東京電力記者会見 2013年3月19日午前10時過ぎ
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福島第一原子力発電所における電源設備の不具合について
<参考資料>
平成25年3月19日東京電力株式会社
◆発生状況
平成25年3月18日午後6時57分頃、福島第一原子力発電所免震重要棟において、
電源が瞬時停止する事象が発生。
それを受け、設備の状況を確認したところ、
プロセス建屋常用M/C(メタクラ)と所内共通M/C4Aと仮設3/4号M/C(A)が
停止していることを確認。
◆影響を受けた(停止した)設備
・水処理装置 セシウム吸着装置(キュリオン)
・3号機 使用済燃料プール代替冷却設備(一・二次系)
・4号機 使用済燃料プール代替冷却設備(一・二次系)
・3号機原子炉格納容器ガス管理システムA系
・共用プール冷却浄化系
~以下2つの設備は、前記M/C母線の負荷ではないが停止を確認したもの~
・1号機 使用済燃料プール代替冷却設備(二次系) ※1
・窒素ガス分離装置(B) ※2(復旧済)
※1 一次系については、同系統のポンプ保護のため午後9時10分、手動にて停止。
※2 窒素ガス分離装置(A)は運転中であり、1~3号機窒素封入への影響はなし。
◆影響を受けていない設備
・1~3号機 原子炉注水設備
・2号機 使用済燃料プール代替冷却設備
・1~3号機 原子炉格納容器ガス管理システム監視中
・モニタリングポスト
◆調査・復旧状況
・仮設3/4号M/C(A)について詳細確認中。(負荷の付け替えも並行して検討中。)
・プロセス建屋常用M/C,所内共通M/C4Aについては、受電完了

尾野:
昨日の福島第一における電源設備の以上につきましてご説明をさせていただきたいと思います。
なお、現在調査と復旧活動を進めております関係上、
今時点で分かっているところまでのお話というところでご説明させていただきたいと思います。
資料にそいましてご説明を申し上げたいと思います。
まず、発生の状況ですが、昨日3月18日、午後6時57分ごろ
福島第一原子力発電所の重要めんしん等において電源が一時停止するという事象が発生しております。
それを受けて設備の状況を確認いたしましたところ、
プロセス建屋の常用メタクラ、それから所内共通メタクラ4A、仮設3/4号メタクラのAというものが
停止しているということを確認したということでございます。

お手元の資料で言いますと、
関係する電源版の構成、
およびそれにぶら下がっております主要な機器の構成という事を示させて頂いておりますので、
それをご覧になりながら見ていただきたいと思いますが、
(クリックすると大きく見る事が出来ます↓黒線が停電中)

影響を受けた機器というのが黄色い枠で囲みました機器が影響を受けた主要な機器という事になります。
主要な機器としては、
水処理装置キュリオン、
それから3号機の使用済み燃料プールの冷却系
4号機の使用済み燃料プールの冷却系
それから3号機のガス管理システムA系、
共用プールの冷却浄化機系と、
こういったところが影響を受けてございます。
また、1号機の使用済み燃料プールの代替冷却設備の二次系、
それから窒素ガス分離装置のB。
こういったものが影響を受けたということでございます。
それで、昨日来調査等を進めてまいりましたが、
今申し上げました電源版で停止したところというのが、
プロセス建屋常用メタクラというようにいっているものが、こちらでございます。
それから、所内共通メタクラ4Aといっているものがこちらになります。
それから、仮設の3,4号メタクラAといっているものがこちらということになります。

このメタクラ、大きく三つが停止してございますので、
これにぶら下がります主要機器でありますこういった機器、これらが停止したというような状況にあります。

で、この際の、おそらく系統の変動を拾った保護装置の作動と思われますが、
1号のプールの冷却装置、それから窒素ガス分離装置のB、あるいは3号のガス管理システムが
まだ停止しているというような状況でございます。
昨夜らい確認と復旧作業を行ってきた結果、
プロセス建屋常用メタクラ、こちらの復旧は、本日まで、現時点までで終了してございます。
状況を見ていきますと、おそらく
、仮設のメタクラ3,4号Aというところに何らかの不具合が生じて居るようなものと考えられるような状況になってきております。
今現在、こちら3,4号メタクラのAの調査を進めているところでございますので、
こちらの調査によって比較的短時間で復旧できるような状況であれば、
メタクラの復旧を行いたいというふうに考えてございます。
あわせまして当該のメタクラの復旧に、え・・
「時間がかかるようであった場合にどうするか?」という事に関しても並行して検討を進めております。
まず、そこにぶら下がっております重要な機器ということでいいますと、
共用プールの冷却設備、
4号のプールの冷却設備、
3号の冷却設備、
こちらが重要な設備というようになるんですが、
こちらにつきましてはもちろん、3,4号の仮設メタクラの復旧が早期に出来れば問題がないわけですが、
それらが時間がかかりそうであった場合の代替策として、
3号のSFPについては、所内共通メタクラ4Aに繋ぐ方法。
それから4号の使用済み燃料プールの冷却系につきましては、
プロセス重要メタクラに直接繋ぐ方法。
また、共用プールの冷却設備につきましては、
今はAかBか決めてございませんけれども、AGの非常用母線に繋ぐということで、
対応策を並行して検討しているとことでございます。
それ以外の設備につきましては、
頭についておりますメタクラの方まで、受電等につきましては支障のない状況でございますので、
個々の設備の状況を確認したうえで復旧措置を行いたいというような状況という事でございます。
現在の状況からしますと、プールの温度というのはそれぞれ充分低い状態で保たれております。

それから、崩壊熱はございますが、温度の上昇ということで言いますと、
まだ、時間的な猶予というものがございます。
もちろん早期に復旧するという事が必要でございますので、
状況の確認と復旧に進めているところでございます。
私からのご説明は以上です。
TBS タテヤマ:使用済み燃料プールの温度、現在の温度は?
尾野:
現在の温度ということで言いますと、
発生から15時間経過している10時段階の評価をしてございます。
(実際の温度ではなく評価温度です)
1号機が17.1度
3号機が15.9度
4号機が30.5度
共用プールで28.6度
と、見込んでおります。
原発が停電した事を何故すぐに公表して会見しないのか?
共同 イケガミ:
昨日の7時前に停電して、東電から連絡があったのが3時間たった夜10時位だったと思うんですけど、
行動が遅いというのと、
「昨日の晩のうちに会見したほうがいいんじゃないですか?」と、
「やって下さい」とお願いしたんですけど、結局今日の10時になっていると、
これ、どういう理由なんですかね?
ま、そもそも「何かあったらすぐ会見を開きますよ」というのが
東電の広報部なんかがかねてずっと、そういう事を言ってきている訳ですけど、
「何かあっても会見をしない」と、
「説明も遅い」と、
「発表も遅い」と、
ちょっと、理由がよく分かんないんですけどね、
どういう対応なんですかね?これ。
た、大したことないという認識なんですか?

石橋:
発生から公表まで3時間かかっておりまして、
「遅い」というご指摘については大変申し訳なく思っております。
昨夜はですね、えー、
設備の状況を全体を確認したうえで、取りまとめてご連絡させていただいたという次第でございます。
それから、「会見を昨日の夜に何故開かなかったかのか?」ということでございますが、
メールでお知らせをさせていただいた後に、
えーー、ま、相当数のお問い合わせがありまして、
ま、その時点で分かっていた事については、基本的にお問い合わせの電話等で回答をさせていただきました。
で、その後、ま、明るくなってから確認した状況なども踏まえて、
本日、今日ですね、いま、このタイミングいで臨時の会見を開催させて頂いたという次第です。
ま、ご理解いただければと思います。
共同:
いいや、理解できないから聞いているわけで、
3時間たって、状況を取りまとめてというのは、こういうのって、
普通「こういう事がありました」っていう事だけ広報されて、
それが多分福島の人達への説明責任もそれで果たした事になると思うし、
まず、「こういう事がありました」と、
「今こういう状況で仕事してます」と。
それで順次発表していけばいいわけな話で、
しかも、「問い合わせがあってそれに答えました」っておっしゃってますけど、
問い合わせがワーッと殺到したのは、会見を開かないからだけの話であって、
あの、何の説明にもなっていないんですけど、もう少しちゃんと説明していただけますか?
全く理解不能です。
合理性もないし、説明内容に。
石橋:
あの、設備の状況を確認するのに時間がかかったという事です。
どの設備が影響を受けたかという事をまず確認するのに、まぁ時間がかかったという事なんですが、
それが遅いというご指摘については大変申し訳なく思って、
共同:
いや、だから設備が、これが止まっていますとか、あれが止まっていますというのは、
順次分かってくるものかもしれませんけど、
とりあえず「停電がありましたよ」と。
「第一原発でこうなっていますよ」というのをさっと言われればいいんじゃないですか?と。
そういう事が出来ない。
出来なかったのは何でなんですか?と。
だからそれが「設備の把握に」っていうのは、
「設備の状況を全て把握してから広報する」っていう前提でお話しされていますけれど、
ぼくはそれを前提としてしゃべっているんじゃなくて、
「なにかあった時にはサッと広報するっていうのが筋なんじゃないの?」と。
こんだけの事故を起こして対応しているんだからと、
そういう前提で聞いているんですよ。
だから、答になってないんですよ。
石橋:
あの、はい、おっしゃることは、あの、良くわかりますけども、
昨日の時点では、
ある程度状況を確認してからお知らせをした方が良いという判断でそのようにさせて頂いたと、
どの設備に影響が出ているかという事をまず確認した上でご連絡をさせていただいたということでございます。
共同:
それ…それは元々、「何かあったらすぐ会見を開きますよ」とかおっしゃっていた、
自分の説明と矛盾があると思いませんか?それ。
石橋:
「昨日の夜会見を行うべきだったのではないか」という事については、
夜ということもあって、夜遅い時間だということもありましたので、
ま、お問い合わせに応じて、応じさせていただいたと、
お答えさせていただいたという事で、
今日この早い時間(午前10時15分過ぎ)で
会見をさせていただいたということでご理解をいただければと思います。
共同:
これ、実際のところは65度に達するまでにだいぶ時間の余裕があるし、
東電としては「大したことない」と思って、こういった対応になっているんじゃないですか?実は。
石橋:
いえ、決してそういうことではございません。
ですから今日この早い時間に会見を開催させていただいている訳でして、
そのように考えている訳ではございません。
共同:
ま、それだったら、もっとちゃっちゃとやればよかったんじゃないの?っていう話なんですけど、
ま、いいや。
それはもうどうしようもないです。
石橋:
はい、では次、こちらの一番後ろの方、どうぞ。
――文字起こしここまでーー
停電で燃料プールの冷却システム止まる
NHK 3月19日 4時26分
東京電力福島第一原子力発電所で、18日夜、停電が発生し、
1号機と3号機、それに4号機の使用済み燃料プールの冷却システムなどが止まりました。
東京電力は原因が分かりしだい復旧作業に入ることにしていますが、
福島第一原発では、事故から2年たっても
原因不明の電源トラブルで冷却システムが止まるという不安定な状態が続いています。
東京電力によりますと、福島第一原発で、18日午後7時前、
廃炉作業の拠点となっている免震重要棟で瞬間的に停電が発生し、
1号機と3号機、それに4号機の使用済み燃料プールや、
敷地内にある使用済み燃料を専用に保管している「共用プール」で、冷却システムが止まりました。
プールの水温は、18日の午後6時現在で14度から25度ですが、
4つのプールには合わせて8500本余りの使用済み燃料が入っていて、
最も温度が高い4号機のプールで社内の規定で定めている65度を超えるまでに4日程度と見込まれています。
東京電力は原因が分かりしだい、冷却システムの復旧作業に入ることにしていますが、
トラブルから半日近くがたっても原因が分かっていません。
東京電力は、
外部の送電線から電気を受けている3つの配電盤で何らかのトラブルが起きたとみて原因を調べています。
このトラブルで、1号機から3号機の原子炉への注水に影響はなく、
原発の周辺で放射線を測定するモニタリングポストの値にも変化はないということです。
福島第一原発では、
事故から2年たっても原因不明の電源トラブルで、冷却システムが止まるという不安定な状態が続いています。
このトラブルは、発生から3時間以上たってから発表され、東京電力は
「設備の状況を確認したうえで発表しようとしたが、確認に時間がかかり大変申し訳ない」と話しています。
福島第一原発では、去年1月に送電施設のトラブルで3つのプールの冷却システムが1時間程度止まったほか、
去年6月には4号機のプールで冷却水を循環させるポンプが故障し、
およそ30時間冷却が停止するなどのトラブルがありました。
ーーー東京電力が夜10時過ぎに公表した「おしらせ」
お知らせ 2013年
福島第一原子力発電所における電源設備の不具合について
平成25年3月18日 東京電力株式会社
本日(3月18日)午後6時57分頃、
福島第一原子力発電所免震重要棟において、電源が瞬時停止する事象が発生いたしました。
状況を確認したところ、福島第一原子力発電所内の一部の電源設備が停止しており、
以下の設備が停止しております。
(午後9時38分現在の確認状況)
・水処理装置 セシウム吸着装置(キュリオン)
・1号機 使用済燃料プール代替冷却設備※(二次系)
・3号機 使用済燃料プール代替冷却設備(一・二次系)
・4号機 使用済燃料プール代替冷却設備(一・二次系)
◆使用済燃料プールの温度上昇にはある程度時間がかかるため、
ただちに 当社が定めた管理目標値(65℃)に達するものではありません。
※1号機使用済燃料プール代替冷却設備の一次系については、
同系統のポンプ保護のため午後9時10分、手動にて停止。
なお、福島第一原子力発電所の以下の設備については、異常のないことを確認しております。
・1~3号機 原子炉注水設備
・モニタリングポスト
・1~3号機 原子炉格納容器ガス管理システム監視中
・2号機 使用済燃料プール代替冷却設備
その他の設備への影響については、引き続き確認を行っています。
以 上
ーーー
福島第一原発で停電 燃料プール冷却停止
東京新聞 2013年3月19日 朝刊
東京電力は十八日、福島第一原発で午後七時前に停電があったと発表した。
1、3、4号機の使用済み燃料プール代替冷却システムなどが停止し、
十九日午前一時時点で復旧のめどは立っていない。
事故対応に当たっている免震重要棟も一時的に停電したが、すぐに復旧した。
原子力規制庁によると、1~3号機の原子炉への注水に問題は生じていない。
燃料六千三百七十七体を保管する共用プールの冷却も停止。
放射性物質を含む汚染水を処理する装置や、3号機の格納容器ガス管理システムの一部も停止した。
東電は「配電盤か、接続されたケーブルが原因の可能性がある」としているが、
規制庁、東電とも原因を特定できていない。
東電が停電を公表したのは、発生約三時間後の午後十時すぎだった。
「点検する場所が多く、現場確認に手間取った」と説明している。
東電によると、十八日午後四時の時点で、1~4号機プールの水温は一三・七~二五度。
このまま冷却できなければ、最も水温が高い4号機では四~五日で、
余裕を持って安全を確保するために定められた保安規定上の管理温度の上限である六五度に達する。
2号機プールの冷却システムは電源工事のため十八日朝から停止していたが、
午後六時半すぎに冷却を再開した。
周辺のモニタリングポストの放射線量に目立った変化はない。
第一原発では昨年一月にも1~4号機の使用済み燃料プールの冷却が一時停止するトラブルがあった。
昨年六月には4号機プールで約三十時間にわたって冷却が停止、水温が一時約四三度まで上昇した。
◆不十分な制御、裏付け 原因不明…遠い「収束」
四カ所の使用済み核燃料プールで同時に起きた冷却システムの停止事故は、
いまだに原発を十分に制御できず、
本当の意味での原発事故の「収束」と廃炉への道のりが明確でないことを、あらためて印象づけた。
東電は、廃炉工程をチェックする原子力規制委員会の会合に提出した資料で、
プールのリスク(危険性)対策は「十分」と自己評価していた。
確かに多数の核燃料があっても、プールの水温は最も高い4号機で二五度。
仮に冷却停止が続いても危険な状態になるまで一週間ほどの余裕がある。
しかし、1、3、4号機のほか、
4号機の山側にある共用プールまで同時に冷却が止まり、原因がすぐ把握できない事態は深刻だ。
電気は基本的に号機ごとに各種の機器に配電されるため、
プールの冷却だけが同時に止まる可能性は非常に低い。それが実際に起きた。
本来なら、冷却停止が起きても、バックアップの装置が起動して冷却が続いているべきだが、
時間的余裕があることを理由に、多重化はされていない。
今回の事故を機に、東電も規制委も対策に漏れがないか見直すことが求められる。 (山川剛史)
ーーー
ーー関連ブログーー
●<続報>福島第一原発停電による重要機器の停止・全て復旧
●「マスコミは『停電している』と言っているが、 東電の発表では停電は“瞬間”である」
武田邦彦氏3/19大竹まことゴールデンラジオ(文字起こし)
●「ほんとは言いたくないんだよね」近藤勝重氏3/20ディキャッチ(音声・文字起こし)
●犯人はでっかいネズミ!?東京電力記者会見3/20午後(主にネズミの部分文字起こし)
●<禁句ポロリ>「電気事故」って言っちゃった3/20東電尾野(東電会見文字起こし)&東京新聞記事
●「停電の原因はネズミではなく2号機」という見方
●「2号機が危険だから停電?」について3/23小出裕章先生(文字起こし)
【ペイフォワード環境情報教室】
●「福島第一原発停電事故」小出裕章氏3/22報道するラジオ(文字起こし)
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福島第一原子力発電所における電源設備の不具合について
<参考資料>
平成25年3月19日東京電力株式会社
◆発生状況
平成25年3月18日午後6時57分頃、福島第一原子力発電所免震重要棟において、
電源が瞬時停止する事象が発生。
それを受け、設備の状況を確認したところ、
プロセス建屋常用M/C(メタクラ)と所内共通M/C4Aと仮設3/4号M/C(A)が
停止していることを確認。
◆影響を受けた(停止した)設備
・水処理装置 セシウム吸着装置(キュリオン)
・3号機 使用済燃料プール代替冷却設備(一・二次系)
・4号機 使用済燃料プール代替冷却設備(一・二次系)
・3号機原子炉格納容器ガス管理システムA系
・共用プール冷却浄化系
~以下2つの設備は、前記M/C母線の負荷ではないが停止を確認したもの~
・1号機 使用済燃料プール代替冷却設備(二次系) ※1
・窒素ガス分離装置(B) ※2(復旧済)
※1 一次系については、同系統のポンプ保護のため午後9時10分、手動にて停止。
※2 窒素ガス分離装置(A)は運転中であり、1~3号機窒素封入への影響はなし。
◆影響を受けていない設備
・1~3号機 原子炉注水設備
・2号機 使用済燃料プール代替冷却設備
・1~3号機 原子炉格納容器ガス管理システム監視中
・モニタリングポスト
◆調査・復旧状況
・仮設3/4号M/C(A)について詳細確認中。(負荷の付け替えも並行して検討中。)
・プロセス建屋常用M/C,所内共通M/C4Aについては、受電完了

尾野:
昨日の福島第一における電源設備の以上につきましてご説明をさせていただきたいと思います。
なお、現在調査と復旧活動を進めております関係上、
今時点で分かっているところまでのお話というところでご説明させていただきたいと思います。
資料にそいましてご説明を申し上げたいと思います。
まず、発生の状況ですが、昨日3月18日、午後6時57分ごろ
福島第一原子力発電所の重要めんしん等において電源が一時停止するという事象が発生しております。
それを受けて設備の状況を確認いたしましたところ、
プロセス建屋の常用メタクラ、それから所内共通メタクラ4A、仮設3/4号メタクラのAというものが
停止しているということを確認したということでございます。

お手元の資料で言いますと、
関係する電源版の構成、
およびそれにぶら下がっております主要な機器の構成という事を示させて頂いておりますので、
それをご覧になりながら見ていただきたいと思いますが、
(クリックすると大きく見る事が出来ます↓黒線が停電中)

影響を受けた機器というのが黄色い枠で囲みました機器が影響を受けた主要な機器という事になります。
主要な機器としては、
水処理装置キュリオン、
それから3号機の使用済み燃料プールの冷却系
4号機の使用済み燃料プールの冷却系
それから3号機のガス管理システムA系、
共用プールの冷却浄化機系と、
こういったところが影響を受けてございます。
また、1号機の使用済み燃料プールの代替冷却設備の二次系、
それから窒素ガス分離装置のB。
こういったものが影響を受けたということでございます。
それで、昨日来調査等を進めてまいりましたが、
今申し上げました電源版で停止したところというのが、
プロセス建屋常用メタクラというようにいっているものが、こちらでございます。
それから、所内共通メタクラ4Aといっているものがこちらになります。
それから、仮設の3,4号メタクラAといっているものがこちらということになります。

このメタクラ、大きく三つが停止してございますので、
これにぶら下がります主要機器でありますこういった機器、これらが停止したというような状況にあります。

で、この際の、おそらく系統の変動を拾った保護装置の作動と思われますが、
1号のプールの冷却装置、それから窒素ガス分離装置のB、あるいは3号のガス管理システムが
まだ停止しているというような状況でございます。
昨夜らい確認と復旧作業を行ってきた結果、
プロセス建屋常用メタクラ、こちらの復旧は、本日まで、現時点までで終了してございます。
状況を見ていきますと、おそらく
、仮設のメタクラ3,4号Aというところに何らかの不具合が生じて居るようなものと考えられるような状況になってきております。
今現在、こちら3,4号メタクラのAの調査を進めているところでございますので、
こちらの調査によって比較的短時間で復旧できるような状況であれば、
メタクラの復旧を行いたいというふうに考えてございます。
あわせまして当該のメタクラの復旧に、え・・
「時間がかかるようであった場合にどうするか?」という事に関しても並行して検討を進めております。
まず、そこにぶら下がっております重要な機器ということでいいますと、
共用プールの冷却設備、
4号のプールの冷却設備、
3号の冷却設備、
こちらが重要な設備というようになるんですが、
こちらにつきましてはもちろん、3,4号の仮設メタクラの復旧が早期に出来れば問題がないわけですが、
それらが時間がかかりそうであった場合の代替策として、
3号のSFPについては、所内共通メタクラ4Aに繋ぐ方法。
それから4号の使用済み燃料プールの冷却系につきましては、
プロセス重要メタクラに直接繋ぐ方法。
また、共用プールの冷却設備につきましては、
今はAかBか決めてございませんけれども、AGの非常用母線に繋ぐということで、
対応策を並行して検討しているとことでございます。
それ以外の設備につきましては、
頭についておりますメタクラの方まで、受電等につきましては支障のない状況でございますので、
個々の設備の状況を確認したうえで復旧措置を行いたいというような状況という事でございます。
現在の状況からしますと、プールの温度というのはそれぞれ充分低い状態で保たれております。

それから、崩壊熱はございますが、温度の上昇ということで言いますと、
まだ、時間的な猶予というものがございます。
もちろん早期に復旧するという事が必要でございますので、
状況の確認と復旧に進めているところでございます。
私からのご説明は以上です。
TBS タテヤマ:使用済み燃料プールの温度、現在の温度は?
尾野:
現在の温度ということで言いますと、
発生から15時間経過している10時段階の評価をしてございます。
(実際の温度ではなく評価温度です)
1号機が17.1度
3号機が15.9度
4号機が30.5度
共用プールで28.6度
と、見込んでおります。
原発が停電した事を何故すぐに公表して会見しないのか?
共同 イケガミ:
昨日の7時前に停電して、東電から連絡があったのが3時間たった夜10時位だったと思うんですけど、
行動が遅いというのと、
「昨日の晩のうちに会見したほうがいいんじゃないですか?」と、
「やって下さい」とお願いしたんですけど、結局今日の10時になっていると、
これ、どういう理由なんですかね?
ま、そもそも「何かあったらすぐ会見を開きますよ」というのが
東電の広報部なんかがかねてずっと、そういう事を言ってきている訳ですけど、
「何かあっても会見をしない」と、
「説明も遅い」と、
「発表も遅い」と、
ちょっと、理由がよく分かんないんですけどね、
どういう対応なんですかね?これ。
た、大したことないという認識なんですか?

石橋:
発生から公表まで3時間かかっておりまして、
「遅い」というご指摘については大変申し訳なく思っております。
昨夜はですね、えー、
設備の状況を全体を確認したうえで、取りまとめてご連絡させていただいたという次第でございます。
それから、「会見を昨日の夜に何故開かなかったかのか?」ということでございますが、
メールでお知らせをさせていただいた後に、
えーー、ま、相当数のお問い合わせがありまして、
ま、その時点で分かっていた事については、基本的にお問い合わせの電話等で回答をさせていただきました。
で、その後、ま、明るくなってから確認した状況なども踏まえて、
本日、今日ですね、いま、このタイミングいで臨時の会見を開催させて頂いたという次第です。
ま、ご理解いただければと思います。
共同:
いいや、理解できないから聞いているわけで、
3時間たって、状況を取りまとめてというのは、こういうのって、
普通「こういう事がありました」っていう事だけ広報されて、
それが多分福島の人達への説明責任もそれで果たした事になると思うし、
まず、「こういう事がありました」と、
「今こういう状況で仕事してます」と。
それで順次発表していけばいいわけな話で、
しかも、「問い合わせがあってそれに答えました」っておっしゃってますけど、
問い合わせがワーッと殺到したのは、会見を開かないからだけの話であって、
あの、何の説明にもなっていないんですけど、もう少しちゃんと説明していただけますか?
全く理解不能です。
合理性もないし、説明内容に。
石橋:
あの、設備の状況を確認するのに時間がかかったという事です。
どの設備が影響を受けたかという事をまず確認するのに、まぁ時間がかかったという事なんですが、
それが遅いというご指摘については大変申し訳なく思って、
共同:
いや、だから設備が、これが止まっていますとか、あれが止まっていますというのは、
順次分かってくるものかもしれませんけど、
とりあえず「停電がありましたよ」と。
「第一原発でこうなっていますよ」というのをさっと言われればいいんじゃないですか?と。
そういう事が出来ない。
出来なかったのは何でなんですか?と。
だからそれが「設備の把握に」っていうのは、
「設備の状況を全て把握してから広報する」っていう前提でお話しされていますけれど、
ぼくはそれを前提としてしゃべっているんじゃなくて、
「なにかあった時にはサッと広報するっていうのが筋なんじゃないの?」と。
こんだけの事故を起こして対応しているんだからと、
そういう前提で聞いているんですよ。
だから、答になってないんですよ。
石橋:
あの、はい、おっしゃることは、あの、良くわかりますけども、
昨日の時点では、
ある程度状況を確認してからお知らせをした方が良いという判断でそのようにさせて頂いたと、
どの設備に影響が出ているかという事をまず確認した上でご連絡をさせていただいたということでございます。
共同:
それ…それは元々、「何かあったらすぐ会見を開きますよ」とかおっしゃっていた、
自分の説明と矛盾があると思いませんか?それ。
石橋:
「昨日の夜会見を行うべきだったのではないか」という事については、
夜ということもあって、夜遅い時間だということもありましたので、
ま、お問い合わせに応じて、応じさせていただいたと、
お答えさせていただいたという事で、
今日この早い時間(午前10時15分過ぎ)で
会見をさせていただいたということでご理解をいただければと思います。
共同:
これ、実際のところは65度に達するまでにだいぶ時間の余裕があるし、
東電としては「大したことない」と思って、こういった対応になっているんじゃないですか?実は。
石橋:
いえ、決してそういうことではございません。
ですから今日この早い時間に会見を開催させていただいている訳でして、
そのように考えている訳ではございません。
共同:
ま、それだったら、もっとちゃっちゃとやればよかったんじゃないの?っていう話なんですけど、
ま、いいや。
それはもうどうしようもないです。
石橋:
はい、では次、こちらの一番後ろの方、どうぞ。
――文字起こしここまでーー
停電で燃料プールの冷却システム止まる
NHK 3月19日 4時26分
東京電力福島第一原子力発電所で、18日夜、停電が発生し、
1号機と3号機、それに4号機の使用済み燃料プールの冷却システムなどが止まりました。
東京電力は原因が分かりしだい復旧作業に入ることにしていますが、
福島第一原発では、事故から2年たっても
原因不明の電源トラブルで冷却システムが止まるという不安定な状態が続いています。
東京電力によりますと、福島第一原発で、18日午後7時前、
廃炉作業の拠点となっている免震重要棟で瞬間的に停電が発生し、
1号機と3号機、それに4号機の使用済み燃料プールや、
敷地内にある使用済み燃料を専用に保管している「共用プール」で、冷却システムが止まりました。
プールの水温は、18日の午後6時現在で14度から25度ですが、
4つのプールには合わせて8500本余りの使用済み燃料が入っていて、
最も温度が高い4号機のプールで社内の規定で定めている65度を超えるまでに4日程度と見込まれています。
東京電力は原因が分かりしだい、冷却システムの復旧作業に入ることにしていますが、
トラブルから半日近くがたっても原因が分かっていません。
東京電力は、
外部の送電線から電気を受けている3つの配電盤で何らかのトラブルが起きたとみて原因を調べています。
このトラブルで、1号機から3号機の原子炉への注水に影響はなく、
原発の周辺で放射線を測定するモニタリングポストの値にも変化はないということです。
福島第一原発では、
事故から2年たっても原因不明の電源トラブルで、冷却システムが止まるという不安定な状態が続いています。
このトラブルは、発生から3時間以上たってから発表され、東京電力は
「設備の状況を確認したうえで発表しようとしたが、確認に時間がかかり大変申し訳ない」と話しています。
福島第一原発では、去年1月に送電施設のトラブルで3つのプールの冷却システムが1時間程度止まったほか、
去年6月には4号機のプールで冷却水を循環させるポンプが故障し、
およそ30時間冷却が停止するなどのトラブルがありました。
ーーー東京電力が夜10時過ぎに公表した「おしらせ」
お知らせ 2013年
福島第一原子力発電所における電源設備の不具合について
平成25年3月18日 東京電力株式会社
本日(3月18日)午後6時57分頃、
福島第一原子力発電所免震重要棟において、電源が瞬時停止する事象が発生いたしました。
状況を確認したところ、福島第一原子力発電所内の一部の電源設備が停止しており、
以下の設備が停止しております。
(午後9時38分現在の確認状況)
・水処理装置 セシウム吸着装置(キュリオン)
・1号機 使用済燃料プール代替冷却設備※(二次系)
・3号機 使用済燃料プール代替冷却設備(一・二次系)
・4号機 使用済燃料プール代替冷却設備(一・二次系)
◆使用済燃料プールの温度上昇にはある程度時間がかかるため、
ただちに 当社が定めた管理目標値(65℃)に達するものではありません。
※1号機使用済燃料プール代替冷却設備の一次系については、
同系統のポンプ保護のため午後9時10分、手動にて停止。
なお、福島第一原子力発電所の以下の設備については、異常のないことを確認しております。
・1~3号機 原子炉注水設備
・モニタリングポスト
・1~3号機 原子炉格納容器ガス管理システム監視中
・2号機 使用済燃料プール代替冷却設備
その他の設備への影響については、引き続き確認を行っています。
以 上
ーーー
福島第一原発で停電 燃料プール冷却停止
東京新聞 2013年3月19日 朝刊
東京電力は十八日、福島第一原発で午後七時前に停電があったと発表した。
1、3、4号機の使用済み燃料プール代替冷却システムなどが停止し、
十九日午前一時時点で復旧のめどは立っていない。
事故対応に当たっている免震重要棟も一時的に停電したが、すぐに復旧した。
原子力規制庁によると、1~3号機の原子炉への注水に問題は生じていない。
燃料六千三百七十七体を保管する共用プールの冷却も停止。
放射性物質を含む汚染水を処理する装置や、3号機の格納容器ガス管理システムの一部も停止した。
東電は「配電盤か、接続されたケーブルが原因の可能性がある」としているが、
規制庁、東電とも原因を特定できていない。
東電が停電を公表したのは、発生約三時間後の午後十時すぎだった。
「点検する場所が多く、現場確認に手間取った」と説明している。
東電によると、十八日午後四時の時点で、1~4号機プールの水温は一三・七~二五度。
このまま冷却できなければ、最も水温が高い4号機では四~五日で、
余裕を持って安全を確保するために定められた保安規定上の管理温度の上限である六五度に達する。
2号機プールの冷却システムは電源工事のため十八日朝から停止していたが、
午後六時半すぎに冷却を再開した。
周辺のモニタリングポストの放射線量に目立った変化はない。
第一原発では昨年一月にも1~4号機の使用済み燃料プールの冷却が一時停止するトラブルがあった。
昨年六月には4号機プールで約三十時間にわたって冷却が停止、水温が一時約四三度まで上昇した。
◆不十分な制御、裏付け 原因不明…遠い「収束」
四カ所の使用済み核燃料プールで同時に起きた冷却システムの停止事故は、
いまだに原発を十分に制御できず、
本当の意味での原発事故の「収束」と廃炉への道のりが明確でないことを、あらためて印象づけた。
東電は、廃炉工程をチェックする原子力規制委員会の会合に提出した資料で、
プールのリスク(危険性)対策は「十分」と自己評価していた。
確かに多数の核燃料があっても、プールの水温は最も高い4号機で二五度。
仮に冷却停止が続いても危険な状態になるまで一週間ほどの余裕がある。
しかし、1、3、4号機のほか、
4号機の山側にある共用プールまで同時に冷却が止まり、原因がすぐ把握できない事態は深刻だ。
電気は基本的に号機ごとに各種の機器に配電されるため、
プールの冷却だけが同時に止まる可能性は非常に低い。それが実際に起きた。
本来なら、冷却停止が起きても、バックアップの装置が起動して冷却が続いているべきだが、
時間的余裕があることを理由に、多重化はされていない。
今回の事故を機に、東電も規制委も対策に漏れがないか見直すことが求められる。 (山川剛史)
ーーー
ーー関連ブログーー
●<続報>福島第一原発停電による重要機器の停止・全て復旧
●「マスコミは『停電している』と言っているが、 東電の発表では停電は“瞬間”である」
武田邦彦氏3/19大竹まことゴールデンラジオ(文字起こし)
●「ほんとは言いたくないんだよね」近藤勝重氏3/20ディキャッチ(音声・文字起こし)
●犯人はでっかいネズミ!?東京電力記者会見3/20午後(主にネズミの部分文字起こし)
●<禁句ポロリ>「電気事故」って言っちゃった3/20東電尾野(東電会見文字起こし)&東京新聞記事
●「停電の原因はネズミではなく2号機」という見方
●「2号機が危険だから停電?」について3/23小出裕章先生(文字起こし)
【ペイフォワード環境情報教室】
●「福島第一原発停電事故」小出裕章氏3/22報道するラジオ(文字起こし)
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