02.11
Mon
現地調査を「妨害」
東電が事故調に虚偽説明か
東電が事故調に虚偽説明か 現地調査を妨害 投稿者 tvpickup
報道ステーション 2013年2月7日

今日朝日新聞の朝刊1面トップにも載りました。
福島第一原発事故に関してですね、
国会の事故調査委員会が原発事故の核心に迫る調査をしようとした時にですね、
東電はウソをついて、そしてその調査を妨害したという事実が浮かび上がってきました。
先ずはですね、この事故調側と東電側のその会話のやりとりが録音テープとして残されていますので、
そちらの一部をまずは聞いて下さい。

東京電力:
今は建屋カバーがかかっていて証明が付いておりませんので
えーっと、原子炉建屋は電源が復旧していませんから、
建屋としてはですね、真っ暗だという事をご了解いただきたいと思います。
ですから今、この映像だと少し遠くてもがれきが見えたりするんですが、
今はいるとですね、照らしに行かないと見えない状況だと思います。
まず足元が相当悪いです。それから真っ暗です。
国会事故調:1,2階 3階は暗いんでしょうけど、4階は暗いですかね?
東京電力:4回も暗いですね、建屋カバーがついていて。
国会事故調:建屋カバーは上の方だから、少しは明かりは出ていないですかね?
東京電力:
ないですね。
道に迷うとですね、恐ろしい高線量区域に出くわしちゃいますから、
ええ。
だから、いったん迷うともう帰り道がさらに分からなくなる。
国会事故調:先導してくれるんでしょう?
東京電力:あ、いいえ、いまはそれはないです。
国会事故調:ガイドはないと?
東京電力:はい。
古舘:
これだけですとまだまだわかりづらい部分があると思います。
これから十分に説明させていただきます。
まず、国会の事故調査委員会の田中三彦さんというのは、
調査委員会の中でも技術的な検証、これを担当されていた方です、専門家です。
そして一号機の復水器、非常用復水器、
これに関する調査をするために原子炉建屋に入ろうとしていた際の会話なんです、東電側と。
で、東電はいったい何を覆い尽くそうとしたのか?
という事に関してまずご説明いたします。
こちらをご覧ください。
1号機、これは圧倒的に早くメルトダウンしました。
この原子炉建屋4階部分、向かって左側の上の部分です。
二つの非常用復水器という装置があります。
1号機が前電源の喪失をした際にですね、
この復水器というのは電源無しで緊急に炉心を冷やすという装置なんですね。
この非常用復水器が早々に止まってしまったが為に、
メルトダウンを1号機はいち早く引き起こしてしまったという事が言えるのです。
そこで事故調査委員会は「なぜこの装置が止まったのか?」を調べなければいけない。
先ず高さです。

4階部分にあります。
4階は地上21mという事で、通常のマンションですと7階あたりにこの非常用復水器はある。
という事は高さからして津波をかぶった事は考えにくいという判定が一つ出来ます。
そして、津波前の地震によって装置の一部がもしかしたら壊れたのではないか?
そういう疑いを持って調べなくてはいけない。
事故究明のためにはその避けて通れないまっとうな道筋と言えると思うんですが、
さらにもうひとつ、
原発を動かす場合、つまり全国の原発の耐震基準がですね、
この調査の仕方、結果によっては変わってくるという事が言えるわけです。
そういった背景を押さえた上でさらにみて下さい。
午後2時過ぎ(2013年2月7日)
国会事故調査委員会で現地調査の責任者だった田中三彦元委員
「東電がウソの説明をしたことで調査を妨害された」と、今日会見を開いた。

田中三彦元委員 国会事故調査委員会:
東京電力の虚偽説明という、これをですね、
これは国会事故調というものに対して愚弄しているんだろうと思うんですね。
で、これは許されない事だというふうに私は思います。
「事故調査妨害を会えてしたのではないか」というふうに思っています、今。
虚偽だという東電の説明。
その音声がこれだ。
東京電力:
今は建屋カバーがかかっていて証明が付いておりませんので、
えーっと、原子炉建屋は電源が復旧していませんから、
建屋としてですね、真っ暗だという事をご了解いただきたいと思います。
東電が「真っ暗だ」と話す原子炉建屋の内部は、
実は明かりがさし、証明も使える状態だった。
去年2月28日、衆議院第二別館。
当時の玉井俊光企画部部長がこの映像を見せながら田中元委員らに説明を行った。
東京電力:こんな感じですね、
1号機原子炉建屋の内部映像だ。
国会事故調:証明はないんですか?光は通さないんですか?
東京電力:
ええ、真っ暗だそうです。
手に蛍光灯をもっていますので、手元はこう明るいんですけれども、
多分明かりのついていない所は真っ暗だと思います。
ですから今はこの映像だと、少し遠くてもがれきが見えたりしますが、
たぶん今入るとですね、照らしに行かないと見えない状況だと思います。
まず足元が相当悪いです、それから真っ暗です。

東電はこの映像を、
放射性物質の拡散を防ぐカバーを設置する前に撮影したものなので、「今は真っ暗」と説明。
ところが実際の撮影日はカバーを付けた4日後のおととし10月18日だった。
おととし10月14日 原子炉建屋カバーが完成
おととし10月18日 原子炉建屋4階を撮影
つまり、「少なくてもこの映像程度の明るさはあった」ということだ。
カバーは1号機の屋根と側面を覆う形で設置された。
太陽光を通す素材で、建屋内部は自然光もさす状態だ。(明るくなる)
さらにおととし10月28日からは新たに設置した天井の水銀灯が使えるようになっていた。

おととし10月28日 天井の水銀灯が使用可能に
にもかかわらず、その4カ月後、
東京電力は「真っ暗だ」都の説明を繰り返した。
国会事故調:ま、1,2階、3階は暗いんでしょうけれども4階は暗いんですかね?
東京電力:4階も暗いですね。建屋カバーがついていて。
国会事故調:建屋カバーは上の方だから少し明かりは出てないですか?
東京電力:ないですね。
国会事故調は原子炉建屋の4階調査にこだわる理由があった。

田中三彦元委員:
4階にこの復水器というものがあって、それが2基、こう並んでおります。
この辺にですね、是非見たいものがあった。
原発では核燃料が高熱になりすぎないよう、常に冷却し続けなければならない。
タービンを回す水蒸気が水に戻った後、給水ポンプにより再び圧力容器に戻すことで核燃料を冷やすのだ。
この通常の冷却システムが作動しなくなった場合、
事故を防ぐ最後の砦となるのが非常用復水器だ。
これが4階にある。

電源無しでも蒸気を水に変え、重力を使って原子炉に水を循環させる。
だが、地震発生後十分に機能することはなく、炉心の損傷を招いたとされている。

実は国会事故調は、非常用復水器がある4階では、
「水が出ていた」という作業員の目撃証言を得ていた。
そのため事故調は、東電の主張とは異なり非常用復水器が損傷している可能性を疑った。
もし復水器が壊れているとなれば、津波では無く、地震そのもので損傷した可能性が出てくる。
田中三彦元委員:
1号機はですね、2号機、3号機に比べて
非常に短時間で水素爆発にまで至っているという特徴がございます。
で、それがですね、本当に津波だけの問題なのか?

伊東良徳元調査員 国会事故調査委員会:
地震によって配管か何かが損傷した恐れがあるという事を我々は関心を持っているわけで、
それを止めたい東電はそれに類する事実を考えていたのではないかな?と、これは推測するしかないです。
東電の担当者は暗さ以外の要因も持ち出し、調査の断念を促した。
東京電力:
道に迷うとですね、恐ろしい高線量区域に出くわしちゃいますから、ええ。
それから、いったん迷うともう、帰り道がさらに分からなくなる。
国会事故調:先導してくれるんでしょ?
東京電力:
あ、いいえ、いまはそれはないです。
私どもは(国会事故調の)事務局さんには「それはできません」と伝えてあります。
付き添に職員は付けられないと話す東電。
1号機は水素爆発で大きく壊れ、ガイド無しで立ち入るのは危険だ。
国会事故調:
じゃ、それは全部我々がやれという事ですか?
東京電力:
「やれ」と言っているんではなくて、私たちは(国会事故調の事務局に)
「入るんですか?」と聞いたら「入りたい」と。
私たちは「知りませんよ」と言ったら「それも分かりました」と、
「それでも入ります」って聞いているので、それは国会の事故調査チームとして入るんですよと、
だからそれで。
国会事故調:ガイドはないと?
東京電力:はい。
国会事故調はこの説明の数日後には現地調査を実施すると決めていた。
だが東電からは「今日判断をしていただきたい」と迫られた。

田中三彦元委員:
私たちは、被曝をある程度覚悟いたしました。
問題は「暗い事」
そういう暗さに基づく問題に関して
私たちは最終的に「これはいけない」というふうに判断したという事です。
で、ところがその暗さが「実はそうではなかった」
「照明までも付いていた」という事で非常に悔しい思いをしております。
結局現地調査を断念。
去年7月に出した結論は
「地震による損傷がないとは確定的にはいえない」という表現にとどまった。
国権の最高機関に設置された調査委員会に、何故実際と違う説明をしたのか?
東電から回答を得た。
東京電力の回答:
当該映像を建屋カバー設置前の映像として説明した事は、
当社の誤認によるもので大変申し訳ございません。
ただし、ん何らかの意図をもって虚偽の報告をした事はございません。
照明の設置場所、時期やカバーの透過率など詳細な仕様までは承知していませんでした。

伊東良徳元調査員:
「昼間でも真っ暗だ」というのをご了解いただきたいというのが、
開口一番の話なんですね。(東電企画部部長の)
彼がつまり、その日一番言いたかった事がそれな訳ですよ。
だからそれを準備してやってきているのに、
それをですね、なんかw
「よく確認しないで誤認していた」なんていう事は、およそあり得ない。
田中元委員は、東電の虚偽説明で調査を妨害されたとして、
今秋にも衆参両議院議長に非常用復水器の調査実施を申し入れる方針だ。
田中三彦元委員:
調査をしなかったらどうなるのか?という事になれば、
それは「事故原因は全て津波です」という話で話しが片付いていく方向が強くなっていくと思います。
もし地震の損害という事があるとするとですね、
これは、日本国中の原発の耐震設計基準の問題に発展する可能性があると、

古舘:
東電に対する怒りは正直あります。
しかし、もうおこっている以前の問題として、
これは復水器関係が、「地震によって破損したのかどうか」という事の結果によっては、
原発再稼働の安全基準が大きく変わる。
ここが革新的部分ですよね?三浦さん。
三浦:
そうですね、まさに極めて重要な問題であるがゆえに、
ま、普通常識的に考えると、調査妨害と受け取られても仕方がないと思うんですね。
古舘:そうですね。
三浦:
しかも、後でなんとでもいい訳が通用するという事になれば、
それはやっぱり国会国権の最高機関ですからね。
やっぱりそういう重みのある調査に対して、やっぱりそれは許されないので、
私は何らかの形でもね、再調査はいると思うんですね。
ただ残念なことに、こういった事が繰り返されるというのは
東電の体質を批判するだけではやっぱり不十分で、
最近の原子力規制庁の書類がですね、事前に資料が原電に渡っていた問題もそうですけれども、
やっぱり規制する側、調査する側に、相手の内情を見破るだけの力量がいるんですね。
そしてもしかりに虚偽の報告とかですね、調査妨害のようなものがあったら、
それは責任を問うようなね、仕組みがいると思うんですね。
やっぱり振り返ってみると、僕も福島の事故をめぐっては、
調査そのものが政治や企業の利害や対立の中に巻き込まれてよく見えなくなっているんですね。
ですから私はやっぱり何らかの形で将来もう一度、やっぱり事実関係で責任の追及はいると思うんですね。
真実の究明はまだ途中と思いますね。
古舘:
黒川委員長以下、多くの方々が加わって国会事故調査委員会。
最終的には分厚い報告書を出して、
ここから先は国会に「やって下さい」と言いおいていったん終わったと。
やってないんですから。
「これは調査しない訳にはいかん」と思いますね。
三浦:国政調査権というのは実はいろんな権限があるんですね。
ーーーそして翌日
「虚偽説明」東電
国会でも追求 東電社長を参考人へ招致

報道ステーション 2013年2月8日
昨日この番組でも放送いたしました、昨日の朝日新聞がですね特ダネとして出しました。
去年の話しになりますが国会に設定された国会の事故調査委員会、原発事故に関して、
これは1号機4階にある非常用復水器、電源無しの冷却装置。
これが「津波が来る前に地震の段階で壊れていたんではないか」という、
そういう疑いから去年国会事故調が調査に入ろうとしたところ、
東電が嘘をついてそれを妨害したという驚愕すべきニュースをお伝えしました。
今日の国会でその追及が行われています。ご覧ください。
衆院予算委 午後四時

笠井亮衆院議院 共産党:
東京電力が虚偽の説明をして、そして調査を妨害したというものでございます。
その文書が伊吹文明衆議院議長に届いていると思うんですが、届いていますか?

鬼塚誠衆議院事務議長:
いわゆる国会事故調の元委員田中三彦氏より
伊吹衆議院議長あてに一通の文書がファックスで届けられました。
笠井亮衆院議院 共産党:
極めて重大な問題で原発の事故が津波によるものなのか、それとも地震による損傷がなかったのか?
ま、今もそうですけれども、事故調査をめぐって大きな焦点となっていた時の事であります。
田中氏は
「東京電力の虚偽説明の検証と、現地調査への実現の協力をお願いしたい」と要請されている訳ですけれども、
これにどうこたえるのか?
虚偽の説明の検証という事になれば、その前提は現場がその後東電によって変えられちゃっていたら、
現場を見に行っても意味が無くなるわけで、
現場保存も大事なことでありますけれども、そのことも含めて、どのようにこの要請にこたえるおつもりか?

茂木敏充経産大臣:
仮に東京電力が何らかの意図をもって虚偽の説明をしたとすれば、
断じて許されない事であります。
昨日東京電力に対しまして、
事実関係を明らかにする、そしてその報告をするように、そういう指示を出したところであります。
また今後、現地等におきましてさらなる調査を行われることになる場合には、
最大限協力するように東京電力に対して指導いたしております。
東京電力の虚偽説明問題。
福島第一原発一号機の現地調査を決めていた国会事故調に対して、
「現場は真っ暗」などと、事実と異なる説明をしていた問題だ。
結果的に国会事故調は調査を断念した。
笠井亮衆院議院 共産党:
国会事故調というのは国会の子規制調査権を背景にして、
事故の調査を行う権限を持っていたものです。
したがって、今回の東電の行為というのは、
国会の国政調査権に対する妨害行為と言わなければいけない、そういう性格の問題だ。
東京電力の広瀬直己社長、それから当時の担当者の玉井俊光元企画部部長の、
虚偽かどうかを問われているので、当議会の証人喚問をお願いいたします。
議長:後刻理事会で協議いたします。

自民党は東電の広瀬社長や担当者だった玉井企画部部長の証人喚問には応じない方針だ
一方民主党では来週一二日に広瀬社長を参考人に招致して追及する。
その上で証人喚問についても検討するとしている。
国会事故調が現地調査で確かめたかったのは
原発の重要機器に地震による損傷があったのかどうか?という点だ。
政府や東京電力の事故調は「事故の直接的な原因は津波だ」としている。
だが本当に地震による損傷はなかったのか?
報道ステーションでは原発事故が起きた2011年の年末に原発に関するスペシャル番組を放送し、
「津波が来る前に地震によって破損があったのではないか?」と指摘した。
古舘:
津波前の地震の段階で1号機のどこかが壊れていたのではないか?という事を番組では追及いたしました。
もし、地震で重要機器が壊れていたとなれば、
事故後につくられた新しい安全基準にも置きな影響を及ぼす。
原発の耐震基準にはさらなる厳格化が必要だ。
現在止まっている原発の再稼働にも大きなハードルとなる。
だが、国会事故調が去年7月に出した報告書では、現地調査が出来なかったことから、
「地震による損傷がないとは確定的に言えない」という表現にとどまった。
東京電力は今日の会見で改めて「意図的に虚偽の説明をしたのではない」と主張した。
東京電力の会見 午後5時過ぎ。

えー、発電所の視察を行うということの、スケジュールの調整の中で、
えーー、当方の説明に誤りがあって、えー……大きな誤解を招いた。
今後、えーー、国会等の調査という事で、えーーーー、
何らかご判断、ご指示灯があれば真摯に対応したいと、
古舘:
あらためて不信感だらけになるわけです。
この件しかり、
それから規制庁の方が事前に文書を日本原電に渡していた件しかりです。
これ、原発をこれから、
断層の件全部を含めて、再稼動する際の安全基準に関わる大問題ですので、
これは国会が動く、国政調査権を使うなりのきちっとした対応が望まれるところであります。
なぜ?”早すぎる放射能漏れ” 原発揺るがす「地震で破損」
12/28報道SP(内容書き出し・動画あり)
古舘「古巣の文部科学省に戻ったという事で何が更迭なのか?さっぱり分からないですね」
“資料流出”規制庁の体制2/6報道ステ(内容書き出し)
これを見てパブリックコメントを出そう!
「そもそも新安全基準で原発は本当に安全になるの?」そもそも総研2/7(内容書き出し)
東電が事故調に虚偽説明か
東電が事故調に虚偽説明か 現地調査を妨害 投稿者 tvpickup
報道ステーション 2013年2月7日

今日朝日新聞の朝刊1面トップにも載りました。
福島第一原発事故に関してですね、
国会の事故調査委員会が原発事故の核心に迫る調査をしようとした時にですね、
東電はウソをついて、そしてその調査を妨害したという事実が浮かび上がってきました。
先ずはですね、この事故調側と東電側のその会話のやりとりが録音テープとして残されていますので、
そちらの一部をまずは聞いて下さい。


東京電力:
今は建屋カバーがかかっていて証明が付いておりませんので
えーっと、原子炉建屋は電源が復旧していませんから、
建屋としてはですね、真っ暗だという事をご了解いただきたいと思います。
ですから今、この映像だと少し遠くてもがれきが見えたりするんですが、
今はいるとですね、照らしに行かないと見えない状況だと思います。
まず足元が相当悪いです。それから真っ暗です。
国会事故調:1,2階 3階は暗いんでしょうけど、4階は暗いですかね?
東京電力:4回も暗いですね、建屋カバーがついていて。
国会事故調:建屋カバーは上の方だから、少しは明かりは出ていないですかね?
東京電力:
ないですね。
道に迷うとですね、恐ろしい高線量区域に出くわしちゃいますから、
ええ。
だから、いったん迷うともう帰り道がさらに分からなくなる。
国会事故調:先導してくれるんでしょう?
東京電力:あ、いいえ、いまはそれはないです。
国会事故調:ガイドはないと?
東京電力:はい。
古舘:
これだけですとまだまだわかりづらい部分があると思います。
これから十分に説明させていただきます。
まず、国会の事故調査委員会の田中三彦さんというのは、
調査委員会の中でも技術的な検証、これを担当されていた方です、専門家です。
そして一号機の復水器、非常用復水器、
これに関する調査をするために原子炉建屋に入ろうとしていた際の会話なんです、東電側と。
で、東電はいったい何を覆い尽くそうとしたのか?
という事に関してまずご説明いたします。
こちらをご覧ください。
1号機、これは圧倒的に早くメルトダウンしました。
この原子炉建屋4階部分、向かって左側の上の部分です。
二つの非常用復水器という装置があります。
1号機が前電源の喪失をした際にですね、
この復水器というのは電源無しで緊急に炉心を冷やすという装置なんですね。
この非常用復水器が早々に止まってしまったが為に、
メルトダウンを1号機はいち早く引き起こしてしまったという事が言えるのです。
そこで事故調査委員会は「なぜこの装置が止まったのか?」を調べなければいけない。
先ず高さです。

4階部分にあります。
4階は地上21mという事で、通常のマンションですと7階あたりにこの非常用復水器はある。
という事は高さからして津波をかぶった事は考えにくいという判定が一つ出来ます。
そして、津波前の地震によって装置の一部がもしかしたら壊れたのではないか?
そういう疑いを持って調べなくてはいけない。
事故究明のためにはその避けて通れないまっとうな道筋と言えると思うんですが、
さらにもうひとつ、
原発を動かす場合、つまり全国の原発の耐震基準がですね、
この調査の仕方、結果によっては変わってくるという事が言えるわけです。
そういった背景を押さえた上でさらにみて下さい。
午後2時過ぎ(2013年2月7日)
国会事故調査委員会で現地調査の責任者だった田中三彦元委員
「東電がウソの説明をしたことで調査を妨害された」と、今日会見を開いた。

田中三彦元委員 国会事故調査委員会:
東京電力の虚偽説明という、これをですね、
これは国会事故調というものに対して愚弄しているんだろうと思うんですね。
で、これは許されない事だというふうに私は思います。
「事故調査妨害を会えてしたのではないか」というふうに思っています、今。
虚偽だという東電の説明。
その音声がこれだ。
東京電力:
今は建屋カバーがかかっていて証明が付いておりませんので、
えーっと、原子炉建屋は電源が復旧していませんから、
建屋としてですね、真っ暗だという事をご了解いただきたいと思います。
東電が「真っ暗だ」と話す原子炉建屋の内部は、
実は明かりがさし、証明も使える状態だった。
去年2月28日、衆議院第二別館。
当時の玉井俊光企画部部長がこの映像を見せながら田中元委員らに説明を行った。
東京電力:こんな感じですね、
1号機原子炉建屋の内部映像だ。
国会事故調:証明はないんですか?光は通さないんですか?
東京電力:
ええ、真っ暗だそうです。
手に蛍光灯をもっていますので、手元はこう明るいんですけれども、
多分明かりのついていない所は真っ暗だと思います。
ですから今はこの映像だと、少し遠くてもがれきが見えたりしますが、
たぶん今入るとですね、照らしに行かないと見えない状況だと思います。
まず足元が相当悪いです、それから真っ暗です。

東電はこの映像を、
放射性物質の拡散を防ぐカバーを設置する前に撮影したものなので、「今は真っ暗」と説明。
ところが実際の撮影日はカバーを付けた4日後のおととし10月18日だった。
おととし10月14日 原子炉建屋カバーが完成
おととし10月18日 原子炉建屋4階を撮影
つまり、「少なくてもこの映像程度の明るさはあった」ということだ。
カバーは1号機の屋根と側面を覆う形で設置された。
太陽光を通す素材で、建屋内部は自然光もさす状態だ。(明るくなる)
さらにおととし10月28日からは新たに設置した天井の水銀灯が使えるようになっていた。

おととし10月28日 天井の水銀灯が使用可能に
にもかかわらず、その4カ月後、
東京電力は「真っ暗だ」都の説明を繰り返した。
国会事故調:ま、1,2階、3階は暗いんでしょうけれども4階は暗いんですかね?
東京電力:4階も暗いですね。建屋カバーがついていて。
国会事故調:建屋カバーは上の方だから少し明かりは出てないですか?
東京電力:ないですね。
国会事故調は原子炉建屋の4階調査にこだわる理由があった。

田中三彦元委員:
4階にこの復水器というものがあって、それが2基、こう並んでおります。
この辺にですね、是非見たいものがあった。
原発では核燃料が高熱になりすぎないよう、常に冷却し続けなければならない。
タービンを回す水蒸気が水に戻った後、給水ポンプにより再び圧力容器に戻すことで核燃料を冷やすのだ。
この通常の冷却システムが作動しなくなった場合、
事故を防ぐ最後の砦となるのが非常用復水器だ。
これが4階にある。

電源無しでも蒸気を水に変え、重力を使って原子炉に水を循環させる。
だが、地震発生後十分に機能することはなく、炉心の損傷を招いたとされている。

実は国会事故調は、非常用復水器がある4階では、
「水が出ていた」という作業員の目撃証言を得ていた。
そのため事故調は、東電の主張とは異なり非常用復水器が損傷している可能性を疑った。
もし復水器が壊れているとなれば、津波では無く、地震そのもので損傷した可能性が出てくる。
田中三彦元委員:
1号機はですね、2号機、3号機に比べて
非常に短時間で水素爆発にまで至っているという特徴がございます。
で、それがですね、本当に津波だけの問題なのか?

伊東良徳元調査員 国会事故調査委員会:
地震によって配管か何かが損傷した恐れがあるという事を我々は関心を持っているわけで、
それを止めたい東電はそれに類する事実を考えていたのではないかな?と、これは推測するしかないです。
東電の担当者は暗さ以外の要因も持ち出し、調査の断念を促した。
東京電力:
道に迷うとですね、恐ろしい高線量区域に出くわしちゃいますから、ええ。
それから、いったん迷うともう、帰り道がさらに分からなくなる。
国会事故調:先導してくれるんでしょ?
東京電力:
あ、いいえ、いまはそれはないです。
私どもは(国会事故調の)事務局さんには「それはできません」と伝えてあります。
付き添に職員は付けられないと話す東電。
1号機は水素爆発で大きく壊れ、ガイド無しで立ち入るのは危険だ。
国会事故調:
じゃ、それは全部我々がやれという事ですか?
東京電力:
「やれ」と言っているんではなくて、私たちは(国会事故調の事務局に)
「入るんですか?」と聞いたら「入りたい」と。
私たちは「知りませんよ」と言ったら「それも分かりました」と、
「それでも入ります」って聞いているので、それは国会の事故調査チームとして入るんですよと、
だからそれで。
国会事故調:ガイドはないと?
東京電力:はい。
国会事故調はこの説明の数日後には現地調査を実施すると決めていた。
だが東電からは「今日判断をしていただきたい」と迫られた。

田中三彦元委員:
私たちは、被曝をある程度覚悟いたしました。
問題は「暗い事」
そういう暗さに基づく問題に関して
私たちは最終的に「これはいけない」というふうに判断したという事です。
で、ところがその暗さが「実はそうではなかった」
「照明までも付いていた」という事で非常に悔しい思いをしております。
結局現地調査を断念。
去年7月に出した結論は
「地震による損傷がないとは確定的にはいえない」という表現にとどまった。
国権の最高機関に設置された調査委員会に、何故実際と違う説明をしたのか?
東電から回答を得た。
東京電力の回答:
当該映像を建屋カバー設置前の映像として説明した事は、
当社の誤認によるもので大変申し訳ございません。
ただし、ん何らかの意図をもって虚偽の報告をした事はございません。
照明の設置場所、時期やカバーの透過率など詳細な仕様までは承知していませんでした。

伊東良徳元調査員:
「昼間でも真っ暗だ」というのをご了解いただきたいというのが、
開口一番の話なんですね。(東電企画部部長の)
彼がつまり、その日一番言いたかった事がそれな訳ですよ。
だからそれを準備してやってきているのに、
それをですね、なんかw
「よく確認しないで誤認していた」なんていう事は、およそあり得ない。
田中元委員は、東電の虚偽説明で調査を妨害されたとして、
今秋にも衆参両議院議長に非常用復水器の調査実施を申し入れる方針だ。
田中三彦元委員:
調査をしなかったらどうなるのか?という事になれば、
それは「事故原因は全て津波です」という話で話しが片付いていく方向が強くなっていくと思います。
もし地震の損害という事があるとするとですね、
これは、日本国中の原発の耐震設計基準の問題に発展する可能性があると、

古舘:
東電に対する怒りは正直あります。
しかし、もうおこっている以前の問題として、
これは復水器関係が、「地震によって破損したのかどうか」という事の結果によっては、
原発再稼働の安全基準が大きく変わる。
ここが革新的部分ですよね?三浦さん。
三浦:
そうですね、まさに極めて重要な問題であるがゆえに、
ま、普通常識的に考えると、調査妨害と受け取られても仕方がないと思うんですね。
古舘:そうですね。
三浦:
しかも、後でなんとでもいい訳が通用するという事になれば、
それはやっぱり国会国権の最高機関ですからね。
やっぱりそういう重みのある調査に対して、やっぱりそれは許されないので、
私は何らかの形でもね、再調査はいると思うんですね。
ただ残念なことに、こういった事が繰り返されるというのは
東電の体質を批判するだけではやっぱり不十分で、
最近の原子力規制庁の書類がですね、事前に資料が原電に渡っていた問題もそうですけれども、
やっぱり規制する側、調査する側に、相手の内情を見破るだけの力量がいるんですね。
そしてもしかりに虚偽の報告とかですね、調査妨害のようなものがあったら、
それは責任を問うようなね、仕組みがいると思うんですね。
やっぱり振り返ってみると、僕も福島の事故をめぐっては、
調査そのものが政治や企業の利害や対立の中に巻き込まれてよく見えなくなっているんですね。
ですから私はやっぱり何らかの形で将来もう一度、やっぱり事実関係で責任の追及はいると思うんですね。
真実の究明はまだ途中と思いますね。
古舘:
黒川委員長以下、多くの方々が加わって国会事故調査委員会。
最終的には分厚い報告書を出して、
ここから先は国会に「やって下さい」と言いおいていったん終わったと。
やってないんですから。
「これは調査しない訳にはいかん」と思いますね。
三浦:国政調査権というのは実はいろんな権限があるんですね。
ーーーそして翌日
「虚偽説明」東電
国会でも追求 東電社長を参考人へ招致

報道ステーション 2013年2月8日
昨日この番組でも放送いたしました、昨日の朝日新聞がですね特ダネとして出しました。
去年の話しになりますが国会に設定された国会の事故調査委員会、原発事故に関して、
これは1号機4階にある非常用復水器、電源無しの冷却装置。
これが「津波が来る前に地震の段階で壊れていたんではないか」という、
そういう疑いから去年国会事故調が調査に入ろうとしたところ、
東電が嘘をついてそれを妨害したという驚愕すべきニュースをお伝えしました。
今日の国会でその追及が行われています。ご覧ください。
衆院予算委 午後四時

笠井亮衆院議院 共産党:
東京電力が虚偽の説明をして、そして調査を妨害したというものでございます。
その文書が伊吹文明衆議院議長に届いていると思うんですが、届いていますか?

鬼塚誠衆議院事務議長:
いわゆる国会事故調の元委員田中三彦氏より
伊吹衆議院議長あてに一通の文書がファックスで届けられました。
笠井亮衆院議院 共産党:
極めて重大な問題で原発の事故が津波によるものなのか、それとも地震による損傷がなかったのか?
ま、今もそうですけれども、事故調査をめぐって大きな焦点となっていた時の事であります。
田中氏は
「東京電力の虚偽説明の検証と、現地調査への実現の協力をお願いしたい」と要請されている訳ですけれども、
これにどうこたえるのか?
虚偽の説明の検証という事になれば、その前提は現場がその後東電によって変えられちゃっていたら、
現場を見に行っても意味が無くなるわけで、
現場保存も大事なことでありますけれども、そのことも含めて、どのようにこの要請にこたえるおつもりか?

茂木敏充経産大臣:
仮に東京電力が何らかの意図をもって虚偽の説明をしたとすれば、
断じて許されない事であります。
昨日東京電力に対しまして、
事実関係を明らかにする、そしてその報告をするように、そういう指示を出したところであります。
また今後、現地等におきましてさらなる調査を行われることになる場合には、
最大限協力するように東京電力に対して指導いたしております。
東京電力の虚偽説明問題。
福島第一原発一号機の現地調査を決めていた国会事故調に対して、
「現場は真っ暗」などと、事実と異なる説明をしていた問題だ。
結果的に国会事故調は調査を断念した。
笠井亮衆院議院 共産党:
国会事故調というのは国会の子規制調査権を背景にして、
事故の調査を行う権限を持っていたものです。
したがって、今回の東電の行為というのは、
国会の国政調査権に対する妨害行為と言わなければいけない、そういう性格の問題だ。
東京電力の広瀬直己社長、それから当時の担当者の玉井俊光元企画部部長の、
虚偽かどうかを問われているので、当議会の証人喚問をお願いいたします。
議長:後刻理事会で協議いたします。

自民党は東電の広瀬社長や担当者だった玉井企画部部長の証人喚問には応じない方針だ
一方民主党では来週一二日に広瀬社長を参考人に招致して追及する。
その上で証人喚問についても検討するとしている。
国会事故調が現地調査で確かめたかったのは
原発の重要機器に地震による損傷があったのかどうか?という点だ。
政府や東京電力の事故調は「事故の直接的な原因は津波だ」としている。
だが本当に地震による損傷はなかったのか?
報道ステーションでは原発事故が起きた2011年の年末に原発に関するスペシャル番組を放送し、
「津波が来る前に地震によって破損があったのではないか?」と指摘した。
古舘:
津波前の地震の段階で1号機のどこかが壊れていたのではないか?という事を番組では追及いたしました。
もし、地震で重要機器が壊れていたとなれば、
事故後につくられた新しい安全基準にも置きな影響を及ぼす。
原発の耐震基準にはさらなる厳格化が必要だ。
現在止まっている原発の再稼働にも大きなハードルとなる。
だが、国会事故調が去年7月に出した報告書では、現地調査が出来なかったことから、
「地震による損傷がないとは確定的に言えない」という表現にとどまった。
東京電力は今日の会見で改めて「意図的に虚偽の説明をしたのではない」と主張した。
東京電力の会見 午後5時過ぎ。

えー、発電所の視察を行うということの、スケジュールの調整の中で、
えーー、当方の説明に誤りがあって、えー……大きな誤解を招いた。
今後、えーー、国会等の調査という事で、えーーーー、
何らかご判断、ご指示灯があれば真摯に対応したいと、
古舘:
あらためて不信感だらけになるわけです。
この件しかり、
それから規制庁の方が事前に文書を日本原電に渡していた件しかりです。
これ、原発をこれから、
断層の件全部を含めて、再稼動する際の安全基準に関わる大問題ですので、
これは国会が動く、国政調査権を使うなりのきちっとした対応が望まれるところであります。
なぜ?”早すぎる放射能漏れ” 原発揺るがす「地震で破損」
12/28報道SP(内容書き出し・動画あり)
古舘「古巣の文部科学省に戻ったという事で何が更迭なのか?さっぱり分からないですね」
“資料流出”規制庁の体制2/6報道ステ(内容書き出し)
これを見てパブリックコメントを出そう!
「そもそも新安全基準で原発は本当に安全になるの?」そもそも総研2/7(内容書き出し)
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