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【ペイフォワード環境情報教室】岐阜県核融合科学研究所重水素実験「研究そのものをやるべきではないと私は思っています」2/6小出裕章先生(文字起こし)

【ペイフォワード環境情報教室】小出裕章先生Vol.017

2013年2月6日

岐阜県土岐市で核融合科学研究所が計画している重水素実験についてお話をお伺いしました。

Sawada:
今年に入りまして岐阜県土岐市で文部省所管の研究機関、
核融合科学研究所が計画している重水素実験に対してですね、
放射性物質の安全管理などに不安をいだく母親たちからの反発が強まっているというお話がありまして、
実際に多治見市の方々から岐阜県知事に対して「申し入れ書」というのが1月18日に出されています。
まず、そもそも、この核融合科学実験所での重水素実験。
こちらはどういったものなんでしょうか?

小出:
はい、
先ず核融合という物の説明をさせて下さい。
もともと人間は様々な形でエネルギーという物を得てきました。
初めのころは薪を燃やしていたり、木を燃やしていたりしていたわけですが、
それから石炭を燃やし、石油を燃やし、
さらにはウランを核分裂させるというような事までやってきたわけです。
しかし、ウランという原子力の資源というのは、地球上にあまり豊富にあるわけではないので、
ウランは容易に枯渇してしまうという事がすでに分かっています。

何か、普通のみなさんは、ウラン・原子力というものが、
かなり豊かな資源だと思ってこられたと思いますが、
実はそれが全くの誤解で、
普通原子力と呼んでいるものはエネルギー資源として「ほとんど役に立たない」のです。
そこで、「じゃあ次はどうするのか?」という事で、
「ウランの核分裂ではなくて、今度は核融合という反応を使えないか」ということに思い至りました。

核分裂というのはもともとは原爆という形で人類の前に姿を現した技術で、
原爆を管理しながらエネルギー源にしようとしているのが現代の原子力発電です。

核融合の方は、
原爆ではなくてさらの巨大な水爆という爆弾を人類は作った事がありますし、今でもあるのですが、
その水爆の原理を使ってエネルギーを取り出そうということです。
水爆の反応を支えているのが核融合反応というものなのですが、
その反応は実は太陽で起きている反応です。


ですから核融合というものを地上で実現してエネルギーにしようということは、
地上に太陽をつくりだす」という、そういう試みです。


大変難しい技術でして、今から50年、60年ぐらい前から構想自体はあって、
「簡単にできる」というように、当時は言われたのですが、
やればやるだけ難しくて、10年経つと実現年度が二倍に伸びてしまうというように、
猛烈な勢いで実現可能性が遠のいてしまっていっています。

今現在で言えば、「21世紀中には実現できないだろう」と、
ほとんどの核融合研究社は思っている筈だと思います。

それでも、「なんとか人類の未来を核融合エネルギーで取り出せないか?」
と考えている研究者というのはもちろんいるわけで、
日本の場合には日本原子力研究所、現在は日本原子力開発機構というところで一部研究をしていますし、
今問題になっている核融合研究所というところでも研究をしているという事です。

そして核融合研究所で今度は少し新しいというか、進んだ実験をしようとしている訳ですが、
その時にトリチウムというものを使おうとしています。
つまり燃料にトリチウムというものを使おうとしているのですが、
トリチウムというのは水素です。
水素というのは、もうみなさんご存じだと思いますが、水を作っている基本的な元素でして、
H2Oというのですね。
環境にはどこにでもありますし、
人間の身体なんてほとんど水なわけですから、私たちが慣れ親しんできた元素です。


ただし、自然にある、天然にある水素というのは、全く放射能をもっていないのです。
しかしトリチウムというのは放射能を持った水素でして、
それを実験に使おうという事をやろうとしています。
放射能ですからもちろん危険を伴いますし、
水素というのは大変閉じ込めが難しい、捕まえることが難しいという元素ですので、
実験を開始すれば何がしかのトリチウムが環境に漏れてきて、
周辺の人々を被曝させるという事になってしまいます。



Sawada:
そうですか。
そのトリチウムをはじめ、また中性子の話、もしくは放射性物質がまた出ると。
たとえばトリチウムでいうと、「95%は捕獲予定をしています」と、いうような事を話されていたり、
「中性子が出ます。しかし微量です」というような説明があったりだとか、
その辺について説明は頂いたものの、それで私たちが納得できるようなものなのか?
それともはたまた危険なものなのか?という事はいかがでしょうか?


小出:
もちろん、放射能はあらゆる意味で危険ですから、
95%を捕まえるという事は「5%を外に出します」という事ですので、危険は必ずあるのです。
ただし、その危険が周辺の住民の方にとって、「とても大きいか?」と問われてしまうと、
私は「それほど大きくはない」と思います
というのは現在核融合研究所でやろうとしている研究は本当にそのプリミティブな基礎的な実験なのであって、
取り扱うトリチウムの量も、ま、私なんかからみるとかなり少ないものですし、
そのうちまた何%か漏れてくるということであって、
「大した危険ではない」と私は思います。

ただし今聞いて下さったように、中性子という放射線も飛び出してきて、
実験装置全体が放射能の塊になっていってしまうという事もありますので、
いずれにしても危険がゼロという事ではないという事は、もちろん核融合研究所も承知している筈ですし、
みなさんも承知しておくべきだと思います。


Sawada:
そうですか。
こういった中で、このエリア自体がですね、
2km圏内あたりに小中学校があるような住宅地ですというところで、
もちろん大きな危険性か、小さな危険性かというところで、
危険性の高を計るのは大変難しいところがあるんですけれども、
また、福島の事故自体がまだまだ収束していない中で、
あえてこうやって、こういう実験をですね、まだまだしていこうというのは、
まだ夢のエネルギーと言うところに、幻想があるのでしょうか?
というのは、放射性物質に関する無毒化の話で、先生もずっとお話しされていますけれども、
こちらについても処理方法がないというのがずっと延々と延期されてきているわけですけれども、
同じ事が繰り返されようとしています。
で、そんな中で市民の方々が一生懸命、
「やっぱりこういうところでしっかり市民が声をあげていこう」
という事で動かれていると思うんですけれども、
今後どういう形でこういう事を反対していく、もしくは声をあげていったらいいものなんでしょうか?


小出:
えー、私は現在している核分裂を利用する原子力発電にも反対ですし、
核融合という物にも、エネルギー源にするということにも反対なのです。
ですからそういう事を研究するという事にも、もちろん反対ですし、
出来る限りやらない方がいいと思います。

ですから、危険が大きい小さいという議論はあるかもしれませんけれども、
研究そのものをやるべきではないと私は思っていますので、
核融合研究所に対する反対の声というものは大切にしたいと私は思います。


Sawada:そうですか、ありがとうございます。

小出:はい、ありがとうございました。




核融合「D-D実験」ってなぁに?岐阜で実験開始!パブリックコメント受付中
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