11月2日に自由報道協会主催
以下は質疑応答の一部分です。
(音声のみ)
質問:
赤旗日曜版記者の三浦と申します。
使用済み核燃料の問題がもう解決できないという事であると、
六ヶ所の再処理工場はですね、当然すぐに注視するべきだという結論になるかと思うんですが、
そこら辺はいかがお考えでしょうか?
田坂広志:
これも重要な今回の政策論の中で話題になった事ですね、
まず、原発ゼロ社会がやってくる。
したがって、原発ゼロに向かって、
どう、社会に対するインパクトを最小にしながらそれを受け入れていくか?という話ですから、
元より再処理工場は核燃料サイクルそのものも必要ない。
従って再処理工場は止めるべきだというのはご指摘の通りだと思います。
で、あえて二つの事を申し上げたいと思います。
これが結局そうは言ってもしばらく再処理工場の存続を認めるような形になっていく理由は、
分かりやすく言えば、青森県の地元の方々、行政の方々が中心ですが、
やはりそこのお考えが強くあると思うんですね。
分かりやすく言えば、
「核燃料サイクルを止めるんであれば、
青森県が貯蔵している六ヶ所村の使用済み燃料を全部持って帰ってくれ」と。
これは決して異常なことはおっしゃっていないと思うんですね。
もともと、
「再処理をして核燃料サイクルをやりますから、ここは最終処分場にするわけではありません」と、
「ただただ貯蔵するための場所でもありません」
「再処理をするためのまさに保管施設としてお願いしています」という事は歴然たる事実ですから、
この青森県の方がおっしゃるこの考え方はもちろん間違っていない訳です。
ただですね、
現実にこの使用済み燃料を全てのサイトに戻すか?
今、全ての原発の使用済み燃料の貯蔵プールの満杯率が平均7割ぐらいまで来ていますね。
もうこのまま全部再稼働に向かったら、実は後6年位で満杯になると言われているわけです。
ですからこの状況の中で青森県がそういう事をおっしゃった状況でですね、
おそらく政府としては非常に苦渋の決断をせざるを得なかったと思うんですね。
で、あえてもうひとつ申し上げれば、その青森県のお立場というのは、
これは結構重要な問題なので、率直に申し上げますが、
ここまで原発立地自治体、もしくは原子力施設立地自治体というのは、
電源三法交付金というものがかなり潤沢に落ちているわけです。
もちろんリスクと引き換えに受けたという面がありますから、
それはそれで一つの政策判断だったんですが、
その施設がなくなるという事は、その地元の利益の観点から見て、
やはり受け入れがたいという心理が今世の中にずーっとあるわけですね。
それを象徴するのが、たとえば大飯の再稼働の時に、
おおいの町と隣の小浜市で調査をやると、再稼動賛成反対でやると、ご存じのように、
おおい町は8割が賛成2割が反対。
すぐ隣の小浜市になると、ほとんど距離も変わらないんですが、これは2割が賛成8割が反対dえすね。
これに象徴されるように地元への電源三法交付金というものが存在して、
これにやっぱり依存して経済が成り立っている地域ですから、
ここで施設を止めることはいかにも耐えがたい。
この心理というものを我々は行政の観点から、私はしっかりと把握、理解するべきだと思います。
従って私が政府に提言したのは、
「脱原発交付金」に切り替えるべきだと。
つまり地元から突然経済的ななにかをですね、支援を取り払ってしまうというのは、
少しやはり極端な行政になってしまいます。
従って、原発、原子力施設を推進することによって地元が恩恵を受けるという形は持たれませんが、
脱原発に向かっての何年間かの期間限定で、地元への交付金は差し上げます。
従ってその交付金を使って、地元の経済的自立を可及的速やかに図って下さい。
そのための支援は政府として全面的にしますという政策論と抱き合わせでないと、
核燃料サイクル辞めました。
再処理工場やりません。
この地域ストップします。
従って交付金は落ちません。という事では、当然地元は非常に強い抵抗を示してくる。
その抵抗の仕方は今申し上げたように、論理としては非常にすっきりとしている論理ですね。
ですからそこの裏の舞台まで考えるとですね、少し深い政策論が求められるかと思います。
ーー会見全てーー
会見本編↓
<会見・本題>「脱原発は選択の問題ではなく、不可避の現実である」
田坂広志氏11/2自由報道協会会見(内容書き出し)
質疑応答↓
<1.望まない被ばく>「今後何十年と極めて重い心の重荷を背負う事になる」
田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)
<2.放射性廃棄物>「国民の意識の成熟が問われる問題」
田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)
<3.立地自治体>「地元の経済的自立を図るための政府の支援」
田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)
<4.原子力の技術と輸出>「原発ゼロ社会にすると原子力技術者がいなくなる?」
田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)
<5.核武装>「『プルトニウムを減らすために大間を稼働しなければいけない』は詭弁」
田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)
<6.原子力規制委員>「何を言うよりも大切なことがある。誰が言うかだ」
田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)
以下は質疑応答の一部分です。
(音声のみ)
質問:
赤旗日曜版記者の三浦と申します。
使用済み核燃料の問題がもう解決できないという事であると、
六ヶ所の再処理工場はですね、当然すぐに注視するべきだという結論になるかと思うんですが、
そこら辺はいかがお考えでしょうか?
田坂広志:
これも重要な今回の政策論の中で話題になった事ですね、
まず、原発ゼロ社会がやってくる。
したがって、原発ゼロに向かって、
どう、社会に対するインパクトを最小にしながらそれを受け入れていくか?という話ですから、
元より再処理工場は核燃料サイクルそのものも必要ない。
従って再処理工場は止めるべきだというのはご指摘の通りだと思います。
で、あえて二つの事を申し上げたいと思います。
これが結局そうは言ってもしばらく再処理工場の存続を認めるような形になっていく理由は、
分かりやすく言えば、青森県の地元の方々、行政の方々が中心ですが、
やはりそこのお考えが強くあると思うんですね。
分かりやすく言えば、
「核燃料サイクルを止めるんであれば、
青森県が貯蔵している六ヶ所村の使用済み燃料を全部持って帰ってくれ」と。
これは決して異常なことはおっしゃっていないと思うんですね。
もともと、
「再処理をして核燃料サイクルをやりますから、ここは最終処分場にするわけではありません」と、
「ただただ貯蔵するための場所でもありません」
「再処理をするためのまさに保管施設としてお願いしています」という事は歴然たる事実ですから、
この青森県の方がおっしゃるこの考え方はもちろん間違っていない訳です。
ただですね、
現実にこの使用済み燃料を全てのサイトに戻すか?
今、全ての原発の使用済み燃料の貯蔵プールの満杯率が平均7割ぐらいまで来ていますね。
もうこのまま全部再稼働に向かったら、実は後6年位で満杯になると言われているわけです。
ですからこの状況の中で青森県がそういう事をおっしゃった状況でですね、
おそらく政府としては非常に苦渋の決断をせざるを得なかったと思うんですね。
で、あえてもうひとつ申し上げれば、その青森県のお立場というのは、
これは結構重要な問題なので、率直に申し上げますが、
ここまで原発立地自治体、もしくは原子力施設立地自治体というのは、
電源三法交付金というものがかなり潤沢に落ちているわけです。
もちろんリスクと引き換えに受けたという面がありますから、
それはそれで一つの政策判断だったんですが、
その施設がなくなるという事は、その地元の利益の観点から見て、
やはり受け入れがたいという心理が今世の中にずーっとあるわけですね。
それを象徴するのが、たとえば大飯の再稼働の時に、
おおいの町と隣の小浜市で調査をやると、再稼動賛成反対でやると、ご存じのように、
おおい町は8割が賛成2割が反対。
すぐ隣の小浜市になると、ほとんど距離も変わらないんですが、これは2割が賛成8割が反対dえすね。
これに象徴されるように地元への電源三法交付金というものが存在して、
これにやっぱり依存して経済が成り立っている地域ですから、
ここで施設を止めることはいかにも耐えがたい。
この心理というものを我々は行政の観点から、私はしっかりと把握、理解するべきだと思います。
従って私が政府に提言したのは、
「脱原発交付金」に切り替えるべきだと。
つまり地元から突然経済的ななにかをですね、支援を取り払ってしまうというのは、
少しやはり極端な行政になってしまいます。
従って、原発、原子力施設を推進することによって地元が恩恵を受けるという形は持たれませんが、
脱原発に向かっての何年間かの期間限定で、地元への交付金は差し上げます。
従ってその交付金を使って、地元の経済的自立を可及的速やかに図って下さい。
そのための支援は政府として全面的にしますという政策論と抱き合わせでないと、
核燃料サイクル辞めました。
再処理工場やりません。
この地域ストップします。
従って交付金は落ちません。という事では、当然地元は非常に強い抵抗を示してくる。
その抵抗の仕方は今申し上げたように、論理としては非常にすっきりとしている論理ですね。
ですからそこの裏の舞台まで考えるとですね、少し深い政策論が求められるかと思います。
ーー会見全てーー
会見本編↓
<会見・本題>「脱原発は選択の問題ではなく、不可避の現実である」
田坂広志氏11/2自由報道協会会見(内容書き出し)
質疑応答↓
<1.望まない被ばく>「今後何十年と極めて重い心の重荷を背負う事になる」
田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)
<2.放射性廃棄物>「国民の意識の成熟が問われる問題」
田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)
<3.立地自治体>「地元の経済的自立を図るための政府の支援」
田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)
<4.原子力の技術と輸出>「原発ゼロ社会にすると原子力技術者がいなくなる?」
田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)
<5.核武装>「『プルトニウムを減らすために大間を稼働しなければいけない』は詭弁」
田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)
<6.原子力規制委員>「何を言うよりも大切なことがある。誰が言うかだ」
田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)
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- <2.放射性廃棄物>「国民の意識の成熟が問われる問題」 田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)
- <会見・本題>「脱原発は選択の問題ではなく、不可避の現実である」田坂広志氏11/2自由報道協会会見(内容書き出し)
- <1.望まない被ばく>「今後何十年と極めて重い心の重荷を背負う事になる」田坂広志氏11/2自由報道協会記者会見(内容書き出し)
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