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03.03
Sun
ラジオフォーラム
放送開始日   2013年3月2日(土)~
パーソナリティ 湯浅 誠   活動家/社会運動家

小出裕章ジャーナル


湯浅:
今日はお便りからいきたいと思うんですけれども、大阪府にお住まいの方から
小出さんに質問です。
先日福島の18歳以下で3人が甲状腺がん、7人に疑いあり。とのニュースを見ました。
すごくショックでした。
県の説明は、チェルノブイリでは4~5年後に甲状腺がんが発生したので、被曝の影響とは考えにくい。
ま、チェルノブイリでは4~5年後だったので、
今回は2年後、1年後なので、被曝の影響ではないんではないか。
との見解があったようですが、
素人目に見てやはり原発事故によって出た放射性物質の影響ではないか?と勘ぐってしまいました。
小出さんの見解をお聞かせ願えたら幸いです。
私も子どもをもつ親として子どもたちに出来る限り症状が出ないよう祈らずにいられません。
とのことなんですけれども。


小出:
チェルノブイリの事故で4年後から甲状腺がんが出たという主張は、まずそれ自体が誤りです。
4年後には明確に出てきたという事なのであって、1年後から甲状腺がんがもう発生していますので、
経験から見ても注意をしなければいけないという事だと思います。
そして今回福島で検出された甲状腺がんの発生率というのは、
これまででは決してあり得ないような発生率になっています。
それを見て山下さんとかそういう方々は、
「いや検査のやり方が向上しているから見つかっているのだ」という事をおっしゃっている訳ですけれども、
言葉を変えて言えば、それより前は検査自身をしていなかったという事なのです。
ですから、…「前の事は分からない」のですね。どうであったか?という事が。
それで、科学というものはですね、もともと分からないものは「分からない」と言わなければいけないし、
分かった事を「分かった」というのが本来の科学という物のあり方だと私は思います。


今、山下さんを含めて福島県で甲状腺がんの発生を否定したがっている方々は、
“分からないもの”に関して「いやそうではない」というような結論を出してしまっているわけで、
もともと科学的な態度とは言えないと私は思います。

私自身も本当にこの甲状腺がんが被曝の影響かどうか?という事は、
申し訳ありませんが確信をもっては言えません。
しかし、だからこそきちっと、
わからないので調べなければいけない」と言わなければいけないのだと思います。


湯浅:
なるほど。
甲状腺がんの発生と、今回の原発事故の結びつきがわからない事をもって、
「被ばくの影響とは考えにくい」というのは、
科学的な立場から見て不誠実だと。


小出:はい、私は間違い、間違えている態度だと思います。


湯浅:
なるほど、わかりました。
もう1問よろしいですか?
東京都の30歳の男性からの質問なんですけれども、
国がここまで原子力を止めない理由に、核保有の問題が本当にあるのですか?と、


小出:
もちろんあります。
皆さん原子炉と言うとですね、なにか発電の道具だと思われるかもしれませんが、
人類が一番初めにつくった原子炉は発電のためでもなんでもなくて、
長崎原爆の材料であるプルトニウムを作りたいという動機で原子炉がつくられたのです。
ですからそもそも原子炉というものは原爆材料をつくる、
つまり核兵器をつくりたいという動機から始まっている
わけで、
そのことをみなさんしっかりと認識しておかなければいけないと思います。


湯浅:
原発問題についてはですね、特に東日本大震災の原発事故以降、
エネルギー問題として他の代替案はないのか?
あるいはコストの問題として原発は高いのか?低いのか?
それから経済的な問題としてというふうに語られてきましたが、
中に軍事的な目的もあって、言わば起源なんだということですね。


小出:
そうです。
ご質問下さった方も福島の事故が起きて何故今?というふうに多分思ってられる訳ですけれども、
福島の事故で人々が受けた被害というようなものを本当に賠償しようと思えば、
日本の国家が倒産したって足りないぐらいの被害がすでに出ているわけで、
「原子力発電の電気が安い」なんていう事はもう、全く破たんしてしまっているのですね。
それでもなおかつ原子力から足を洗えないという事は
経済性とかという理由とは「別の理由がある」という事なのであって、
私はそれが軍事的な理由だと思っています。


湯浅:
なるほど。
ありがとうございました、また来週もよろしくお願いします。

小出:こちらこそよろしくお願いします。








新たに2人甲状腺がん7人に疑い「放射能の影響は否定」福島県立医大鈴木眞一教授2/13

<甲状腺がん>
「今回の調査結果で過去に書かれた論文・発表が、かなり覆される可能性がありますが…?」
山下俊一氏質疑応答2/13(文字起こし)


<甲状腺がんの頻度>「超音波検診」と「潜在癌」
鈴木眞一氏質疑応答2/13(文字起こし)


第10回「県民健康管理調査」検討委員会2013.2.13 <質疑応答文字起こし・ほとんど全部>

<甲状腺がん>
原発の事故の話しが無ければ、「原因不明の多発」です
3/6津田敏秀教授OurPlanetTV (文字起こし)



「 そうすると、もうすでに50人ぐらい甲状腺がんが出ている可能性がある」
2/20井戸弁護士→環境省→山田医師


「小児甲状腺がん事故無関係」危うい即断 チェルノブイリ翌年から増加
医師の菅谷松本市長が警鐘9/27東京新聞


「日本の子どもはチェルノブイリとは違ってヨウドが過剰だから大丈夫!」
県民健康管理調査『甲状腺検査』説明会 11/10鈴木眞一氏質疑応答(内容書き出し)




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