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10.20
Sat
県民健康管理”秘密会議”での尿検査のやりとり~消えた議事録~
「福島老朽原発を考える会」会見10/18(内容書き出し)

上記会見の後半部分です。
尿検査を継続して続けてきた結果の説明です。
地域性、そして高い数値が出た子どもの追跡結果。
避難した子ども、食べ物に注意している子どもは、尿へのセシウムの量が減るなど、
大切な報告だと思います。



↓動画IWJ※掲載期間終了後は、会員限定となるので動画をご覧になる方はお早めにどうぞ(。◡ .◕)♡
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/36231



青木:
私たちが1年半尿検査を継続してきました。
その概略を合わせてご紹介しておきたいというふうに思います。

私たちの尿検査はフランスの放射能測定のNGOですね、
市民のNGOですけれどもアクロ(ACRO)というところで測定の協力をしていただいております。

去年の5月22日以来ですね、対象としては102名
で、数値の高かった子どもに関しては2回、3回というフォロー検査を行っていますので、
述べで言いますと127回検査を行っております。
これは現在も継続中であります。

この地図がこれまで127回の検査をした地域を表したものです。
黄色く塗られているところが、
私たちが検査をした中で子どもたちの尿からセシウムが出てきた地域を示しております。

尿検査をうやむやに16

ただ、これはもちろん子どもたち全員をやったわけではありませんので
私たちがたまたま測定した対象の子どもたちの中から、
こういう範囲で出てきたというふうに捉えていただきたいと思います。
逆に白い部分ですね、ここも、たまたま私たちが測定した範囲の中では出なかった。
という事になってですね、全く無いという事ではありません。
大体こういう範囲で出ているという形で捉えていただきたいと思います。

失礼しました。こちらが最新ですね。

尿検査をうやむやに17

少しづつ増えておりますので、こちらが最新の形になります。


で、このグラフはですね横軸が事故が発生してからの経過日数です。
縦軸は尿中のセシウムの濃度を示しています。ベクレル/Lという単位になります。

尿検査をうやむやに18

検査を行った日、タイミングでどのくらいのセシウムが尿から出ているかというのを示しております。
ですから、対象者はすべて違う人であります。
それから地域も別々の地域ですので、同じパターンで見ているというのではなくてですね、
ある期間を追って、いろんな人を測るとこういうパターンで出てきたというかたちです。
これで注目していただきたいのは、一番左側の青い点ですけれども、
この部分、これが福島市内の子供たち10人を測ったわけですけれども、
10人全員から検出されたというのがこの点です。

それに対して時期を追うとですね、下がっていくどころか、こんな高い値も出るという事で、
この最初の子供たちに比べると同等以上の値が1年近くたっても出てきているという事です。
ですからこれは日常の食品から、あるいは土埃から身体に追加的に取り込んでいるという、
子どもたちの身体にだんだん蓄積していっているという事が考えられると思っています。

尿検査をうやむやに19

これはですね、最初の10人を2ヶ月後にもう一度測ったグラフです。
そうしたところ10人中9人についてはこのように下がったんですけれども、
一人、福島市内に在住していた子どもですが、その1人は上昇しています。

結果としてはこの9人はですね、2回目の測定をした時には、
全てすでに福島から避難して県外に出ていたという状況です。

ですから、この事からいえるのは、
福島の生活の中で、うっかりすると食品や呼吸から取り込んでしまって
セシウムが増加してしまうという事を表しています。

で、このような事がありましたので、私たちはずっと継続しております。


逆にですね、大変高い値が出た子どもなんですけれども、

尿検査をうやむやに20

これは、岩手県一関在住の4歳の女の子です。
私たちが測定した中では一番高い値を示していたのですけれども、
ちなみにここのお子さんの家は農家でして、
家で栽培したシイタケを測ったところですね、
干しシイタケですが1kgあたり1800ベクレルという値が出ました。
お母さんは大変パニックになったわけですけれども
気を取り直してですね、農家ですけれども
子供に食べさせる野菜は西日本から、あるいは北海道から取り寄せるというような努力をされました。
その結果ですね、非常に見事に下がっている。

この青い点はシュミレーションで4歳の子どもがどのくらい体内から排出されるか?
というのを間作した値です。
ぞれにちょうどぴったりと乗っかっているので、追加での取り込みが無いという状況を示しております。


で、これはですね、ちょっと気になる事例であります。

尿検査をうやむやに21

福島市内の高校生。
運動部の子供です。

1回目2回目でですね、ちょっと下がってきて、
下がってきてはいたんです。
が、下がるスピードが遅いという事で気になっておりました。
そういう事がありましたので、3回目4回目を測って、
ちょっとやはり、ずっとそういう傾向が続くという事で、
5回目を測ったらなんと上昇してしまったということですね、
こういう問題があります。

このお子さん、高校生については継続して調査をしております。
食べ物だけではなくてですね、ホコリからの取り込み、
あるいはなんか、うっかりして高い汚染の食べ物を取りこんでいる可能性もありますので、
その辺を家族の方にも告知をして今調査を継続しているところです。



ちょっとプロジェムターが間違っておりますので後ほど質疑のところでもお話ししたいと思いますが、
実はですね、今回こういう事を説明するにあたって、
最近ホールボディーカウンターをいろいろな自治体で導入して測定を始めていますけれども、
ホールボディーカウンターと尿検査の精度の問題を検証してみました。

そうしたところですね、結論から言いますと、
ホールボディーカウンターに対して大人ですと大体4倍ぐらい尿検査の方が精度よく測れる
それから子どもになりますと、これは尿の排泄率の違いなんですけれども、
約10倍ぐらい尿検査の方が精度よく測れるという事が、わかりました。

尿検査をうやむやに22
尿検査をうやむやに23

これは、放医研、放射線医学総合研究所という、国の放射線医学に関する総元締めですけれども、
そこでモンダール3(MONDAL3)というシュミレーションソフトが公開されています。
それを使いますと体内のセシウム量と尿への排出率の関係、それがシュミレーション出来ます。
それで、詳細は後でちょっと、別のパワーポイントにありますので、お見せできますが、
先ほど言ったように
成人で4倍ぐらい、それから子どもですと10倍ぐらい尿検査の方が
精度良く検出できるという事が分かってまいりましました。

逆に言うと、ホールボディーカウンターの場合は250ベクレル/ボディ です。
大体セシウム134にしても137にしてもね、
ですから、それ以下は不検出という事で測れない訳です。

ところがそれはゼロではありませんので、
使い方によってはホールボディーカウンターというのは、
実際には内部被ばくしているのも関わらず、
被ばくしていないという証明に使われてしまう可能性もあります
ので、
この点も含めて改めて注意を喚起したいというふうにも思います。

一応私の方の説明は終わります。

11:16(動画No3)

福島老朽原発を考える会(フクロウの会)のサイト
【記者会見報告】尿検査をうやむやに?~秘密会の果たした役割を市民が検証


福島老朽原発を考える会 (フクロウの会)

資料 http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/files/2012_1019.pdf


東京新聞こちら特報部が記事にしました
<福島県>子の放射能尿検査せず10/25東京新聞こちら特報部(書き出し)


続きを読むに質疑応答途中まで書き出し

ーー質疑応答ーー
3-11:24

ホールボディーカウンターの精度

Q:
ホールボディーカウンターよりも精度がいいという事なんですけれども、
ホールボディーカウンターは尿検査に比べて精度が悪いという事なんでしょうか?
それとも長所と短所はどちらにもあると思うんですけれども、
その点についてちょっとお願いします。


青木:
ホールボディーカウンターはご承知のように
部屋に椅子なりベッドなり、それから人が立って測るものもありますけれども。
そこで身体から出てくるものを大きな半導体で測定するという形になります。

で、鉛の分厚い部屋に置けば遮蔽されますけれども、
なかなかそういう設備のところはないですし、
それから、精度をあげるためには長時間測定することがいいのですが、
人間ですから、大体どこでも10分ぐらいです。
3分ぐらいのところもあります。
子どもなんかだと、まぁ3分もやっとというところもありますけれども、
そういう制約から非常に精度が低いというのが実態です。

それに比べますと尿は、尿を取りさえすればですね、
それを鉛シールド、
10cmの鉛の中のゲルマニウム半導体で測定するという事で、非常に精度よく測れる
それから、ずっと物を測定し続ければいいので24時間、ACROの場合は24時間測っています。
だから24時間はかることができる。

それから尿を、私たちは500ccでとっていますが、
1リッターとか2リッターにすればさらに精度が上がります。
そういう事から制度にすると非常にいいという事です。

逆に尿検査の問題点は、
測っているのはあくまでも尿のセシウムですので、
それを体内の量に置き換える時に、どうしても仮定なりデータベースによってしまうんで、
そのものが測れるわけではないという事です。
そういうためにデータベースでシュミレーション出来るようなソフトが開発されているという事です。

ーー


Q:
1.山下俊一氏の責任を取って辞任するという事ですけれども、
 県の責任者として福島県知事あるいは県の責任者の責任を問う事はあるんでしょうか?

2.このシュミレーションは放医研のものを使っているということですが、
 第3機関とか海外のシュミレーションはあるんでしょうか?ないんでしょうか?
 もしあるとすれば使う意思はあるんでしょうかないんでしょうか?16:24


青木:
後半のお話をします。
シュミレーションソフトを使う目的は、
体内の放射能量が、仮に去年の3月15日にいっぺんに吸い込んだ時に、
ちょうど今580日後なんですけれど、
580日後の現在、尿にどのくらいの比率で出てくるか?
という事をシュミレーションするものです。

それを使って検証したということです。

ホールボディカウンターにしても尿検査にしても、
その検出精度というのは機械の精度ですから、これはシュミレーションと関係ない話で、
というと大体0.2ベクレル/リットルから、0.3ベクレル/リットルの検出精度があります。
それからホールボディカウンターについては大体250ベクレル/ボディの精度があります。
シュミレーションの関係と機械の精度はそういう関係です。

それから海外にですね、モンダール3(MONDAL3)と同様のシュミレーションソフトがあるかどうかは、
ちょっと私は知りません。

とりあえず、最も日本の権威あるところのシュミレーションソフトで、
しかもそのデータベースがICRPのカウントに基づいていますので、
一応それのデータそのものはですね、使えるものであるのではないかと思っております。


阪上:
1点目についてはご指摘のように今回の秘密会というのは、
経営(?)については及び県の主導で行われたという事で、
その責任というのは当然問題になってくると思います。
ただ今のところ、県民健康調査というのは山下俊一さんが主導して全体が行われているという事もあって、
まず、第一の責任者としての、山下俊一さんに対して辞任を求めるという事を強調しているというところです。


ーー










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