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(2)「半世紀以上前の隠された原子力事故」堀潤さん4/5報道するラジオ(内容書き出し)

(1)「クビを覚悟しないと言えないメディアの在り方とはなんだろう?」
   堀潤さん4/5報道するラジオ(内容書き出し)
の続き

音声はこちら↓
http://youtu.be/DzYP6Stu6o8?t=22m21s


地元も知らなかった原子力事故

水野:
報道するラジオ、
今日はジャーナリストで元NHKアナウンサーの堀潤さんにスタジオにお越しいただいています。
堀さんが今お話いただいたように、NHKに対するいろんな思いがあって、
NHKを結局4月1日でお辞めになった。
そして、つい最近までアメリカに行って留学していらっしゃった訳ですよね、

堀潤:この3月の中旬までロサンゼルスの方におりましたね。

水野:
で、その時にアメリカの原発事情を取材していらしたということで、
私なんて「それ知らんで」という話がいろいろあると伺ったんです。
どこから伺いましょう?

堀潤:
実を言うと、地元のロサンゼルスの人達でさえ知らない事故っていうのがあって、
ぼくは去年の6月にアメリカに行ったんですけど、
その直後から取材を始める中で知った事実なんですけどね。

ロサンゼルスから車で北西におよそ50分ぐらい行った所に、
シミバレー(Simi Valley)というベットタウンのような町があるんですよ。
実はそこで、…核ミサイルであったりとか、スペースシャトルのエンジンであったりとか、
そして、原発であったりとか、
そういうものを研究する、
サンタスザーナルフィールドラボラトリー(Santa Susana Field Labolatory)っていう研究所がある。
実はそこで1959年に実験用の原子炉が燃料棒43本のうち13本がダメージを受けて損傷する



水野:43本のうち13本が、燃料棒が損傷した。
という事故が1959年って!えらい前ですね。
50何年前ですね。

堀潤:そうですね、半世紀以上前ですね。

水野:53年前ですか、はぁ!

堀潤:
ところが当時アメリカの現在のエネルギー省に当たる機関は、マスコミ向けの発表で、
「放射性物質のリリース、放出は無かった。深刻な事故ではない」というふうに出すんですね。
地元メディアもそれにならって、特に深刻な事故とは受け止めなかった。

ところがそれから20数年経って、UCLAの、カリフォルニア大学の学生たちが、
そのリアクター、原子炉をつくったメーカーの事故報告書というのを見つけ出して、
まさに43本中のうち13本が損傷というのを見つけ出す訳です。

で、初めて、20年前に、
「あれっ!そんな事が地元で起きていたんですか!?」って住民達に知らされるんです。

「そういえば」と。
「健康についてちょっと不安があるんですよね」と。

たとえば、
「私の友人が癌になっている人が何人も出ている」とか、
「私の知人でも体調不良を訴える人がいる」と、
それで住民の人達が「ちゃんと調べて下さい」というふうに運動を起こしたんですよ。

水野:事故から20年も経ってから。

堀潤:
そして、ようやく2009年に地元のカリフォルニア州と、DOEというエネルギー省は、
「汚染の実態を調べます」と。
「除染にくけた準備をします」と発表したんです。

水野:
除染をしなければいけないという位に、
じゃあ、放射性物質は出てたっていうことですか?


堀潤:
それで、2009年から3年かけて向こうの環境保護庁が調査をしたんです。
そしたら、その結果が、去年の12月に初めて公開されたんです。
その値というのが、
セシウム137であったりとか、ストロンチウムであったりとか、プルトニウムであったりとか、
各核種が見つかって、
一部ではセシウム137が通常のバックグラウンドレベル、
これの1000倍の値があるという事が分かったんですね。


水野:通常の…、いわゆる地上のレベルですね、

堀潤:いわゆる人工的に核実験など

水野:核実験などをいままでしてきましたからね。それである程度はあるけれども、

堀潤:もともと自然にあるものも合わせて、それをバックグラウンドレベルっていうんですが、

水野:それの、1000倍!?
でも、すみません、もう事故からすでに50年経っていますよね。

堀潤:そうですね。
つまり半減期も過ぎた状況でそれほど高い数値が出ているということで、
これでようやく地元のメディアも含めて一斉に報じるんですね。

水野:
セシウム137が半減期すぎて50年経って1000倍あるっていうことは、
じゃあ、事故当初はどんだけあったんや?って言う話になりませんか、

堀潤:
当時の実験用の原子炉というのは、
いまのようにコンクリートで周辺を覆って遮蔽するようなものではなくて、

水野:えぇーっ!?

堀潤:
実験用の、
少し掘って地下に置いたものが空焚きになって、
ほゎほゎほわ~っとそのまま大気中に放出された可能性が非常に強いという事が分かったんですね。

で、そのEPAという環境省がですね、住民向けに説明会を行うんですよ。
地元の住民70人ぐらいの方々がそれに参加して、初めてその事実を知るんですね。
皆さん健康への不安というものを訴えるんですね。
「因果関係はどうなったんですか?」と、「実際に」と。
ただ、政府としてはこういう見解なんですね。
「確かに体調異変、癌になったりとか、そういうのが見つかっている事に対しては非常に同情をします。
しかしながら、癌になったりする事については、たばこを吸っていたりとか、生活の環境が違ったりとか、
いろいろありますよね」と。
「必ずしもしれは立証できないんです」

水野:
「因果関係はまだわかりません」っていういい方ですか。
ただやっぱり癌になられている方の比率が、その地域はやはり高い

堀潤:
1979年に明らかになってから、政府の機関が実態の調査なども途中行っているんですね。
確かに一部で癌の発生率が上がっているという結果も公式文書で残っているんですけれども、
その時の調査もやはり
「癌との因果関係というのを立証するのは難しい」ということで結論付けているんですよね。

水野:ん……、

堀潤:
ま、だから、なかなかその、住民のみなさんも自分たちの不安であったりとかね、
補償も含めて、「どこに思いをぶつけていいのか分からない」
一応アメリカ政府は
「今後も調査を続けるし除染についても速やかに行っていきたい」と言っているんですけれども、
もう事故から50年も経っているわけです。
それが初めて公になるという事は、これは尋常じゃない。

どうして、そんなことが明らかにならなかったのか?と言うと、
当時冷戦時代だったんですよね。1959年。
いろいろな核開発の真っ只中ですよ。
そういう中で政府の、いまの役人の回答は非常にシークレットなね、
秘密の色々な研究をしている国家機密に関わるところだったから、
情報もなかなか出しにくいのかなというそういう話もあって、

これは地元に人達に必要な情報が伝えられないという、
この問題というのは、核であったりとか、原発であったりとか、
そういうものを抱えている地域にとっては共通の課題かもしれないなという事は、
取材していて本当に感じますよね。


水野:
セシウムの値も本当にすごいですし、
ストロンチウムやプルトニウムという、非常の毒性の強いものも検出されているという、
平野さん、私はアメリカってそれこそ情報は日本よりももっともっと開示されてね、
住民の方はそれなりにいろいろ理解そしてらっしゃるんだと思って、


平野:
いま、堀さんがおっしゃった、やっぱり東西冷戦の中で、
政府が都合の悪い事実というのはやっぱり隠蔽してきた経過がありますよね。

私がもうひとつ知っている例は、
コロラド州デンバーで、ロッキーマウンテンという新聞が潰れるんですけれども、
そこで核施設で何十年も経ってね、被ばくをして、住民の方々が亡くなっていったという事を暴いた
ロッキーマウンテンの女性記者
が、
これはNHKの世界のドキュメンタリーで取り上げていましたけれども、
さまざま、全米各地でね、やっぱり日本に原爆を落とした後に核をさまざま、
原発ではなくても、核の施設をいっぱい、特に砂漠中心につくっているんですよね。
だからこういう、今堀さんがおっしゃった、
我々があまり知らない事実というのが実は全米でもいろいろと隠されていて、
最近明るみになっている事実というのがよく出てきていますよね。


原子力を規制する側

水野:
だけど、原子力を規制するお役所がありますよね?
えっと、原子力規制委員会っていうんですか、
あれなんかは日本に比べたらずーっとね、きっちりやっているのか、と思っていたんですけど。


堀潤:
よくやっているとおもいますよ。
ぼくはNRCが主催する、いわゆるパブリックミーティングと言って、
住民の前でいろんな問題を明らかにする、
いわゆる公聴会のようなものに何度も出ていますけれども、
彼らの追及姿勢というのは、スリーマイルアイランドの事故を教訓にかなり強化して、
原子力産業とは切り離された形で機能しようとしている。

それはアメリカカリフォルニアでもうひとつ原発の問題を抱えているんですけれども、
サンオノフレ原発という原発があって、
これが去年の1月の放射性物質を含む水が漏れ出す事故が起きているんですよ。

※また事故→カリフォルニア州南部のサンオノフレ原発(放射性物質を大気中に放出)

リアクター(原子炉)1基が止まって、
安全点検のために隣にある原発をもうひとつ止めて、2基止まっている。
全部停止している状況なんですね。

その地元が再稼動問題に揺れている訳ですよ。
その問題があった個所というのが、スチームジェネレーターという箇所で、
これは実を言うと日本の三菱重工が作った装置なんですね。
で、NRCが調査をした結果、1万7000カ所近くに異常な摩耗が見つかったということで、

水野:異常な摩耗!1万7000カ所!

堀潤:
これは設計変更が必要だということで、
運営している南カリフォルニアエジソンという電力会社と三菱重工が一緒になって
設計変更して安全検査をして、それで速やかに安全が確認されれば再稼働に向けて手続きを進めるという、
そういう事が去年年間を通じて行われてきたわけです。

で、僕はそのNRCの体制が、
ああ、日本の原子力規制委員会とは、また原子力安全保安院とか、
そういった組織とはちょっと違うんだなと思ったのは、
NRCが去年暮れにですね、
三菱重工側とやり取りをしたEメール、往復書簡を全てインターネットで公開したんですよ。

そこにはね、三菱重工業の担当者の名前であったりとか、電話番号であったり、Eメールであったり、
全てがインターネット上で公開されているんです。

で、NRC側は、例えば三菱重工業の日本にある施設に立ち入り調査をしたりとかして、
安全検査がいったいどこまできちんと徹底されているのか、等も追及したりするんですね。

ちょと、アメリカから日本ですから、
どんなバイアスがあるのかは分からない部分もあるんですけれども、
それでもいろんな調査した情報を全て明らかにするという姿勢は、
一つこれは評価できるんじゃないかなというのは感じましたよね。


ーーつづく


シミバレー(Simi Valley)
2013040713.jpg



EPA・米国環境保護庁によるとサンタスザーナ野外原子炉実験所跡地の線量
2013040714.jpg

junhori79
サンタスザーナ野外原子炉実験所のあるシミバレーの住民からは
四種類の癌を患っているが健康への影響についてもっと説明が欲しい」など要望や質問が相次いでいるが
EPA側は「今回は汚染状況の報告しかできない」という回答で会場からは落胆の声



(1)「クビを覚悟しないと言えないメディアの在り方とはなんだろう?」
    堀潤さん4/5報道するラジオ(内容書き出し)



(3完)「市民の発信力を強化するんです」堀潤さん4/5報道するラジオ(内容書き出し)

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