【ペイフォワード環境情報教室】下地真樹先生2013年1月24日
「問題意識を高く持った住民活動」
阪南大学準教授の下地真樹先生をお迎えしております。
下地先生は大阪市の震災がれきについて、説得力のある抗議活動で、住民活動を支えています。
先生には「問題意識を高く持った住民活動」というテーマでお話を頂きます。
Sawada:
東日本大震災で発生しましたがれきにつきまして、「全国でがれき焼却しよう」という事がありますが、
その中で各地で反対運動が起きています。
こちらについての市民運動をされています下地先生にお話をお伺いしたいと思うんですが、
先ず、がれき焼却自体は何が問題なんでしょうか?
下地:
問題は大きく二つありまして、
「安全性と経済性の両面で問題があります」と
先ず、安全性なんですけれども、わりとこのがれきの話だと、
「燃やしてすぐに危険なのではないか」という話が多くて、
そちらもまだ分からない事が多いのですが注意はした方がいいと思いますけれども、
より重要な事は、環境省が考えている安全性の発想で放射性物質を取り扱う事が、
これから長年にわたってどんな事をもたらすのか?っていう事、そちらが大事だと思っています。
環境省は薄めてばら撒けば基本的には大丈夫だという発想で安全性を語っておりますので、
私たちとしては環境を出来るだけ綺麗にして、危険なものをばら撒かないでいかないと、
長期的には非常に問題が大きいと考えております。
そうした点から、今回の政策はとにかく止めるべきと。
二つ目で経済性なんですけれども、
これは誰でも思いつくことだと思うんですが、がれきの広域処理は輸送費がかかります。
ですから地元で処理できるならば、わざわざ輸送費はかけない方がいいというのは、
これは当り前のことなんですね。
ところが今回、がれきの量がどの位あるのか?といった推定をしたりしていますけれども、
その誤差が非常に大きかったりですね、
また広域処理を是が非でも進めたい環境省がこのデータをなかなか出さないとか、
そういった問題がありまして、
本当に必要なのかどうか?が良く分からない。
必要でないんだとすれば、輸送費を掛ける無駄使いは
却って被災地にとって財源圧迫というマイナスをもたらすんじゃないかという事でですね、
非常に問題が大きいと思っています。
Sawada:
そうですね。
そういった中で各地で今反対が起きてはいるんですけれども、
形骸化した住民説明会というようなところで、
実際なかなか、しっかりと反対が出来ていないというところがありますけれど、
下地先生は大阪で活動されてて、どんな心得を持ってやっていたらいいと、
なんか、今やられていて反省点もしくはアドバイスなどありますか?
下地:
そうですね、ま、決めるのは相手なので、
「私たちは力が無い」という事を確認することから始めなければいけません、やっぱり。
Sawada:はい。
下地:
どんなに正しい事を言っても、もうとにかく「聞かないんだ。やるんだ」と決めれば、
相手は「やれるしやります」と。
でも、でもだからと言って、話したり反対したりすることに意味が無い訳ではないんですね。
いろいろと悪あがきをしながら、人と人とのネットワークが出来ていって、
その中でいろんなアイディアも出てきます。
で、また情報も集まってきますし、非常に重要な、
止めるために重要な運動がその中から生まれてくることもあります。
で、まだ結果は出ていないんですけれども、今大阪で取り組んでいるのは、
住民監査請求というのをやっています。
その取り組みが今もあるんですけれども、
で、住民監査請求の肝になっているのは、
「がれきの量がハッキリしないのであれば、本当に必要か分からないよね。
なのに遠くまで運ぶとしたら、それは無駄使いだから、法律に違反しますよね」というところは、
今追及しているところです。
で、自治体というのは、
「最小限の費用で最大の効果をあげ根場ならない」という事が法律上で決まっていますので、
私たちの方が
「実際により安い方法、よりコストが低い方法があるのに、
こういう無駄使いを伴うような広域処理をわざわざやるのはおかしいんじゃないですか」
という事を突き付けた時に、場合によっては法的責任を問う事も出来るかもしれません。
一応それは今は追及しているところで、でもこれだけ、これだけというか
「それは法的に強制力があるから止まるか?」っていうとそういう物でもないんですね。
やっぱりそういう物の中には「無駄使いする」っていう事があって、
無駄使い、役に立たない事にお金を使うっていう事は、普通はよくない事ですよね。
他に手段があるのならば現地の人達のためにも、それ以外の大阪その他全国の人のためにも、
より良い手段を取るべきだと。
ですからそういった事が反対運動の中で見えてきて、発信されて、多くの人がそれを知るようになれば、
やはり権限を持つ人といえども、どうしてもそれは「なかなかできない」という所に
最後は追い込むという事も出来るんですね。
どうしても。
ですから、私たちは無力であることを諦めずに、
しっかりと考えて発信して行動していくという事が大事だったと思います。
実際に力が無いからこそ、
実際に力があってしまうと、他人を無理やりいう事を聞かせてやってしまえという事になりがちですから、
力が無いからこそ私たちは考える機会が持てるという、位のものだと思いますので。
Sawada:
わぁ~、いいですね。
いろいろ知れば知るほど、
「何か思いを形にして行動していきたい」と思っている国民はいっぱい居ると思うんですけれども、
なかなか実際出来ていないというか、
ま、出来ないんじゃないかと諦めてしまう事の方が多いと思うんですけれども、
そういった意味では、
先生のところもみなさんがだんだん集まってくる中で、情報が共有されて、
さらに新しい知恵が出てといったところで今活動が膨らんできているという感じなんでしょうかね?
下地:
皆さんやっぱりいろいろ、気恥ずかしいというのが先に立ってなかなか動けないと思うんですね。
身近な人に話しかけるのも、
こういう社会問題にかかわる話をするのは、なかなかしづらいという人は多いと思うんですけれども、
そこのハードルをやっぱり一度超えて、
その場で相手を自分の意見に同意させようとかあんまり無理に考えずに、
最小限の情報をドアをノックするように与えておくと。
そうすると聞いた人は別れた後もその事を思い出したりする訳ですよ。
そうすると、何回かのやりとりをしているうちに少しずつ気になっていくとかですね、
その人も意見を持つようになるとか、そういうものなので、
慌てずに周囲の人に時々、小さなサイズのメッセージを送るっていう事を繰り返すのが大事だと思います。
Sawada:
そうなんですねぇ。
そうすると、基本は「安全性に対して疑義がある」という事で訴えていくながらも、
だんだん手法としては「無駄使いじゃないか」とか、いろんな手法がだんだん生まれてきて、
何らかしら形になってきて、
それが結果的に大きな流れが止められればというような、今流れなんでしょうかね。
下地:
そうですね、全国的にもがれきが実際よりも随分少なかったという所で、
止まっている所がどんどん出てきていますから、
大阪もこのままの流れで止めたいですね。
Sawada:
そうですね、わかりました。
また全国のみなさん、
「思いは持っているけれどもなかなか行動に移せない」という国民の方が多いと思いますので、
是非先導していただければと思います。
下地:いえいえ、もう、むしろ引っ張っていただいているような感じなので。
Sawada:そうなんですか、じゃあみんなで頑張るということなんですね。
下地:はい。
Sawada:是非今後ともよろしくお願いいたします。
下地:よろしくお願いいたします、どうもありがとうございました。
Sawada:下地先生には本番組の住民活動コースの主任講師として、これからもご登場を予定しております。
「問題意識を高く持った住民活動」
阪南大学準教授の下地真樹先生をお迎えしております。
下地先生は大阪市の震災がれきについて、説得力のある抗議活動で、住民活動を支えています。
先生には「問題意識を高く持った住民活動」というテーマでお話を頂きます。
Sawada:
東日本大震災で発生しましたがれきにつきまして、「全国でがれき焼却しよう」という事がありますが、
その中で各地で反対運動が起きています。
こちらについての市民運動をされています下地先生にお話をお伺いしたいと思うんですが、
先ず、がれき焼却自体は何が問題なんでしょうか?
下地:
問題は大きく二つありまして、
「安全性と経済性の両面で問題があります」と
先ず、安全性なんですけれども、わりとこのがれきの話だと、
「燃やしてすぐに危険なのではないか」という話が多くて、
そちらもまだ分からない事が多いのですが注意はした方がいいと思いますけれども、
より重要な事は、環境省が考えている安全性の発想で放射性物質を取り扱う事が、
これから長年にわたってどんな事をもたらすのか?っていう事、そちらが大事だと思っています。
環境省は薄めてばら撒けば基本的には大丈夫だという発想で安全性を語っておりますので、
私たちとしては環境を出来るだけ綺麗にして、危険なものをばら撒かないでいかないと、
長期的には非常に問題が大きいと考えております。
そうした点から、今回の政策はとにかく止めるべきと。
二つ目で経済性なんですけれども、
これは誰でも思いつくことだと思うんですが、がれきの広域処理は輸送費がかかります。
ですから地元で処理できるならば、わざわざ輸送費はかけない方がいいというのは、
これは当り前のことなんですね。
ところが今回、がれきの量がどの位あるのか?といった推定をしたりしていますけれども、
その誤差が非常に大きかったりですね、
また広域処理を是が非でも進めたい環境省がこのデータをなかなか出さないとか、
そういった問題がありまして、
本当に必要なのかどうか?が良く分からない。
必要でないんだとすれば、輸送費を掛ける無駄使いは
却って被災地にとって財源圧迫というマイナスをもたらすんじゃないかという事でですね、
非常に問題が大きいと思っています。
Sawada:
そうですね。
そういった中で各地で今反対が起きてはいるんですけれども、
形骸化した住民説明会というようなところで、
実際なかなか、しっかりと反対が出来ていないというところがありますけれど、
下地先生は大阪で活動されてて、どんな心得を持ってやっていたらいいと、
なんか、今やられていて反省点もしくはアドバイスなどありますか?
下地:
そうですね、ま、決めるのは相手なので、
「私たちは力が無い」という事を確認することから始めなければいけません、やっぱり。
Sawada:はい。
下地:
どんなに正しい事を言っても、もうとにかく「聞かないんだ。やるんだ」と決めれば、
相手は「やれるしやります」と。
でも、でもだからと言って、話したり反対したりすることに意味が無い訳ではないんですね。
いろいろと悪あがきをしながら、人と人とのネットワークが出来ていって、
その中でいろんなアイディアも出てきます。
で、また情報も集まってきますし、非常に重要な、
止めるために重要な運動がその中から生まれてくることもあります。
で、まだ結果は出ていないんですけれども、今大阪で取り組んでいるのは、
住民監査請求というのをやっています。
その取り組みが今もあるんですけれども、
で、住民監査請求の肝になっているのは、
「がれきの量がハッキリしないのであれば、本当に必要か分からないよね。
なのに遠くまで運ぶとしたら、それは無駄使いだから、法律に違反しますよね」というところは、
今追及しているところです。
で、自治体というのは、
「最小限の費用で最大の効果をあげ根場ならない」という事が法律上で決まっていますので、
私たちの方が
「実際により安い方法、よりコストが低い方法があるのに、
こういう無駄使いを伴うような広域処理をわざわざやるのはおかしいんじゃないですか」
という事を突き付けた時に、場合によっては法的責任を問う事も出来るかもしれません。
一応それは今は追及しているところで、でもこれだけ、これだけというか
「それは法的に強制力があるから止まるか?」っていうとそういう物でもないんですね。
やっぱりそういう物の中には「無駄使いする」っていう事があって、
無駄使い、役に立たない事にお金を使うっていう事は、普通はよくない事ですよね。
他に手段があるのならば現地の人達のためにも、それ以外の大阪その他全国の人のためにも、
より良い手段を取るべきだと。
ですからそういった事が反対運動の中で見えてきて、発信されて、多くの人がそれを知るようになれば、
やはり権限を持つ人といえども、どうしてもそれは「なかなかできない」という所に
最後は追い込むという事も出来るんですね。
どうしても。
ですから、私たちは無力であることを諦めずに、
しっかりと考えて発信して行動していくという事が大事だったと思います。
実際に力が無いからこそ、
実際に力があってしまうと、他人を無理やりいう事を聞かせてやってしまえという事になりがちですから、
力が無いからこそ私たちは考える機会が持てるという、位のものだと思いますので。
Sawada:
わぁ~、いいですね。
いろいろ知れば知るほど、
「何か思いを形にして行動していきたい」と思っている国民はいっぱい居ると思うんですけれども、
なかなか実際出来ていないというか、
ま、出来ないんじゃないかと諦めてしまう事の方が多いと思うんですけれども、
そういった意味では、
先生のところもみなさんがだんだん集まってくる中で、情報が共有されて、
さらに新しい知恵が出てといったところで今活動が膨らんできているという感じなんでしょうかね?
下地:
皆さんやっぱりいろいろ、気恥ずかしいというのが先に立ってなかなか動けないと思うんですね。
身近な人に話しかけるのも、
こういう社会問題にかかわる話をするのは、なかなかしづらいという人は多いと思うんですけれども、
そこのハードルをやっぱり一度超えて、
その場で相手を自分の意見に同意させようとかあんまり無理に考えずに、
最小限の情報をドアをノックするように与えておくと。
そうすると聞いた人は別れた後もその事を思い出したりする訳ですよ。
そうすると、何回かのやりとりをしているうちに少しずつ気になっていくとかですね、
その人も意見を持つようになるとか、そういうものなので、
慌てずに周囲の人に時々、小さなサイズのメッセージを送るっていう事を繰り返すのが大事だと思います。
Sawada:
そうなんですねぇ。
そうすると、基本は「安全性に対して疑義がある」という事で訴えていくながらも、
だんだん手法としては「無駄使いじゃないか」とか、いろんな手法がだんだん生まれてきて、
何らかしら形になってきて、
それが結果的に大きな流れが止められればというような、今流れなんでしょうかね。
下地:
そうですね、全国的にもがれきが実際よりも随分少なかったという所で、
止まっている所がどんどん出てきていますから、
大阪もこのままの流れで止めたいですね。
Sawada:
そうですね、わかりました。
また全国のみなさん、
「思いは持っているけれどもなかなか行動に移せない」という国民の方が多いと思いますので、
是非先導していただければと思います。
下地:いえいえ、もう、むしろ引っ張っていただいているような感じなので。
Sawada:そうなんですか、じゃあみんなで頑張るということなんですね。
下地:はい。
Sawada:是非今後ともよろしくお願いいたします。
下地:よろしくお願いいたします、どうもありがとうございました。
Sawada:下地先生には本番組の住民活動コースの主任講師として、これからもご登場を予定しております。
- 関連記事
-
- <がれき>富山でも「威力業務妨害」で住民を告訴
- 「世界中にある焼却炉の3分の2が日本に…だから燃やしたくってしょうがない」山本太郎さん2/23ラジオフォーラム(文字起こし)
- <なぜ燃やすの?環境省>8000ベクレルを超える指定廃棄物を燃やす焼却施設建設着工・中断“鮫川村”&森林除染木材でバイオマス発電“塙町”326政府交渉ネット2/12(文字起こし)
- 「がれきの広域化はもう、破たんした」2/12青木泰氏(文字起こし)
- 「原子力発電所内の方を外よりもクリーンにしておくルールとは一体何なのでしょうか?」記者会見他・新潟県泉田知事
- 【ペイフォワード環境情報教室】「一番大事なのは、怖い時に自分が怖いと思っている事をちゃんと認める事」」2/2下地真樹先生(文字起こし)
- <新潟がれき受け入れ>現地がれき量が大幅に減っても5市長は受け入れ方針変わらず
- 【ペイフォワード環境情報教室】「周囲の人に時々“小さなサイズのメッセージ”を送るのが大事」1/24下地真樹先生(文字起こし)
- 「こんな汚染を拡大している場合ではなくてですね、 片付けしたいんです!」大阪市がれき説明会此花区民ホール1/16増山麗奈さん(書き出し)
- 宮城県女川町のがれき焼却開始ー八王子市戸吹ー
- <産業廃棄物業者が処理>東京都新規がれき受け入れ“陸前高田市と釜石市の災害廃棄物計5万トン”
- 排ガス測定でアスベスト検出!渋谷清掃工場・豊島清掃工場1/7「煙突から排出され拡散するので周辺環境に影響はありません」
- 静岡市試験焼却「3日間で1平方km40万ベクレル検出・1500度の高温“溶融処理”では40%がバグフィルターから逃げていく」
- <不当逮捕>下地真樹氏 意見供述の全て12/18大阪地裁 (文字起こし)
- 不当逮捕で拘留20日間!下地先生釈放記者会見12/29(内容書き出し)
コメント
| 2013.01.31 11:23 | 編集
大阪市が震災がれきを2月1日から焼却します! .
http://www.youtube.com/watch?v=VW2yF8qK-P0&feature=youtube_gdata
大阪府・大阪市は、多くの市民の反対を押し切って、2月1日から来年の3月まで、此花区の舞洲清掃工場で、放射能や有害物質が含まれている可能性のある岩手県の震災がれきを1日約100トン焼却処分しようとしています。
http://ameblo.jp/nodebris-kansai/entry-11460049446.html
http://www.youtube.com/watch?v=VW2yF8qK-P0&feature=youtube_gdata
大阪府・大阪市は、多くの市民の反対を押し切って、2月1日から来年の3月まで、此花区の舞洲清掃工場で、放射能や有害物質が含まれている可能性のある岩手県の震災がれきを1日約100トン焼却処分しようとしています。
http://ameblo.jp/nodebris-kansai/entry-11460049446.html
| 2013.01.31 11:50 | 編集