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<1.望まない被ばく>「今後何十年と極めて重い心の重荷を背負う事になる」田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)

11月2日に自由報道協会の主催で行われた田坂広志の会見を拝見しました。
以下は質疑応答の一部分です。
被ばくしたことによる国民のさまざまな苦悩に対し、
先生はご自身の経験を踏まえてお話しして下さいました。
その内容は私自身とても同感するものでした。
その部分を書き出します。

2012年11月2日 自由報道協会主催
田坂広志氏 質疑応答より(音声)



質問:
放射能の人間に対する影響という問題なんですが、
今現在、肉体的・精神的両面にわたって、
様々な苦悩、苦痛というものがあるという事が伝わってきています。

低線量被ばくとか、内部被ばく被害、
そういうものが公には認められていない現状がありまして、
避難勧奨地域というような形で、
線量が高いという事も認められない状態のまま汚染地域にいる福島の人達、
それから福島以外の東京にもそのような場所がありますが、
そういう人たちの苦悩、それを救う道というのはあるんでしょうか?
その辺をお聞きしたいです。


田坂広志:
これも本当に深く大切なご質問だと思うんですね。
で、あの、これほど多くの方がいろいろな検討をされて、
なかなかに、あの…
福島の方々を始めですね、被害を受けられた方々の苦しみというものがなくならない訳ですから、
何かうまい妙案があるという事は当然申し上げられない訳です。

ただ、一つ私は、政府と行政がしっかりと理解すべきことがあると思っています。

つまりその苦悩というものが存在し、それがどういうものなのか?という認識が、
私は残念ながら「甘い」と思います。

というのはですね、
この福島で放射性物質が環境中に広まって、量のレベルは、高は別としても、
被ばくをされた方々の被害とは一体何なのか?」という事がですね、
極めて狭い範囲でしか議論されていないんですね。

それは何なのか?と言うと、
基本的には健康的被害というレベルでしか議論されない訳です。

健康的被害というのは、分かりやすく言えば、
「これ位、なんミリシ-ベルト浴びたから、これ位浴びると将来どの位癌になる可能性があるか」とかですね、
もしくは「基準から見て十分に低い」とか、
基準から見て「無視していいレベル」だとかといういろんな議論があるわけです。

この議論の基本はどこまでも
「健康被害は起こりませんよ」とか、
「いや起こるんじゃないか」というところで議論している訳です。

ところがですね、
実は福島の方々の受けている被害というのは、
もちろんこの後健康被害が出るかでないか、これはもう本当に、
このあと我々は本当に祈るような思いで見守ることになるわけですけが、

実は健康被害だけではないんです。

心理的被害があるという事を私はずっと申し上げているんです。

それはどういう事か?と言うとですね、
基準値より下であろうがなんであろうが、
自分の意図せざる、そして全く、受け入れるつもりなど全くない被ばくを受けた方にとってですね、
それから後の何十年というのは、極めて重い心の重荷を背負う事になるんです。


この意味が分かる方が、残念ながら行政の方に少ないような気がします。
政治家の方にも少ないような気がします。

むしろ、
「今基準以下なんだからそんなに騒がない方がいい」
「これ位の基準では発がんは起こらないよ」と、
「さぁ、大丈夫なんだ」って、
「あんまりそういう事を言うもんじゃない」という、
こういう議論があります。

一面の一つの考えではあるんですけれども、
私のささやかな経験をあえて申し上げます。

私は若いころ、自分自身が意図して、つまり自分が求めて原子力の研究に携わった人間です。
そして私は研究者の時代はずーっと放射性物質を扱っています。
ただし、
放射線管理の手帳も持ち、
毎日きちっと線量を測りですね、
そして管理区域と呼ばれるしっかりと管理されたところで、
性質もよく分かった放射性物質を扱って、何がしかの被ばくをしています。

これも国内法の基準とICRPの基準から見ても十分に無視できるほどの、
無視とは言いませんけれども、許容できるレベルの被ばくです。

そして私はその分野の専門家です。
放射線健康管理学を、つまり放射線管理をやるのを専門にした人間ですから。

その専門家の立場で、私は若い頃に被曝をして、
実はそれから10数年たって、放射線被ばくが原因となっても起こり得る病気
大体お分かりになると思いますが、…に罹ったんですね。

その瞬間に私はやっぱり…ものすごい辛い…心の、その、苦しみの経験があるんです。

私は誰よりも、そういう被ばくがどれ位人体に影響を与えるかについては良く、
一番よく分かっている人間です。

そしてその理性の方は、
「これ位の被ばくで、そんな病気になる筈はない」という事も分かるし、
「それが起こるとしても確率は非常に低い」と思うんです。

でも現実に病気になった瞬間には、やっぱり人間というのは
「あれが原因じゃないか」と思って苦しむんです。


しかし私の場合は自分で、その…分かって被ばくした人間です。
しかも管理区域で、放射線現場で線量までしっかり確認した人間ですよね。

福島の方は、全く管理などされていない、突然放出された量も分からない放射性物質で、
自分で意図せず、好むことを全く、好んでやったわけではないんです。
むしろ逃げようと思って被ばくしてしまっているわけです。


どれ位被ばくしたかの記録も残ってない。
ただ被曝したという事だけが非常に明瞭に出てくる。

それをいっくら基準値から見て、
「これ位ですから大丈夫です」と言われてもですね、
もちろんそれはしっかりと示して差し上げるべきだと思いますよ。
きちっと分かっている情報は伝えて差し上げるべきだし、
それが医学的に見てどれ位のリスクかは、それも正確に伝えて差し上げるべきですが、
間違っても、
「あなた基準値がこれ位だから発がんの確率は非常に低いですから心配しなくてもいい」と言って
済ませられる話では、本当は無いんです。



どうしてか?と言えば、
我々ここにいらっしゃる方も含めて、
これから数10年間の間に3人に1人は、あの…癌になられる訳ですね。
あの…癌で亡くなられる訳です。
そうするとですね、皆さん考えてみて下さい。

今、無用の被ばくをされて、そして
「基準値以下ですよ」と言われたとしてもですね、
何十年か先に癌になった時に、人間は必ずその事で苦しみます。

もちろんみなさんレントゲンも受けていらっしゃいますから
被ばくで言えばそっちの方が多いかもしれませんが、
人間の心理というのは、
自分で受け入れたリスクについては比較的心が許容してしまうんです。
でむしろ、
仮に私が突然皆さんにある状態で被爆をね、するような状況にしてしまった時に、
「俺はこんな被ばくはしたくなかった」という思いがあるときは、一番辛いです。

やはり人間ってそういうものですよね。
自分で受け入れたリスクの結果出てきたものというのは
比較的人生の中で心が受け入れることができるんですが、

受け入れたくなかったものが自分にリスクをもたらしたのではないか?
健康被害になったのではないか?と思う時の苦しさというものがあります。

もちろんこの事を申し上げたからと言って、解決策を申し上げている訳ではないんです。
ただですね、私はやはり、
「福島の方々の、まさにこの苦しみという事に対してどう思うか?」という質問を頂いたとすればですね、
まずその、心の苦しみ、
心理的な被害というものを深く受け止めるというところから行政はスタートするべきだ
と思います。

これは、今のご質問に対する一番大切な私のお答えです。





ーー会見全てーー

会見本編↓
<会見・本題>「脱原発は選択の問題ではなく、不可避の現実である」
田坂広志氏11/2自由報道協会会見(内容書き出し)


質疑応答↓

<1.望まない被ばく>「今後何十年と極めて重い心の重荷を背負う事になる」
田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)


<2.放射性廃棄物>「国民の意識の成熟が問われる問題」
田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)


<3.立地自治体>「地元の経済的自立を図るための政府の支援」
田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)


<4.原子力の技術と輸出>「原発ゼロ社会にすると原子力技術者がいなくなる?」
田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)


<5.核武装>「『プルトニウムを減らすために大間を稼働しなければいけない』は詭弁」
田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)


<6.原子力規制委員>「何を言うよりも大切なことがある。誰が言うかだ」
田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)




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コメント

非公開コメント

深い話です。

田坂さんの、経験者としての重たく熱いお言葉。

福島の子供たちを思い浮かべ涙しました。

山下俊一は熱心なクリスチャンとの事ですが、
原発賛成、放射能汚染ガレキ拡散賛成(強硬主張)と金儲け第一の○○学会といい、
宗教家の目指すものはなんなのか?

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No title

こんにちは。

もしも既にご存知でありましたならば別にコメント欄にアップすることはありません。

少し前にNHKで放映され視聴してDVDに保存していましたがネット検索でここで動画を流していました。

视频: NHKスペシャル「黒い雨~活(い)かされなかった被爆者調査~」
http://v.youku.com/v_show/id_XNDQwNDI3MTA4.html

100ミリシーベルトにこだわっている原発=核発電関係の科学なんか科学のお面を被っている権力利権にしか過ぎないと考えていましたがこれを視聴すると米国ペンタゴン発の化けの皮が暴露された内容だと意を強くしました。

それは同時に「怖い」「迷惑」「酷い」「被害者意識」だけでは対抗できない問題だと言うことでもあります。

では。
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