“核のゴミ”はどこへ~検証・使用済み核燃料~
NHKスペシャル 2013.2.10。

根元:
ただ日本の場合、使用済み核燃料というのは全て再処理するのがルールになっていまして、
スイスのように、そのままゴミとして捨てる事が出来ないんですね。
これが核のゴミの処分を進まなくしている一つの要因にもなっているんです。
こちらは最初にご覧いただいた図です。
再処理を行う六ヶ所村の再処理工場というのは、
トラブルが相次ぎ、これまで本格稼働を一度もした事がないんですね。
その結果、再処理されない使用済み核燃料が、全国の原発に溜まり続けるという事態になっているんです。
しかしこの溜まった使用済み核燃料、
最終処分場が仮に見つかったとしても、「再処理をする」という前提のルールがありますので、
直接持っていくことはできず、その結果身動きできないという状況になるんです

伊東:そうなると、「再処理そのものを諦めた方がいいのでは?」とも思えてきます。
根元:
これまでにそうした議論が無かったわけではないんです。
原発事故の後、政府がこれからの原子力の進め方の議論をしたんですけれども、
その中で示された複数の選択肢の中に、
「再処理を止めて使用済み核燃料を直接捨てるべきではないか」と、
そういった案も出たんです。
しかし最終的な結論は再処理も継続で、
この再処理工場は今年10月の完成を目指すことになっています。
このトラブル続きの事業が、何故継続という結論になったのか?
取材を進めると、再処理を止めた場合、原発の運転や電力会社の経営に影響しかねないという、
関係者のうち向きな体質が見えてきました。
続く再処理 その理由は

青森県六ケ所村にある使用済み核燃料の再処理工場、
電力会社が中心となって設立した、日本原燃が運営しています。
当初の計画では1997年に稼働を開始。
全国の原発から集められた使用済み核燃料を
核のゴミと再利用する燃料に分ける重要な役割を果たす筈でした。
国の構想は取り出した燃料を高速増殖炉という原子炉で増やし、再利用を繰り返すというものでした。
資源の少ない日本が無尽蔵に電力を得られる夢の核燃料サイクルです。

しかし、1995年。
開発段階の高速増殖炉もんじゅが事故を起こし、実用化のめどが立たなくなりました。
そして、六ヶ所村の再処理工場、トラブルが多発し、操業開始の延期は19回に上ります。
核燃料サイクルの構想は今も実現していませんが、
再処理の費用は電気料金の形ですでに徴収されています。
構想が息詰まる中で、何故核燃料サイクルは続けられてきたのか?3530
実は9年前、経済産業省の中で中止を模索する動きがあった事が分かりました。
「六ヶ所を止めるべきと判断する理由」
若手官僚たちが幹部へあてた提言書です。

「核燃料サイクルについて政策的意義は失われている」
「もう、世の中を誤魔化しきれない」
核燃料サイクルを推進してきた経済産業省で、何故このような異論が噴出したのか?
当時エネルギー政策に携わっていた官僚が取材に応じました。
官僚たちが問題視していたのは、電気料金として徴収される巨額の再処理費用。
稼働から40年で11兆円(電気料金)かかると試算されていました。

経済産業省 元エネルギー政策官僚:
高速増殖炉というものが完成するめども全く立たなくなっていて、
経済的にも政策的にも全く無意味な事業にそれだけの兆単位の金をかけていいのかと、
苦々しい空気は広がっていました。
一方再処理を担う日本原燃に出資する電力会社。
最大の株主である東京電力の中からも疑問の声が上がっていました。
東京電力の関係者を取材したメモ。
先の見通せない再処理を経営上のリスクとみなしていたのです。

東京電力 元総務部 幹部:
核燃料サイクルは技術者にとっては夢かもしれないが、電気事業者にとってビジネスのメリットはない。
東京電力 元原子力部門 幹部:
再処理の是非が検討されたのは事実。電力の自由化でコストダウンが求められる中で、
「六ヶ所は高いじゃないか」という話になった。
それでもなぜ国と電力会社は再処理から撤退しなかったのか?
再処理工場には資源として再利用することを前提に
各地の原発から使用済み核燃料の一部がすでに送られています。
もし撤退が決まれば、使用済み核燃料は「資源」ではなく事実上「ゴミ」となります。
その場合、地元の青森県は使用済み核燃料を各地の原発に返すという取り決めを結んでいます。
原発に使用済み核燃料を置く場所はなくなり、
原発を稼働できなくなるのです。
東京電力の元役員の証言、
「再処理を止めたら原子力は立ち行かない。再処理は原子力発電の生命線だ」
その後再処理を巡って国と電力会社との間で話し合いがもたれました。
しかし、国も電力会社も原発を動かし続けることを優先し、
コストがかかる再処理を見直す事はありませんでした。
経済産業省 元エネルギー政策官僚:
電力会社と経済産業省の間で、大きな国民負担を回避しようという関係が築けなかったと。
壮大な無駄を生みだした仕組みというのを、国も電力会社も直視できなかったという事だろうと思います。
そして解決されないままだった問題が、原発事故を機に再び浮上します。
去年政府の主導で検討された再処理の見直し。
これに対し青森県の三村知事が強く異議を唱えました。

三村申吾知事 青森県:
使用済み燃料がそのまま(青森県に)放置されるのではないかと、
ようするに約束と違う事がおきない。
資源として再利用されない場合にはそれぞれの発生元にお返しする
わたくしどもは、ゴミ捨て場ではないんだと。
結局政府は再処理の方針を見直しませんでした。
その背景に当事者たちの複雑な利害関係があることも分かってきました。
今回私たちは、その一端を示す映像と音声を入手しました。
原発事故のあと霞が関の庁舎で23回にわたって行われていた原子力委員会の秘密会議です。
再処理の見直しが政府内で検討されていたさなか、
日本原燃と東京電力、内閣府、経済産業省、原子力委員などが一同に会していました。
内閣府職員:六ヶ所の再処理は動かさないといけない
日本原燃:ありがとうございます。
内閣府職員:
いや、そこに尽きるのかなと思っていて、それが潰れるようなシナリオはやっぱり書けないので、
「六ヶ所は続けましょうね」と、
この秘密会議で日本原燃が配布した資料です。

再処理工場の稼働が遅れる中、日本原燃の重ねた借金は1兆円。
再処理が見直されれば銀行の融資が止まり経営危機に陥ると訴えました。
日本原燃:私企業としては大変困る、
何らかの救済策が必要になってくる、ま、(年間)3000億円位のキャッシュが必要になって
知っておいてほしいのは、日本原燃が国立研究機関であれば、何時でも(再処理は)止められると思うけど、
原子力委員:おっしゃる通り、民間企業だからね
日本原燃:民間の場合止めろと言われるとね、お金が回らなくなっちゃうので困るなぁと、
原子力委員:銀行がお金を(日本原燃)貸さなくなっちゃうっていう事
日本原燃:
六ケ所も早く引き上げてと鳴ってきちゃうと、全然、あちこちがみんな通らなくなっちゃう
そこを上手にうまく、なんていうか、それはそういうことにならないように、
私たちはこの一連のやりとりについて日本原燃に問いました。
その回答の要旨です。

当社は国策に基づき、民間として事業を進めてきました。
その国策を突然変更されることになれば、
影響が出るとともに、対応が必要になる事実を一般論としてご説明したものです。
なお、かりに再処理事業が中止となれば、一般論として、
電力会社や自治体の財政にも影響はあるものと考えられます。
秘密会議に出席した原子力委員の一人、鈴木達治朗委員長代理が取材に応じました。
中立性が求められる原子力委員。
「再処理を推進する関係者とだけ秘密に会合を持った事は問題だった」と認めました。
そのうえで再処理が見直されない事情を語りました。

鈴木達治朗委員長代理 原子力委員:
いわゆるその利害関係です。
今の自分たちの属している団体や組織の利害というものが、今のサイクル政策に、やはり、え…
直結しているという事で、「やっぱり事業に影響が出るから止めて欲しい」と、
鈴木委員長代理は、今のままでは再処理のあるべき姿を議論するのは難しいと感じています。

鈴木達治朗委員長代理 原子力委員:
本来は政策を議論したうえで、政策のあるべき姿の中で、
「じゃあ、六ヶ所事業をどうしますか?」というのが筋でしょう。
原子力政策を50年間続けてきた制度とか組織をそのままにして、
政策変更の議論をするっていう事自体にね、ま、どうしても制約があったのかなと、

伊東:
多くの関係者が再処理にはメリットがないと考えたにもかかわらず、
結局再処理は続けられる事になったんですね。
根元:
はい、本来再処理は資源の少ない日本が
「無尽蔵のエネルギーを手に入れたい」というその手段だったんですが、
いつしか原発を動かし続けるために、
そしてこの事業に関係する企業の経営を守るためにと、そういった仕掛けにかわっていったんだと思います。
再処理を止められない背景には、その他にも、青森県などの立地地域への経済の影響や、
日本の技術力の低下を懸念するアメリカとの関係など、複雑に絡み合っています。
ただこうした構造を変えないと、今後も同じような議論が繰り返されられると思います。
伊東:
根元さん、今回のこの核のゴミの問題。
今回の事故で改めて私たちは放射能の怖さに気付いた今、もうこの後の世代には残してはいけない。
これ以上は先送りできない問題ですね。
根元:
そのとおりです。
これまでは「時間がかかる取り組み」という事に甘えて、
ま、たとえ10年以上最終処分場の候補地選びが全く進まなくても
許してきた雰囲気が国や社会にもあったんだと思います。
しかしもう甘えは許されません。

原発事故から間もなく2年になります。
政府は安全が確認された原発からは運転の再開を認める方針です。
しかしそれだけでいいのでしょうか?
原発を動かす事は新たな使用済み核燃料を生み、核のゴミを増やすことを意味します。
原発の安全はもちろん大切ですが、核のゴミ問題の解決に道筋をつけること。
その両方がそろって初めて運転再開の議論が出来るのだと思います。
もはや核のゴミ問題の解決から目をそむける事は許されないのです。

ーーー
動画はこちら↓
<3の1・日本の場合>“核のゴミ”はどこへ~検証・使用済み核燃料~(内容書き出し・動画)
<3の2・海外の場合>“核のゴミ”はどこへ~検証・使用済み核燃料~(内容書き出し)
ーーー
本当はみんな、使用済み核燃料の再処理なんてしない方がいいと思っている?
経済産業省の中からも東電の中からも再処理に関して疑問の声が上がる中、
「再処理」を続ける理由が、本当に日本原燃や電力会社を守るためだけに決められたのだとしたら・・・
ただ単純に、民間企業を守るためだけに、このような事が決められていたのだとしたら、
ん・・・
とてもいい番組だと思いましたので、
是非残しておきたくて、全て書き出しました。
NHKスペシャル 2013.2.10。

根元:
ただ日本の場合、使用済み核燃料というのは全て再処理するのがルールになっていまして、
スイスのように、そのままゴミとして捨てる事が出来ないんですね。
これが核のゴミの処分を進まなくしている一つの要因にもなっているんです。
こちらは最初にご覧いただいた図です。
再処理を行う六ヶ所村の再処理工場というのは、
トラブルが相次ぎ、これまで本格稼働を一度もした事がないんですね。
その結果、再処理されない使用済み核燃料が、全国の原発に溜まり続けるという事態になっているんです。
しかしこの溜まった使用済み核燃料、
最終処分場が仮に見つかったとしても、「再処理をする」という前提のルールがありますので、
直接持っていくことはできず、その結果身動きできないという状況になるんです

伊東:そうなると、「再処理そのものを諦めた方がいいのでは?」とも思えてきます。
根元:
これまでにそうした議論が無かったわけではないんです。
原発事故の後、政府がこれからの原子力の進め方の議論をしたんですけれども、
その中で示された複数の選択肢の中に、
「再処理を止めて使用済み核燃料を直接捨てるべきではないか」と、
そういった案も出たんです。
しかし最終的な結論は再処理も継続で、
この再処理工場は今年10月の完成を目指すことになっています。
このトラブル続きの事業が、何故継続という結論になったのか?
取材を進めると、再処理を止めた場合、原発の運転や電力会社の経営に影響しかねないという、
関係者のうち向きな体質が見えてきました。
続く再処理 その理由は

青森県六ケ所村にある使用済み核燃料の再処理工場、
電力会社が中心となって設立した、日本原燃が運営しています。
当初の計画では1997年に稼働を開始。
全国の原発から集められた使用済み核燃料を
核のゴミと再利用する燃料に分ける重要な役割を果たす筈でした。
国の構想は取り出した燃料を高速増殖炉という原子炉で増やし、再利用を繰り返すというものでした。
資源の少ない日本が無尽蔵に電力を得られる夢の核燃料サイクルです。

しかし、1995年。
開発段階の高速増殖炉もんじゅが事故を起こし、実用化のめどが立たなくなりました。
そして、六ヶ所村の再処理工場、トラブルが多発し、操業開始の延期は19回に上ります。
核燃料サイクルの構想は今も実現していませんが、
再処理の費用は電気料金の形ですでに徴収されています。
構想が息詰まる中で、何故核燃料サイクルは続けられてきたのか?3530
実は9年前、経済産業省の中で中止を模索する動きがあった事が分かりました。
「六ヶ所を止めるべきと判断する理由」
若手官僚たちが幹部へあてた提言書です。

「核燃料サイクルについて政策的意義は失われている」
「もう、世の中を誤魔化しきれない」
核燃料サイクルを推進してきた経済産業省で、何故このような異論が噴出したのか?
当時エネルギー政策に携わっていた官僚が取材に応じました。
官僚たちが問題視していたのは、電気料金として徴収される巨額の再処理費用。
稼働から40年で11兆円(電気料金)かかると試算されていました。

経済産業省 元エネルギー政策官僚:
高速増殖炉というものが完成するめども全く立たなくなっていて、
経済的にも政策的にも全く無意味な事業にそれだけの兆単位の金をかけていいのかと、
苦々しい空気は広がっていました。
一方再処理を担う日本原燃に出資する電力会社。
最大の株主である東京電力の中からも疑問の声が上がっていました。
東京電力の関係者を取材したメモ。
先の見通せない再処理を経営上のリスクとみなしていたのです。

東京電力 元総務部 幹部:
核燃料サイクルは技術者にとっては夢かもしれないが、電気事業者にとってビジネスのメリットはない。
東京電力 元原子力部門 幹部:
再処理の是非が検討されたのは事実。電力の自由化でコストダウンが求められる中で、
「六ヶ所は高いじゃないか」という話になった。
それでもなぜ国と電力会社は再処理から撤退しなかったのか?
再処理工場には資源として再利用することを前提に
各地の原発から使用済み核燃料の一部がすでに送られています。
もし撤退が決まれば、使用済み核燃料は「資源」ではなく事実上「ゴミ」となります。
その場合、地元の青森県は使用済み核燃料を各地の原発に返すという取り決めを結んでいます。
原発に使用済み核燃料を置く場所はなくなり、
原発を稼働できなくなるのです。
東京電力の元役員の証言、
「再処理を止めたら原子力は立ち行かない。再処理は原子力発電の生命線だ」
その後再処理を巡って国と電力会社との間で話し合いがもたれました。
しかし、国も電力会社も原発を動かし続けることを優先し、
コストがかかる再処理を見直す事はありませんでした。
経済産業省 元エネルギー政策官僚:
電力会社と経済産業省の間で、大きな国民負担を回避しようという関係が築けなかったと。
壮大な無駄を生みだした仕組みというのを、国も電力会社も直視できなかったという事だろうと思います。
そして解決されないままだった問題が、原発事故を機に再び浮上します。
去年政府の主導で検討された再処理の見直し。
これに対し青森県の三村知事が強く異議を唱えました。

三村申吾知事 青森県:
使用済み燃料がそのまま(青森県に)放置されるのではないかと、
ようするに約束と違う事がおきない。
資源として再利用されない場合にはそれぞれの発生元にお返しする
わたくしどもは、ゴミ捨て場ではないんだと。
結局政府は再処理の方針を見直しませんでした。
その背景に当事者たちの複雑な利害関係があることも分かってきました。
今回私たちは、その一端を示す映像と音声を入手しました。
原発事故のあと霞が関の庁舎で23回にわたって行われていた原子力委員会の秘密会議です。
再処理の見直しが政府内で検討されていたさなか、
日本原燃と東京電力、内閣府、経済産業省、原子力委員などが一同に会していました。
内閣府職員:六ヶ所の再処理は動かさないといけない
日本原燃:ありがとうございます。
内閣府職員:
いや、そこに尽きるのかなと思っていて、それが潰れるようなシナリオはやっぱり書けないので、
「六ヶ所は続けましょうね」と、
この秘密会議で日本原燃が配布した資料です。


再処理工場の稼働が遅れる中、日本原燃の重ねた借金は1兆円。
再処理が見直されれば銀行の融資が止まり経営危機に陥ると訴えました。
日本原燃:私企業としては大変困る、
何らかの救済策が必要になってくる、ま、(年間)3000億円位のキャッシュが必要になって
知っておいてほしいのは、日本原燃が国立研究機関であれば、何時でも(再処理は)止められると思うけど、
原子力委員:おっしゃる通り、民間企業だからね
日本原燃:民間の場合止めろと言われるとね、お金が回らなくなっちゃうので困るなぁと、
原子力委員:銀行がお金を(日本原燃)貸さなくなっちゃうっていう事
日本原燃:
六ケ所も早く引き上げてと鳴ってきちゃうと、全然、あちこちがみんな通らなくなっちゃう
そこを上手にうまく、なんていうか、それはそういうことにならないように、
私たちはこの一連のやりとりについて日本原燃に問いました。
その回答の要旨です。

当社は国策に基づき、民間として事業を進めてきました。
その国策を突然変更されることになれば、
影響が出るとともに、対応が必要になる事実を一般論としてご説明したものです。
なお、かりに再処理事業が中止となれば、一般論として、
電力会社や自治体の財政にも影響はあるものと考えられます。
秘密会議に出席した原子力委員の一人、鈴木達治朗委員長代理が取材に応じました。
中立性が求められる原子力委員。
「再処理を推進する関係者とだけ秘密に会合を持った事は問題だった」と認めました。
そのうえで再処理が見直されない事情を語りました。

鈴木達治朗委員長代理 原子力委員:
いわゆるその利害関係です。
今の自分たちの属している団体や組織の利害というものが、今のサイクル政策に、やはり、え…
直結しているという事で、「やっぱり事業に影響が出るから止めて欲しい」と、
鈴木委員長代理は、今のままでは再処理のあるべき姿を議論するのは難しいと感じています。

鈴木達治朗委員長代理 原子力委員:
本来は政策を議論したうえで、政策のあるべき姿の中で、
「じゃあ、六ヶ所事業をどうしますか?」というのが筋でしょう。
原子力政策を50年間続けてきた制度とか組織をそのままにして、
政策変更の議論をするっていう事自体にね、ま、どうしても制約があったのかなと、

伊東:
多くの関係者が再処理にはメリットがないと考えたにもかかわらず、
結局再処理は続けられる事になったんですね。
根元:
はい、本来再処理は資源の少ない日本が
「無尽蔵のエネルギーを手に入れたい」というその手段だったんですが、
いつしか原発を動かし続けるために、
そしてこの事業に関係する企業の経営を守るためにと、そういった仕掛けにかわっていったんだと思います。
再処理を止められない背景には、その他にも、青森県などの立地地域への経済の影響や、
日本の技術力の低下を懸念するアメリカとの関係など、複雑に絡み合っています。
ただこうした構造を変えないと、今後も同じような議論が繰り返されられると思います。
伊東:
根元さん、今回のこの核のゴミの問題。
今回の事故で改めて私たちは放射能の怖さに気付いた今、もうこの後の世代には残してはいけない。
これ以上は先送りできない問題ですね。
根元:
そのとおりです。
これまでは「時間がかかる取り組み」という事に甘えて、
ま、たとえ10年以上最終処分場の候補地選びが全く進まなくても
許してきた雰囲気が国や社会にもあったんだと思います。
しかしもう甘えは許されません。

原発事故から間もなく2年になります。
政府は安全が確認された原発からは運転の再開を認める方針です。
しかしそれだけでいいのでしょうか?
原発を動かす事は新たな使用済み核燃料を生み、核のゴミを増やすことを意味します。
原発の安全はもちろん大切ですが、核のゴミ問題の解決に道筋をつけること。
その両方がそろって初めて運転再開の議論が出来るのだと思います。
もはや核のゴミ問題の解決から目をそむける事は許されないのです。


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動画はこちら↓
<3の1・日本の場合>“核のゴミ”はどこへ~検証・使用済み核燃料~(内容書き出し・動画)
<3の2・海外の場合>“核のゴミ”はどこへ~検証・使用済み核燃料~(内容書き出し)
ーーー
本当はみんな、使用済み核燃料の再処理なんてしない方がいいと思っている?
経済産業省の中からも東電の中からも再処理に関して疑問の声が上がる中、
「再処理」を続ける理由が、本当に日本原燃や電力会社を守るためだけに決められたのだとしたら・・・
ただ単純に、民間企業を守るためだけに、このような事が決められていたのだとしたら、
ん・・・
とてもいい番組だと思いましたので、
是非残しておきたくて、全て書き出しました。
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コメント
きーこさんいつもありがとうございます!!。
尾道デモに続いて、、2/17福山デモです。
きーこさんの「バイバイ危険な原発」も歌ったんですが映ってませんでした。ごめんなさい!!。
斉藤和義さんの「ずっと嘘だった」が映ってます。ユーチューブ「歌声デモin福山市3」です。
調度、バイバイ原発~を歌ってる時に「うるさいっ」とクレーマーが乱入(?)・・でも歌いきりましたよ。
そしてなんとクレーマーと和解して、さらに原発反対の替え歌を歌ってくれました!!。被爆3世とのことでした。
高校生くらいの男の子が「原発チョー反対」と言ってくれたり、なかなか
若い人が注目してくれてました。
パフォーマーが目立って!?
尾道デモに続いて、、2/17福山デモです。
きーこさんの「バイバイ危険な原発」も歌ったんですが映ってませんでした。ごめんなさい!!。
斉藤和義さんの「ずっと嘘だった」が映ってます。ユーチューブ「歌声デモin福山市3」です。
調度、バイバイ原発~を歌ってる時に「うるさいっ」とクレーマーが乱入(?)・・でも歌いきりましたよ。
そしてなんとクレーマーと和解して、さらに原発反対の替え歌を歌ってくれました!!。被爆3世とのことでした。
高校生くらいの男の子が「原発チョー反対」と言ってくれたり、なかなか
若い人が注目してくれてました。
パフォーマーが目立って!?
MINI | 2013.02.19 11:14 | 編集
何故、原発を辞めないのか?よく分かる話しでしたね!再処理が出来ない事がバレると、核のゴミを出しながら発電するシステムは、エコじゃ無いとバレるからですね! 拡散しなくちゃ!
塚本 | 2013.02.19 23:41 | 編集
オンカロ フィンランドには原子力発電所が2カ所(原子炉は4基)しかない。
フィンランド政府 原発の運転にゴミの最終処分は不可欠
http://www.youtube.com/watch?v=1y9zlUGbT4Q
.日本原電、約7億円を敦賀市に寄付へ . 発電量ゼロで?売上高762億円(今年度上半期)
http://www.youtube.com/watch?v=f3GEqg38Xsk
フィンランド政府 原発の運転にゴミの最終処分は不可欠
http://www.youtube.com/watch?v=1y9zlUGbT4Q
.日本原電、約7億円を敦賀市に寄付へ . 発電量ゼロで?売上高762億円(今年度上半期)
http://www.youtube.com/watch?v=f3GEqg38Xsk
| 2013.02.23 14:59 | 編集
日本、貿易収支15か月の連続赤字 背景にある3つの要因
http://newsphere.jp/politics/20121022-6/
魚の水銀汚染 起源は石炭火力
http://www.huffingtonpost.jp/2013/09/05/mercury_levels_fish_n_3872076.html
外国における高レベル放射性廃棄物の処分(4)-独、スウェーデン、フィンランド編- (05-01-03-17)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=05-01-03-17
原発で燃焼後に残る放射性廃棄物をリサイクルする(1)
http://japanese.joins.com/article/744/117744.html
高レベル放射性廃棄物の処理・処分
http://www.fepc.or.jp/nuclear/haikibutsu/high_level/
発電による燃料の消費は、全体の3〜5%程度で、使用済燃料の95〜97%程度は再利用できます。このため、使用済燃料は「リサイクル燃料」ともいえます。
http://newsphere.jp/politics/20121022-6/
魚の水銀汚染 起源は石炭火力
http://www.huffingtonpost.jp/2013/09/05/mercury_levels_fish_n_3872076.html
外国における高レベル放射性廃棄物の処分(4)-独、スウェーデン、フィンランド編- (05-01-03-17)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=05-01-03-17
原発で燃焼後に残る放射性廃棄物をリサイクルする(1)
http://japanese.joins.com/article/744/117744.html
高レベル放射性廃棄物の処理・処分
http://www.fepc.or.jp/nuclear/haikibutsu/high_level/
発電による燃料の消費は、全体の3〜5%程度で、使用済燃料の95〜97%程度は再利用できます。このため、使用済燃料は「リサイクル燃料」ともいえます。
happyday | 2014.01.27 13:32 | 編集