【ペイフォワード環境情報教室】121228茂木透先生Vol012
第11回目の今日は北海道大学大学院、理学研究院教授であり、
地震火山緊急観測センターの茂木透先生をお迎えしております。
茂木先生は北海道を中心に地震予知の研究をされています。
先生には地震予知の現状とこれからの課題についてお話を頂きます。
Sawada:
本日は国会同大学大学院理学研究院の茂木先生に来ていただいています。
地震予知の研究をされている茂木先生に来ていただいているんですけれども、
「4年以内に70%のマグニチュード7以上の巨大な地震が起きるんじゃないか」というような話があって、
こういう話が出るたびに、地震予知というのは出来ないのかと常々私も思っているところなんですけど、
その中で北海道で大変先進的な研究をされていて、確立もある程度高いという事をお伺いしまして、
茂木先生、具体的にはどのような活動をされているのか教えていただけますか?
茂木:
はい、
私たちは北海道大学という事もあるので、北海道の中に於いて、
主として電磁気学的な手法によって地震が予知できないかというような研究を進めています。
方法はいくつかあるんですが、
一つは地殻能力が高まってくると地磁気が、
「岩石の磁気の強さが変化する」と、そういうのを測定する方法とか、
それから、これはギリシャなどでよく使われていますが、
地震の前に地電流ですね、地面に流れる電流が変化すると、こういう方法もあります。
それからもうひとつ我々がかなり一生懸命取り組んでいるのが、
VHF体の電波ですね。
これは、VHFというのは周波数帯の名前ですが、
この周波数帯の電波というのは、いわゆるFM放送ですね。
それに使われている電波ですから、
いわば、FM放送を聞いて地震予知をするということになります。
普通、FM放送っていうのは遠くのFM放送というのは聞こえないですね。
例えば札幌で室蘭の放送は聞こえません。
札幌周辺のしか聞こえないです。
それが、たとえば地震の前には、遠くのFM放送が聞こえてくる事があるということが、
多分最初は1995年位に八ヶ岳天文台という所の串田さんという方が、
「そういう現象があるんじゃないか」という事を言いだしました。
我々も「そういう事はあるのかな?」という事で2002年ぐらいから
北海道の中でそういう観測を始めました。
我々は北海道の中でも地震が多く発生する、たとえば日高山脈の周辺ですとか、
それから、いわゆる道東と言われている釧路とか根室地域ですね、
こういう所を中心に観測網をつくってきています。
たとえば、日高山脈の地震ですと、
日高山脈の東側にある広尾という町があるんですが、
そこから日高山脈の反対側の襟裳という所で、広尾町にあるFM放送局の電波を聞いてますと、
普段は真ん中に高い山の日高山脈があって聞こえないんですが、
日高山脈の下で地震が起きる時には襟裳で広尾町の放送が聞こえるようになる。
こういう現象が、今まで多分40回ぐらい例があります。
という事でかなり高い確率でそういう現象が観測されるという事が分かってきています。
だから、こういう事をもっといろんな事例を踏んで確かなものにしていけば予知につながるかな?と、
思っています。
で、実際に予知を実用化するためには、
学問的にはそういう現象がどういうメカニズムで起こるのか?と。
何故そんな現象が起こるのか?と言う事を証明しなきゃいけないんですが、
我々はそういう現象がですね、たとえば地面の中から出ているガスですね、
そういうものが大気と反応してある電波を反射するものを、反射する物体をですね、
空中に、上空に出現させると。
ま、そういう事じゃないかとする仮説を検証するような観測も始めています。
Sawada:
はい、で、先生これを活動されて、
過去やられている中でどのぐらいの確率で当たるものなんでしょうか?
茂木:
なかなか、その確率の数字で言うのは今はなかなか難しいんですけど、
まぁ、あのー、地震が起こってから見直して、「なんかあったのかな?」という事で言えばかなり。
たとえば10回中8回とか、そういう事はあり得ると思います。
Sawada:
そうすると、この手法自体は正しい可能性があると。
でも事前に分かるとかはまた別な話しに…
茂木:
はい、事前にやるためにはですね、
やはり、異常のパターンを正確に理解するとかですね、
ノイズ等をどうやって見分けるか?ですとか、
なかなかその辺が非常に、地震の起こり方、
あるいはそういうシグナルの出方というのに多様性があるんで、いろんな事があり得るので、
そこがなかなか整理がつかないでいます。
Sawada:
この中で、私どもの生活の中で天気予報ですとか台風もそうですし、
いろんな形で予報と呼ばれている中で、何ですかね、
100%までは信じる必要もないし、当たる必要もないけども、
ぜひ知っておきたい情報としてですね、
地震予知というのも多分今後、もしこういう形で先生のデータを積み上げられていく中で、
これが当然100%である必要がないんですけれども、ある一定の確率以上出てきたら
「なんとなく知っておきたい」というニーズがいま高まってると思うんですけれども、
そういった際、どういう形で私どもは受け止めていけばいいもんでしょうかね?
茂木:
はい。
いま、Sawadaさんのお話でもありましたが、
非常に、自然の予知というのはですね、不確実性が伴うと。
だから天気予報にしたって、今お話しのように、
決して台風の進路が100%たらしい予知が出来るわけでは、予測が出来るわけではない。
だから地震予知もおそらく、何かシグナルがあって、
もしかしたら地下で何かが起こっていてもそれが本当に地震に繋がるかどうか?
という事さえ分からない訳です。
ですから、ある確率では外れる、という事が起こると思います。
そういう意味で、ある学者の人のように、
「いつ・どこで・どんな強さで」というのが地震予知の3要素と言いますが、
それが100%当たるという、そういう地震予知は、
おそらく未来永劫出来ないと思います。
だけど、仮にそういうものが50%とか当たるという予知はですね、
将来実現する可能性というのは「ある」と思います。
Sawada:
そう言った時に、私ども聞く側がですね、
どれぐらいそういった情報に対して理解が示せるか?ということが、
やっぱりすごく重要ですね。
茂木:
やはりその辺が、地震というのはたとえば仮にマグニチュード8とか9とか、
本当に破滅的な地震が起こるというような事を仮に予知を出した時っていうのは、
みなさんは一種の命の危険を感じるわけですよね。
だから非常に深刻に受け止められる方も出てきてですね、
そういう点では非常に影響が大きいんですね。
だから、仮にそういう予知がされた時に社会はどう対応するか?と。
あるいは個人としてどう対応されるか?
そこのところを、やはり社会的なコンセンサスと言いますか、
あるいは逆に1各社1機関が、仮にそれを予知した時にどうやってそれを社会に伝えるのか?
その伝え方というか。
そういう事でさえ、まだ日本では全然整備されていないんですね。
Sawada:海外の事例なんかはどうなんですか?
茂木:
あの、海外と言わずに日本ですと、
日本でも、実はもう地震予知を、有料ですけどやっておられる会社があります。
そういう方は、携帯電話のいわゆる有料サイトにしてですね、
定期的に毎週毎週「ここではこのぐらいの地震が起こる可能性があります」
というような予測を出しておられるんですね。
ただそれは、いわゆるクローズドでオープンにしていないですね。
だから、たとえば、
仮にそれが外れても我々は責任を負いませんよとか、
そういう一種のエックスキューズを置いたうえでですね、
会員制のですとか、会員組織にしてやっておられる。
ま、そういうのが、現段階でもし地震予知をするとしたら、一番リーズナブルるな方法かもしれませんね。
Sawada:
ですけど、どうなんでしょうね。
この「4年以内にマグニチュード7クラスが70%の確率で起きるかも」
という事まではオープンになってて、
今問題になっている福島の原発もそうですけれども、
ある程度以上の大きな地震が来ては、やっぱり一大事になると。
で、原発の後もそうでしたけれども、国民がパニックになると言う事が故に
真実が隠されてきたような、この真実が分からないような状況もあると。
それで、パニックにならないような私どもの理解力を持って、必要な情報が得られるというようなことが、
今後、情報の出し手の先生方もそうでしょうけど、
私たち受けての方もそういう意識みたいな事が出来てこないと、
なかなかこう、パブリックに情報が伝わってきにくいという事なんでしょうかね。
茂木:
その辺私も非常に考えているところですが、
地震の場合は本当に直接命に関わりますよね。
たとえば東京のM7でもそうですけど、
8だの9だのっていうのが起こるという事になれば、
極端な話「明日あなたは死ぬかもしれない」と言われるのとおんなじように感じる方もいると思うんですね。
だから、そういうものですから、なかなか安易にですね、
多分伝える方もそうでしょうし、出す方もそうですし
伝える方も非常に慎重にならざるを得ない、ということで、
隠されているというよりも、
非常に慎重にならざるを得ないと思うんですよね。
そこが非常に難しいですね。
Sawada:
そうですね。
ですけども先生、30年以内に大きい地震がありますと、いうふうな予報は大変多かったですよね。
ですけども、4年以内に70%というと、
なかなかな距離感と言いますか、近さがありますよね。
だから、4年以内と言っているんだから、「心構えをしておきなさい」という事を言われているんですね。
茂木:そういうことですよね。
Sawada:
そこまでは十分注意喚起はされている。
ですけれども、なかなか毎日の事ですので、難しいと。
で、今余震が大変多くなっていますよね。
ますます鈍感になりつつあるというか、
ここに於いて、どうにか私も上手く情報が入って、是非やっていきたいな、と思っている中で、
今度もしタイミングがあって、先生の方でもお話を頂けるというと、
私も、リスナーの方もですね、そういうつもりで聞けるというような形の前提を、
前置きを踏まえながらですね、
是非、何か、大きな事ですので、先生の研究が役に立たせていただいて、
私どもも使わせていただいたらありがたいなと思っているんですけど、いかがでしょうか?
茂木:
はい、
我々もできるだけ役立つような予知に向かっている方向で研究を進めているところです。
だからサイエンスの面はサイエンス的な事はもう、我々のやる事ですけど、
最後にお話しになられた社会的側面ですね、
早い話が「東京で4年後にM7が」ということですけど、
今度は、「1週間後にM7が70%」と言われた時に、皆さんどういう行動をしますか?
Sawada:
そうですよね、ここが重要で、そこが多分、
一つは年生がおっしゃっているように
「いままでの地震予知は当たらない」と言われているようなものの中なのか、
先生が立証されてきたような、北海道のケースで言うと、
なかなかの確率で当たっているという所を踏まえると、
ある程度、心の準備ですね。
1週間以内であればちょっと緊張感が続くと、
4年以内だとみんな忘れてしまうと、いうところがありますんで、
この間を取って私たちがどれ位、自分たちが考えていくと。
たとえば当たらなかった時に「当たらなかったじゃないですか」という話ではないと思いますし、
これがあおっているという物でもないはずだという位に、
私たち受け手がしっかりと考えて情報を取っていって、整理をしていくと。
茂木:
はい。
そういう面が、地震予知の実用化という点では、重要だと思いますね。
Sawada:
そうですね。
わかりました、ありがとうございます。
茂木先生には本番組の災害対策コースの主任講師としてこれからもご登場を予定しております。
ーーー
地震の予知というものには、天気予報などとは全く違う重い要素が含まれているということを、
私は、茂木先生のお話を聞いて初めて突きつけられた気がします。
「1週間後にM7が70%」と言われた時に、皆さんどういう行動をしますか?
この言葉に、ドキッ!としました。
1週間以内に大きな地震が来る。
しかもM7以上の。
その当たる確率が70%ではなく、50%だとしても、
みんなはどうするのだろうか?
仕事があって逃げられなくても、きっと、水を買い、食料品を買い、電池などを買い、
店からは品物が消えるかもしれない。
30年以内と言われた場合は「いつくるかわからないから運命だわ」と思い、
4年以内と言われた場合は「いつも家に水ぐらいは置いておこうかな」と思う。
けれど1週間以内と言われたら、やっぱり焦ると思う。
地震の予知はできないと言われているし、
揺れる数秒前にピロピロ音が鳴るくらいとの予知しかできないものと思っていたけど、
もしかしたら、もっと正確にわかるようになってきているのかもしれないと、
そんなことを思いました。
第11回目の今日は北海道大学大学院、理学研究院教授であり、
地震火山緊急観測センターの茂木透先生をお迎えしております。
茂木先生は北海道を中心に地震予知の研究をされています。
先生には地震予知の現状とこれからの課題についてお話を頂きます。
Sawada:
本日は国会同大学大学院理学研究院の茂木先生に来ていただいています。
地震予知の研究をされている茂木先生に来ていただいているんですけれども、
「4年以内に70%のマグニチュード7以上の巨大な地震が起きるんじゃないか」というような話があって、
こういう話が出るたびに、地震予知というのは出来ないのかと常々私も思っているところなんですけど、
その中で北海道で大変先進的な研究をされていて、確立もある程度高いという事をお伺いしまして、
茂木先生、具体的にはどのような活動をされているのか教えていただけますか?
茂木:
はい、
私たちは北海道大学という事もあるので、北海道の中に於いて、
主として電磁気学的な手法によって地震が予知できないかというような研究を進めています。
方法はいくつかあるんですが、
一つは地殻能力が高まってくると地磁気が、
「岩石の磁気の強さが変化する」と、そういうのを測定する方法とか、
それから、これはギリシャなどでよく使われていますが、
地震の前に地電流ですね、地面に流れる電流が変化すると、こういう方法もあります。
それからもうひとつ我々がかなり一生懸命取り組んでいるのが、
VHF体の電波ですね。
これは、VHFというのは周波数帯の名前ですが、
この周波数帯の電波というのは、いわゆるFM放送ですね。
それに使われている電波ですから、
いわば、FM放送を聞いて地震予知をするということになります。
普通、FM放送っていうのは遠くのFM放送というのは聞こえないですね。
例えば札幌で室蘭の放送は聞こえません。
札幌周辺のしか聞こえないです。
それが、たとえば地震の前には、遠くのFM放送が聞こえてくる事があるということが、
多分最初は1995年位に八ヶ岳天文台という所の串田さんという方が、
「そういう現象があるんじゃないか」という事を言いだしました。
我々も「そういう事はあるのかな?」という事で2002年ぐらいから
北海道の中でそういう観測を始めました。
我々は北海道の中でも地震が多く発生する、たとえば日高山脈の周辺ですとか、
それから、いわゆる道東と言われている釧路とか根室地域ですね、
こういう所を中心に観測網をつくってきています。
たとえば、日高山脈の地震ですと、
日高山脈の東側にある広尾という町があるんですが、
そこから日高山脈の反対側の襟裳という所で、広尾町にあるFM放送局の電波を聞いてますと、
普段は真ん中に高い山の日高山脈があって聞こえないんですが、
日高山脈の下で地震が起きる時には襟裳で広尾町の放送が聞こえるようになる。
こういう現象が、今まで多分40回ぐらい例があります。
という事でかなり高い確率でそういう現象が観測されるという事が分かってきています。
だから、こういう事をもっといろんな事例を踏んで確かなものにしていけば予知につながるかな?と、
思っています。
で、実際に予知を実用化するためには、
学問的にはそういう現象がどういうメカニズムで起こるのか?と。
何故そんな現象が起こるのか?と言う事を証明しなきゃいけないんですが、
我々はそういう現象がですね、たとえば地面の中から出ているガスですね、
そういうものが大気と反応してある電波を反射するものを、反射する物体をですね、
空中に、上空に出現させると。
ま、そういう事じゃないかとする仮説を検証するような観測も始めています。
Sawada:
はい、で、先生これを活動されて、
過去やられている中でどのぐらいの確率で当たるものなんでしょうか?
茂木:
なかなか、その確率の数字で言うのは今はなかなか難しいんですけど、
まぁ、あのー、地震が起こってから見直して、「なんかあったのかな?」という事で言えばかなり。
たとえば10回中8回とか、そういう事はあり得ると思います。
Sawada:
そうすると、この手法自体は正しい可能性があると。
でも事前に分かるとかはまた別な話しに…
茂木:
はい、事前にやるためにはですね、
やはり、異常のパターンを正確に理解するとかですね、
ノイズ等をどうやって見分けるか?ですとか、
なかなかその辺が非常に、地震の起こり方、
あるいはそういうシグナルの出方というのに多様性があるんで、いろんな事があり得るので、
そこがなかなか整理がつかないでいます。
Sawada:
この中で、私どもの生活の中で天気予報ですとか台風もそうですし、
いろんな形で予報と呼ばれている中で、何ですかね、
100%までは信じる必要もないし、当たる必要もないけども、
ぜひ知っておきたい情報としてですね、
地震予知というのも多分今後、もしこういう形で先生のデータを積み上げられていく中で、
これが当然100%である必要がないんですけれども、ある一定の確率以上出てきたら
「なんとなく知っておきたい」というニーズがいま高まってると思うんですけれども、
そういった際、どういう形で私どもは受け止めていけばいいもんでしょうかね?
茂木:
はい。
いま、Sawadaさんのお話でもありましたが、
非常に、自然の予知というのはですね、不確実性が伴うと。
だから天気予報にしたって、今お話しのように、
決して台風の進路が100%たらしい予知が出来るわけでは、予測が出来るわけではない。
だから地震予知もおそらく、何かシグナルがあって、
もしかしたら地下で何かが起こっていてもそれが本当に地震に繋がるかどうか?
という事さえ分からない訳です。
ですから、ある確率では外れる、という事が起こると思います。
そういう意味で、ある学者の人のように、
「いつ・どこで・どんな強さで」というのが地震予知の3要素と言いますが、
それが100%当たるという、そういう地震予知は、
おそらく未来永劫出来ないと思います。
だけど、仮にそういうものが50%とか当たるという予知はですね、
将来実現する可能性というのは「ある」と思います。
Sawada:
そう言った時に、私ども聞く側がですね、
どれぐらいそういった情報に対して理解が示せるか?ということが、
やっぱりすごく重要ですね。
茂木:
やはりその辺が、地震というのはたとえば仮にマグニチュード8とか9とか、
本当に破滅的な地震が起こるというような事を仮に予知を出した時っていうのは、
みなさんは一種の命の危険を感じるわけですよね。
だから非常に深刻に受け止められる方も出てきてですね、
そういう点では非常に影響が大きいんですね。
だから、仮にそういう予知がされた時に社会はどう対応するか?と。
あるいは個人としてどう対応されるか?
そこのところを、やはり社会的なコンセンサスと言いますか、
あるいは逆に1各社1機関が、仮にそれを予知した時にどうやってそれを社会に伝えるのか?
その伝え方というか。
そういう事でさえ、まだ日本では全然整備されていないんですね。
Sawada:海外の事例なんかはどうなんですか?
茂木:
あの、海外と言わずに日本ですと、
日本でも、実はもう地震予知を、有料ですけどやっておられる会社があります。
そういう方は、携帯電話のいわゆる有料サイトにしてですね、
定期的に毎週毎週「ここではこのぐらいの地震が起こる可能性があります」
というような予測を出しておられるんですね。
ただそれは、いわゆるクローズドでオープンにしていないですね。
だから、たとえば、
仮にそれが外れても我々は責任を負いませんよとか、
そういう一種のエックスキューズを置いたうえでですね、
会員制のですとか、会員組織にしてやっておられる。
ま、そういうのが、現段階でもし地震予知をするとしたら、一番リーズナブルるな方法かもしれませんね。
Sawada:
ですけど、どうなんでしょうね。
この「4年以内にマグニチュード7クラスが70%の確率で起きるかも」
という事まではオープンになってて、
今問題になっている福島の原発もそうですけれども、
ある程度以上の大きな地震が来ては、やっぱり一大事になると。
で、原発の後もそうでしたけれども、国民がパニックになると言う事が故に
真実が隠されてきたような、この真実が分からないような状況もあると。
それで、パニックにならないような私どもの理解力を持って、必要な情報が得られるというようなことが、
今後、情報の出し手の先生方もそうでしょうけど、
私たち受けての方もそういう意識みたいな事が出来てこないと、
なかなかこう、パブリックに情報が伝わってきにくいという事なんでしょうかね。
茂木:
その辺私も非常に考えているところですが、
地震の場合は本当に直接命に関わりますよね。
たとえば東京のM7でもそうですけど、
8だの9だのっていうのが起こるという事になれば、
極端な話「明日あなたは死ぬかもしれない」と言われるのとおんなじように感じる方もいると思うんですね。
だから、そういうものですから、なかなか安易にですね、
多分伝える方もそうでしょうし、出す方もそうですし
伝える方も非常に慎重にならざるを得ない、ということで、
隠されているというよりも、
非常に慎重にならざるを得ないと思うんですよね。
そこが非常に難しいですね。
Sawada:
そうですね。
ですけども先生、30年以内に大きい地震がありますと、いうふうな予報は大変多かったですよね。
ですけども、4年以内に70%というと、
なかなかな距離感と言いますか、近さがありますよね。
だから、4年以内と言っているんだから、「心構えをしておきなさい」という事を言われているんですね。
茂木:そういうことですよね。
Sawada:
そこまでは十分注意喚起はされている。
ですけれども、なかなか毎日の事ですので、難しいと。
で、今余震が大変多くなっていますよね。
ますます鈍感になりつつあるというか、
ここに於いて、どうにか私も上手く情報が入って、是非やっていきたいな、と思っている中で、
今度もしタイミングがあって、先生の方でもお話を頂けるというと、
私も、リスナーの方もですね、そういうつもりで聞けるというような形の前提を、
前置きを踏まえながらですね、
是非、何か、大きな事ですので、先生の研究が役に立たせていただいて、
私どもも使わせていただいたらありがたいなと思っているんですけど、いかがでしょうか?
茂木:
はい、
我々もできるだけ役立つような予知に向かっている方向で研究を進めているところです。
だからサイエンスの面はサイエンス的な事はもう、我々のやる事ですけど、
最後にお話しになられた社会的側面ですね、
早い話が「東京で4年後にM7が」ということですけど、
今度は、「1週間後にM7が70%」と言われた時に、皆さんどういう行動をしますか?
Sawada:
そうですよね、ここが重要で、そこが多分、
一つは年生がおっしゃっているように
「いままでの地震予知は当たらない」と言われているようなものの中なのか、
先生が立証されてきたような、北海道のケースで言うと、
なかなかの確率で当たっているという所を踏まえると、
ある程度、心の準備ですね。
1週間以内であればちょっと緊張感が続くと、
4年以内だとみんな忘れてしまうと、いうところがありますんで、
この間を取って私たちがどれ位、自分たちが考えていくと。
たとえば当たらなかった時に「当たらなかったじゃないですか」という話ではないと思いますし、
これがあおっているという物でもないはずだという位に、
私たち受け手がしっかりと考えて情報を取っていって、整理をしていくと。
茂木:
はい。
そういう面が、地震予知の実用化という点では、重要だと思いますね。
Sawada:
そうですね。
わかりました、ありがとうございます。
茂木先生には本番組の災害対策コースの主任講師としてこれからもご登場を予定しております。
ーーー
地震の予知というものには、天気予報などとは全く違う重い要素が含まれているということを、
私は、茂木先生のお話を聞いて初めて突きつけられた気がします。
「1週間後にM7が70%」と言われた時に、皆さんどういう行動をしますか?
この言葉に、ドキッ!としました。
1週間以内に大きな地震が来る。
しかもM7以上の。
その当たる確率が70%ではなく、50%だとしても、
みんなはどうするのだろうか?
仕事があって逃げられなくても、きっと、水を買い、食料品を買い、電池などを買い、
店からは品物が消えるかもしれない。
30年以内と言われた場合は「いつくるかわからないから運命だわ」と思い、
4年以内と言われた場合は「いつも家に水ぐらいは置いておこうかな」と思う。
けれど1週間以内と言われたら、やっぱり焦ると思う。
地震の予知はできないと言われているし、
揺れる数秒前にピロピロ音が鳴るくらいとの予知しかできないものと思っていたけど、
もしかしたら、もっと正確にわかるようになってきているのかもしれないと、
そんなことを思いました。
- 関連記事
-
- <行政はアホ!>基準超に汚染された牧草やシイタケの原木を一般ゴミと混ぜて焼くという政策をとる岩手県
- 【ペイフォワード環境情報教室】 見えない部分を見る技術「地下探査」 活断層調査について1/22茂木透先生(文字おこし)
- <衣服の放射能汚染>「中学生一人で500ベクレル超を着ている」吉田那博さん1/18ふくしま疎開裁判会見(内容書き出し)
- 除染をしても1年後には元に戻った千葉県松戸市の場合
- いつのまにか塗りかえられていた「文部科学省(米国エネルギー省との共同を含む)による航空機モニタリング結果」
- 福岡でテルル132が検出されていた(2011年4月6日)
- <除染の実態>「川に直接投棄・手抜き作業次々と」ーメディアが報じれば政府が動くー1/7報道ステーション(内容書き出し)他
- 【ペイフォワード環境情報教室】「1週間後にM7が70%」と言われた時に、皆さんどういう行動をしますか?12/28茂木透先生(文字おこし)
- 500マイクロシーベルトで即時避難
- 「東日本大震災というのは今も続いているという事ですよね」報道するラジオ12/7(一部書き出し)
- 「今日のグラッ!はね、一種の警告だと考えて下さい」12/7毎日新聞近藤勝重さん(内容書き出し)
- <米国防省発表 地域別放射線積算量>日本国内米軍基地13カ所・事故当初2ヶ月のヨウ素被ばく積算量(OurPlanetTV の翻訳数値をグラフにしてみた)
- 火災探知機にも放射性物質(クリプトン85)
- <地図に色を塗ってみた>総理指示「出荷制限指示」栃木・千葉・群馬・茨城・埼玉・静岡・青森・山梨・神奈川・長野
- NHK独自の調査で公表されていない重要なデータが明らかに「空白の時間帯の放射線量急上昇」11/18(動画の内容書き出し)
コメント