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<質疑応答>「政府とは『どっちの研究が正しいとか正しくないとか』ということではなく、常に用心深い方の立場に立つものである」国連人権理事会特別報告者 アナンド・グローバー 氏11/26(内容書き出し)


2012年11月26日 13:00〜 14:00
国連人権理事会特別報告者 アナンド・グローバー



<質疑応答>

38:40
Q地球の子ども新聞:
1.
汚染地域の調査を広域にすべきというご指摘ですが、
実際に汚染地域の定義というものを法的にどうあるべきと考えているのか?
チェルノブイリ法では年間1ミリシーベルトを汚染地として定めるとありますが、
実質的には年間0.5ミリシーベルトから、
放射能及び放射線の管理測定をしているというふうに記されております。

2.
福島の被災者の人達が、健康の身体に関して非常に憂慮していることについて、
よく言われる意見として「これは人体実験ではないか」というふうな意見が出されています。
今回のお話しの中で、自分の健康に関する情報が自分でみることができない手続きが指摘されました。
この問題に対する改善指摘のされましたけれども、
インフォームド・コンセントという、ある意味でニュルンベルグ原則のなかにある、
戦争犯罪として極めて非人道的だという事が
インフォームド・コンセントの概念にありますけれども、
実際にこのような、診断書を本人に開示しないという事は
インフォームド・コンセントという概念から見ると、どのように考えられるのか?
特に人権という観点においてニュルンブルグ原則兼ね合いについてお尋ね申し上げます。

3・
さまざまな除染活動等々を含めて、
住民の、具体的な被害者の参加プロセスがきわめて重要だとおっしゃられましたが、のなかで
特に避難の項目について、
年間20ミリシーベルトという極めて高い線量の限度のなかで帰還させられるという被災者の人々が、
それに対して20ミリシーベルト未満で避難解除指示が出されるにと言うことについて、
極めて憂慮しています。
避難基準ということについても、やはり住民の参加プロセスが必要であるかどうか?


アナンド・グローバー:
ありがとうございます。
大変重要なことばかりを質問としていただきまして、感謝をいたします。
1.
私の話しの中でも申し上げましたように健康調査というのは広く行うべきだというのは、
これは申しております。
どこでその意見を知ったか?というのは今定かには覚えておりませんけれども、
とにかく現在行われている健康調査というものは幅が狭いものであるという意見が表明されております。
それからまた
今までになされております健康調査のいくつかを取り込んでいないというような懸念もいたしまして、
これからの健康調査というものはもうちょっと幅広くするべきであるというふうに私は申しました。
で、私が政府の方々とお話をした印象なんですけれども、
政府の方々も同じような印象をお持ちのような気がいたしました。
ですからこれから健康調査の対象は広くしていこうというふうにお考えなのではないかと、
私は推測をしております。

2.
健康調査という事と、人体実験という事に関するご質問ですけれども、
ちょっと、何をお聞きになりたいのか?私はちょっとよく分からなかったのですけれども、
インフォームド・コンセントという事に関してもお聞きになりましたのでそれに関して申しますと、
インフォームド・コンセントというのはどういう概念か?と言いますと、
何らかのテストが行われる前、あるいは何らかの治療措置が施される前に
同意をしなければいけないというのがインフォームド・コンセントの意味であります。

で、今回の福島の方々は、調査されるという事に関しましては、
なんら苦情を申し立てるとか不満を持っているという事ではなかったと思います。
逆に言いますと、健康調査に参加するという事を拒否しているという事ではなかったと思います。

そうではなくて、彼らが問題視していたのは、
そのような健康調査に参加したことによって発生した情報を
自分たちが入手する術がないという事だったのです。


テストをしたという事によって出てきたドキュメントが、
自分達にとって見ることができない、あるいは自分たちが入手可能になっていないという事なのです。
やはりインフォームド・コンセントという概念ではなくて、
このような資料に彼らがアクセスを持つ権利を持っているというふうに考えるべきだと思っております。

住民のみなさんというのは、たとえばセカンドオピニオンを求めるとか、
あるいは、二次調査と言いますか、
もう一度調査をしてもらうという事などにつきましても権利を持っている、
資料にたいする権利を持っているという事だと思っています。



3.
避難区域の指定解除等に対して住民がどのように参加する場気か?というようなご質問でありましたけれど、
それは私がどう思うからという事ではなくて、
健康に対する権利という、そういった枠組みの概念から申しましても、
「住民というのは自分たちに関わってくるようなあらゆる意思決定には参加をしなければならない」
というふうに謳われております。

また、あらゆる計画の実施、モニタリング、
そういったことに関する意思決定にも参加しなければならないという事です。
ですから住民が参加するという事によって、いろいろと良いアイデアがもらえるなという事だけではなくて、
実際の実行や、それからモニタリングにも住民が参加することが重要であるという事なのです。

ですから日本国政府が意思決定をするという事に関して、
「この路線で行く」という事になったならば、
あなたや私が表明したような懸念という事には相当十分な対応がされるという事になるだろうと思います。

ですからその避難区域の指定解除という事に住民が参加するという事も、
その事だけではなく、全ての意思決定に住民は参加するべきであると考えます。

私は今の時点におきましては、
日本というのは本当にいろんな問題があるだろうと思いますけれども、
日本の国民は全てまとまって、一つにまとまって、
まるで戦争のようなこの問題に対して闘っていかなければならず、
この闘いの中のあらゆるプロセスにおいて、専門家だけではなく、
政府は専門家だけに決定させようとしているかもしれませんけれども、
専門家だけでやるというのはベストなやり方だとは思えません。


健康に対する権利という枠組みからしても、
全ての国民が参加をしていく事が必要であろうと思っております。




54:43
Q朝日新聞:
来年の6月に報告書がまとめられるという事なんですが、
現在の中間地点での報告書を政府の方に渡すとか、日本政府に要請するといったことはあるんでしょうか?
現時点での日本政府への助言ですとか要請についてはどのように政府にお伝えになるんでしょうか?


Q毎日新聞:

健康調査の実施主体というのが、今は福島県が主体になっています。
これの実施主体に助言する検討委員会というものがあって、
これは県が専門家を選んで作っているんですが、
そこで弊社が、毎日新聞が報道したんですが、
秘密会、シークレット・ミーティングがずっと開かれていたという事が問題になりました。
23%という低い回答率の問題もあるんですが、非常に信頼感、
この県の調査に対して信頼感があるとお感じになったのかどうか?
それで信頼感がないとしたら、どういうところに問題があると感じられたのか?
あと、内部被ばくを無視しているんじゃないかということを懸念されておられるのは、
やっぱり過小評価、この専門家たちが
健康調査をみんなが専門家たちが過小評価をされているという事を懸念されておられるのか?
この調査を助言する専門家たちの選定が全く秘密裏に行われているんですが、
これに対してどのように感じられるか?

通訳:
最初の質問は
チェルノブイリに比べて帰還可能ならしめるような限界値というのが高すぎるのではないか?
という質問でした。



アナンド・グローバー:

大変沢山の議論を呼ぶような質問を頂きましてありがとうございました。
で、私どものリポートのプロセスというものは大変単純なものでありまして、
今回を対話の始まりというふうに位置付けております。
これから私たちは政府に対しまして、今回のプレスステートメントのドラフトの、
午前中には政府の方ともお会いしましたので、それを見ていただいたりもいたしました。
そして政府も私どもが申し上げた事については
政府もいくつかの点につきましては取り組んでおられるという事で、私も非常に嬉しく思っております。
特に、コミュニティーをもう少しかかわらせなければダメだという所につきましては、
ご同意いただいているような向きもあるようで、これは私は歓迎したいと思います。

で、レポートはこれからドラフトの形で出しまして、政府に送ります。
政府からコメントを頂くようにいたします。
そして、政府からコメントを頂いたうえで、
それでは最終報告をどういうふうにするかという事を私が決めまして、
3月に人権理事会にそれを提出いたします。
そこから極めて厳しい編集、それからチェックの作業にはいります。
報告書というのは正確を期さなければいけませんので、
厳しい編集の手を経まして6月の会合に提出されるという事になりますが、
その場におきましても
政府が、自分たちがそれに対して何か物を言うという権利は当選の事ながら保有しております。
そういうプロセスをたどります。

それから2つ目の朝日新聞(毎日?)の方の質問ですけれども、
非常にデータというか数値には開きがあるという事につきましてのご質問でしたけれども、
3番目の質問にも関わるような非常に基本的なことがその質問の中には含まれていたと思います。
さて、その実際のプロセスが秘密裏に行われたかどうかという事につきましては、
私はコメントする立場にありませんけれども、
私が政府に申し上げた点があります。
それは、「専門家だけではなくて地域社会の人達も関わって全てをやらなければダメですよ」ということを
私は申し上げました。
専門家だけでやろうという事をどうしても政府はしがちでありますけれども、
それは意図してそういうことをやっているという事ではないと思います。
政府のやることは何でも専門家ベースでやるという事は、他の国でもよくあることでございます。
ですから、政府は意図しなかった事でしょうけれども、
政府が専門家だけでやろうとするのは十分ではありませんよという事を私どもはお示しいたしまして、
それを政府も理解していただいている部分もあると思います。
私の意見では専門家というのは、ある事象の一部しかわかっていないと思うのです。
ある一端の側面だけは分かっているので、
コミニュティー全体が関わっていくというのがよりよい結果になるというように思っております。

それから内部被ばくについて懸念があるんではないかというご質問については、
あなたもそう直に明示的におっしゃったのではないので、
私も明示的ではない形でお答えしたいと思うんですけれども、

やはり科学者の間でちゃんとした、立派な科学者の間でも、
「ゼロから100ミリシーベルトの間であれば健康に危険はない」という事を
言っている科学者がいるのも事実ではありますけれども、
「そうではない」と言っている科学者、
あるいはそういうことに反対する研究報告が出ているという事も事実であります。

ですから政府の立場というのは、
「どっちの研究が正しいとか正しくないとか」いうことではなくて、
常に用心深い方の立場に政府というのは立ち、
そして何事も排他せず包摂的に事に当たる
というのが政府が取るべき立場ではなかろうかと思います。


チェルノブイリの例というのはあまりいい例ではないのです。
まず、チェルノブイリの場合には、あの事故があってから3年間は
完全に何の情報も出てこないというブラックアウトの状況がありました。
しかし今回の事象というのは民主的な国日本で起こったことであります。
しっかりとした構造があり、そして善意があり、政治的な構造も整っているという、そういった国であります。
そういった国で起こった事であるからこそ、全ての調査、全てのプロセスには地域社会も
かみ合わせながらやっていかなければならないという事だと思います。

それがあってこそ
徹底的で、オープンで、包括的で、科学的な調査、そして治療が行われるべきものだろうと思います。
で、私はこういうことを言っておりますけれども、
これから何度も試練にさらされるという場面が出てくるだろうと思います。
しかしながら、必ずや地域社会をもインボルブしながら、
政府は最も良い形で対処をなさるであろうという事を確信しております。


ーー

会見前半↓
「日本政府に要請します…」
国連人権理事会特別報告者 アナンド・グローバー 氏会見11/26(内容書き出し)



<追記あり>
アナンド・グローバー報告に対する日本政府の血も涙もない非常な反論とジュネーブでの外務省当日発言


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コメント

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エートス

この質疑応答に「エートス」が隠されていたのを何人が気付いたでしょうか?
グローバーさんの以下の言葉、
「政府もいくつかの点につきましては取り組んでおられるという事で、私も非常に嬉しく思っております。特に、コミュニティーをもう少しかかわらせなければダメだという所につきましては、ご同意いただいているような向きもあるようで、これは私は歓迎したいと思います。」

環境省が今年の5月に策定した原子力被災者等の健康不安対策に関する以下のアクションプランについての発言だと思います。
http://www.env.go.jp/jishin/rmp/conf-health/02-mat04.pdf
2.放射線による健康影響等に係る人材育成、国民とのコミュニケーション等
 ICRPの知見に一本化した統一的な基礎資料を保健医療福祉関係者(医師、看護師、保育士など)や教育関係者(小中学校教員、幼稚園教員など)に配布し、その内容に則した研修を行う。
国等が一方的に説明を行うだけではなく、
健康不安を抱えている保護者・子ども等の具体的な不安や問題意識を引き出し、
専門家等と保護者・子ども等とが適切なコミュニケーションをとりながら、
保護者・子ども等の健康不安等を共に考え解消していくことが重要である。
環境省は文部科学省等の協力を得つつ、
チェルノブイリ原発事故後の取組等を参考に、

『少人数の参加住民』が、

議論を進行するファシリテーターとともに、
放射線による健康不安の内容等を共有することや、
自らが環境を改善する方法を共に考えること等を通じて、
住民の放射線による健康不安の軽減や、
住民自らの行動の決定に資するプログラムを開発する。
また、本プログラムの開発に当たっては、
より効果的に健康不安を解消するものとなるようモデル事業を行う。
また、子どもに対しても放射線等に関する副読本(児童・生徒用)を作成し、
ICRPの考え方を子どものうちからすり込み教育する。

これらはいわゆる「エートス」のことです。
少人数ずつの住民をファシリテーターの誘導のもと、
「普通の日常を暮らしても大丈夫」と洗脳させるのが目的です。

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