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<後半>藻からバイオ燃料開発 「被災地復興への希望」渡邊信教授講演10/20(内容書き出し)


藻からバイオ燃料開発 「被災地復興への希望」で、被災地の田畑で藻類を生産し、
藻からペレットを作り火力発電所の燃料にする。その他の大きな希望の新聞記事を読み、
前半部分の記事でぬぐい切れなかった疑問。
「汚染地帯で藻類を育てて放射性物質を大量に取り込まないのか?」
「どのような方法で藻類を育てるのか?」
それを知りたかったので渡辺教授の講演を聞いてみました。


声だけを聞きながら文字起こしをしていると、
最近、その声のトーンや深さから人間性が読みとれるような気がしています。
話している方の心の温かさを感じて、いつまでも聞いていたい人がいるし、
その反面途中で「もういやだ、聞きたくない」と思う声の方もいます。
筑波大学生命科学研究科教授 渡邊信教授の声は前者で、とても誠実な温かい声でした。
いつまでも聞いていたい声でした。
なので、被災地における藻の生産方法の部分だけ文字起こししようと思っていたのですが、
結局ほとんど全部書き出してしまいました。

藻類が持つ可能性の多さ、藻類が何億年も前から地球にとって、人間にとって大切な存在である事。
藻類の生態を知ることが出来て、とてもよかったと私は思っています。
貴重な勉強をさせていただきました。ありがとうございます。

東北復興プロジェクトの詳細については<後半文字起こし>部分で説明されています。



東北復興次世代エネルギー研究開発シンポジウム
2012年10月20日開催 筑波大学生命科学研究科教授 渡邊 信氏






<前半部分・要点書き出し>


20130104藻30

藻類とは
1.光合成をおこなうが、根、茎、葉といった明確な文化がみられない植物の総称
2.約4万種が記載。未記載種のものを含めると、30万種~1000万種と算定。
3.コンブ、ワカメなどのような大型の種類が存在するが、圧倒的に多いのは微細な種


藻類が果たした大きな役割


このような小さな生物が、地球、そして人類の歴史に非常に大きな役割を果たしている。
役割は数えればきりがないほどあるがその中で果たした大きな役割。

1.現在の大気をつくったのは藻類だった
藻類の中で一番原始的なものラン藻類といいますが、
これが約35億年ぐらい前地球上に現れ、
これが初めて太陽に光を利用して、二酸化炭素を吸収して有機物を合成して、、酸素を発生させた。
いわゆる光合成をおこなった。
その当時は大気中にCO2が90%ぐらい充満していたものが、だんだん減っていくという事になった。
ただ、酸素はすぐには大気中には現れてこないで、海中で金属の酸化に使われていました。
従って、金属の酸化がほぼ終わった、約22~3億年前ぐらいになって、初めて大気中に酸素が出てきました。
それから大気中にどんどん酸素は増えそれに対して二酸化炭素は減り、
5~6億年前には現在の大気になったといわれています。
陸上植物の一番古い化石は約4億年前ぐらいですので、
基本的には陸上植物が現れる前にいまの大気の状態になっていたんだろうと思われます。
とすると、今の大気をつくりだしたのが実は藻類だったという事が言えるわけです。

2.鉄文明の資源となる鉄鉱床を作った
さきほど、最初に発生した酸素は金属の酸化に使われたと言いました。
その代表的な金属は鉄です。
鉄は最初Feで水の中にとけ込んでいた。
ところが藻類が光合成から酸素を発生したためにこれが酸化されて、
酸化鉄の形になり、そして水酸化鉄の形で海底に沈殿した。
これがいわゆる鉄鉱石です。
従って、鉄鉱石が良くとれる地層の年代を見ると、
35億年ぐらい前から17~8億年ぐらい前までの地層に非常によく鉄鉱石がみられる。
この鉄鉱石の元になった、鉄を酸化して鉄鉱石にしたのは藻類が発生した酸素のおかげです。
私たちはこの鉄鉱石を使って人類の鉄分名を開花させ、文明を大きく発展させました。

3.石油を作った
今現在中東の石油は、採掘可能な石油の60%が約1億年前にできたと言われます。
では、1億年前の中東ってどんなところだったのか?
それは陸地ではなく、浅い海が広がっていたところです。
非常に浅いので、太陽の光が水中まで燦々と入り込んでいました。
そこで藻類が大繁殖をして、それを食べる鉱物プラントも繁殖して、
そしてそれを食べる動物もというように非常に豊かな生態系がここにありました。
これが地殻変動で全部死んで、海底に沈殿していった。
藻類の中心に沈殿していって、それが海底の熱と圧力で石油になったということです。
この石油を利用しながら私たちはさらに文明を発展したわけです。

結果的にさっき大気を作ったといいましたが、もうひとつ大きな役目は、
大気を作るとともにオゾン層を作ってくれたんですね、酸素をいっぱい発生して。
オゾン層を作ってくれたために、紫外線をカットして、地上に降り注ぐ紫外線をものすごく減らした。
その事によって生物が陸地に侵入するという事が可能になった。
陸地に侵入した生物は、どんどんそこで分化し進化し、最終的には人類が生まれたという事です。

従って、生命の大きな動きの元になるような大事なものを作り上げるために、
ものすごく藻類は大きな役割を果たしたという事がいえます



藻類が現在の地球で果たしている役割

役割1.海域の動物を支えているのは藻類
第一次生産は陸上ですが、地球上の70%は海域です。
海域に住んでいる動物の量は陸上の動物の10倍あると言われています。
私たちはその魚などの動物を使いながら生活を営んでいます。
実は、海の中の最初の生産者は誰か?というと藻類です。
陸上の10倍は居るという動物を支えているのは間違いなく藻類です。

役割2.藻類は雲を作る
藻類の中に、炭酸カルシウムの殻を持っている不思議な種類があります。
これは外洋で繁殖してプルーム状態を作ります。
実はこの生物はDNSPという揮発性の物質に変わります。
これが揮発性なので大気中に出て、大気の中での光化学反応によって、硫酸イオンに変わります。
この硫酸イオンが雲の核になっていきます。
この硫酸イオンの周りに水蒸気がバーッと集まって雲が出来るわけです。
そしてこの雲が運ばれて地上に雨を降らす。のみならず、イオンも降らしてくれるという事になります。
藻類は水の循環とイオンの循環に非常に大きな役割を果たしているという事がいえます。


藻類にこれからこんな役割を果たして欲しい
それを実現するためには我々はどうしたらいいか

これは日本だけではなく、地球規模でどうしても解決しなければならない問題です。
それはなにか?
今現在化石燃料に依存しているエネルギー資源がいずれかは無くなるという、
このエネルギー資源をいかに確保していくか?
そして経済を発展させる。
しかしあくまでもそれは環境をしっかりと保全していかなければならない
もっと分かりやすく言うと、地球温暖化の問題があります。
どんどん化石燃料を使う事で、CO2が大気中に増えてくる事によって温暖化が始まり、
そして気候変動がはげしくなる。
これは今後人類の存続発展を考えた時に由々しき問題です。
従って、地球温暖化という問題を解決しつつ、エネルギーも確保して経済を発展していく。
これをいかに解決しながら私たちの存続というものを発展させていくか、
これが我々が地球規模で問われている問題であります。
その解決策は何なのかと申しますと、端的に言えるのは
基本的には再生可能エネルギーと言えるものをしっかりと我々は開発して、
それを使っていけるような状態にしなくちゃいけない。
再生可能エネルギーというものをしっかりと開発する事が出来れば、それをもとに経済を発展させ、
かつCO2が増えませんので地球温暖化の問題も解決できるという事になります。


再生可能エネルギー
基本的には水力、太陽、風力、地熱、
電気だけでいいのか?
輸送には液体燃料が必要になる
食料からのバイオマスだけでない者から技術開発をしようという所。
液体何両が必要な理由として石油は様々な原料にもなっている。
石油に代わる原料を得るという大きな問題がある。
石油を完全に代替するような再生可能な燃料資源を開発しなければいけない。
藻類からの液体燃料は輸送にも使える市発電にも使える。
藻類は植物と競合しないのはお分かりだと思いますが、その他になにがあるか?
藻類の生産効率と植物の生産効率の違い。
陸上の植物で最もオイルの生産効率が高いと言われているバームと比べると、
陸上植物のオイルの生産力の10倍から100倍ぐらおという高い生産率を持っている。
石油の世界の年間需要量を全部まかなうとすると、
耕作面積比として表すとそれをトウモロコシで全部を賄うとすると
いまの世界の耕作面積の約14倍の面積が必要となるので事実上不可能です。
一番生産効率の高いバームでも40%ぐらいの耕作面積を使わなければならない。
これも食料の生産に大きな影響を及ぼしますので、とてもじゃないけどそうはいかない。
それに比べて藻類は1.8%から4.2%程度です。
石油という、オイルを作るのに耕作面積が非常に少なくて済むということ。
もうひとつの特徴は、藻類はとにかく水があればいいので、そこが必ずしも農地でなくてもいいのです。
2~30cmぐらいのプールを作って、そこに水を入れて栄養をあげればいい。
必ずしも耕作地や農地でなくてもいいという特徴を持っています。

藻類に注目する理由

●藻類のオイル生産能力は陸生油脂植物の数10~数100倍
●生産に要する面積が少ない
●食料と競合しない
●生産に耕作地を必要としない(休耕作地は活用)

これが藻類に全世界の人達が注目している最大の理由です。


藻類が作りだす燃焼の種類

藻類の燃料は3つプラス1つぐらいに分かれます。

1.海藻類を中心にしたもの
これはいろんな炭水化物を作るので、オイルはあまり生産しません。
従って、炭水化物からアルコールを取ります。
バイオアルコールという一つの流れになります。

2.殆どの微細藻類がつくる
いわゆる植物油なたね油などという植物油の成分と同じ成分
オイル・トリグリセリド→バイオデイーゼル(FAME)バイオ経由(HiBD)
この油は直接オイル燃料には使えません。
燃料として使う時にはメチルエステルダンということをして、要はグリセリドを外してしまって使う。
これがいわゆる我々がバイオディーゼル燃料と言っているものです。
ディーゼルという名前は付いていますが、いわゆる経由のディーゼルとは全然性質が違っていて、
酸素がいっぱい入りこんでいるものであります。
酸素がいっぱい入っているバイオディーゼルを使う時にはいろんな制約がありますので、
「このままではちょっと問題だな」というので、
最近、酸素の濃度を水素転換して飛ばして、いわゆる炭化水素にして使うという、
バイオ軽油というものにして使うという流れが出てきています。

3.藻類の中ではまだまだ少ないグループ
ボトリオコッカス オーランチオキトリウムに代表されるものですが、
これがつくるオイルは石油系のオイル
すなわち炭化水素になります。
炭化水素(バイオb重油)→現運輸燃料

これは現代の石油会社が持っている精製の技術でもって、
軽油、ジェット燃料、ガソリンに変換することが可能になります。


このようにまだまだ種類は少ないんですが、石油系のオイルを作るというそう類も存在します。

それぞれの利点、欠点というものを載せていきますとこのようになります。

20130104藻31

バイオ軽油マイナス20度前後で固化していまうので、飛行機の燃料には使えない。
飛行機はマイナス50度にはなる。
しかし、ボトリオコッカス オーランチオキトリウムがつくる石油系のオイルは
マイナス40度でも液状化である。

ボトリオコッカス Botryococcus
●淡水に生息する藻類
●緑から赤色で30~30~500pmのコロニーを形成
●二酸化炭素を固定し、炭化水素を生産
●炭化水素は完全な石油代替資源
●細胞内およびコロニー内部に炭化水素を蓄積(乾燥重量の20.75%)
1個1個の細胞は楕円形です
横軸が20ミクロン縦が10ミクロンですが、
1個1個は独立しているんですが、分裂した後もバラバラにはなれなくて、
周りが粘質性なものですから、くっついて、コロニーを作っちゃう。
で、作り上げた炭化水素は細胞の中で最初は合成されるのですが、それが外に出てきます。
外に出た炭化水素は液中に広がるのではなく、このコロニー内に基本的にはトランクされています。
コロニ―、いわゆる細胞の間にとランクされている。
従ってこのコロニーを潰しますと、これはコロコロ、コロコロ出てくる。
これが炭化水素のオイルです。
これをこれからスライドでお見せします 27:04~

これは潰した時ですね。
潰すとコロコロ出てきますのが炭化水素です。
従って、細胞の外に出ていて、ただ細胞の周りに充満しているだけですので、
炭化水素のオイルを抽出するのが、細胞を特に破壊しなくても簡単に抽出できるという、
こういう特徴を持っているという生物であります。
このようにポロポロ、ポロポロ押しつぶしただけで出てきます。
上手に圧力加減を持っていくともっと沢山炭化水素がとれるだろうと思っています。

このようにボトリオコッカスをどんどん大量に増やすための努力をいま一生懸命にやっております。

20130104藻32

10リッターから30リッター屋外では300リッター
そして0.2トン、2トン、そして100トンで、今筑波大学にありますプールを利用してやり、
さらに今年から始まる筑波国際戦略の藻類エネルギープロジェクトというのをやりますので、
そこで1000トン以上の技術を開発するという所に今至っている訳です。


オーランチオキトリウム Aurantiochiytrium

ボトリオコッカスの他にもうひとつ炭化水素を作る従属栄養性藻類オーランチオキトリウムというのがあります。
これは光合成を生みだしません。
有機物を与えるとその有機物を利用してものすごい勢いで増えていく。
そして炭化水素をつくりだすという性質があります。
この生物が炭化水素をつくりだす効率はボトリオコッカスと比べますと、
その10倍以上の高率で作っていくという生物です。

20130104藻33

ここで示したように縦軸が増殖です。横軸は何日目かという事で見ますと、
4日目には増殖のピークに達します。
2倍2倍に増えるスピードは3時間ぐらいで倍々倍々というスピードです。
4日目でピークに達して、あとはゆっくりゆっくり減っていくという、そういう特徴を持つ生物です。
生物の形は単なる球形というものです。
で、この球形にオイルだけを染める特殊な染色剤で顕微鏡で眺めますと、
染色されたオイルは黄色になります。まっ黄色ですね。
非常によくオイルを作っているというのがわかります。

●4日間で1.3g/L(1.3kg/立法メートル)のオイル量がとれるので、
1haで深さが1.5mのリアクターをつくって4日ごとに収穫していくと、
年間haあたり1000トン以上の炭化水素がとれる事となる。
●光合成藻類は年間haあたり58~138トン程度

桁が違ってくるということになります。


これが本当に燃料として使えるのだろうか?という事をきちんと検証しなくてはいけません。
それでまず最初に燃料としての物性比較をしました。

20130104藻34

b重油はc重油と軽油を半分ずつ混ぜたオイルですから、その中間的な特徴を持ちます。
密度から言いますとまさしく軽油のような密度です。
それからもうひとつ重要な動粘度、粘りですね。サラサラかどうか。
それを見ますと重油から見ると非常にさらさらしたもので、
b重油あるいは軽油にかなり近いサラサラ感を持っているとい言う事がわかります。

ここまで分かったので、実際に実験してみようという事になったわけです。
31:43
ボトリオのオイルと軽油をスプレーしてみました。
ちょっとタイミングが遅れましたがボトリオコッカスのオイルも間違いなく爆発しました。
タイミングがずれたのは軽油の方が重いのでもうちょっと圧力をかければ軽油のように短時間で爆発する。
実際に爆発したんだから車が動くだろうという事で、今年(2012年)の正月の番組で紹介されましたが、
70%を軽油に混ぜることで、マツダCX-5の走行に成功したという事であります




東北復興プロジェクトの詳細説明

<後半部分・文字起こし>
33:17

藻類バイオマスの4つの事業化のモデル

1.燃料利用モデル 乗用車、農業用機械、船舶の燃料としての利用
2.エネルギー源モデル 発電用燃料、熱源としての利用
3.健康産業モデル 化粧品、健康食品としての利用
4.化学産業モデル プラスチック等化学製品としての利用

地元の資源と藻類バイオマスの可能性を最大限に活かし、
環境に優しく、エネルギー、健康の分野で貢献する新産業(6次産業)を創出

燃料モデル。
これはオーランチオキトリウムが有機物質を利用して増える。
もうひとつは光合成をします。
この二つの特徴を上手に生かす方法です。
先程コストがどうしても高いと申しましたが、
何とか組み合わせて、コストを下げる手はないか、という事を考えた訳です。
そうしますと、有機排水、そしてその排水処理と二それぞれのバイオ政策と統合させる。
少なくても私たちは有機排水を綺麗にするために相当のコストとエネルギーをすでに掛けています。
そこに上手に乗っけてやることが出来れば、
オイル生産コストがすごく下がる可能性があるという事であります。

20130104藻14

で、私たちがイメージしているのはこういう事であります。
通常有機排水は最初沈殿地で固形の有機物を沈殿させます。
そして出てくるのが一次処理水です。
これには溶損の有機物がいっぱい入り込んでおります。
このまま流せませんので、活性を入れて、バクテリアの塊みたいなんですが
そこで有機物を分解してもらって、無機物だけにしたいわゆる二次処理水、これで流すんですが、
この二次処理水にはチッソ、リンカリが豊富に入っております。
そこで私たちが考えましたのは、この一次処理水を使ってオーランチオキトリウム増やすと。
そして出てきた二次処理水で、ボトリオコッカスを増やす。
そしてそれぞれから炭化水素を取り出す。
このような技術を何とか開発したいなという事でございます。

で、その事によってですね、今まできたないものを綺麗にする。
だけどそれはただ流すだけ。
つまりマイナスをゼロにするという事だったんですが、そのマイナスからプラスを生みだすという、
このような新たな水浄化システムというようなものをつくり出すという事を目的としていまして、


仙台市南蒲生浄化センター・南蒲生処理場プロジェクト

これがいわゆる東北の復興プロジェクトのなかの創意プロジェクト。
仙台の南蒲生浄化センターを主要な舞台としたプロジェクトの目的であります。
ここに皆様ご存じのように南蒲生処理場がここにあるわけです。

20130104藻15

このピンクのところはほとんど津波が来たんですね。
南蒲生処理場はこのようなところですが、津波でもう…壊滅的な状況になっています。
そしてそのための再生がいま始まろうとしている。
どうせ再生をするならば、ただ単に元に戻すんじゃなくて、元よりもより優れたものをつくりだそうと。
そして作りだしたものは仙台にとどまらず、他の地域にもどんどんどんどん波及していく。
これが基本的な震災復興のモデルの筈なんです。
震災だけが助かるんではなくて、そこで出来た技術システムが他の地方、あるいは海外にも行く。
こういうものを作りださなければいけない。
それを目指す第一歩がこの仙台のこの地で始まる新たなプロジェクトであります。

20130104藻12

で、これがその南蒲生浄化センターの非常に大きな特徴です。
先ずセンターの70%に渡る、約30万立方メートルの排水を処理する。
もう豊富な栄養源を提供してくれる、そういう場所なんです。

それから、余剰活性汚泥等を焼却するその焼却場が付随しているんですね。
そうするとCO2を供給することができるし、そこから出てくる熱が1日に約7000立方mもある。
これは東北と言えばどうしても温度をあげたい、乾燥するのに使える。
このように今までただ単に流しているだけのものを
上手にエネルギー政策に使っていくことが整っている場所なんです。


で、先程申しました、
こういうこのを活用した新たなエネルギーを作るためのプロジェクトがまさしく始まります。

20130104藻16

ここに東北復興のためのエネルギー研究開発というのがありますが、
全体で課題が三つあるんですけれども、2番目の課題、次代藻類のエネルギーの利用という
筑波大、東北大、仙台市、そして関連企業との協力を得ながら進めて行くプロジェクトが、
まさしく今私が話した事であります。


石巻市・水産加工場排水利用

もうひとつ私が個人的に気になりますのが石巻市です。

20130104藻17

ここも相当、見て下さい大きな被害を受けています。
私の目から見ますと、石巻は本当に水産加工では日本一であるという、そういう場所です。
とにかく出来るだけ早く水産加工という所を再生出発してほしい。
これが望みなんですが、再生復活に当たって単に元に戻るんではなく、
それがさらに新しい機能を得たものとして戻すべきであると考えます。

で、私が目を付けていますのが、
水産加工場から出てくる水産排水です。
これはですね、実はこういう排水内容なんですね。

20130104藻13

石巻に行った時に私はいろいろ取材してこういう事が分かったんですが、
塩分が大体2%程度ある排水が出てくる。
その排水の有機物量は処理水で1000ppmもあると。
これは、一般の下水ですとせいぜいあって200ppmぐらいです。
それが1000ppmもあると。
原水だともっとある。
これがオーランチオキトリウムで  ですし、
この有機物量は通常の、実は下水の有機物が足りなくて、その10倍100倍と必要とする。

20130104藻18

この事から考えると、非常に実は興味のある魅力的な排水なんです。
で、CO2の供給とか熱源は、これは別途から取るところがある。
そこを活用したプロジェクトを水産加工場に付随して、
だから新たな水産加工場を作るのが非常によろしいんじゃないかと思います。
水産排水が出て、一時排水がこれがものすごく有機物が豊富ですので、
それをリアクタータンクを使ってオーランチオキトリウムをとにかく安くつくる事が出来ないだろうか。
で、二次処理水で、これは塩水ですから残念ながらボトリオコッカスはできませんけれども、
海産藻類でお湯を使うのは随分ありますので、それを活用しながらやっていく。
こういう石巻版というのが水産加工品人の排水を使ってリードしていく。
こういうことが出来るだろうと思っております。
出来るだけ早く水産加工場の再生と新たな機能を服用させるという事を実現していかなければ、
本当にありがたいと思います。




2番目のエネルギー源モデルの話です。

20130104藻19

耕作放棄地等に水をため浅い塩湖をつくり、
そこで適合能力のある藻類自然発生集団をCO2や排水を添加し、増殖させ、
発電用燃料ペレットとして生産するモデル。
役4キロ平米(19ヘクタールを18セット)のラグーンを構築すると、
年間2000トンの燃料ペレットを生産することが可能。
これは火力発電所で消費する石炭に換算した場合の
1万世帯の年間利用電気量の約16%分のエネルギー量を補う事が出来る。


これはどういうことかともうしますと、
福島のような、もう地盤沈下で海水も入り、そこに放射線の問題が出てくる。
こういうようなところだとなかなか食糧の生産は難しい。
そうしたら広大な土地が出てきます。
そこに藻類大量培養のプールを作る。
これは「どの藻類を使う」んじゃなくて、土着の藻類ですね。

その地元で増える藻類の雑草集団、これをとにかく増やす。
ここにもちろんH2Oを入れたり、CO2を入れたりすることによってバイオ生産を高めて、
出てくる藻類を乾燥させたり燃料ペレットを作って火力発電に使う
石炭の代替にもっていく。
このような事も重要です。
これは藻類の生産にかかるコストが極めて少ないので
コスト的にはだいぶいい線行くんじゃないかなと思っていますが、これは実証しないとわかりません。

20130104藻20


南相馬市農地でペレット生産 火力発電所

で、実証の場として今考えていますのが南相馬市であります
実は火力発電所がこの中にあって、
この近くがエネルギーゾーンとして指定されています。
これは実は農地なんですね。
もう広いところは30ヘクタールと色々あるんです。
こういう所を活用しながらペレットを生産して、この発電の原料にもっていくという事が、
のために必要な実証実行をやっていくことが必要だと思っています。

これが南相馬市の現状です。

20130104藻21

このように、もう使えない。
これはほとんど海水なんです。
地盤沈下してどうしようもない。

こういう所で、じゃあ使うとなると、
こういう状態ですら、他に使うというと「農地法があるからダメだ」と言うんですね。
どういう事なのか?と、私は不思議でしょうがないんですけど、

43:02
で、3番目は健康産業モデルです。

20130104藻22

さきほどオーランチオキトリウムがつくる炭化水素。
これは実はスクアレンという、燃やすにはもったいないくらいに価値の高いオイルです。
で、これはですね、ここに示すような、
抗酸化作用、鎮痛作用、免疫促進などなどさまざまな作用をもっていますので、
今までの化粧品、それからインフルエンザ、ワクチンなどへの添加材、
医薬部外品、健康サプリメントとして使われてきました。
そして、その原料は深海ザメの肝油からできていました。
ところが深海ザメがどんどん減って行った、もう獲れなくなった。
それで、深海ザメに代わる代替資源がすごいノルマだ。
となると、オーランチオキトリウムがそれに使えるという事になって、

そしてもうひとつは先程申しましたように石油

20130104藻23

石油というのはさまざまな高分子材料、塗料品、その他の潤滑油などで使われていると。
それもやはり研究転換をしなくちゃいけない。
いま、オーランチオキトリウムオイルでプラスチックまではできている。
ただ、それがどういう質で、今後どういう利用の仕方が出来るかは、
今後の研究の展開だと思う。

で、その他の利用という事で、一つ事例があります。

20130104藻24

アメリカのベンチャーでSu  というベンチャー企業があります。
これが実はオーランチオキトリウムと同じ仲間の藻類を使って、
オイルを作らして販売しているところであります。
ただこれはスクアランは作りません。
これはDHAをつくる生物であります。
これでもって彼らは実はアメリカはエネルギー省から25億円の補助金をもらって
展開しているのであります。
彼らの最近のレポートによりますと、
この従属藻生物で作ったオイルの生産コストがいま1トン当たり1000ドルまでいくようになったと。
僕は信じていないんですけれど、
体積があるので、つまり1リットルあたり91セント、70円ぐらいです。
これはちょっとホントかな?っていう気がしています。
ただ販売価格がその2倍しますよということです。
同じように化学製品、栄養製品の生産コストがこのぐらいですむという、
ただし値段は2倍~20倍になっていますよ。
で、生産コストが少々高くつくのがスキンケアの商品です。
これは2000ドルから100万ドル。ただし商品は2倍です。
というので一応生産品は製品として市場には出している。

で、ここではいろいろと語弊があるので、データは出しませんが、
1月に一部上場した後株価がうなぎ上りに上がっているというのがこれです。
現実にそういう所が現れてきた出てきたという事です。

それともうひとつのコンセプトのお話をします。

20130104藻25

今はオイルだけの話で、採算が大丈夫かどうかというのは全く成り立ちそうだというので出しましたが、
実は使えるのはオイルだけじゃなくて、たんぱく質とか諸々あるんですね。
それをトータルとして考えたらどうなるのか?というような試算も、
ヨーロッパのグループが出しています。

それから見ますと、たとえば現在から言って藻類のキログラムのバイオマスは1300円かかる。
ただこれは1ヘクタール。
これを100ヘクタールというスケールアップだけで、kg492円まで持って行ける。
そして藻類が持っている潜在力を発揮できれば、
これがさらにkgあたり49円で出来る範囲であるというデータを出している。

20130104藻26

そして藻類100kgで、
脂質(400g)、たんぱく質(500g)、多糖類(100g)が、
それぞれここに示したような比で取れます。
そして脂質を化学燃料、輸入燃料。
タンパク質を食糧、飼料。
多糖類を多糖にですね。

そして藻類を増やした時に付随的に出てくる窒素除去、そして酸素を生産できるという事で、
それを全部合わせたトータルの価値ですね、
それをお金に換算すると、kg藻類バイオマスは202円です。
ですから、もしも将来藻類バイオマスを49円で出来るようになれば、
トータルとしてこれは黒字になりますよ」というようなお話になります。
49円でなくても100円でもいいというようなことになりますね。

というふうに希望としてはこういうふうな潜在能力を持った生物なので、
オイルだけじゃなくて、その他の成分も見ながら、
技術開発と産業化というものを考えるべきであろうということであります。

今現在、全部まとめますとこういうことになります。

20130104藻27

いま、オーランチオキトリウム、ボトリオコッカスその他の藻類に関して、
様々な基礎的な国勢調査が終わりました。
そして一つは、水処理プロジェクトと統合した燃料生産システムの基礎研究。
これは実施して2016年まで研究が積まれます。
それから被災地に火力発電用の燃料ペレット生産プログラム。
これが上手くいけば来年の9月という事で3年間で出来ます。
今ここで検討中なのが工場でのスクアレンなどの高付加価値産物の政策。
この実施の実験を2~3年やる。
この辺がどちらかというと実証実験。
そしてそれを経て、いわゆる3分割にしていく。
各地方地方にそういう産業バイオマスを実現していくということであります。

こういうことから見ていきますと、
2025年位までには炭化水素生産量は上手くいきますとおよそ5万ヘクタールで、約5000万トン。
そして日本の石油輸入量の約30%が賄える。
約30兆円が国内市場に入ってくる可能性があるし、
CO2削減量は30%以上になると思われます。

これで我々はまず実証段階をフェーズ1
実証から産業間のレベルをフェーズ2と考えています。

そうした時の体制の問題なんですが、簡単に申しますと、

20130104藻28

産ですね、産業界と官と学。
これが一体となった、例えば東北次世代エネルギー考創会議みたいなものをつくって、
そしてそこに実証事業のコアになるようなものをつくりだして、円としている訳です。
このような体制をつくる必要がある。これがフェーズ1です。

それが済んだ後の実際の産業化の段階では、各地に事業が出来るだろう。
ただこれもここに示す産業界と官・学。この協力を得た上で展開していく事業会社。
という事をフェーズ2で考えてやっていく必要があるだろう。

20130104藻29

この事業会社は大規模エネルギー政策、グリーン燃料を生産するという事を中心に置いた会社であって、
農林水産関係の生産者、それから産業界が、
それぞれ生産管理、委託等でウィウィの関係をもちいる。
そして、藻類ペレット等のエネルギーに関しては火力発電所に提供する。
火力発電所がネルト化CO2をいただく。
でここで作ったさまざまな燃料に関しては国内で、というか、国内外でといった方がいいでしょうね。
エネルギー産業、健康産業、化学産業の方へ提供していく。
このような、ベースにここまで至るというようなことを夢見ている訳であります。

以上ですが、このような私たちの活動、いろんな方々との出会いと、いろんな方達との連携を深めながら今後とも続けていきたいというふうに思っております。
そして、特に、この土地から新たなエネルギーのシリーズと産業が生まれて全国に展開し、
そして、全国に展開できるという事は世界にも展開できるという事です。
その結果として世界の人類をエネルギーの制約から少しでも開放していく。
その事にこの地が大きく貢献していくという事をしたい、していきたい。

ご清聴ありがとうございました。



ーーー

福島が、東北が世界から注目される都市になる可能性がある。
素晴らしい未来がある。
渡辺教授の説明を聞けば聞くほど夢が膨らむ。

講演の中では放射性物質と藻類の関係についての説明はありませんでした。

私は放射能を憎みます。
福島第一原子力発電所がばら撒いた放射性物質を怨みます。
原子力発電所というものを呪います。
それを必要としている人がいまだいる事にも軽蔑を感じます。

放射能で汚染さえされていなければ、
南相馬市に人々が住み、津波で壊滅的な被害を受けた地域がこれからエネルギーの拠点となれるのです。
「津波だけならば」と、
講演を聞いて、改めてその思いを強くしました。

一番の問題だと思うのは、
このプロジェクトを成功させるためには汚染されている地域に人々が住まなければなりません。
そして、藻類が本当にセシウムを取りこむのかどうか、
その性質を完璧に調べ、公表していただかなければ困ります。
そうでなければ燃やすことによって日本はいつまでたっても綺麗になれないからです。
永久に放射性物質から逃れる事が出来ないからです。
また、その他製品となって、広く世界に拡散する可能性も否定できません。

善意に満ちた未来のある提案だけに
その裏側にある悪魔(汚染)が見え隠れして
より一層辛い気持になってしまう私です。



前半部分 ↓
藻からバイオ燃料開発 「被災地復興への希望」そして私が感じた一抹の不安


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コメント

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No title

3の説明は、脂肪酸と生成の技術比較になっているのでおかしいですね

ボトリオやオーランチがつくる炭化水素と比較するなら、他のバイオマス脂肪酸と比較しないといけませんね