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01.01
Tue
慈善20121231 報道するラジオ年末SP_⑥.
Ending 来年の幸せの雑学・近藤勝重







水野:
今日のこの番組はわたくし水野晶子が毎日新聞専門編集委員近藤勝重さんとご一緒に
二時から進めてきております。
ここでですね、近藤さんの「来年の幸せの雑学」と題して届けて頂きたいんですけど。

近藤:
来年というと、明日が来年ですね。
明日「正月」。
水野さんこの「正」という正しいという字ですね、
これは年の始めという意味ももちろんあるんですけれども、
一般的には「正しい」。
つまり正義であるとか正解であるとか、あるいは正す、改正するとか、文章の誤りを校正するとか、
そういう、もう本当に沢山の意味がありますけれども、
一番この「正しい」というの一番多く使われるのが「正義」です。

水野:正義

近藤:うん。
で、一番良く使われるんだけれども、
僕は一番「要警戒」すべき言葉だなと思っています。

水野:「正義」という言葉は一番よく使われるけれども一番警戒するべき言葉。

近藤:
つまり、先程もちょっと小出先生の話しに出てましたけれども、
ほとんどの戦争は「正義」を理由に行われるんです。
で、最近一番新しいところで「正義」っていう言葉を使って、宣戦布告と言いますか、
ブッシュ大統領がですね、同時多発テロの時に、議会で演説した言葉ですが、
いわゆる対テロ戦争を宣言する時の言葉が、
これは正義対残虐の戦いだ」と言ったんです。


水野:正義対残虐の戦い・・・はぁ~

近藤:
「残虐」というのは同時多発テロのああいう行為を言っているわけですね。
ところが、人間に「正義」を与えると、人間は「残虐」になるんです。

水野:ええ?人間に正義を与えると人間は残虐になる

近藤:
「なる」というのは、過去の戦争が示しているわけです。
つまり、ひとりを殺したら殺人だけれども、
何百人殺したら英雄になるというのは、まさに戦争状態ですね。

水野:
それは、「正義」をもってなされる訳ですね。
「正義」と、呼ばれるものをもってなされる。

近藤:
「正義だから殺せるんだ」と思えるわけです。
それはイラク戦争の実態を見たって、それは同時多発テロから、
2003年の3月にイラク戦争が始まります。
で、どれだけおびただしい…全く罪も何にもない市民が、
アメリカ軍によってどれだけ空爆で亡くなっていったか。
それはアフガンでも一緒ですよね。
だからそうすると、正義であるが故に残虐になっているわけです。
ここんところがね、水野さん、本当に「正義」という言葉がね、ある意味罪深いところなんですよ。

水野:
「正義」という言葉をひとたび与えた途端、どんな残虐な事も良いんですよね。
正義だもん。正義がなされるためだもん。
という理屈ですね。

近藤:だから、今度の安倍政権が「教育と正義」という言葉をすでに使っていますからね、

水野:「正義」が出てきましたね。

近藤:
だから我々はその「正義」という言葉に対して要警戒という事がまず一つですが、
もうひとつはね、
いわゆる「国家」と「国民」ですね。
先程の話にもちょっと出てましたよね、小出先生の話にも。
その「国家」と「国民」っていうのはどうなんだ?と。
つまり、せんだて、水野さんの番組だったかな、
高市さんがゲストで来られた時に

水野:高市早苗さんですね。、衆議院議員の。

近藤:
安倍さんはとにかく「国家、国家」とよく言う、「日本を取り戻す、日本」とよく言うんだけど、
「国家」と「国民」というのはどういう関係なんですか?って私が聞いた時に

水野:ええ、おっしゃっていました。

近藤:
高市さんがそれを「一体だ」って言ったんですよ。
ただそれ以上の事は私は一言だけ言いたかったんですが、
いわゆる井伏鱒二さんの「黒い雨」の中でね、兵士が被爆者をトタン板で運んでいるんだよね。
その時に兵士が思わず漏らすように一言言ったのが、
わしら国家の無い国に生まれたかったのう」って言ったんですね。

水野:わしら国家の無い国に生まれたかった…はぁ…

近藤:
うん、「国家の無い国に生まれたかった」って言ったの。
その時に言った「国家」っていうのは、「国家が国民を守ってくれる」なんていう言葉じゃないですよ。

水野:ええ。

近藤:
それはまさになんていうんだろう、
「忠君愛国」というか、そういう戦争中のそのムードの中で、
だから「国家」というのが国民を守ってくれるか?って問いかけたら
沖縄の人達はどう答えるでしょうね。

水野:本当ですね。

近藤:あるいは東京空襲、大阪空襲をあびた人達はどうこたえるでしょうね。

水野:「国家」は何をしましたか

近藤:
でもね、「国家は国民を守るんだ」という、なんか要するにそういう
「信仰」みたいなものが一方にあるんですよ。
だから我々は「正義の戦いだ」って行く時に、なんちゅうんでしょう、
「そうだ」って言って
我々も一緒に守ってくれるという形で戦争にのめり込んでいくっていう事が結構多いよね。

で、もうひとつ僕は「正義」という言葉で言うと、
やっぱり「正義」をお互いに楯に取り始めるとね、対立は必ず激化します

水野:深まりますね。

近藤:
これは、尖閣の問題も領土をめぐる問題っていうのは「お互いが正義」なんですよ。
それは「正義」だから激しくやり合うわけよ。
その時に「正義」がエスカレートするとですね、単純に収まらないんだな。
ここがまた、ある意味「正義」が持っている怖さなんですよ。

水野:なんか、燃えてしまうんですよね、「正義」って。

近藤:
だから朴さんの話しでね、僕は今日、興味深いなと思ったのは、
そういう所に誰かが出てきて、「落とし所」の話をしてたでしょ。
つまりこれ、「正義」っていうのはね、ブチ当たったら大変なことになっちゃうから、
「落とし所」をどう見つけるか?っていうのがね、
僕はもう常に、来年に向けて我々がその知恵をどう身につけるか?っていう事をですね。

水野:朴さんのお話ってね、わたしから言わせたら、ある意味「ええ加減」っていう話ですよ。

近藤:「ええ加減」の良さなんですよね。

水野:
良さなんですよ。
キッチリ言い合ってしまったら、もう激突していくところまで行くから、
棚上げできるところは棚上げして、
こっちの愛人にもええ事言いや、こっちの愛人にもええ事言い、
「ええ加減やんか、あんた」って言われるような態度も外交の知恵である。って

近藤:
だから、愛人と正妻なんていう話になってくると、ええ加減いう事が合うんやけど、
僕なりに言えば、ええ加減を言うのは第三の道なんですよ。

水野:なるほど。

近藤:
第三の道でね、つまりそれは慈善の策なんだと、
で、慈善の策がダメならさらに、人間って馬鹿じゃないから、
もうひとつ、次の策を考えようという。

水野:はい。

近藤:
それでね、水野さん、
ゴリラの生態って、これはもう山極先生(山極壽一)っていう京大の専門家がいらっしゃるけれど、
強いものと強いものが正義感をもって男同志がぶち当たるでしょ、その時にだれが止めに入るか?

水野:誰が止めに入るんですか?

近藤:止めに入るんですよ、ゴリラっていうのは。

水野:美女ですか?だれかな?

近藤:つまり、奥さんか、子どもなんですよ。

水野:あ、弱き立場のものですね。

近藤:つまり、情だよね。

水野:ああ~

近藤:つまり心の内に訴える。

水野:へぇ~

近藤:それが、ゴリラの知恵だよ、これ。

水野:すごいな!ゴリラ。

近藤:
でも、我々がもしも、強いものと強いものがぶち当たる寸前にですね、誰が止めに入るんだ?
それをもうひとつ強いものに頼ろうとするでしょ?
だからややこしくなるのよ。
そこへアメリカが出てくる訳ですよ。

水野:
あ、そうか。
弱きもの、ゴリラ呼んだらよろしいのに、ゴリラ。
2013年はゴリラに学べ。
弱きものに学べ。

近藤:だからね、人間はもっと素晴らしい知恵を持ってるんだから。

水野:ゴリラに学びますか。近藤さんの来年の幸せの雑学でした。


8:39~

9:20~
水野:
本日メールFAXをご紹介した方にはプレゼントを差し上げようと思っています。
それは北海道のお菓子メーカー六花亭のチョコレート缶入りチョコレートなんです。
六花亭って、北海道に行くとね、いろいろと有名なお土産を売ってはるところですけれど、
でも、このチョコレートはね、店頭では売っていない特別な商品なんですよ。
非常に社会的な意味が込められている商品でして、
缶の表面にね、イラクの子どもたちが描いた絵がデザインされているんです。
中にはハート形のチョコが10個入っていまして、
一缶500円なんですけれど、その売上金の一部、340円はイラクの小児癌の子どもたちの医療支援。
イラクで小児癌の子どもたちが非常に増えているんですね。
それはなぜか?と。
戦争で使われた劣化ウラン弾の放射能が原因だと言われております。
本当に何の罪もない子どもたちがずっと苦しみ続けて、またこれからも苦しみ続けなければいけない。
そういうふうななかで、なんとか医療の支援をしようという、
そういう活動に使われていくチョコレートです。
で、今回はさらに福島の子どもたちを放射能から守る活動にもこの資金が充てられるという事です。
この企画をしているのがイラク戦争を機に設立された、
医療支援ネットワークJIM-NETという所の主催でして、
去年の東日本大震災を受けて、福島の子どもたちの支援にも活動を広げて、今展開されています。
で、このチョコ募金とも言うべき物。
チョコレート缶4つを1セットにしたのが、一口2000円で募集されていて、
こういうチョコレートを買うという形で、イラクの小児癌の子どもたち、
あるいは福島の子どもたちを放射能から守る活動に、
自分もお金を出してもいいな、協力してもいいなと思われた方、
いらっしゃいましたらJIM-NETという所に申し込みお問い合わせ下さい。
電話番号 03-3209-0051(12/27~1/6は電話受付をお休み)
↓クリックするとページが開きます(ネットはお正月も受付中)
2013010111.jpg

近藤さん、子どもたちのために何かできないか?という、
こういう活動の在り方っていうのもあるんですよね。
私は去年というか、今年はバレンタインの時にこのチョコレートを人にプレゼントして、
その時に、「実はこんな活動があるんよ」って、言いやすかったんですよね。
私の場合はそんなふうに使いました。


12:49~
水野:
少しでもご紹介していこうと思います。匿名希望の方ですけど、
「震災以降世間では「脱原発」ばかりが報道されますが、
原発関連で生計を立てるものとしては、非常に腹立たしく感じています」
そういうご意見を頂きました。
「脱原発という人は言うだけで、
なんにも考えず電気を使っている人たちがかなりの割合でいるんじゃないですか」と。

近藤:エネルギーって、新しいエネルギー政策って相当雇用も生むという事は言われていますけどね。

水野:
言われてますね。
だけど、本当はそういう政策を聞きたかったですね、本当に。
で、そういう事を言っていた、演説をしていた政治家の人のも私は聞きましたよ、実際に。
具体的にこのエネルギー政策を取れば何万人、何万人って出している人はいました。
いましたけどね、その人の言葉に、みなさんが「おおっ!」と心を動かしている様子を、私は見なかった。

近藤:道筋がはっきりしてないんだよな。工程表がないから。

水野:
だからもっと具体的に示してもらわないと、
なかなかみなさん、生き方を転換するのは難しいと感じているのかもしれません。

方は、
「私は福井県北部の出身です。高校卒業後大学時代からずっと大阪に住んでいますけど、
原発と拉致問題どちらも福井に関わりがあるので、今日の番組には両方の話しが出てきたので、
非常に思う事がありました」と。
で、「原発が安全な筈はありませんよ、でも、生活が出来ない人が多くいるのも事実で、
とても辛い立場にいるというのが本当のところです。
優しくてまじめな福井の人が幸せになるというのが日本のみなさんの幸せにもつながるんじゃないですか?」
そうですよね、福井の人達、原発のあるところの人達と私らの問題は別じゃないはずですよね、近藤さん。

近藤:
そうですね。
なんちゅうんでしょう、豊かさというものをもう一度考える時期に来てたんだなぁ。
豊かさの質って言いますかね、

水野:豊かさの質ねぇ

近藤:
うん、幸福感というのは何なんだろうとかね、
そういう、良いテーマだったんだけどな。

水野:
今年本当はずっとそこを深めるべき一年だったんでしょうけど、ねぇ。
でもどっかでねぇ、なんか…お金お金お金、とか。
高率とかねぇ、
やっぱりそういう波にかき消されてしまったところがやっぱり私自身にもあるんじゃないかなと思っております。
もうひとり、
「来年どうなる?来年の大リーグではダルビッシュが27勝して最多勝に輝く」
「日本ではタイガース、藤波さんが10勝して新人賞を取ります」


近藤:殆ど異議なしですね。

水野:よかったぁ!この方大賞じゃないんですか?

近藤:大勝っていうか(笑)よう声を出してくれました。

水野:
よかったぁ!これで近藤さんがなんとかね、機嫌よう今年を終わってくれる事が出来るかと思います。
今日みなさんのいろんなのを聞いてはって講評を言って下さい、近藤さん。

近藤:ぼくね、現地からのいいろんな生の声に一つ一つ心が反応していたの。

水野:敦賀から京丹後から、沖縄から

近藤:最初の、僕、青木さんの話しが好きでね。

水野:脱サラしはって、そして有機農業をやってはるって。

近藤:
僕は特に人間らしさとか豊かさとか地域らしさという言葉がね、
折に触れ彼の言葉になっていました。

水野:
地域らしい、それぞれがやっていきたいのに、
TPPでドカンってやられたら、全部一緒になっちゃうよって。

ー略ー


20:08

水野:
多くのリスナーの方で原発に関しても
「もう危機感ってなくなっているんですね、これでええんか」って下さったんですけど、
確かに「なかったことにする」人々がいるんですよ、多分。
ね、「あれもこれも無かったよ」と。「え?まだこだわってんのあんた」って言われちゃうと、
「私だけがそんなことにこだわってるんやろか?諦めな」って。
そこで、「だけど泣き寝入りしない」っていうこの言葉を覚えておけば、いいですねぇ。
相手が無かったことにしても「だってあったよ」って。
「私忘れてないよ」って。

近藤:心構えやな、だからね。

水野:
泣き寝入りする事を誰かから、こう、期待されているのかもしれませんね、逆に言うと。
やりやすいですもんね、泣き寝入りしない人は。

近藤:「正義」なんて言われると弱いよな。

水野:
「正義、正義!」なんて言われたら、そうですね。
どんな言葉をもってこられようと、「泣き寝入りしない」という事はすごい力をもつ事かもしれません。

近藤:
とにかく「知恵を出そう」という事にも通じるよね。
負けないで、前を見て知恵を出していこうという事でもあると思いますね。

21:50~
水野:
近藤さぁん、後6時間ほどで今年は終わってしまいますけれども、
また、ちょっと希望をもって「泣き寝入りしない」をキーワードに私もやっていきますよ。



「せめてしっかりと目を見開いてみて下さい」と私はお願いしたいと思います。
小出裕章氏12/31報道するラジオSP(文字起こし)




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comment 4
コメント
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| 2013.01.02 15:05 | 編集
このコメントは管理人のみ閲覧できます
| 2013.01.02 22:02 | 編集
「正義」のお話、わかります。
大林宣彦さんは似たようなことを言ってます。「正義より正気が大事。正義は戦争につながる。戦争はいけないと考えるのは正気」だと。
いいブログですね。支持・応援いたします。
papakoman | 2013.01.04 18:46 | 編集
愛国=国を愛するんだけど、国なんていくら愛してもロクなことにならないんだよね。愛国は差別の根源だよ。金持ちと利権を持つ者をそれらを持たない者が守らさせられるのが愛国さ。鉄砲弾の盾にさせられるのさ。だから権限を持っている人間は「正義」という言葉を使って誤魔化すの。
 本当は国は国民を愛さなければいけないんだ。
hotaka | 2013.01.05 11:12 | 編集
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