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<選挙>「『強い指導者は求めてはいけない』とむしろ思っているのです」
小出裕章氏インタビュー11/29岩上安身氏(内容書き出し)


2012年11月29日
岩上&小出2012112916

岩上:
いま「経済が立ち行かなくなる」という話。
これ、今までもお話を伺ってきた事でもあるんですけれど、
ここへきてまたですね、電力会社の電気料金の値上げと。
それも理由として「原発を稼働していないからだ」と、
こんなふうに言って国民に言わば、
「原発を使わないという事が実はどれだけ不採算な事なのか」と、
「経済的に重荷になる事なのか」
「原発を稼働さえすれば電気料金も下がるのに」と、
そういうすりこみをするような事をやろうとしているんですよね。
しかも選挙というタイミングに合わせて。
これについてはどういうふうにお考えですか?

小出:
もう、本当にあきれるしかないんですね。
今福島の事故が起きてしまって、福島を中心として大変な数の人達がどん底に突き落とされてしまっている。
そして広大な土地を失わなければならないという現実があるんですよね。
それを本当に、補償しようとしたらば、いったいいくらのお金がかかるかわからないし、
電気代がいくらになるかがもう考える事も馬鹿らしいほどになってしまう。
そういうバカげた選択をしてきた経済界、電力会社、政治。
それがまずは反省しなければいけないのに、
相変わらずそれをやらなければ経済が立ち行かないというのは、
いったいどういう金勘定をしているのか?
と私は思います。

岩上:
これが国内の事業者や政治家それから官僚、
この人間たちだけで決めているのだったら、ま、国内だけで話し合えばいいんですけれども、
この何ヶ月かの間に非常に露骨になってきたのは、
これも前回のインタビューの時に質問が出ましたが、アメリカの影響と。
アメリカの指示というものですね、
それが、そのと沖はかすかなものでしたけれども、今は隠す事もなくあらわになってきた。
8月15日にはリチャードアミテージが第三次アミテージ報告書を出して、
原発再稼働を非常に、このまま続けろという事を言ってきたりですね、
おそらくTPPやなにか他のものとワンセットなんですけれども、
さらにはたとえば、日経新聞なんていうところは、
CSISという戦略的シンクタンクというところと、いつも一緒にべったりくっついていて、
CSISの社長のインタビューなんぞを載せているわけですけれども、
「日本が原発をやめるなんていう事は無責任だ」と。
「それは国際社会に対して、アメリカ社会に対して無責任だ」という事を発言していたりする。
で、それを載せるわけですね。
アメリカに言われたんだからどうする?無責任だって怒られた。っていうようおな事が、
日本社会の、特に支配層に広がっていく訳ですね。
さまざまな形で、ハッキリと、アメリカが
「日本は離脱するな」この体制から離脱するんじゃない、原子力を止めるなと、
何故、アメリカはそう言うんでしょうか?
そして、離脱するとどんなデメリットがあるというんでしょうか?
また、やっていかなければいけない。
彼らは無責任だと言う。
じゃあ、彼らが言う責任とは何なんでしょうか?
どういう事を言っているのかよく分からないんですが、

小出:(笑)それを私が説明する責任は私にはないと思いますけれどもww

岩上:無いと思いますか(笑)

小出:
簡単に言ってしまえば、米国は原子力というものを世界に売りつけることで金儲けをしてきたのですね。
もともとは核兵器の技術だった訳ですけれども、
核兵器をつくるための工場、ウラン濃縮工場だとか、再処理工場であるとか、
さまざまな施設を沢山つくりすぎてしまって、自分だけで持っているのが重荷になった。
で、それも世界にばらまいて金もうけをしようと言うのが一つだった訳ですし、
そうやりながら、核兵器の技術というものを自分の翼の下に置いておいて、
良いように操りたいという意図
で、国際原子力機関をつくったわけですね。

岩上:核不拡散体制というのは、その今言った翼の下に置いておきたいという事ですね。

小出:そうです。
で、やってきたわけで、未だに原子力というのは米国から買ってきた技術で動いているわけで、
パテントでも何でもいまだに米国に払っている筈だと思います。
ですから米国としては金もうけを続けたければ、日本に原子力を続けさせるという事になるわけですし、
米国が世界に原子力産業をばら撒きながら利益を得て、
そして核燃料を国際原子力機関を使いながら、自分の監視のもとに置いておくという
体制をつくったわけですから、
その体制の中で、自分の言う事を聞く属国である日本が、
そこから逃げてはいけないと思うのは当たり前のこと
だと思います。


岩上:
離脱するなら、
プルトニウムを今、保有することを認めている、この日米原子力協定に違反するんだと、
それならばそのプルトニウムを最少化せよという、こういうふうにも今言ってきていますね。
10月だったと思いますけれども、
これは最小化どころか、じゃあ手放してしまえば良いんじゃないの?という事になるのかもしれませんけれど、
このアメリカの言い分はどのように捉えたらいいですか?
このプルトニウムの最小化というものを。

小出:
もともと日本が原子力を始めたという理由も、
先程聞いていただいたように
核兵器材料であるプルトニウムを懐に入れたいという動機から始まっていたのですね。
着々とそれを日本はやって、すでに45トンものプルトニウムを懐に入れているのです。
それで長崎型の原爆をつくれば、4000発作れます。

岩上:!4000発・・・!

小出:
もうそれほどのものを持ってしまっているのですね。
でも、米国から見れば、「日本が属国であって、自分の言う事を聞いている間は良い」と。
でも日本が米国の属国でなくなったまま、
その大量のプルトニウムを保有しておくという事は、やはり許さないという事になるだろうと思います。
ですからこれは、政治の場の問題ですから、
政治の場で解決をしなければならないと思いますが、
もともとそのプルトニウム自身は米国のものであったわけでも何でもありませんから、
米国に差し出す必要もないと思います。
さりとて日本が持っていれば、私はこの日本という国はあんまりまともな国だとは思いませんので、
いつか核兵器になってしまうという心配もあります。

ですから、何か国際的なプルトニウムの保管のやり方というようなものを
考えなければならなくなるだろうと思いますけれども、
でもそれはやらなければいけない事なのです。
それぞれの国が勝手にプルトニウムを持っているなんていう事はあり得ないし、
米国だけが自分の良いように、自分が持つ。あるいは属国に持たせておくという、
そういう体制ももちろんいけないわけですから、
新たな道をつくるしかないと思います。

岩上:
この日本の右派勢力の中で、本当にこれまでだったら、
「腹の中でどう思っているかな?」ぐらいの話だったんですけれども、
ハッキリと選挙を目の前にして、「国防軍の創設」「改憲」そして「集団的自衛権」
で、時に「核の保有」という話まで出てくるわけですね。

この、今目の前にあるプルトニウムも含めてですね、
どういうふうに彼らはしようとしているのか?
今言ったようなアメリカの思惑の下で、核を保有するという事になると、
それは、アメリカとの核の共有、ニュークリアシェアリングという形になるのか?
田母神さんなんかが言っていたようなですね、
実際に脈々と核開発を日本国内で続けていってきた人たち、
その人たちの思惑はどこへ向かおうとしているのか?
アメリカとすり合わせた上でですよ、合意が取れるような方向性というのはいったいなんなのか?
どのように小出さんはご覧になっていますか?

小出:
それは国際政治の問題ですから、私でなくて、別の方に聞いていただいた方がいいと思いますけれど、
え…今、世界を支配しているのは国連ですね、
united nations。正しく訳せば連合国です。
要するに先の戦争で、日本が相手をして戦った連合国、
それが戦争に勝ったがゆえに、その国々が今世界を支配しているという事なのです。
ですから国連憲章の中には日本敵国条項、「敵」だとしてなっているのですね。
そういうのが世界を支配する。
そして国連の常任理事国というのが実際の権力を握っているわけですが、
その常任理事国は米国、ロシア、イギリス、フランス、中国と。
なんで、ユナイテッドネイションズ、連合国が沢山あったのに、
この5カ国だけが、常任理事国として権力を握っていられるか?といえば、
この5カ国だけが核兵器を持っているからですね。

岩上:そうですね

小出:
だから要するに世界を支配するためには、
核兵器を持っているという事が絶対条件になっているという、そういう世界なんですね。
ですから、日本が戦争に負けて、もし二等国から一等国になろすとするのであれば、
「核兵器を持ちたい」と必ず思うのです。

岩上:
まさにですね、その一流か二流かといういい方をですね、
この8月15日に第三次の報告書を出したアミテージは、日本に来てまでそれを言っていました。
日本は一流国になりたいのかそれとも二流国で良いのか、
一流国でいたいんだったら我々の言う事を聞け。
その中にたとえば「核を続けろ」「集団的自衛権を持て」それから、
なんと「9条を破棄せよ」「米軍と一体化していけ」それから「TTPに入れ」と。
いうような事を言っているわけですね。

小出:そうですね。

岩上:まさに、その一流と二流という言葉を使っているんですが、

小出:
もちろんその通りなんです。
だから日本は米国の属国である限り、だんだん、だんだん一流に近づけてやるよというような、
まぁ、私から見ると幻想なんですけれども、
それを与えられて核保有という事も着々と進めてきたという事なんですね。
でも、私は思うけれども、
日本が米国の属国から離れて本当の一等国になろうとするならば、
すぐに米国から潰されるという事だと思います。

岩上:主権を持った本当の独立国になったらば、アメリカに潰される。

小出:そうです。

岩上:アメリカはそれを望まない。

小出:
もちろん望まない。
だから、米国としては日本を属国として操るのが一番いいわけですから、
そのような力を今日本にずっと加えてきているという事だとおもいます。

岩上:
だからこれは、日本に核の保有を仮にさせるとしても、
日本自身の主権の下の核ではなくて、

小出:
もちろん違います。
要するに中国と対抗させたいという、米国の利己的な理由で日本に核を認めるという事ですね。

岩上:
アメリカの主権下にあって日本は核の鉄砲玉にさせられて、
中国の正面に立たされるというような事になるわけですよね。

小出:
もちろん、もともとだって、
日本にしても朝鮮にしてもそうですけれども、
共産主義に対する防波堤としてつくられてきて、
米軍の基地だって、そのために配備されている訳ですから、
米国の思惑通り動いていれば、いいこいいこしてもらえるわけで、
いいこいいこというか、ま、それなりに認めてくれるものもある。
すでに、だから日本でしたら、再処理工場という、超軍事的な工場も認めてもらえた。

岩上:うーん、再処理工場は超軍事的な工場なんですね。

小出:
もちろんです。
プルトニウムを取り出すというための、超、超、超・・と何度付けてもいい位の軍事工場です。
それも米国が認めたのは日本だけですよね。
韓国にすら認めないわけだし、他の世界どこにも認めないけれども、
日本には「まぁ認めてやる」と言って認めている。
ウラン濃縮だってそうですよね。
イランがウラン濃縮工場をつくろうとすれば、
米国、あるいはヨーロッパが、もうこぞってそれを叩き潰そうとするのですけれども、
日本は米国の属国である限りはやってもいいとして、今やらせてもらっているのですね。
ですから日本の国内の政治の場にいる人たちも、
その米国の思惑の下で、自分たちを少しでも強くしたいといって動いてきたんだろうと私は思いますけれども、
どうせ最後は自由にはしてもらえないのですから、
いつか自分が自立しようと思うのであれば、別の考え方をしなければいけないと思います。

岩上:
最後の質問ですが、とにかく核という物、原子力というものは非常に危険だと
だから即刻やめなければいけないとおっしゃる。
だけどそれは、技術的に止めなければいけないとか、
原子力に発電を頼っていてはいけない、エネルギーを頼っていてはいけないというだけではなくて、
その原発を抱え込んできた社会体制の在り方を変えなきゃいけないという事になるんですね。

小出:そうです。

岩上:
そうなると、そこには今言った安全保障や国の仕組みがもともと属国の仕組みにあるだとか、
アメリカに首を押さえられていて、
で、うまいこと言えば保守や右翼もいわば、なだめすかされながら
「お前にはいつかこの核兵器をあげるからな」と言われて、
こう、なんて言うんですかね、釣られてきているけれども、
ほんと、一種騙されている状態じゃないですか、そのことを全部含めてね。
こういう社会のあり様事態を全部ひっくるめて、廃棄し、変えなきゃいけないという事を、
ですよね。
それは、大変なことで、大変な決断を必要とするんだなと、
あらめてお話を伺うたびに考えが深まるんですけれども、
その点、あの…特にアメリカの影響力というものが、全面に今出てきておりますから、
どうしたらいいのか?という点について、お考えを。

小出:
みなさん、考えて下さい。
私は、さっきは「強いものは大嫌いだ」と言いましたし、誰かから命令されるのが大嫌いです。
逆に、誰かに命令するのも嫌いです。
私は私らしく自立していきたいと思いますし、
日本という国だって、ちゃんと自分で自立しろと。
誰かから指示されるとか、頭をなでられてそれに従っているのが国益だとか、
なんて情けない考え方なのかな、と思います。
自分が本当にどう生きたいか、どういう国にしたいのか、という事が一番大切なわけですから、
そこを尺度に置いて考えてくれる人が増えて欲しい
し、
政治の場も少ししっかりしてくれよ、と思います。


ーーー


6「温暖化と原発そして日本の自立」武田邦彦&岩上安身11/11(内容書き出し)


「原発にはね、地震のリスクと戦争のリスクがあるんだ」岩上安身氏
11/11福井Walk in PEACE(内容書き出し)






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| 2012.12.01 20:04 | 編集
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