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音声のみ

第二回 脱原発サミット in 茨城より
2012年12月24日



司会:
小出さんにお伺いしたいんですけれども、
東海第二原発というのはですね、実は調べてみると、
原子炉自体は非常に強固な岩盤の上につくらなければいけない、そういうふうに決められている。
で、実際に日本原電が出しているような、安全安心パンフレットを見ますと、
強固な岩盤の上にある」というふうに書いてあるんですが、
ネットなどで調べてみたり、学者の論文等を読んでみたり、政府の発表物を見たりすると、
東海第二原発は5mのコンクリートの板の上に乗っかっている」と。
その下に8mのコンクリートをさらに打って、人工岩盤というふうにしている」
で、「さらにその下には泥岩という岩がある」
政府事故調などは「軟質岩盤」と言って、すでに強固な岩盤と言っていないのですが、
こういう原発というのはどういうふうになるとお考えでしょうか?

小出:
今、ちゃんとお話し下さったけれども、東海第二原発だって、全然強固な岩盤じゃないですよね。
でもそんな事を言ったら、日本中強固な岩盤の上に建っている原発なんて無いだろうと私は思います。
浜岡だって、相良層とか言っていますけれども、ボロボロですよね。
あれは手に持ったらバリバリと割れるようなところだし、
東京電力の柏崎刈羽原子力発電所なんていうのは砂丘の上に建てようとした。
「いくらなんでも砂丘の上はまずいだろう」という事で何10mも穴を掘ったけれども、
いくらやってもちゃんとした岩盤が出てこないという事でそこに建ててしまった。
昔から「豆腐の上の原子力発電所」と呼ばれていた。
そこが地震に襲われたらものすごい揺れになって、あちこちボロボロに壊れてしまったというのが、
つい何年か前にあったということで、
この世界中の地震の1割から2割が日本で起きるというそんな国で、
安心して原子力発電所を建てられるような場所はもともとなかったのです。
無いのに、とにかく建てたいという事で、
「用地さえ買収できてしまえばもうどこでもいい」と、
後は地盤が悪ければ「人口岩盤だ」というような事でこれまでやってきてしまった。
という歴史があったと思います。
今、敦賀の日本原電の第二原発という所でも「原子炉の下に活断層がある」と。
実はそれだって、「はじめからわかっていたはずだ」と私は思います。
でもとにかく「そこに建てるしかない」という事で、
審査をする人たちが「これは活断層ではない」と言ってしまえばもうそこに建ってしまうという、
そういう事だったと思いますし、
東海第二原発も適地ではないし、
日本中に原子力発電所の適地はどこにもないんだというふうに思っていただきたいと思っています。

司会:
その事とちょっと関連いたしまして、小出さんにお伺いいたしますが、
私は大学の時代に沢山の大学の学生が入る学生寮におりまして、
原子工学というのをやっている学生とよく話をしたんですけれども、
その人と話して工学上非常に重要なフェールセーフ(Fail Safe)であると、
フェールセーフであるというシステムが生きていないと、そういうものはつくってはいけないのだと、
彼は非常に理想主義的だとそういうふうにおっしゃった。
原子力発電所はいつまでたっても熱がとれない。
永久に冷やし続けないといけない。
そういうのって、フェールセーフって言えるのかな?
人類の創作物としていいのかな?というのは感じるんですが、いかがでしょう。

小出:
原子力発電所の場合にはフェールセーフという言葉は、
要するに「なにか間違えた事をやっても安全なんだ」というフェールセーフという言葉もあるし、
フールプルーフ(fool proof)という言葉もありました。
それはプルーフ、馬鹿ですね、
「運転員が馬鹿な事をやってもきちっと保証できるようにする」と、
それが設計思想になっていると、ずっと彼らは言ってきたわけで、
設計思想としてそうするという事はむしろ当たり前のことであるんですね。
人間は間違えた事をするし、何か具合の悪い事が時に起きるという事は当たり前な事なのであって、
それに対して設計上対処しておくという事は、当然の考え方です。

しかし、それが原子力の場合には成り立たないのです
みなさん、車で今日ここに来られた方がいらっしゃると思います。

たとえば時速40kmか50kmで走っていて、
走っている途中にタイヤが一つポロリと落ちてしまったといったら、
みなさんはすぐにビックリしてブレーキを踏んで、ある人はエンジンを切るかもしれない。
そうしたら、ま、何10mかは走るかもしれないけれども、そこで時速は0kmになりますね。
必ず止まります。

しかし、原子力発電所というものは、ウランの核分裂を起こさせて熱を発生させるわけですが、
核分裂を起こさせた途端に、核分裂生成物という放射性物質が原子炉の中に溜まってくるのです。
それで放射性物質はそのもの自身が熱を出すというのが基本的な性質です。
今日の原子力発電所は100万kwというのが標準になっていますが、
100万kwの原子力発電所というのは、
電気になるのが100万kwという意味です。

原子炉の内部では300万kw分の発熱をしていて、
わずか3分の1だけが電気になって、
3分の2、つまり大半の200万kw分は使う事が出来ないまま海に捨てているという、
そういうバカげた装置なんです。


その上に、300万kw発熱しているという、
その熱のうち7%はウランが核分裂しているのではなくて、
すでに炉心に溜まってしまった核分裂生成物、そのものが出しているんです。

何か事故が起きてウランの核分裂反応を止めるという事は、かなり比較的容易です。
多分福島の事故の場合も止められたと私は思っています。

しかし、原子炉の中に核分裂生成物が溜まってしまっている限りは、
7%分のエネルギーは止める事が出来ないんです。

発熱は。

つまり、超悪化、もうここで止まらなければいけないと思って
どんなにブレーキを踏んでも、エンジンを切っても車は止まれないんです。
それが町中の人ごみの中であろうと、山の中の崖っぷちであろうと、
タイヤが外れたまま走り続けなければ壊れてしまうというのが、原子力発電所というそういう機械なのです。
どんなフェールセーフも、どんなフールプルーフももう成り立たないという、
初めからそういう基本的な性質を与えた機械です。


ですから、設計思想としてフェールセーフ、フールプルーフという事をやる事は、
私は当然だし、いいことだと思いますけれども、
原子力というのはそれが成り立たない技術であると思っていただきたいと思います。





フェールセーフ(Fail Safe)
故障や操作ミス、設計上の不具合などの障害が発生することをあらかじめ想定し、
起きた際の被害を最小限にとどめるような工夫をしておくという設計思想。
例としては、石油ストーブが転倒すると自動的に消火するよう設計されていることや、
加圧水型原子炉の制御棒の電源が切れると制御棒が自身の重さで炉内に落下して
自動的に炉を停止させるよう設計してあることなどが挙げられる。


フールプルーフ(fool proof)
工業製品や生産設備、ソフトウェアなどで、
利用者が誤った操作をしても危険に晒されることがないよう、設計の段階で安全対策を施しておくこと。
正しい向きにしか入らない電池ボックス、ドアを閉めなければ加熱できない電子レンジ、
ギアがパーキングに入っていないとエンジンが始動しない自動車、などがフールプルーフな設計の例である。
「fool proof」を直訳すれば「愚か者にも耐えられる」だが、
その意味するところは「よくわかっていない人が扱っても安全」。
その思想の根底には「人間はミスするもの」「人間の注意力はあてにならない」という前提がある。
安全設計の基本として重要な概念である。


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