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3.DNA修復エラー・放射性物質の人体蓄積・食品からの内部被ばく4/18児玉龍彦氏(内容書き出し)

「大地を守る会の放射能連続講座Ⅱ」
【日時】2013年4月18日(木) 18:30~20:30
【会場】千代田区立日比谷図書文化館・コンベンションホール
【講師】児玉龍彦さん (東京大学アイソトープ総合センター長)


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DNA修復エラー
他の地域の子どもの甲状腺がんと比べて、今ゲノム全体を見ることができまして、
2万5000の遺伝子を全て調べる事が出来るように。

そうすると、一部の染色体が三つに増えているという事がある。
これはどういうことか?と言うと、

パリンドローム増幅といわれている修復エラーがあります。
これはどうして起こるのか?と言うと、
「たけやぶやけた」みたいに、DNAは2本線になっていますから、
GAATTCみたいな配列があると、逆向きから行くとGAATTCと
右から読んでも左から読んでも同じように生物では認識するという配列があります。

パリンドローム(palindrome)
 2本鎖DNAの塩基配列を同じ方向(5'から3'の方向)から見たときに、
 下にあるように相補鎖が同じ塩基配列になっていること。
 5’・・・・・・GAATTC・・・・・・3’
 3’・・・・・・CTTAAG・・・・・・5’



そういうもののそばにクロムゾームブレイクサイト(Chromosome Break)切断点がありますと、
修復する時に間違えて修復してしまう、方向を。
それももう一本の染色体をもとに修復という事が行われるのですが、
もう一本の染色体がどっち向きにしていいかがわからないと、
こういうふうに二つ、コピー数をもっと増やすように修復してしまう。

これは「たけやぶやけた」みたいな配列を“回文”と言いますので、
“回文的増幅”と言いまして、パリンドローム増幅というんですが、そういうのが起こっている。

そうすると先ほどの
「低線量の被ばくの時はDNA修復が盛んになるから切れてもいいんだ」という議論の逆でありまして、
このDNA修復の時には使われる酵素も違いまして、
普通の酵素の100倍エラーが多い事が知られています。


そうするとかなり沢山の、
実はDNA修復エラーが起こっているんではないかと、
だけど大半の修復エラーは、癌になるとかそういうはっきりした表現系が分からないために、
その修復エラーであるのが認識されていない。

それで修復エラーが
ハッキリ染色体の7番の傍にあるというのが分かった子どもだけで4000人いたということは、
かなりの数のDNAの修復の問題というのが、
実際に地元住民の方に起こっていたんじゃないかという事が、
ゲノム科学からの推測という事になります。


それに何故こういう現象の検出が難しいかというと、
これはアメリカの学士委員の会報に
そういう低線量被ばくの影響を高く評価する人も低く評価する人もみんな入って、
そのコンセンサスを作っている論文なんですが、

そういうので見ますと、
大体たとえば50ミリシーベルト以下のところでのいろんな現象というのをみるのには、
10の6乗、100万人ぐらい調べないと検出できない、統計的に。

ですから私も内閣府の低線量被ばくのワーキンググループというのに行ってビックリしたんですが、
そこの議論は「エビデンスがあるかないか」という議論をしていました。
だから子どもさんはその低線量被ばくの問題が甲状腺以外で起こっているかどうか
YesかNoかで答えなさいと言われたんですが、それは非常に違和感を覚えました。

と申し上げますのは、もともと理論的に20ミリシーベルト以下のものを見るのには、
100万人調べないと意見が言えない。
そうすると、広島長崎でも100万人は調査されていないです。
広島長崎の被爆者のフォローアップでも
せいぜい数10万人の下の方で、というのが現実の有効なデータとして出ているのですから、
20ミリシーベルト以下のものを統計学的に議論するという事は非常に難しい。
それで、チェルノブイリでああいう事が分かってきたという事で、
非常に、実は大変な事を私は示唆しているのではないかというふうに思っております。


03:35
放射性物質の人体蓄積

次に放射性物質が人体にどう蓄積したかという事を見ていきたいと思います。
これはちょうどセシウムの話をご理解いただくのに、

セシウムの議論というのが健康被害を何故簡単に言う事が出来ないか?というと、
実は放射性のセシウム137というのは、
地球上には1944年以前には散らばっていない。


要するにアメリカで核実験、
核の開発での実験が始まってから。
だから一番いい例が何に使われているか?と言うと、ワインの鑑定で
ワインを開栓して、そのワインにセシウム137が出てきたら
1945年以降のワインというふうに見られるというふうになっています。

そうすると、セシウム137の健康被害を言うのが非常に難しいというのは、
半減期30年の核種が、まだ生まれてから地球上にまき散らされ出してから60年しか経っていないもの。
それで健康被害をどうこうと言っても非常にセシウムの健康被害というのを見るのは難しいと思う

これは有名な、あれですよね、問題になっている。
これが本当か嘘かというのが問題になっている有名なワインがありまして、
このワインは少なくともセシウム137が入っていなかったんで
1944年以前のワインだというように認められたと。

それで、私どもはセシウム137が最初に散らばったという時に、南相馬に行って、
2011年に、これは南相馬市民病院の坪倉先生達が発表されたデータなんですが、
この中学生以下の中で
3割の子どもに250ベクレル以上のセシウム137と134が検出されたという事を聞いて、
ぼくは除染という事を言っていたんですが、非常に悩みました。

というのは以前環境中に無かったものが
子どもの身体に明らかに検出されるように溜まり出しているという時に、
そういうところに居住していて
本当に子どもの健康を保てるかどうかという事が一番大きい心配だった訳で、

それで坪倉先生の方からその後の進捗として2012年の前半に殆どこれを一生懸命防護して
食事とか、それから小学校やなんかの除染だとかその他をやって、
ほとんどセシウムが消えていったという事を聞いた時に非常にほっとした事を覚えています。

それでその結果というのはこちらに出ていますが、
南相馬市民病院での坪倉先生達が報告されているセシウムの検出率の推移というのをみますと、
9月10月11月とどんどん下がっていって、1月2月で。
それで高校生以上の場合はそれよりも下がり方が遅いという結果が出ている。
それはどういうことか?と言うと、こちらの図に坪倉先生がお出しになっているのは、
これは南相馬市のホームページへ行っていただければ出ていますので見ていただけますが、
大半の人は反復して測ると下がってきています。

ところが一部に下がってこない人がいます。
それもほとんどが大人です。
それで、そういう事になりますと一番の問題は食べ物が心配になります

食べ物でちょうど2011年の秋に
二本松というところで最初にコメがセシウムに汚染されているというのが出てきました。

それでこの時にですね、実は非常に注目されたのは、
土壌のセシウム量とコメの中に入っているセシウム量が相関しない
一見不思議な現象が出てきました。

それで東大農学部の塩沢先生達がこの南相馬の田んぼに入ってさらにその稲を詳しく調べました。
そうすると、稲にセシウムが入っているのは7月から8月に成長した層に一番入っている。
それで、実地の田んぼを調べましたところ、
実際の可能性として一番注目されていますのは、落ち葉とか有機物。
要するに木の葉っぱにくっついていたようなやつが田んぼに落っこって、
ですから普通にセシウムが入ったやつは粘土にくっついてしまうと簡単に離れていない。
それで一番離れてくるのは有機物にくっついて有機物が落っこって、夏に分解される。

塩沢先生達は
「それでいくと初年度と比べて2年度以降は大幅に減るでしょう」という事を予測されました。

というのは、粘土にくっついているセシウムが測っていると出てくる一番多いセシウムなんですが、
それが移行率が非常に低いという事になっていると、
むしろ有機物にくっついている奴というのは1年目にいっぱい落ちてきますが、
2年度からはたとえば広葉樹も葉っぱが生え換わってしまいますから、
ずーっと減ってくるだろうと。
それで実際にそういう事が分かってまいりました。

それで、ここでですね、ちょっと気になりますのは、
よく南相馬なんがに行くと、
「まぁ、子どもとか妊婦なんかは心配するけど私たちは良いよ」という話が、
最初お年寄りの方からあったんですが、
実際には年齢別の検出割合というのを見てみますと、
年齢が行くほどセシウムが沢山溜まっている。

多分、もうひとつは食生活で、
高齢の方ほど、やっぱりもともと食べていた物から変えるのが難しい。
南相馬なんかだと一つの地産地消のいいところで、魚から野菜だとか果物だとかいろいろあります。

食品からの内部被ばく


それでイメージングプレートで見てみますと、
これはたとえば南相馬で採れた柿ですが、柿の実はやっぱりセシウムが入ってしまう。
でもセシウムが入っていると言ってもどうも見ると種にすごく多い。
それとこっちは南相馬じゃなくて埼玉の栗で、山林にある栗ですが、
栗でもたとえば実に入っている。
そうすると、どういうものにどう入っていったか?というのを
調べてみないとよく分からないという現象があります。

それで一番こういうので、皆さんもご存知かもしれませんが、
セシウムを集める性質を持っているのはコケとかキノコです。

それでチェルノブイリの経験で、事故後数年間野生のキノコのセシウムが増加した地域もありました。
それから大気圏内の核実験が行われた60年代からかなり長期にわたって、
日本全域で100ベクレル/kg以上、今の食品の検査値、
これ以上は食べちゃいけないですよという線が検出された歴史があります。

それで今回もですね、セシウムが飛散した、福島だけではなしに、
かなりもっと、実際にはセシウムが飛散していた伊豆とか新潟とか山梨
300km範囲まで、やっぱりいろんなキノコにセシウムの上昇というのが検出されちゃっています。


それももうご存じの通りだと思いますが、
キノコの栽培方法というのは違う方法がありまして、
いろんなこういう森林の中でやられているのと、工場みたいなところでやられているものがあって、
やっぱり露地物とか、自然の環境の中でやられているものの方が、
残念ながらセシウムの蓄積量は多いと。
ただし、工場みたいなところでつくられている物でも、
使われた原木やなんかにセシウムが入っていると、
かなりそこから溜められてしまうという事が知られています。

それで、ちょっとご注意頂きたいのは川魚と海の魚で、
坪倉先生達が見ていて一番高い、体内にセシウムを蓄積が出たのが2万5000ベクレル。
田村に住んでいて、川魚をいっぱい食べていた。
それでその方に、ヤマメだとかニジマスとかを持ってきてもらったら、
その食べていた川魚にかなりセシウムが沈着していた。

これは、海の魚というのは塩の高いところで生きていますから、
塩分を排出しないと生きていけないんです。
ところが川の魚というのは、淡水の中で生きていますから、
塩分を排出してしまったら生きていけないです


それで海から川へ上がってくる魚は、そこで遺伝子の発現を変えて、
塩分を溜めるように切り変わる事で生きていける。

逆に言いますと川魚は今後かなり長期にわたってセシウムの汚染の可能性がある。
特にコケを食べる川魚は、やっぱりそういう意味での食物連鎖がまだ残っています。



それでじゃあ、海の魚はどうなっていったか?と言うと、
表面にあるコウナゴとかシラスは最初1万ベクレル/kgを超えるようなものも獲れていましたが、
これはどんどん減りまして100ベクレル/kg以下になっている。
ところがヒラメみたいなものは逆に最初は10ベクレル/kg以下だったのが、
1年ぐらいたってから100ベクレル/kg以上のものが結構福島沖で獲れてしまっているという事で、
先ほど申し上げたセシウムの移動していく所につれて、魚も汚染されてしまうという傾向が続いています。

それで一応、最初にはいろいろ議論があったんですが、
私どもも100ベクレル/kg以下というのは、
国際的に見ても厳しい基準にやっていくというのがやっぱり大事だという事を申し上げまして、
そういうのが今の国の基準になっています。

それでこの国の基準に従って100ベクレル/kg以下というのを決めようということを
放射線審議会で昨年の2月ごろに議論した時に、
「そんな事を検査できる機械があるわけがない」とか、
それから「農民を鞭打つようなものだ」という事を言われていた方がいらっしゃいました。


ですけれども私どもは事故の後、島津製作所と一緒に
PETやなんかに使うBGO検出器なんかを使った機械の開発という事が大事だという事で、
島津の北村博士という人がこういう機械を一生懸命作って下さっていまして、
実際には1月にはこの機械が京都の三条工場で出来上がっていたと。
それで私も放射線審議会の方に、かなりこの機械の説明にいったんですけれども、
全然理解されてなかった。

だから、先ほど東大教授という話をしましたが、
残念ながらですね、今の政府の色々な放射線関係の審議会に、
本当に先端的な環境技術や計測技術に詳しい方というのがあんまり入っていない。

それでどちらかというと、政府機関で政府からお金を貰っている原子力関係の人が非常に多いという事。

それで放射線審議会はそんな議論をやった後に、
3月に私ども、
この島津の機械は、二本松。
二本松は市長の三保さんという方が非常に食品検査やなんかを熱心にやっていまして、
毎週のように電話を頂きまして、「まだその食品の検査機は出来ないのか」と。
それで、JAの二本松にこの機械がいって、それで大体10秒で
従来の400倍のスピードで検査が出来ます。

これはですね、私どもが、さっき言った人体内にある微量のガンマ線から
1mmの癌から0.5mmの癌を見付けるという努力をやっている者にとっては当然の数値でありまして、
「たぶん今までのチェルノブイリ時代の数100倍の検査機は出来る筈だ」
というのはずっと思っていた訳です。

ところが放射線審議会の中にその事を理解している人が一人もいないという事に、
私はちょっと愕然としております。


ですから「大学の研究者でテレビに出てくる人が本当の大学の研究者の中心ではないんです」
とさっき申し上げたのが、
おんなじことが放射線審議会やなんかにもあって、
放射線審議会というところに
本当に計測技術とか先端技術、環境技術に詳しい人が入っていないという事が、
非常に今日本の、さまざまな福島原発からの復興の上で問題
になる。

2013041847.jpg

それでその、結局放射線審議会という、ですから委員長の丹羽(にわ)先生という方も辞めちゃって、
その後殆ど開かれていないという体たらくになっておりまして、
結局その専門家としては先端的な技術の事を全く知らない
それでこういう機械の開発が
民間企業とか大学の研究者で1円も国からの援助を貰わないで行われたということも、
よく覚えておいていただきたいと思います。


それで全体にはこの機械が100台以上入りまして、
現在では1000万袋のコメが去年検査されて、
それで20~50ベクレルが2万袋。
50ベクレルからが1600袋。
76ベクレルからが389袋。
100ベクレル超えが71袋。
という、かなり詳細な割合が分かってまいりまして、
福島の中でも99.8%はこの25ベクレル以下。
一応50ベクレル以下、乳幼児の基準も入れると、これが一つの基準だと私どもは思っておりますが、
それ以下のものが99.8%以上が、福島の物でも担保されている。


それで風評被害といういい方が良くされますが、
それは私はあまり適切ではないと思っています。

実際にお米にこういうものが入っているというと、
それは風評被害が生まれるというのはきちっとした全袋検査が行われていないからであって、
風評ではなくて現実の危険性の問題がある。
それでそれに答えるのには、実際には全体の検査しかない。

これは実はですね、
風評被害問題と言われたBSEの検査の時にも、全く同じ傾向が出ている。
日本の肉牛の値段が単位当たり1400円位だったものが
BSE問題が出た時に400円まで下がりました。
それで全頭検査をやったら1カ月後に1300円まで戻った。

これは風評被害と言うよりも、危機を避けようという一つの反応であったというふうに思っております。

そういうのに対してきちんと全袋検査が可能になってやっていけば、これはむしろ、
今はただ残念ながら全袋検査というのが行われているのがこれが福島だけでありますから、
それ以外の府県ではまだ残念ながら全袋検査というのは行われていないという、
ちょっと逆転した現象も起こっています。




つづく


児玉先生がおっしゃっているコメの全袋検査の機械ってこれかな? ↓
福島県新米の「全袋検査」ニュースを見て、検査機械の性能を調べてみた
島津製作所の機械です。

出荷制限区域(管理計画対象区域)の全量全袋検査の結果(速報値)
平成25年3月14日


1.「東京大学という組織・放射性核種の飛散と性質」
児玉龍彦氏4/18放射能連続講座2大地を守る会(内容書き出し)


2.「”医療用に使われたから安全”ということはない」
児玉龍彦氏4/18放射能連続講座2大地を守る会(内容書き出し)


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真っ当

児玉先生個人に関して裁く材料を私は持っていませんが、この書き起こしを読む限り、実に真っ当な科学者の話に思います。確かに東大イコール悪の根城のようなイメージが付いてしまったことへの忸怩たる思いがこの発言に繋がっているのかなとも取れますが、私はこういう科学者の言葉を読みたかった。
この一連の発言をもっと色んな所で取り上げ、沢山の人に読んで欲しい。
取り上げて書き起こしてくれたキーコさん、流石です。記事の取り上げ方が他では見ない切り口のものが多い。目の付け所に感心、感謝をいつもしています。ありがとう。
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