ラジオフォーラム
■ゲスト:おしどり(漫才師)
■パーソナリティ:今西憲之(ジャーナリスト)
■放送日:2013年4月13日
ニュースのたね/福一での冷却システム停電
10:35~http://youtu.be/pkfxJ6ouhTg?t=10m35s
今西:
東京電力の記者会見と言いますと最近のトピックですと3月18日ですね、午後7時ぐらいでしたっけ、
停電しました。
マコ:しましたねぇ。
今西:
福島第一原発の中でですね。
それで、その中にですね、使用済みの燃料プールの冷却システムが止まってしまった。
という事なんですけれども、その再稼働が出来るまでですね、復旧するまで29時間もかかってしまった。
おまけに「停電をした」いうことがですね、3時間もかかってやっと発表された。
マコ:
そうですね。
本当に情報が出てくるのが遅かったという事と、
あと使用済み燃料プールの冷却装置が止まってたということで、
ま、ネズミがショートしたのは仮設の3,4号のメタルクラットという配電盤なんですけど、
そこの信頼性向上対策における自主計画というのを読みなおすと、
そこに負荷がかかっている、そこを経由していつのは他に原子炉の注水システムも入ってたんですね。
でも、炉注のシステムが止まったという報告はなかったので、
今西:なるほど心臓部のね、いわゆる一番大切なところですね。
マコ:
それは炉注システム、もうネズミがはさまった所にかかっているけどどうなんだ?と聞きますと、
「これはバックアップシステムだ」っていうんですね。
これを(この放送)オンエアしている4月の段階では分かりませんけれども、
現段階では原子炉の注水システムのバックアップは無いんです。
それが、私は一番肝だと思っています。
今西:
なるほど。
ぼくもう一つ気になったのがね、東京電力のホームページを見てたらですね、
「今回の停電は不具合」
「不具合」
記者会見を聞いていると「事象」と言ってある。
「事故」やねん!
マコ:事故です。
今西:
なにをいうてまんねん。
不具合、不具合は東京電力やろ!と。お前らが不具合やろ!
これは思わず横山やすしさんやないけれど、突っ込みたくなる。
ケン:でもほんとですね。不具合っておかしいですよね。
マコ:おかしいですよね、言葉がね。
今西:その辺は指摘が記者会見とかで出たりしたんですかね?
マコ:えー、・・言葉の指摘は出ませんでしたね。
今西:言葉というか、やっぱりそういう言葉が出てくるという体制がおかしいね。
マコ:おかしいよね、でも記者会見では「事故」とは言っていましたけどね。
今西:
けど本当にそういう原子力ムラが事故を小さく見せたい、「誤魔化したい」みたいなですね、
そういう感じがしてならないんですよね。
マコ:
そうなんですよ。
それを復旧するのに作業員の方が直接染料の高い所にケーブルを配設して、
ネズミがはさまったところを迂回して配電をちゃんと接続させたんですね。
だからその方々が、ものすごく被ばくをされているんですよ。
今西:もちろんそうですよね。
マコ:
だからそういう場合の作業計画とか、計画被ばく線量というのはどうなっているんだ?って
ずっと聞いているんですけど、現時点でまだ出てきておりません。
今西:
「都合の悪いことはなかなか発表せぃへん」というのが原子力ムラのとんでもないところ、
相変わらず変わってないなぁと思います。以上ニュースの種でした。
<禁句ポロリ>
「電気事故」って言っちゃった3/20東電尾野(東電会見文字起こし)&東京新聞記事
30:07http://youtu.be/pkfxJ6ouhTg?t=30m7s
はなしのたね/原発事故と福島の子どもたち
31:31~
今西:
それで、今よく取材されているのが福島原発事故と福島の子どもたち。
放射能がどんな影響をね、福島の子どもたちに及ぼすんかいな?と。
マコ:
はい。
汚染は福島だけではないので、
茨城とか千葉とか宮城とか岩手とか栃木とか群馬の汚染地域の方々もいらっしゃると思っています。
今西:
そうなんですか。
実はみんな「汚染されているのは福島の中だけや」と思っているんですよ。
マコ:そうなんですよ。
今西:
よくね、福島の子どもさんについては、
たとえば放射線量の測定器とかを持ったりしてケアーをされていると思うんですけど、
実際、それ以外の汚染地域の子どもさんのケアというのはされてへんわけですか?
マコ:
されてないですねー。
「されてない」ので、福島県は県が主導してやっているんですね。
他県は、県として動いていないので、
汚染されている市町村が独自で動いているところもたまにあるんですよ。
自治体独自で大学の研究施設や民間の研究所に依頼して、
土壌や子どもの尿を「放射性物質が含まれていないかどうか」検査に出しているところもあります。
でも、残念ながらその情報はなかなか公開されていないという現状です。
今西:
なるほど、それをきちんと情報公開しないと、
どういうところにケアをすればいいのか、気をつければいいのか、どういう対策をとればいいのか
っていうのが、ようわからんですよね。
マコ:そうなんです。
今西:
で、実際にそういう子どもたちの健康問題を取材されていて、
今一番危惧されているというのはどういうような点でしょうか?
マコ:
わ、むずかしぃー、いっぱいあるんですけどね。
でも、まず、さっき今西さんがおっしゃってたガラスバッチの件なんですけど、
ひとりずつ身につけていて、何日間でどの位被ばくしていたか?という
積算線量といういい方をするんですけれども、それを出すバッチを付けておく件なんですけど、
福島県内の子どもたちが
もう全員きちっとガラスバッチを付けていて、きちんと測定しているか?と言ったら
全くそういう訳でもなくて、
ケン:ちがうの?
マコ:ちがいます、ちがいます。
ケン:それ確かね、政府で予算付いた
マコ:
予算はね、文科省が予算を付けただけで、
それをちゃんと運用しているかどうか?というのは全く違うんですよ。
ケン:へぇ~
マコ:
その自治体によって、
教育長とか、そこの村長なり市長なりが「つけます」と判断をしなければ、ガラスバッチは付けていないので、
たとえば、「ガラスなので子どもがコケたら割れた危ないからガラスバッチを付けない」とか、
「子どもが放射線の事を気にしながら遊ぶのはかわいそうだ」っていうので付けさせないとか、
各市町村でいろんな判断をして、付けているところの方が少ないんです。
今西:
あー、なるほどねぇ。
放射線の事はやっぱり見えないんで、
より客観的なものできちんと計測をして気を付けていかないとダメなんですけれども、
よく「頑張ろう福島」という言葉があるじゃないですか。
大切な事なんですよ、けれども精神論で
「頑張れば放射能に打ち勝てる」みたいな事をおっしゃる方がいるんですけれども、
どんなに、空手やら柔道が強くても、放射能には勝てへんのよね。
ケン;
そうです。
ちゃんと測定とかして確実な数字を残していくべきだと思いますよ、僕は。だから、「頑張ろう測定」ですよ。
マコ:それは本当にそう。
今西:実際今取材をしている中でですね、やはり鳥取大学にいた経験というのはすごく役立ちますか?
マコ:
そうですね、役立ちますね。
本当に事故直後に言われていた「レントゲン1回分の被ばく線量だから大丈夫だ」とか
「東京とニューヨーク間の航空機に乗っている時の被ばく線量だから大丈夫」とか
そういうリスクの比較の物差しが全部矛盾しているというのは、
大学で習った時の知識を思い起こして、「わぁ、すごい、ウソばっかり言ってる」とビックリしました。
今西:へぇ~、そういうときは思わず突っ込んだりした事ありますか?
マコ:
しますね。
「レントゲンで受ける医療被曝も日本が一番高いんじゃないか」と言われてる位にすごく問題になってて、
レントゲン手帳というのを持って歯医者さんとか、整形外科とか、健康診断で受けるレントゲンで
受ける被ばく線量を年間きちんと自分で把握していこうというのが、
事故前からとっくに日本であるんですよ。
放射線技師協会でレントゲン手帳を配っていて、
きちんとみんなで管理していこうということに、もうとっくになっていたんです。
今西:
はぁ~。
ぼくは身体に毒やさかいあんまりレントゲンを受けた事無いんやけど、
そんな手帳があるのは初めて聞いたね。
マコ:
だから、そうやってレントゲン手帳を持ちましょうってなっているのに、
もう、生きているだけで「レントゲン1回分の線量ですから大丈夫です」
「え?なんの話?」って思いましたよ。
今西:
そうよね、たとえばケンちゃんみたいに全然しゃべりへん人なんかはね、
「レントゲン何回とりましたっけね」って考えている間にその手帳があったらこれだけですってわかるのに、
ケン:そうですね、すごい便利なものですよね。
今西:10分経っても30分経っても答えがでないのやから。けど今日はがんばってしゃべってるね。
ケン:しゃべってますよ。
今西:
だから、レントゲン手帳とかそういういろんなシーンで被ばくというのは受ける可能性があるのに、
日本の場合はそういうののケアがなかなかされてない。
それはどうしてなんでしょうね?
マコ:
なんというか、医療被曝についてはすごく、こう、言いにくいんですけれども、
やはり、「お金儲けをしたいお医者さんもいらっしゃる」ということですかね。
本当は必要のない医療被曝があるんじゃないかと言われています。
新しく病院に受診をして、
「うちの病院ではレントゲンを撮ってないからとっておきましょうか」
みたいなレントゲンの撮り方がダメなんじゃないかと、いわれております。
今西:「とりあえず一回撮っておきましょう」っていう、なんか気休めみたいな、
マコ:はい。
ほんとうは、どこの病院で撮っても、インターネットの世界ですからね、
どこで撮っても共通にみんながちゃんと共有できるようになっていたら、
そんなあっちこっちで撮る必要はありませんから。
今西:
そうですよね。
逆に、その辺を考えていくとですね、やっぱり今の福島の子どもたち、
それから福島から避難している子どもたちなんかの、そういうデータ、情報、
さっきのガラスバッチ含めてですけれども、
いろんな数値が出ている訳ですよね、甲状腺に関するものとか、
そういうものも本当にきちんと情報公開をして、データ化して、
そういう子どもさん達も将来どこへ引っ越してどういう仕事をされるとか
いろいろ将来的には分散していくので、
きちんとデータベース化しないといけないなと思うんですが、
そういう発想とか動きというのはあるんでしょうか?
マコ:
ないですね。
それで、データベース化の動きは一応あるんですけれども、
どこまで公開するか、誰に見せるかといった議論は密室で行われているので、
ほとんど進んでもいないし、どう決定されるのかもわからないという事と、
後、そのデータベース化も大切なんですけれど、
自分のデータを自分で保管するという事が行われていないんで、
だから福島県で子どもたちが甲状腺の検査を、エコーやなんかをかけた、超音波検査を受けたとして、
返ってくる結果が文章一枚なんですね。
「なにもありませんでした」とか、「少し何かがありました」と言うだけで、
甲状腺エコーを受けた画像が欲しいとか、
普通の、通常の診療で受けていただけるような画像のデータが
いただけなくなっているというのが問題だと思います。
今西:自分の検査結果の数値が分からへんの?
マコ:
わからないです。
情報開示請求をしないと詳しい情報は返ってこないんです。
今西:そこまでせんと教えてくれへんわけか、つめたいなぁ。
マコ:
これを聞くと、いま福島県でやっている子どもたちの甲状腺エコー検査は、
医療ではなくて調査だから、患者のデータという扱いではないそうです。
今西:
はぁ。
いろいろと方便というかねぇ。
言葉が適切かどうか分かんないけれども、曖昧に。
悪く言えば「ごまかす」というようなね、気がするなぁ。
それでもって、今甲状腺の話が出ましたけれども、
もう甲状腺でかなり悪い数値が出ているという話が出たりするようなこともあるんですが、
そのあたりについてはいかがですか?
マコ:
2月にあった福島県の第10回県民健康管理調査検討委員会というところで、
平成23年度の子どもの甲状腺エコー検査で10人の子どもが悪性もしくは悪性の疑い。
3人が悪性で残りの7人もかなり悪性の可能性が高いんですけれど、
今後手術をしていってその後の確定診断ということで、
10人はもう手術をするということは決まっているんですね。
今西:そうなんですか、はい。
マコ:
で、それで私はその3人手術をした方の中で、何人か、とても個人的に知っておりまして、
原発事故以降、わりと、比較的線量の高い所にずっと住み続けていたご家族なんですね。
なので、検討委員会に対して、
その異常があった子どもたちの住んでいる地域はプライバシーの関係で公表できないというので、
「被ばく線量を公表してくれないか」って言ったんですよ。
そうすると検討委員会はその10人の悪性もしくは悪性の疑いがある子どもの被ばく線量は、
「把握しているが公表しない」という回答でございました。
今西:
あー、そうなんですか。
一番基礎になるのはその情報公開なんやけど、それがなされへん。
マコ:
そうなんです。
で、その10人の子どもが被ばく線量が少なかったり高かったりバラバラなのであれば、
被ばくとの因果関係は考えられないということになるかもしれませんけれど、
被ばく線量が公表されないまま「関係ない、関係ない」ということになるので、
ちょっとそれは不思議だなと思っています。
今西:
そうですよね。先ほども出たんですが、
東京電力の一番の問題点というのは「情報公開」をきちんとしないというところですよね。
やっぱり子どもさんの健康問題についてもやはり「情報公開」という事ですよね。
ん・・・、なるほどわかりました。
以上“はなしのたね”でした。
第10回「県民健康管理調査」検討委員会2013.2.13 <質疑応答文字起こし・ほとんど全部>
■ゲスト:おしどり(漫才師)
■パーソナリティ:今西憲之(ジャーナリスト)
■放送日:2013年4月13日
ニュースのたね/福一での冷却システム停電
10:35~http://youtu.be/pkfxJ6ouhTg?t=10m35s
今西:
東京電力の記者会見と言いますと最近のトピックですと3月18日ですね、午後7時ぐらいでしたっけ、
停電しました。
マコ:しましたねぇ。
今西:
福島第一原発の中でですね。
それで、その中にですね、使用済みの燃料プールの冷却システムが止まってしまった。
という事なんですけれども、その再稼働が出来るまでですね、復旧するまで29時間もかかってしまった。
おまけに「停電をした」いうことがですね、3時間もかかってやっと発表された。
マコ:
そうですね。
本当に情報が出てくるのが遅かったという事と、
あと使用済み燃料プールの冷却装置が止まってたということで、
ま、ネズミがショートしたのは仮設の3,4号のメタルクラットという配電盤なんですけど、
そこの信頼性向上対策における自主計画というのを読みなおすと、
そこに負荷がかかっている、そこを経由していつのは他に原子炉の注水システムも入ってたんですね。
でも、炉注のシステムが止まったという報告はなかったので、
今西:なるほど心臓部のね、いわゆる一番大切なところですね。
マコ:
それは炉注システム、もうネズミがはさまった所にかかっているけどどうなんだ?と聞きますと、
「これはバックアップシステムだ」っていうんですね。
これを(この放送)オンエアしている4月の段階では分かりませんけれども、
現段階では原子炉の注水システムのバックアップは無いんです。
それが、私は一番肝だと思っています。
今西:
なるほど。
ぼくもう一つ気になったのがね、東京電力のホームページを見てたらですね、
「今回の停電は不具合」
「不具合」
記者会見を聞いていると「事象」と言ってある。
「事故」やねん!
マコ:事故です。
今西:
なにをいうてまんねん。
不具合、不具合は東京電力やろ!と。お前らが不具合やろ!
これは思わず横山やすしさんやないけれど、突っ込みたくなる。
ケン:でもほんとですね。不具合っておかしいですよね。
マコ:おかしいですよね、言葉がね。
今西:その辺は指摘が記者会見とかで出たりしたんですかね?
マコ:えー、・・言葉の指摘は出ませんでしたね。
今西:言葉というか、やっぱりそういう言葉が出てくるという体制がおかしいね。
マコ:おかしいよね、でも記者会見では「事故」とは言っていましたけどね。
今西:
けど本当にそういう原子力ムラが事故を小さく見せたい、「誤魔化したい」みたいなですね、
そういう感じがしてならないんですよね。
マコ:
そうなんですよ。
それを復旧するのに作業員の方が直接染料の高い所にケーブルを配設して、
ネズミがはさまったところを迂回して配電をちゃんと接続させたんですね。
だからその方々が、ものすごく被ばくをされているんですよ。
今西:もちろんそうですよね。
マコ:
だからそういう場合の作業計画とか、計画被ばく線量というのはどうなっているんだ?って
ずっと聞いているんですけど、現時点でまだ出てきておりません。
今西:
「都合の悪いことはなかなか発表せぃへん」というのが原子力ムラのとんでもないところ、
相変わらず変わってないなぁと思います。以上ニュースの種でした。
<禁句ポロリ>
「電気事故」って言っちゃった3/20東電尾野(東電会見文字起こし)&東京新聞記事
30:07http://youtu.be/pkfxJ6ouhTg?t=30m7s
はなしのたね/原発事故と福島の子どもたち
31:31~
今西:
それで、今よく取材されているのが福島原発事故と福島の子どもたち。
放射能がどんな影響をね、福島の子どもたちに及ぼすんかいな?と。
マコ:
はい。
汚染は福島だけではないので、
茨城とか千葉とか宮城とか岩手とか栃木とか群馬の汚染地域の方々もいらっしゃると思っています。
今西:
そうなんですか。
実はみんな「汚染されているのは福島の中だけや」と思っているんですよ。
マコ:そうなんですよ。
今西:
よくね、福島の子どもさんについては、
たとえば放射線量の測定器とかを持ったりしてケアーをされていると思うんですけど、
実際、それ以外の汚染地域の子どもさんのケアというのはされてへんわけですか?
マコ:
されてないですねー。
「されてない」ので、福島県は県が主導してやっているんですね。
他県は、県として動いていないので、
汚染されている市町村が独自で動いているところもたまにあるんですよ。
自治体独自で大学の研究施設や民間の研究所に依頼して、
土壌や子どもの尿を「放射性物質が含まれていないかどうか」検査に出しているところもあります。
でも、残念ながらその情報はなかなか公開されていないという現状です。
今西:
なるほど、それをきちんと情報公開しないと、
どういうところにケアをすればいいのか、気をつければいいのか、どういう対策をとればいいのか
っていうのが、ようわからんですよね。
マコ:そうなんです。
今西:
で、実際にそういう子どもたちの健康問題を取材されていて、
今一番危惧されているというのはどういうような点でしょうか?
マコ:
わ、むずかしぃー、いっぱいあるんですけどね。
でも、まず、さっき今西さんがおっしゃってたガラスバッチの件なんですけど、
ひとりずつ身につけていて、何日間でどの位被ばくしていたか?という
積算線量といういい方をするんですけれども、それを出すバッチを付けておく件なんですけど、
福島県内の子どもたちが
もう全員きちっとガラスバッチを付けていて、きちんと測定しているか?と言ったら
全くそういう訳でもなくて、
ケン:ちがうの?
マコ:ちがいます、ちがいます。
ケン:それ確かね、政府で予算付いた
マコ:
予算はね、文科省が予算を付けただけで、
それをちゃんと運用しているかどうか?というのは全く違うんですよ。
ケン:へぇ~
マコ:
その自治体によって、
教育長とか、そこの村長なり市長なりが「つけます」と判断をしなければ、ガラスバッチは付けていないので、
たとえば、「ガラスなので子どもがコケたら割れた危ないからガラスバッチを付けない」とか、
「子どもが放射線の事を気にしながら遊ぶのはかわいそうだ」っていうので付けさせないとか、
各市町村でいろんな判断をして、付けているところの方が少ないんです。
今西:
あー、なるほどねぇ。
放射線の事はやっぱり見えないんで、
より客観的なものできちんと計測をして気を付けていかないとダメなんですけれども、
よく「頑張ろう福島」という言葉があるじゃないですか。
大切な事なんですよ、けれども精神論で
「頑張れば放射能に打ち勝てる」みたいな事をおっしゃる方がいるんですけれども、
どんなに、空手やら柔道が強くても、放射能には勝てへんのよね。
ケン;
そうです。
ちゃんと測定とかして確実な数字を残していくべきだと思いますよ、僕は。だから、「頑張ろう測定」ですよ。
マコ:それは本当にそう。
今西:実際今取材をしている中でですね、やはり鳥取大学にいた経験というのはすごく役立ちますか?
マコ:
そうですね、役立ちますね。
本当に事故直後に言われていた「レントゲン1回分の被ばく線量だから大丈夫だ」とか
「東京とニューヨーク間の航空機に乗っている時の被ばく線量だから大丈夫」とか
そういうリスクの比較の物差しが全部矛盾しているというのは、
大学で習った時の知識を思い起こして、「わぁ、すごい、ウソばっかり言ってる」とビックリしました。
今西:へぇ~、そういうときは思わず突っ込んだりした事ありますか?
マコ:
しますね。
「レントゲンで受ける医療被曝も日本が一番高いんじゃないか」と言われてる位にすごく問題になってて、
レントゲン手帳というのを持って歯医者さんとか、整形外科とか、健康診断で受けるレントゲンで
受ける被ばく線量を年間きちんと自分で把握していこうというのが、
事故前からとっくに日本であるんですよ。
放射線技師協会でレントゲン手帳を配っていて、
きちんとみんなで管理していこうということに、もうとっくになっていたんです。
今西:
はぁ~。
ぼくは身体に毒やさかいあんまりレントゲンを受けた事無いんやけど、
そんな手帳があるのは初めて聞いたね。
マコ:
だから、そうやってレントゲン手帳を持ちましょうってなっているのに、
もう、生きているだけで「レントゲン1回分の線量ですから大丈夫です」
「え?なんの話?」って思いましたよ。
今西:
そうよね、たとえばケンちゃんみたいに全然しゃべりへん人なんかはね、
「レントゲン何回とりましたっけね」って考えている間にその手帳があったらこれだけですってわかるのに、
ケン:そうですね、すごい便利なものですよね。
今西:10分経っても30分経っても答えがでないのやから。けど今日はがんばってしゃべってるね。
ケン:しゃべってますよ。
今西:
だから、レントゲン手帳とかそういういろんなシーンで被ばくというのは受ける可能性があるのに、
日本の場合はそういうののケアがなかなかされてない。
それはどうしてなんでしょうね?
マコ:
なんというか、医療被曝についてはすごく、こう、言いにくいんですけれども、
やはり、「お金儲けをしたいお医者さんもいらっしゃる」ということですかね。
本当は必要のない医療被曝があるんじゃないかと言われています。
新しく病院に受診をして、
「うちの病院ではレントゲンを撮ってないからとっておきましょうか」
みたいなレントゲンの撮り方がダメなんじゃないかと、いわれております。
今西:「とりあえず一回撮っておきましょう」っていう、なんか気休めみたいな、
マコ:はい。
ほんとうは、どこの病院で撮っても、インターネットの世界ですからね、
どこで撮っても共通にみんながちゃんと共有できるようになっていたら、
そんなあっちこっちで撮る必要はありませんから。
今西:
そうですよね。
逆に、その辺を考えていくとですね、やっぱり今の福島の子どもたち、
それから福島から避難している子どもたちなんかの、そういうデータ、情報、
さっきのガラスバッチ含めてですけれども、
いろんな数値が出ている訳ですよね、甲状腺に関するものとか、
そういうものも本当にきちんと情報公開をして、データ化して、
そういう子どもさん達も将来どこへ引っ越してどういう仕事をされるとか
いろいろ将来的には分散していくので、
きちんとデータベース化しないといけないなと思うんですが、
そういう発想とか動きというのはあるんでしょうか?
マコ:
ないですね。
それで、データベース化の動きは一応あるんですけれども、
どこまで公開するか、誰に見せるかといった議論は密室で行われているので、
ほとんど進んでもいないし、どう決定されるのかもわからないという事と、
後、そのデータベース化も大切なんですけれど、
自分のデータを自分で保管するという事が行われていないんで、
だから福島県で子どもたちが甲状腺の検査を、エコーやなんかをかけた、超音波検査を受けたとして、
返ってくる結果が文章一枚なんですね。
「なにもありませんでした」とか、「少し何かがありました」と言うだけで、
甲状腺エコーを受けた画像が欲しいとか、
普通の、通常の診療で受けていただけるような画像のデータが
いただけなくなっているというのが問題だと思います。
今西:自分の検査結果の数値が分からへんの?
マコ:
わからないです。
情報開示請求をしないと詳しい情報は返ってこないんです。
今西:そこまでせんと教えてくれへんわけか、つめたいなぁ。
マコ:
これを聞くと、いま福島県でやっている子どもたちの甲状腺エコー検査は、
医療ではなくて調査だから、患者のデータという扱いではないそうです。
今西:
はぁ。
いろいろと方便というかねぇ。
言葉が適切かどうか分かんないけれども、曖昧に。
悪く言えば「ごまかす」というようなね、気がするなぁ。
それでもって、今甲状腺の話が出ましたけれども、
もう甲状腺でかなり悪い数値が出ているという話が出たりするようなこともあるんですが、
そのあたりについてはいかがですか?
マコ:
2月にあった福島県の第10回県民健康管理調査検討委員会というところで、
平成23年度の子どもの甲状腺エコー検査で10人の子どもが悪性もしくは悪性の疑い。
3人が悪性で残りの7人もかなり悪性の可能性が高いんですけれど、
今後手術をしていってその後の確定診断ということで、
10人はもう手術をするということは決まっているんですね。
今西:そうなんですか、はい。
マコ:
で、それで私はその3人手術をした方の中で、何人か、とても個人的に知っておりまして、
原発事故以降、わりと、比較的線量の高い所にずっと住み続けていたご家族なんですね。
なので、検討委員会に対して、
その異常があった子どもたちの住んでいる地域はプライバシーの関係で公表できないというので、
「被ばく線量を公表してくれないか」って言ったんですよ。
そうすると検討委員会はその10人の悪性もしくは悪性の疑いがある子どもの被ばく線量は、
「把握しているが公表しない」という回答でございました。
今西:
あー、そうなんですか。
一番基礎になるのはその情報公開なんやけど、それがなされへん。
マコ:
そうなんです。
で、その10人の子どもが被ばく線量が少なかったり高かったりバラバラなのであれば、
被ばくとの因果関係は考えられないということになるかもしれませんけれど、
被ばく線量が公表されないまま「関係ない、関係ない」ということになるので、
ちょっとそれは不思議だなと思っています。
今西:
そうですよね。先ほども出たんですが、
東京電力の一番の問題点というのは「情報公開」をきちんとしないというところですよね。
やっぱり子どもさんの健康問題についてもやはり「情報公開」という事ですよね。
ん・・・、なるほどわかりました。
以上“はなしのたね”でした。
第10回「県民健康管理調査」検討委員会2013.2.13 <質疑応答文字起こし・ほとんど全部>
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