますと、
「そうとう薄まっている前提で、問題が無いと言える数値が示せるか」というふうに言っている訳です。
ICRPで1日に体内からどれ位のセシウムが尿に出るいあという基準がありますから、
1日の尿の量を多くすればですね、それが割り算になりますので、
尿から出てくるセシウムの量が薄まってしまうわけですね。
この文脈からすると、おそらく明石氏はそういう事を言っていると、
それ以外に取りようがないわけです。
ところが実際に測る尿というのは当然体積がありますから
1リッターあたり何ベクレルという数字ででてくるわけです。
ですから、明石氏のこの文言を取ればですね、
彼は出てきたデータ、尿のセシウム濃度のデータそのものに向き合うのではなくてですね、
ある過程をおいて、しかもそれがそうとう無謀な、
1日の尿の量を多く設定して、数字が薄まるんではないかと、
「そういう事をやるから検討したい」というような事を言っているわけです。
これ自身も非常に大きな問題だというふうに考えます。
さらに問題なのは、こうした発言があったわけですけれども、
第4回目以降にこの尿検査の問題を話合われた形跡が全くありません。
それから事実でも、健康管理調査でこれ以降、尿検査をやったという事はありません。
ですからこうした経過を踏まえれば、
本番の委員会での明石氏の発言も大変問題を含んでおりますが、
事実は秘密会の進行表で、
「牛肉検査でゲルマニウム半導体がひっ迫しているから尿検査は困難だ」と、
この事が委員会の中で合意されて、
その後実態がこうなっているというように捉えるのが最も合理的ではないかというふうに考えられます。
そういう意味で、県の判断である「直接的な言及が無かったから問題はないん」だという事ではなくて、
秘密会に出された進行表に基づいて委員の中で秘密裏に合意がされて、
実態はその通りに進んでいくという事であったというふうに私たちは考えます。
この点を大きく問題として訴えたいと思います。
参考にそこに小さな字で一連の時系列でどのような事が起こったか。というのを書いてございますので、
参考に見ていただければというふうに思います。
その他ですね、いろいろとこの3回目の進行表には問題な部分がありまして、
SPEEDIの問題について、
それから、健康診査の追加項目について、
それから避難区域住民の健康検査について、
それぞれ詳細な説明は略しますが、進行表の記載に基づいて事態は進んでいると。
で、実際の本番での委員会の議論というのは、それにしたがった形で
―動画切れるー
甲状腺がんの患者がひとりみつかりました。
これについての説明も秘密会で行われたと報じられています。
で、その説明についてはプライバシー保護を理解してもらうという説明になっております。
しかし、それも本番の委員会の場で「プライバシーの問題がある」という事で宣言して、
実際の詳細な個人データに関わる部分は発言を伏せる。
書面だけの委員だけが見れるようにするというふうな形で、十分議論が可能な訳です。
プライバシーのために事前に秘密会をやるという必要性は全くありませんし、
そのような論理は成り立たないというように考えます。
それから3番目ですが、福島県はこの調査報告の中で、
秘密会、県は秘密会とは言っていませんけれども、準備会と呼んでいますけれども、
その中の議事録、あるいは録音メモを参考にして分析したというふうに再三述べています。
ところがこの秘密会の議事録、あるいは録音メモからの文字起こしというものは
この調査報告には一切ございません、わたしはこれをですね
ー画面切れるー
2点目としてはこの秘密会も含めた運営は、
健康管理調査を率いている山下俊一氏のリーダーシップのもとに行われています。
だから当然彼にもこの秘密会の責任はあります。
秘密会による運営の責任を取って辞任すべきだというふうに思います。
それから3番目としては、これは福島県民からすでに多くの批判が出ているのですけれども、
この健康管理調査が、住民をモルモットにするそういう性格のものであると。
住民の健康のために予防、あるいは早期発見、早期治療の考え方に立っていないという批判があります。
あらためてその点を強調して、
福島県場抜本的に今の健康の調査の体制を改めるべきだという事を伝えたいというふうに思います。
以上が、今回の秘密会、あるいは進行表に関する我々の批判という事であります。
それで、その次にですね、私たちは1年半尿検査を継続してきました。
その概略を合わせてご紹介しておきたいというふうに思います。
ーーつづくーー
続きはこちら↓
尿検査の実態~継続検査の結果見えるもの~
「福島老朽原発を考える会」会見10/18(内容書き出し)
会見資料
http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/files/2012_1018.pdf
東京新聞こちら特報部が記事にしました↓
<福島県>子の放射能尿検査せず10/25東京新聞こちら特報部(書き出し)
続きを読むに

尿検査の必要性
「被ばくの症状と予防対策」エフゲーニャ・ステパノワ博士OurPlanetTV(内容書き出し)
ウクライナの子どもたちは一年に一回、各専門家の医者のもとで、総合的な健康診断を受ける
小児科 血液科 内分泌科 神経科 咽頭科 眼科 外科 歯医者 血液検査と尿検査 甲状腺超音波検査
「原発から放射能が漏れた場合、現在の技術では放射能を制御することができない。
その中にわれわれ福島県民は住むことになっております」郡山市在住
「子どもの尿検査からセシウムが検出される事例が出ている」というのはご存じでしょうか?
例えば健康診断は30キロ圏の避難区域の住人の方々および
18歳以下の子ども36万人には限定して行っております。
ただ、しかもそこにも尿検査という項目は入ってないんです。
埼玉県三郷市の子どもの尿検査結果にみる「放射線対策の必要性」
市内に住む3~10歳の15人の尿を独自で調査し、5人から放射性セシウムが検出された
県民健康管理調査秘密会議関係
最終的に週明けには否定しましたが・・・↓
県が認めました→福島県民健康管理調査「発言内容誘導の進行表作成して口止めした」
全てはここから↓
県が主導「原発事故とがん発生の因果関係を否定する秘密会議」毎日新聞スクープ記事
毎日新聞記事の詳細
モーニングバード&ワイドスクランブル10/4
福島県民健康調査「秘密会議」時間の経過で新しく出てきた情報(番組内容書き出し)
モーニングバードでは、本会議の内容を傍聴していた一般市民の方の話と菅谷松本市長へのインタビュー。
ワイドスクランブルでは福島県の担当者へのインタビューとその責任者の名前が分かりました。
そして山下俊一氏のこの件に関しての書面が公表されました。
甲状腺検査めぐる不満も… 福島健康調査で「秘密の会合」10/3報道ステーション(内容書き出し)
テレビ朝日で10月3日に最初に報じた報道ステーションの番組内容。
福島県の「秘密会議」と出席した人たちの犯罪性10/3武田邦彦氏(音声書き出し)
<一部抜粋>
この人達は社会的に地位のある人たちで、ま、「立派な人達」とも言っていいでしょうね。
この立派な人達は、医師として、もしくは専門家として
「県民の健康調査をする」というのが県の、県民の税金でなされており、
民主主義であり、
データはデータのままちゃんと公表し、
自分たちの専門としての見解をつければいいというふうに、
「なぜまともに考えられなかったのか?」ということですね。
「小児甲状腺がん事故無関係」危うい即断 チェルノブイリ翌年から増加
医師の菅谷松本市長が警鐘9/27東京新聞
検査を担当する県立医大の鈴木眞一教授は
「チェルノブイリ事故でも、甲状腺がんが見つかったのは最短4年」と説明したが、
同市長は
「事故後、早い時期に甲状腺がんが発症する可能性は否定できない。
現段階では『わからない』としか言えないはずだ」
医師の菅谷昭・長野県松本市長の訴えの記事。
県民健康管理調査の怪しい実態
福島の子どもひとりに”甲状腺がん”「原発事故が原因の可能性は低い」
福島県立医科大学鈴木教授9/11たねまきJ(内容書き出し・参考あり)
これまでにおよそ8万人の結果が判明し、
その結果、ひとりが甲状腺がんと診断されたことが報告された事に対して、
たね蒔きジャーナルの水野さんと千葉さんのコメントと、
この件に関する報道記事。
甲状腺・3人に1人どころじゃない、ほとんど半数の子どもにのう胞や結節
ーこの異常事態をごまかそうとする検討委員会の資料ー
3mm以下ののう胞を“なし”と併せて扱うという、
第8回福島県 「県民健康管理調査」 検討委員会の作為的な資料について検証しました。
「福島の甲状腺検査に問題は」とくダネ!9/11(内容書き出し)
甲状腺検査についての問題点と、
上記記事内にある「シナリオ」どおりに、「チェルノブイリでは4年以降にがんが発生した」と
原発事故との関係を否定した発言をしている
鈴木眞一教授(福島県立医科大学)にインタビューをしています。
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