fc2ブログ
04.09
Tue
2013年4月2日
「原子力規制を監視する市民の会」
アドバイザリーグループ 5人の元原発技術者が「新安全基準骨子案」の問題点を暴く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/72000

■出席者 「原子力規制を監視する市民の会」アドバイザリーグループメンバー
 小倉志郎氏(元東芝原発技術者)
 後藤政志氏(元東芝原発設計技術者、元ストレステスト意見聴取会委員)
 滝谷紘一氏(元原子力技術者、元原子力安全委員会事務局技術参与)
 田中三彦氏(元日立原発設計技術者、元国会事故調査委員会委員)
 藤原節男氏(元三菱重工原発設計技術者、元原子力安全基盤機構検査員)


司会 菅波:
次に藤原さんからお話を伺いたいと思います。
藤原さんは元三菱重工の原発設計技術者で、元原子力安全基盤機構の検査員もつとめておられました。



藤原節男氏(元三菱重工原発設計技術者、元原子力安全基盤機構検査員) :
2013040543.jpg


藤原節男と申します。通称原子力ドンキーホーテと言っておりまして、
こういう本を書いておりますので(下記参照)、ぜひお買い求めください。

それでまず、3号機の使用済み燃料プール爆発の映像をですね、
これは非常に重要な映像でございますので、皆さんご認識いただきたいということで出します。
これは日本テレビが放映したものですけれど、先ず1号機の水素爆発の映像があります。
これはもう皆さんご存じでしょうけれども、白い煙が水平になっております。

images_20130409105638.jpg

今度はですね、3号機です。先ほど見ていただいたんですけれども、
ピカッ!と光ってですね、600mもの黒い煙が見えておりますけれども、
これが、3号機の核爆発の映像でございます。

それでもうひとつが、当日の速報。
アナウンサーが「炎が見えている所が非常に気になる」と言っております。
「非常に高い温度である」という事、それから「黒い煙が出ている」という事を言っております。
「1号機とは違う」と。



ま、そういう話ですね。
一応そういう話になっております。

2013040524.jpg

今映像を見ていただいたのは3号機、オーストラリアのですね、9チャンネルの映像がありまして、
爆発音が3回聞こえるんですけれども、1回目のが水素爆発で、2回目3回目が核爆発だと推定されると。



それから日本テレビの映像がありました。

で、今回ですね、新安全基準、骨子案はどうなっているか?と言いますと、
旧体以前のままでございまして、
なんらこのこういう3号機の核爆発とかですね、
使用済み燃料プールがどうなったという話は書いておりません。

2013040525.jpg

それで我々のコメントといたしまして、川井康郎さん、藤原節男が言っているんですけれども、
アメリカのアーニーガンダーセンをはじめとしてですね、
いろんな人が「核爆発だろう」という話をしているにもかかわらず、
新安全基準には全然反映されていないということをパブリックコメントとして言っております。


ここにですね、使用済み燃料プールの核爆発の証拠ということで、
次のページと合わせて6ページ示しております。

2013040526.jpg

まず、ご存じのように、ピカッ!と光って、黒い煙が600mも上がったと。
ピカッ!ドンッ!というのが、まず第一ですね。

水素爆発の場合は白煙しか出ません。
これは水素と酸素の結合ですから、水蒸気になって、水蒸気の断熱膨張ということで白煙になります。


2番目。
飯館村、米国にまで飛散したプルトニウム。
水素爆発ではプルトニウムは出ません。
これは燃料が高温になってプルトニウムが気化すると。
二酸化プルトニウムというのはですね、セトモノとかガラスとかと同じような性質がありますので、
高温になっても気化はしないんですね。

つぎ、
屋根のフレームが曲がっている。
超高温でひん曲がっていると。
水素爆発の場合は、大空間の爆発でありますから、発生熱の密度が低いと。
したがって、フレームは曲がらない。

1号機と4号機はフレームの格子はそのままである。
3号機はひん曲がっている。そこの違いがあります。



2013040528.jpg

次に4番目。
使用済み燃料プールの床面でですね、これはオペフロですね。
オペフロで燃料の被覆管の破片が発見されています。
これはですね、水素爆発の場合は要するに水面の上で爆発する訳ですから、
燃料にそういう損傷がある訳はない。

5番目。
きのこ雲からの落下の破片がですね、
がれき破片と言っているものすごく大きなものですけれども、
3号機のタービン建屋の屋根に大穴が開いている。
14mと4m
でしたかね。
それで屋根の修理の作業員が12ミリシーベルトの被ばくをした。
ということで、水素爆発の場合はこういうことは起こり得ない。

6番目。
福島4号機は今オープンエアーの中で工事をやっていますけれども、3号機側に衝立を建てているんですね。
これは福島3号機からの高放射能、高放射線を遮蔽するためという説明があります。
ここに高放射線があるというのは核爆発の証拠であると。

以上6点ですね。
それからMRCは燃料ペレットとかそういうものが発見されて、
とアーニーガンダーセンがそういうことを報告しております。
これはちょっと私は証拠を握っておりませんので、どこにも書いておりません。


2013040529.jpg

この使用済み燃料プールの核爆発の理論という事なんですけれども、
アーニーガンダーセンはmoderated prompt criticalityということで、
減速された中性子による即発中性子による爆発と、そういう説明をしております。

これの説明はちょっと長くなりますので、ここに書いてありますところを是非追って読んでいただければ。
また私は別途ご説明をもうしあげます。
もし、ご興味がありましたらこの説明をお聞き下さい。

2013040530.jpg

それから、このシナリオですけれども、
2013040531.jpg

全交流電源喪失で冷却系が停止しますと、プール水が沸騰すると。
それから核爆発への二つの追出があります。

水面低下で、
蒸気がどんどんどんどん蒸発して、水面が低下して燃料が露出した場合。
その場合は燃料被覆管の酸化がありまして破裂をしまして、
燃料ペレットは水中の中へ落下すると。
そうすると積み木崩しのようにペレットが集積しまして臨界に達する。
そういう話ですね。

次にはですね、
MOX燃料の特性として中性子吸収スペクトルというものが非常に硬いんですね、ウランに比べて。
それで、それが沸騰する事によって、水中の中性子スペクトルが硬くなるという現象があって、
最適臨界になって、MOXが臨界に達するというようなことですね。

他の原子炉のように遅発臨界になるということで、
遅発臨界になったあと高圧でボイド消滅、正の反応となって核爆発。
こういう理論が成り立ちます。

で、核爆発を防止するには?ということでですね、
こういう基準じゃ駄目だという話を一番最後にさせていただきます。

2013040532.jpg

先ずですね、今どうなっているか?というと、
福島第一原子力発電所にはですね、ボロンステンレスというものを使用しまして、
以前よりも非常に稠密(ちゅうみつ)に
稠密、隙間なく燃料集合体を配置しているという事がありますので、
そういう事は禁止すると。

それから二番目。
まず、新燃料とか崩壊熱の大きい燃料、原子炉から取り出したばかりの燃料ですね。
こういうものを一カ所にかためておかずに、分散して配置する。

それから3番目。
先ほど1番目のボロンステンレスね。
ボロンステンレスというのはMOX燃料に対してあまり効き目がないのではないかという疑念がありますので、
この効果を見直すという事でございます。

以上3点あれば核爆発を防止する事が出来るということでございます。
以上です。



【内容情報】(「BOOK」データベースより)
すべて実名で明かされる。
泊原発3号機も、敦賀原発2号機も。
データ改ざんの強要から公益通報にいたるまで。
「公益通報者保護法」は、通報者のあぶり出しか。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1 こうして正義は排除された!記録改ざん命令に背き、再雇用拒否へ
泊3号機使用前検査で検出された“異例の検査結果”
翌日の再検査で「条件付き合格」 ほか

2 提訴、そして社会への告発「3・11」で変わった風向き
原子力安全委員会、原子力安全・保安院への再審議請求
1999年敦賀原発2号機で起きた「冷却材漏えい事故」 ほか

3 40年見てきた「原子力村」の実態
原子力には明るい未来があった
灘高時代に原子力の道に進むことを決意 ほか

4 人類は原子力を放棄すべきか?悪いのは科学技術ではなく、人間だ
脱原発派、そして原子力研究推進派
いまの原発施設では安全を保てない ほか

5 「公益通報」が日本の社会を変える
公益通報者保護法は、実質的には“公益通報者摘発法”!?
「組織の利益」に屈する「公益」 ほか

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
藤原節男(フジワラセツオ)
大阪大学工学部原子力工学科を卒業後、1972年4月、三菱原子力工業(後に三菱重工と合併)に入社。
その後、日本原子力研究所を経て、2005年に原子力安全基盤機構に勤務し検査業務部調査役に。
2009年3月、北海道電力泊原子力発電所3号機の使用前検査を手がけ、
組織的なデータ改ざんなどを公益通報したために
勤務先である原子力安全基盤機構を、2010年3月解雇された

現在は「脱原発派」として執筆、および全国各地に講演活動を行っている






「重大事故の敷地境界線量評価をせよ」
滝谷紘一氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)


「『シビアアクシデントは許さない』という記述を入れるべき」
小倉志郎氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)


「新“告示501号”を使っていない原発は古くて駄目だというのをまず認識すべき」
田中三彦氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)


「安全系設備に猶予期間を設けて運転するのは 故障した航空機をそのまま飛ばしているのと全く同じ」
後藤政志氏4/2原子力規制を監視する市民の会「新安全基準骨子案」の問題点を暴く(文字起こし)


<5年猶予問題>原子力規制を監視する市民の会4/2坂上武氏&デモクラTV4/5


IWJ会員登録はこちら↓
IWJ会員登録








関連記事
comment 1
コメント
緊急時避難準備区域だった広野町の者です。
いつも拝見させて戴いています。ありがとうございます。
NRC[米国原子力規制委員会]の報告書ですが、ダウンロードしてあります。
http://leibniz.tv/file/rst%20assessment%2026march11.pdf?hl=en&pli=1

●NRC[米国原子力規制委員会]の報告書(2011/ 3/26)
 (P.10)3号機について
 Fuel pool is heating up but is adequately cooled, and fuel may have been ejected from the pool(based on information from TEPCO of neutron sources found up to 1 mile from the units, and very high dose rate material that had to be bulldozed over between Units 3 and 4. It is also possible the material could have come from Unit 4).
 「使用済み燃料プールは沸騰しているが、十分に冷却された。そして、燃料がプールから取り出されている可能性がある(これは原子炉から1マイルまでで発見された中性子ソースの東京電力からの情報やブルドーザーで均されねばならなかった3・4号機の間の非常に高い線量率の物質に基づいている。この物質は4号機由来の可能性もある)」
 (P.13)4号機について
 Fuel particulates may have been ejected from the pool(based on information of neutron emitters found up to 1 mile from the units, and very high dose rate material that had to be bulldozed over between Units 3 and 4. It is also possible the material could have come from Unit 3).
 「燃料の微粒子が使用済み燃料プールから飛び出した可能性がある(これは原子炉から1マイルまでで発見された中性子エミッタの情報やブルドーザーで均されねばならなかった3・4号機の間の非常に高い線量率の物質に基づいている。この物質は3号機由来の可能性もある)」

●New York Times の記事(2011/ 4/ 7)
 Broken pieces of fuel rods have been found outside of Reactor No. 2, and are now being covered with bulldozers, he said. The pieces may be from rods in the spent-fuel pools that were flung out by hydrogen explosions.
 「燃料棒の砕かれた破片が2号機の外辺で見付かっている。今はブルドーザーで覆われている、と彼(= 東京電力の幹部)は言った。それらの破片は水素爆発によって飛び出した使用済み燃料プール(号機不明)内の燃料棒だろう」

●アーニー=ガンダーセンの分析(2011/ 4/26)
 「プラントから2マイルも離れたところから多数の燃料棒の破片が見付かっている。それは3号機の使用済み燃料プールからのものと見た方がいい」「超ウラン元素の微粒子がハワイ・西海岸で検出され、パウダー状のプルトニウムが原発付近で、アメリシウムがここニューイングランドで検出されている。それは福島の燃料棒が揮発したことを意味する」「プルトニウム・ウランが2・3マイル離れた所からも検出されている」 「3号機の爆発の噴煙が黒いが、その黒さはウランやプルトニウムが揮発したことを意味する」「3号機の爆発は1号機の deflagnation(= 音速の爆発)ではなく、detonation(= 超音速の爆発)であり、水素・酸素の化学反応(= 水素爆発)では起こらない。使用済み燃料プールの燃料棒が即発臨界による核反応を引き起こしたという仮説、それは噴煙の2つのキセノンによって判るだろう」

オリジナルのURLは「rst assessment 26march11.pdf」で検索して頂ければと思います。
広野町の者です | 2013.08.16 14:22 | 編集
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top