堤未果 x 武田邦彦
「もんじゅの安全性に問題はないのか?」
2012.11.28
J-WAVE・JAM THE WORLD CUTTING EDGE
『高速増殖炉「もんじゅ」の安全性に問題はないのか?』
堤未果:
昨日、日本原子力研究開発機構は、高速増殖炉「もんじゅ」の電気や計測設備、
およそ9680個で、点検延長の内部手続きを忘れていたと発表しました。
安全性に問題はないとしていますが影響はないのか?
中部大学教授の武田邦彦さんにうかがいます。
今回のもんじゅの件なんですが、
保守管理の点検でひつようなてつづ気をしなかった機器が全体の4ぶんの1に当たるという事で、
これ、非常に聞いていると恐ろしいんですけれども、
安全性に問題がないというのは本当なんでしょうか?
武田邦彦:安全性に問題がないというか、もんじゅはもうそういう事を連続しているんですね。
堤未果:連続していままでもあったと?
武田邦彦:
ええ、
実は10年ぐらい前に1人そういう事で総務課長が自殺し、
さらに数年前に1人自殺していると。
堤未果:それはちょっと怖い話ですね。
武田邦彦:
いろいろな手続きだとか、外に対する発表だとか、もう、非常に不祥事が多いんですよ。
で、今度の事はもちろん、あなたなんかがお聞きになると
それは「9600個もインチキしたのか!」と、
「こんなずさんな管理をしているのか!?」という感じがしますが、
堤未果:
しますね。
なんかこの点検している頭、
人の頭の中の管理をした方がいいんじゃないかという(笑)、ような、怖いんですけど。
武田邦彦:
あのね、この二人の方が自殺したっていう事は非常に大きな事で、
普通の原発じゃあそういう事は起こりません。
堤未果:起こらない。何故もんじゅにだけ起こるんでしょうか?
武田邦彦:
そうですね、もんじゅは非常に隠蔽体質が、非常に強いんですね。
もともとフランスに同じタイプの炉が、フェニックスというのがあってですね、
それを少し大きくしてすスーパーフェニックスとしたんですね。
ちょうどいまの日本の原発よりも少し大きい奴をつくろうとして、
建設を全部してから止めたんですよ。
堤未果:はぁ~。
武田邦彦:
それは何故か?といいますと、
もんじゅはまだ技術が完成していないので、少しごまかさないとダメなんですよ。
堤未果:ごまかす!
武田邦彦:
そう、誤魔化さないとできない状態にあるんですよ。
そうすると、その誤魔化しと現実との間を背負う人たちが自殺しちゃうという、
ずーっとね、もんじゅの常陽というのがあったんですけどね、
その時代から常陽をもんじゅを通じて、そういう事が続いていたんですね。
えっと、普通の軽水炉と違う方法で電力をつくるんですけれども、
そういうもので電力をつくってもいいか?とか、
核燃料サイクルが成立するか?という問題とですね、
もうひとつは今あなたが指摘したような9600個の手続き間違いがあると。
そういったものよりか、もっと本質的な問題が、いっぱいあったと。
これに対して一回組織も考え方もやりなおさないとですね、
この問題をまともに原子力として適切かどうか?という議論のテーブルにのらないものなんですよ、まだ。
堤未果:それ以前の問題だと、
武田邦彦:そうです、それ以前の問題が、ちょうど今度もそういう事で現れたという事ですね。
堤未果:おそろしいですねー。
武田邦彦:
だから9600個の申請間違いが安全に影響がないというのは、
もんじゅグループの言い方なんですよ、今までの。
堤未果:
これ、じゃあ今回のは、本当に氷山の一角で、
実はギリギリのところをごまかしごまかしきたという事なんですが、
武田さんは以前から、このもんじゅの危険性についてずーっと指摘されていますよね。
武田邦彦:はい。
堤未果:一番これの危険なところというのはどういう所なんでしょうか?
武田邦彦:
えっと、今度福島第一が事故を起こしましたよね。
みなさんも記憶があるかと思いますけれども、自衛隊のヘリコプターが上から行って水かけていましたよね。
堤未果:かけていました、はい。
武田邦彦:
で、今、原子力発電所は爆発すると水をかけるしかないんですけれど、
もんじゅは水がかけられないんですよ。
堤未果:かけられない。
武田邦彦:
はい。
水をかけるほかに何をやるのか?って決まっていなければなりませんよね。
たとえば、砂をかけるとか、空気を遮断するとか、
火災が起きているところを何か止めなきゃいけないわけですよ。
今止める手段がまだ決まっていないんですよ。
堤未果:決まってない、
武田邦彦:
はい、
それをですね、「起こらない」と言っている。
だからまず、二つの事を決めなければならない。
実際に火災が起きたら、ナトリウムだから燃えるんですけど、
火災が起きたらそうするか?という事をまず決める。
その時に住民をどこまで避難させるか?ということを決めておくと。
これ、決めておかないとね、とても危ないんですよ。
堤未果:それが全く決めてないという事ですね。
武田邦彦:
そうです。
ちょっと専門的に言えば、いまの炉よりも反応が早いので、
よけいそういう地震に対して暴走する可能性の高い炉なんです。
堤未果:
これ、あの武田さん、
もんじゅは地震被害の可能性というのはどのぐらいあるんでしょうか?
武田邦彦:震度6の地震では大体やられるんです。
堤未果:震度6でもうダメですか、
武田邦彦:
はい。
震度6の地震というのは日本では10年間に大体13回起こりますからね。
堤未果:活断層との関係というのはどうなんでしょうか?
武田邦彦:あのね、活断層の話しは全部ね、間違いという事はないけれどもいかがわしい話です。
堤未果:いかがわしい…
武田邦彦:
私長い間原子力関係をやっていましたけれどね、
活断層というのはしょっちゅう変わるんですよ。
「あ、あそこに活断層があった」ってこういうんですよ。
たとえば新潟の柏崎刈羽ではね、
建設する時は活断層の小さいのがあって、250ガルしか行かないって言ってる。
建設した後に「あ、見つかった」って言ったんですよ、地震学者が。
堤未果:前にはなかったものが、
武田邦彦:建設した後だから、もう直せないんですよ。
堤未果:ひどい。
武田邦彦:
でね、活断層の議論をするという事はどういうことか?っていうと、
まだ日本には見つかっていない活断層とか、活断層の評価の技術が進んでいないんですよ。
堤未果:評価の技術も進んでいないと。
武田邦彦:
それでね、今度やってる大飯原発の下に活断層があるって言ってて、
みんなが行ってですよ、断面見て
「これは活断層か活断層じゃないか」って議論しているのがテレビに出ましたけど、
堤未果:出ましたね。
武田邦彦:そんな感じなんですよ。
堤未果:はぁー
武田邦彦:
だから、今僕は「いけない」と言っていて、
僕は原子力安全委員会の時もそれを一生懸命言っていたんですけれど、
「活断層があるから注意しなければ、やらない」とか「活断層がないから」って言ってたら、
20年先に「活断層があった」って言ったらどうするんだ、我々は。
堤未果:その時じゃ、もう取り返しがつかないですね。
武田邦彦:
そう、私の考えは、
「どこにでも活断層はあるんだから、最大の地震があるように備えておいた方がいい」と言っていたんです。
それに1兆5000億かかるんですよ、対策するのに。
堤未果:1兆5000億。
武田邦彦:
はい、それを嫌がっているんですが、1兆5000億なんて大したことないんですよ。
原子力全体ではね、1年に5兆円ずつ売り上げがありますから、
1兆5000億は10年とか15年では大したことないんですけどね、
原子力発電所を何故やっているか?って言ったら、
「安いからやっている」わけです。
堤未果:どこの部分が「安い」と考えているんですか?
武田邦彦:全体の電力費は安全を軽視しているから安いんです。
堤未果:事故が起こった場合のコストは入ってないですよね。
武田邦彦:もちろん入っていません。
堤未果:
ちなみにもんじゅでもし事故が起こった場合、火災が起こった場合はの被害というのは、
去年の福島原発事故の規模、と考えていいんでしょうか?
武田邦彦:
大体ね、去年の福島原発事故は政府発表で77京ベクレルですけど、
それは広島原爆の186倍に相当するんですね。
堤未果:186倍ね
武田邦彦:
広島原爆の186発分。
だいたい、原子力発電所が爆発すると、大体200発から400発ぐらいになる。
堤未果:200発から400発。
武田邦彦:だからもんじゅの場合は大体300発から400発分ぐらいにはなると思う。
堤未果:それはもう、とんでもない
武田邦彦:とんでもない数です。
堤未果:
これはそうすると「安全性に問題はない」というこの発表以前に、
もんじゅという存在そのものについて、情報をオープンにして、
もう一度これ、しっかり検証し直さないと、相当危ないと。
武田邦彦:
もんじゅの問題はプルトニウムというものを使うという事なんですよ。
このプルトニウムというのが北朝鮮が持っている原爆と同じですけれども、
もんじゅを動かすという事は
現在日本が持っているプルトニウムを原爆用のプルトニウムに変えることができるんです。
ですから、
堤未果:なるほどそうするとこれは安全保障の問題に絡んでくると、
武田邦彦:そうです。この事もやっぱり合わせて考えないと、
堤未果:そっちの方面からも議論していくべきだと。
武田邦彦:非常に必要ですね、これは。
堤未果:はい、武田さんの忙しいところどうもありがとうございました。
武田邦彦:いいえ、どうも失礼いたしました。
堤未果:
今夜は9000件以上の点検・延長の内部手続きを忘れていたことが明らかになった、
高速増殖炉もんじゅについて、中部大学教授の武田邦彦さんに伺いました。
もんじゅ点検で手続き9千件放置 原子力研究開発機構
東京新聞 2012年11月27日 19時25分
日本原子力研究開発機構は27日、高速増殖炉原型炉もんじゅの設備点検をめぐり、
2010年7月以降、延べ9679件の内部規定上の手続きを怠っていたと発表した。
設備の安全性に問題はないとしている。
もんじゅの二之宮和重副所長は
「点検が必要な機器を管理するシステムが未完成で、処理が追いつかず、一部の手続きを放置していた。
原発の保守管理上、大きな問題で、早急に対策をとりたい」と陳謝。
同日、原子力規制庁に報告した。
1995年のナトリウム漏れ事故で停止したもんじゅは10年5月に運転を再開したが、
燃料交換用装置を原子炉容器内に落下させる事故を起こし、再び停止。
(共同)
追記2012年12月19日ーー
もんじゅ 事業者トップが“ミスやむをえない”
NHK 12月19日 16時5分
福井県にある高速増殖炉「もんじゅ」で、9600件余りに上る機器の点検漏れが見つかったことを巡り、
事業者の日本原子力研究開発機構のトップが、
「ミスが出るのはやむをえない」と発言していたことが分かり、
原子力規制委員会は、「モラルの低下につながるゆゆしき問題だ」として、
監督する文部科学省に事情を聞くことを決めました。
「もんじゅ」の点検漏れは、ことし9月の国の保安検査で、
安全上重要なものを含む9679件の機器で見つかり、
規制委員会が今月13日、原子力機構の鈴木篤之理事長を呼んで、
原因究明と再発防止を命じる文書を手渡しました。

その際のやり取りが、19日の委員会に報告され、
当日対応した原子力規制庁の池田長官が、
「鈴木理事長は『形式的なミスが出るのはやむをえない』と発言した。
トップの発言としては不適切で、現場のモラル低下につながるゆゆしき問題だ」と批判しました。
報告を聞いた委員からも厳しい発言が相次ぎ、田中委員長は
「トップの意識がそうだと、安全を守る意識が組織全体に広がらない」などと述べて、
原子力機構を監督する文部科学省から事情を聞くことを決めました。
鈴木理事長は平成13年から9年間、原子力安全委員を務め、
最後の2年間は委員長に就任し、日本の原子力安全の中枢を担ってきました。
「もんじゅの安全性に問題はないのか?」
2012.11.28
J-WAVE・JAM THE WORLD CUTTING EDGE
『高速増殖炉「もんじゅ」の安全性に問題はないのか?』
堤未果:
昨日、日本原子力研究開発機構は、高速増殖炉「もんじゅ」の電気や計測設備、
およそ9680個で、点検延長の内部手続きを忘れていたと発表しました。
安全性に問題はないとしていますが影響はないのか?
中部大学教授の武田邦彦さんにうかがいます。
今回のもんじゅの件なんですが、
保守管理の点検でひつようなてつづ気をしなかった機器が全体の4ぶんの1に当たるという事で、
これ、非常に聞いていると恐ろしいんですけれども、
安全性に問題がないというのは本当なんでしょうか?
武田邦彦:安全性に問題がないというか、もんじゅはもうそういう事を連続しているんですね。
堤未果:連続していままでもあったと?
武田邦彦:
ええ、
実は10年ぐらい前に1人そういう事で総務課長が自殺し、
さらに数年前に1人自殺していると。
堤未果:それはちょっと怖い話ですね。
武田邦彦:
いろいろな手続きだとか、外に対する発表だとか、もう、非常に不祥事が多いんですよ。
で、今度の事はもちろん、あなたなんかがお聞きになると
それは「9600個もインチキしたのか!」と、
「こんなずさんな管理をしているのか!?」という感じがしますが、
堤未果:
しますね。
なんかこの点検している頭、
人の頭の中の管理をした方がいいんじゃないかという(笑)、ような、怖いんですけど。
武田邦彦:
あのね、この二人の方が自殺したっていう事は非常に大きな事で、
普通の原発じゃあそういう事は起こりません。
堤未果:起こらない。何故もんじゅにだけ起こるんでしょうか?
武田邦彦:
そうですね、もんじゅは非常に隠蔽体質が、非常に強いんですね。
もともとフランスに同じタイプの炉が、フェニックスというのがあってですね、
それを少し大きくしてすスーパーフェニックスとしたんですね。
ちょうどいまの日本の原発よりも少し大きい奴をつくろうとして、
建設を全部してから止めたんですよ。
堤未果:はぁ~。
武田邦彦:
それは何故か?といいますと、
もんじゅはまだ技術が完成していないので、少しごまかさないとダメなんですよ。
堤未果:ごまかす!
武田邦彦:
そう、誤魔化さないとできない状態にあるんですよ。
そうすると、その誤魔化しと現実との間を背負う人たちが自殺しちゃうという、
ずーっとね、もんじゅの常陽というのがあったんですけどね、
その時代から常陽をもんじゅを通じて、そういう事が続いていたんですね。
えっと、普通の軽水炉と違う方法で電力をつくるんですけれども、
そういうもので電力をつくってもいいか?とか、
核燃料サイクルが成立するか?という問題とですね、
もうひとつは今あなたが指摘したような9600個の手続き間違いがあると。
そういったものよりか、もっと本質的な問題が、いっぱいあったと。
これに対して一回組織も考え方もやりなおさないとですね、
この問題をまともに原子力として適切かどうか?という議論のテーブルにのらないものなんですよ、まだ。
堤未果:それ以前の問題だと、
武田邦彦:そうです、それ以前の問題が、ちょうど今度もそういう事で現れたという事ですね。
堤未果:おそろしいですねー。
武田邦彦:
だから9600個の申請間違いが安全に影響がないというのは、
もんじゅグループの言い方なんですよ、今までの。
堤未果:
これ、じゃあ今回のは、本当に氷山の一角で、
実はギリギリのところをごまかしごまかしきたという事なんですが、
武田さんは以前から、このもんじゅの危険性についてずーっと指摘されていますよね。
武田邦彦:はい。
堤未果:一番これの危険なところというのはどういう所なんでしょうか?
武田邦彦:
えっと、今度福島第一が事故を起こしましたよね。
みなさんも記憶があるかと思いますけれども、自衛隊のヘリコプターが上から行って水かけていましたよね。
堤未果:かけていました、はい。
武田邦彦:
で、今、原子力発電所は爆発すると水をかけるしかないんですけれど、
もんじゅは水がかけられないんですよ。
堤未果:かけられない。
武田邦彦:
はい。
水をかけるほかに何をやるのか?って決まっていなければなりませんよね。
たとえば、砂をかけるとか、空気を遮断するとか、
火災が起きているところを何か止めなきゃいけないわけですよ。
今止める手段がまだ決まっていないんですよ。
堤未果:決まってない、
武田邦彦:
はい、
それをですね、「起こらない」と言っている。
だからまず、二つの事を決めなければならない。
実際に火災が起きたら、ナトリウムだから燃えるんですけど、
火災が起きたらそうするか?という事をまず決める。
その時に住民をどこまで避難させるか?ということを決めておくと。
これ、決めておかないとね、とても危ないんですよ。
堤未果:それが全く決めてないという事ですね。
武田邦彦:
そうです。
ちょっと専門的に言えば、いまの炉よりも反応が早いので、
よけいそういう地震に対して暴走する可能性の高い炉なんです。
堤未果:
これ、あの武田さん、
もんじゅは地震被害の可能性というのはどのぐらいあるんでしょうか?
武田邦彦:震度6の地震では大体やられるんです。
堤未果:震度6でもうダメですか、
武田邦彦:
はい。
震度6の地震というのは日本では10年間に大体13回起こりますからね。
堤未果:活断層との関係というのはどうなんでしょうか?
武田邦彦:あのね、活断層の話しは全部ね、間違いという事はないけれどもいかがわしい話です。
堤未果:いかがわしい…
武田邦彦:
私長い間原子力関係をやっていましたけれどね、
活断層というのはしょっちゅう変わるんですよ。
「あ、あそこに活断層があった」ってこういうんですよ。
たとえば新潟の柏崎刈羽ではね、
建設する時は活断層の小さいのがあって、250ガルしか行かないって言ってる。
建設した後に「あ、見つかった」って言ったんですよ、地震学者が。
堤未果:前にはなかったものが、
武田邦彦:建設した後だから、もう直せないんですよ。
堤未果:ひどい。
武田邦彦:
でね、活断層の議論をするという事はどういうことか?っていうと、
まだ日本には見つかっていない活断層とか、活断層の評価の技術が進んでいないんですよ。
堤未果:評価の技術も進んでいないと。
武田邦彦:
それでね、今度やってる大飯原発の下に活断層があるって言ってて、
みんなが行ってですよ、断面見て
「これは活断層か活断層じゃないか」って議論しているのがテレビに出ましたけど、
堤未果:出ましたね。
武田邦彦:そんな感じなんですよ。
堤未果:はぁー
武田邦彦:
だから、今僕は「いけない」と言っていて、
僕は原子力安全委員会の時もそれを一生懸命言っていたんですけれど、
「活断層があるから注意しなければ、やらない」とか「活断層がないから」って言ってたら、
20年先に「活断層があった」って言ったらどうするんだ、我々は。
堤未果:その時じゃ、もう取り返しがつかないですね。
武田邦彦:
そう、私の考えは、
「どこにでも活断層はあるんだから、最大の地震があるように備えておいた方がいい」と言っていたんです。
それに1兆5000億かかるんですよ、対策するのに。
堤未果:1兆5000億。
武田邦彦:
はい、それを嫌がっているんですが、1兆5000億なんて大したことないんですよ。
原子力全体ではね、1年に5兆円ずつ売り上げがありますから、
1兆5000億は10年とか15年では大したことないんですけどね、
原子力発電所を何故やっているか?って言ったら、
「安いからやっている」わけです。
堤未果:どこの部分が「安い」と考えているんですか?
武田邦彦:全体の電力費は安全を軽視しているから安いんです。
堤未果:事故が起こった場合のコストは入ってないですよね。
武田邦彦:もちろん入っていません。
堤未果:
ちなみにもんじゅでもし事故が起こった場合、火災が起こった場合はの被害というのは、
去年の福島原発事故の規模、と考えていいんでしょうか?
武田邦彦:
大体ね、去年の福島原発事故は政府発表で77京ベクレルですけど、
それは広島原爆の186倍に相当するんですね。
堤未果:186倍ね
武田邦彦:
広島原爆の186発分。
だいたい、原子力発電所が爆発すると、大体200発から400発ぐらいになる。
堤未果:200発から400発。
武田邦彦:だからもんじゅの場合は大体300発から400発分ぐらいにはなると思う。
堤未果:それはもう、とんでもない
武田邦彦:とんでもない数です。
堤未果:
これはそうすると「安全性に問題はない」というこの発表以前に、
もんじゅという存在そのものについて、情報をオープンにして、
もう一度これ、しっかり検証し直さないと、相当危ないと。
武田邦彦:
もんじゅの問題はプルトニウムというものを使うという事なんですよ。
このプルトニウムというのが北朝鮮が持っている原爆と同じですけれども、
もんじゅを動かすという事は
現在日本が持っているプルトニウムを原爆用のプルトニウムに変えることができるんです。
ですから、
堤未果:なるほどそうするとこれは安全保障の問題に絡んでくると、
武田邦彦:そうです。この事もやっぱり合わせて考えないと、
堤未果:そっちの方面からも議論していくべきだと。
武田邦彦:非常に必要ですね、これは。
堤未果:はい、武田さんの忙しいところどうもありがとうございました。
武田邦彦:いいえ、どうも失礼いたしました。
堤未果:
今夜は9000件以上の点検・延長の内部手続きを忘れていたことが明らかになった、
高速増殖炉もんじゅについて、中部大学教授の武田邦彦さんに伺いました。
もんじゅ点検で手続き9千件放置 原子力研究開発機構
東京新聞 2012年11月27日 19時25分
日本原子力研究開発機構は27日、高速増殖炉原型炉もんじゅの設備点検をめぐり、
2010年7月以降、延べ9679件の内部規定上の手続きを怠っていたと発表した。
設備の安全性に問題はないとしている。
もんじゅの二之宮和重副所長は
「点検が必要な機器を管理するシステムが未完成で、処理が追いつかず、一部の手続きを放置していた。
原発の保守管理上、大きな問題で、早急に対策をとりたい」と陳謝。
同日、原子力規制庁に報告した。
1995年のナトリウム漏れ事故で停止したもんじゅは10年5月に運転を再開したが、
燃料交換用装置を原子炉容器内に落下させる事故を起こし、再び停止。
(共同)
追記2012年12月19日ーー
もんじゅ 事業者トップが“ミスやむをえない”
NHK 12月19日 16時5分
福井県にある高速増殖炉「もんじゅ」で、9600件余りに上る機器の点検漏れが見つかったことを巡り、
事業者の日本原子力研究開発機構のトップが、
「ミスが出るのはやむをえない」と発言していたことが分かり、
原子力規制委員会は、「モラルの低下につながるゆゆしき問題だ」として、
監督する文部科学省に事情を聞くことを決めました。
「もんじゅ」の点検漏れは、ことし9月の国の保安検査で、
安全上重要なものを含む9679件の機器で見つかり、
規制委員会が今月13日、原子力機構の鈴木篤之理事長を呼んで、
原因究明と再発防止を命じる文書を手渡しました。

その際のやり取りが、19日の委員会に報告され、
当日対応した原子力規制庁の池田長官が、
「鈴木理事長は『形式的なミスが出るのはやむをえない』と発言した。
トップの発言としては不適切で、現場のモラル低下につながるゆゆしき問題だ」と批判しました。
報告を聞いた委員からも厳しい発言が相次ぎ、田中委員長は
「トップの意識がそうだと、安全を守る意識が組織全体に広がらない」などと述べて、
原子力機構を監督する文部科学省から事情を聞くことを決めました。
鈴木理事長は平成13年から9年間、原子力安全委員を務め、
最後の2年間は委員長に就任し、日本の原子力安全の中枢を担ってきました。
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コメント
ぎゃぁぁぁぁぁ もんじゅ こぉわぃっ いつも 車にガソリン満タン ぉ財布に パスポート・キャッシュカード入れといて⇒もんじゅ震度6で⇒中国自動車道に飛び乗って ひたすら⇒西に向かって走りますっ
つぼみ | 2012.11.29 16:13 | 編集
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| 2012.11.29 22:45 | 編集