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12.11
Tue

【ペイフォワード環境情報教室】20121211小出裕章先生 第11回


12月7日金曜日に発生した宮城県沖の地震による
女川原発ならびに福島第二原発への影響についてご意見を頂きました。


Sawada:
先週の金曜日の夕方に宮城県沖で震度5となります大きな地震がありまして、
それを受けましてその周辺の原発の状況がどうか?という事が、
私も皆さん不安でいたかと思うんですけれども、
そんな中2点ほど情報が入ってきていまして、

1点が女川原発。
女川原発の冷却プールの水位の異常警報が出ていたと、
こちらは原子力規制委員会からのメーリングリストによる情報がでておりまして、
こちらのなかで、
「設備に異常がないと申しておりましたが、1号機PLRの上部の振動大の警報と
3号機使用済み燃料プールの水位高低の警報が発報しました。
その後設備に異常がない事が確認され、警報は解除されました」というニュースが一つ、
http://kinkyu.nsr.go.jp/kinkyu/2012/12/1207-1.html

もうひとつはちょっと若干ソースとしては弱くて恐縮なんですけれども、
こういう情報があったという事でお話すると、
福島第二原発1号機で夕方5時23分、地震後に運転員が圧力の動きを見てやや不安定な動きに感じ、
運転員の判断で念のためにSGPS(非常用ガス処理装置)を手動で起動したことが明らかになりました」
というような情報がありまして、

ですが、NHK等ですね、大手マスメディアを見ていますと、
基本的には「確認したところにより異常はない」というような事ばかり出ていまして、
基本的に「何か異常があったものの、大きな事ではない」というような表現が
正しいのかなと思うんですけれども、
この点については先生はいかがですか?


小出:
そうですね、報道の仕方という事については、いまサワダさんがおっしゃったように、
原子力を推進してきた側からは、何か常に「異常無し」と、そういうメッセージしか届かないのですが、
どういう事が起きたのか、
それがどの程度異常なのか、
そして、かりに異常だったとしても大事には至らないのか、というように、
細かく報道するべきだと私は思います。

で、ただ今回、今サワダさんが私に教えて下さった異常の内容というものを見る限りは、
大きな異常だとは私は思いません。

女川原発で振動大の警報が出たり、プールの水位高低の警報がでたということは、
地震が起きて建屋が揺れれば当たり前のことですので、
むしろ警報が出て当然で、
その後きちっと調査をして異常があるか無いかを見るという事がもちろん求められる訳で、
見た上で異常がなかったという事は、それで良いだろうと私は思います。

それから福島第二原発の1号機で建屋の内部の圧力がどうも高まったという事のようなのですね。
それも原因は私にはわかりません。
何か異常な事が起きたのだろうと思いますが、
建屋の内部の圧力が外部の圧力よりも、もし高くなってしまいますと、
たとえば扉を開けてしまうと内部から空気が外に向かって吹きだしてしまうわけで、
建屋の内部は放射線の管理区域で、放射能でよどれた空気が入っている場所ですので、
内部から外部に空気が流れるような事はあってはなりません。
ですから必ず内部は外部よりも圧力を低く保っておかなければいけないということになっていて、
通常運転時も常に建屋の内部は外部に比べて低い圧力に保てるように運営されています。
つまり内部の空気をフィルターを通して外部に放出しながら、
放射能はできる限り外へ出さないというような事をやっているわけです。

今回地震によって内部の圧力が外部より高くなりそうになってしまったので、
非常用のガス処理計を動かして内部の圧力を低く保とうとしたという事で、
これもやり方としてはまっとうだと、私は思います。

問題はどうして内部の圧力が高くなってしまったのか?という、
その事をしっかりと調査をするという事
だと思います。


Sawada:
そうですか、そうすると今回原子力規制委員会からのメーリングリストというのは非常用で、
皆さん個人でも登録できるようになっていまして、

小出:そうですか。

Sawada:
是非出来れば、これ、関心のある方はぜひ皆さん登録していただいて、
携帯電話のメールのみ対応しているという、普通のメールアドレスには対応してないそうなんですけども。


小出:(笑)そうなのですか…

Sawada:
ちょっと制約があるんですけれどもそういった形で、
個人でも皆さん登録できるようになっています。

小出:
そうですか、わたしは携帯電話を持っていないので、
では私の様な人間は情報を取れないという事ですか。


Sawada:そういうことになってしまうんですよね。

小出:はい。

Sawada:
ですので、こういった形での情報もありますし、
情報をみなさん個人個人でとって行くというのも重要ですけれども、やはりあれですね、
大手マスメディアが必要なのは、これが「異常無し」だけではなくて、
先生がおっしゃったように、なんかしら専門家による解説があった上での「異常無し」と


小出:
そうですね、内容がどういうものであるか?という事を
きっちりと分かるというような形報道しなければいけない訳ですから
大手メディアにもその点十分に気を付けてやって欲しいと願います。


Sawada:
そうですね、正直私どもは今、疑心暗鬼になっていまして、
テレビで「異常無し」と言われても「そうじゃないんじゃないか。」という、
まさにね、ちょっと困った状態になってしますんでね。

小出:そうですね。

Sawada:
そんな中で今後もこういった形で、地震の部分もちょっと強めの余震という事出来ていますし、
「もう少し大きいのもいずれ来るんじゃないか」と、よく言われている中なんですけれども、
やっぱり先生、こういった時に、今後も先生の解説を続けていきたいと思いますけれども、
また非常時も当然続けていきたいと思っていますが、
どうしたらいいもんでしょうかね?
「次にまた大きなのが来たら」といった時に、どんな心構えというものがあるんでしょうか?


小出:
今現在で私が一番心配しているのは、
福島第一原子力発電所の4号機の原子炉建屋

そこに使用済みの核燃料プールというのが、宙づりのような形で今現在はまだ存在しているわけですけど、
大きな地震が起きて、その使用済み燃料プールから水が抜けてしまうようなことになると、
大変な放射能がまた流れてきてしまう可能性がある訳で、それを私は第一に心配しました。
でも今回はそれほどの被害にはならなかったという事で、先ずは胸をなでおろしたのですが、
「次にまた大きな地震というものも来るかもしれない」という事の警告だと私は受け止めていますし、
皆さんも次々に、「多分これからも来るであろう地震」の時には、
情報をしっかりと集めて、注意をするようにしていただきたいと思います。


Sawada:
そうですね。
またこの前先生も問題だという事で指摘されていましたけれども、
原子力規制委員会の会議がまたございまして、
今回いろいろな核臨界等かなんかが起きた時にですね、
ヨウ素剤を事前配布しないと基本的には効果が薄いと。

小出:間に合わないです。

Sawada:
と言われている中で、「事前配布するべきではない」というようなことを、
委員の中の、中村委員のようですけれども、お話が出ているというのもニュースが出ていまして、
あ、こういったお話は、ほんとに「人命軽視」とまでは言わないですけれども、
こういう情報を聞くにつれ、
この原子力規制委員会っていうのは、どれだけ「機能していないか」と思う事が多々あるんですけれども、


小出:私もそう思います。

Sawada:
私たちとしては出来れば
自治体ベースにどうにかこういうものは用意してほしいというような要望していくしかないんですかね。

小出:
ヨウ素剤はもう、とにかく、
事故が起きて放射能の雲が届く前に飲まなければ、ほとんど効果がありませんので、
事故が起きたからと言って、それから配るようでは到底間に合いません
住民にもあらかじめ配っておくという事がいいだろうと思いますし、
福島第一原子力発電所の事故というのは、
私たちがどんなに望まないような事故も、
時と場合によっては起きてしまうのだという事を教えてくれているわけですから、
原子力規制委員会こそきっちりと対応しなければいけません。


Sawada:
SPEEDIの公開が一つで、多分避難経路の選定になるでしょうし、
ヨウ素剤という事前にできる事もあるだろうし、
後は避難ルートの確保という、
こういう多くの事ができる筈なのが、
未だに福島大維持の事故を受けても教訓として生かされていない気がしますよね。

小出:
はい、全く生かされていませんし、
もともとの原子力ムラの人達が相変わらず牛耳っているわけですから、
このような状態をとにかく、少しでも改善しない限りはダメだろうと思います。

Sawada:
今、まさに総選挙の真っただ中という所で、
脱原発か否かという所もあるんでしょうけれども、
先ずは今回、こういう福島第一で受けた教訓を生かした形にしようという、意志のある方が、
思いのほか少ないとはいわないですけれども、
ちょっと既存勢力の方の巻き返しに遭っているような雰囲気がありますけれども

小出:そうですね、残念ながら、私にもそう見えます。

Sawada:
そういった意味で有権者がどういう判断をしていくかという所が、
まさに目の前の課題としてあるような気がしますね。

小出:はい。


ーーー

中村佳代子原子力規制委員「ヨウ素剤配布服用は汚染検査の後でいい」
検討チーム会合12/3OurPlanetTV(内容書き出し)




緊急時に携帯メールは届かないのでは(。◔‸◔。)??

原子力規制委員会緊急情報メールサービスはやはり携帯のアドレスのみでした。
携帯のアドレスに緊急時にメールが送られてくるって変じゃないですか?
311当日は全く携帯は使い物にならなかったし、
先日の地震の時だって、携帯は非常に通じにくかったし、
友達が送ったというメールも私には届きませんでした。
東日本大震災時はネットのみが接続でき、そこからの情報を受け取っていました。
そのような緊急時に携帯のみのメールアドレスでは、まず、みんなに届かないと私は思うのですが…



本当の緊急時には受け取ることが不可能と思われますが、
登録方法を続きを読むに載せまーすヽ(。◕ᆺ◕)ノ





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パソコンからではやはり登録できませんでしたww


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