5.「農地・道路・森林・水・そして海の浄化、放射性物質の保管と管理」 児玉龍彦氏4/18大地を守る会(内容書き出し)

この部分の動画はこちら→(3.児玉龍彦氏)にあります

28:03~
農地
それでですね、もうひとつ土の処理の場合に難しいのは農地の場合です。
実は放射性セシウムは、農地の場合には
表層の5cmぐらいの粘土のところへほとんどくっついていますので、
先ほど鹿島幼稚園の例でも示しましたが、表面5cmを除けばかなり除けます。

だけれども、実はこの粘土のところが
いわゆるテロワール(Terroir)とかよく言われるような物質を決めるような
いろんなミネラルやなんかをいっぱい含んでいますから、
これを全部除いてしまうと客土(きゃくど)しない限り土地の質が戻らない、農業に向かない。

きゃく‐ど【客土】
耕地の土壌改良のため、他から性質の異なる土を運んで混入すること。また、その土。



それで、除染をやると言った場合に二つ目的がありまして、
ひとつは農作業に当たる方の健康維持の問題と、
もうひとつはここの農産物に放射性物質が入らないようにするという目的があると思うんですが、
この二つをやるのにどういう手法を使うかというと、これはかなり問題があります。

たとえば環境省やなんかは、農水省も、
上下反転耕というのを勧めていまして、
逆にこの粘土を下に埋め込んでしまうという格好での反転も勧められています。

だけども反転した場合、南相馬かなんかでやってみますと
かなり、石が多い層がすぐに出てきてしまいますので、
上げると逆に放射性物質に一部汚染されているような石がいっぱい出てきてしまって、
処理に非常に困るという事があります。

それで、農地のこういうところをどういうふうに管理するかというのも
私の目から見ますと、やっぱり地元の農民とよく相談しながら決めていく以外にないんじゃないかと、
環境省が「こういうマニュアルで決めたからこれ以外のやり方は認めない」というやり方は、
やっぱりやらない方がいいのではないかというふうに思っております。


それで現在のやり方は、
たとえば森林とか、いろんなのうちのゴミとか、
たとえば可燃のゴミなんかをみんな集めてフレコンバックというバックに入れて、そのまま集めていく。
場合によっては土の中に埋め込むという事が行われています。

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ところがこれは土の中に埋め込まれてしまいますと、
後で掘り起こして除く時にパワーショベルみたいので引っかいて壊れてしまう
それから夏になると、たとえばいろんな雑草やなんかを刈った分は、
これが水がありますと発酵してきて、すでに
フレコンバックが爆発するというのが昨年何例か起こっております。

ですから、この生ごみやなんかも
フレコンバックに入れて何年も保管するというのもほとんど無理だと思っていまして、
これは実際の焼却の過程、
先ほど言ったような、温度管理や線量流量計をしっかり付けたような、
セシウム回収型の焼却にもっていくという事が非常に大事だと思っております。


それでこうやって回収されて濃縮されたセシウムというのは、きちんとしたコンテナに入れる。
それでコンテナ保管として、将来、たとえば移動するという時にも
移動できるような格好にしていくという事がすごく大事です。

道路
2013041850.jpg

それから除染の中でもうひとつ大きいのは道路の除染でして、
これも、常磐自動車道を通そうという事で、
私も明日も常磐自動車道のところへ行って除染作業を見てまいりますが、
実際に今残念ながら、普通の国道の常磐道も常磐線も原発から割と近いところを通っています。
それで余震の状況とか4号炉の状況とかを色々考えますと、
やっぱり異常事態を考えますと、
第一原発のすぐ傍を通る道路というのを公共道路にするのは難しいと。
それで一番可能性がありますのが、常磐自動車道が9割方工事が出来あがって、
原発から6kmのところにありますので、ここを除染していくという作業を
今大成建設がやっていますが、
そうするとここに出ていますみたいに大体大きい面積をやると
8割方一回の除染で下げる事が出来るというデータがすでに出ています。

除染作業というのは我々、先程も申し上げたように
「放射性物質がどこにあるか」っていうのは分かりにくいですから、
一回だけの作業では無理だと思っていまして、
何サイクルか行うことによって、この…、
いま、南相馬といわきの間って、交通機関がないんですよね。
それで南相馬の経済がこのままでは窒息していく。
たとえば南相馬には日立の工場がありますが、
日立と南相馬を今行くのに、二本松の方を経由していくとか
そういう事をやらないといけないという格好では、
産業の復興が非常にむずかしいです。

すでに避難されている住民の方が、三春から南相馬の眼科の病院へ行こうとして、
同じように避難された住民の方が
建材運搬用のトレーラーと正面衝突して5人の方が亡くなるという事故も去年起こっておりますので、
今のままで、北と南とう回路、
山の中のう回路を行くというような事をやっていくという事はできないと言っています。

この点でやっぱり省庁間ですごく問題なのは、
実際は今常磐自動車道の除染も環境省が除染をやって、国土交通省が後を通すというふうになっています。

ところがですね、たとえば高度交通省がアスファルトのところをバーーッとやっていくのには
前の方でアスファルトを除いて後ろでアスファルトを貼っていくような機械を持っています。
これを通せば除染とあれはいっぺんに出来ちゃうわけですよね。

そうすると、省庁別の考えでのんびりずっとやっているうちに、
もう、この被災地区の経済というのがどんどんどんどん悪化してきてしまっていますので、
まず、ともかく交通網の回復がないと、実際の住民生活はもとへは戻れません。
一時復帰とかをするにしても、まず道路をきちっとつくるというのは急務だというふうに思っています。


森林
あともうひとつは森林の問題ですね。
森林の問題でもやっぱり非常に大事なのは、
実は、森林にやっぱりかなりの量の汚染物が溜まっておりますので、
森林は、ただ、一度に伐採とかできないです。
それと先ほど言いましたように、森林の伐採やなんかは、ただ伐採してやっていくだけでは無理なんで、
やっぱりどうやってもセシウム回収方を考えながらバイオマス発電と焼却炉を組み合わせたような、
要するに発電量をつくりながらやっていく。
そのためにはですね、やっぱり機械化が必須です。

というのは、作業に携わる方が被ばくしないようにするためには、機械化して
たとえば運転席は陽圧にして外からの埃が入らないように、
それから運転席のガラスはたとえば鉛ガラスと言われるような、
医療機関で使っているような、ガンマ線をシャットするようなガラスにしたような機械でもって、
機械化の林業みたいなことにしていくという事が必須ではないかと。

それを30年から50年かけて、やっぱり汚染地区の森林というのも綺麗にしていくというのが
必須なんかではないかというふうに思っております。

それでただ一つだけ幸いなニュースがありまして、
実は日本では、ずっと1955年から飛散したセシウムやストロンチウムの記録があります。
これをみるとですね、いったん森林やなんかに落っこったものが、
日本の場合は雨が多いものですから、簡単に舞い上がるという現象が記録されていません。
それでよく山からセシウムが降ってくるという事を簡単におっしゃられますが、
われわれも南相馬の幼稚園でずっとダスト線量を測っていますが、
森林から何回か雨が降った後で、降ってくるセシウム量というのは非常に落ちています。


花粉に乗って一部出てくるという事は報告しておりますが、
全体像としてはこの50年以上の歴史の中で、日本の森林の場合には、
いったんセシウムが沈降すると簡単に空気に舞い上がって降りてくるということはない。


そうするとどこへ出てくるか?と言うとです。


そして水の系統への除染というのがすごく大事だというふうに考えています。
それで水の中で、ここら辺の地域で一番大きいのは、大垣ダム。
先ほど申し上げました、汚染地区の真ん中にある大垣ダムというダムがあります。
それで、そこを今ずっと調査に入っているんですが、

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これが1月ごろに行った時の大垣ダムですが、
大垣ダムでは幸いなことに表層の水は大体最近では10ベクレル以下に落ち付いています。
ところが、底の土砂20万ベクレル/kgを超えるものすごい量のセシウムが溜まっています。


それでちょうど、風の谷のナウシカっていう映画が昔ありましたが、
森林にいろんな毒性の物を溜めているんだけども実は森林がそれを浄化しているというのがありましたが、
一番の問題はこれ、時限爆弾みたいになってしまった。

要するに日本のダムというのは年々土砂が溜まってまいりますから、
それを浚渫(しゅんせつ)して綺麗にしないと、いつかダムが決壊してしまう恐れというものをもっています。
それで大垣ダムも適当な段階で浚渫やなんかが必要になります。

浚渫(しゅんせつ、dredging)
港湾・河川・運河などの底面を浚(さら)って土砂などを取り去る土木工事のことである。
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そうすると一つはですね、この大垣ダムの場合は、この大垣ダムがここにありまして、

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これが高い線量、浪江やなんかの高い線量のど真ん中に大垣ダムがあります。
それで大垣ダムの水が、
実は南相馬の小高区、それから浪江町、双葉町の全ての農業用水をまかなっております。

という事は、一つは大垣ダムから出てくる水っていうのを
たとえばもう一段回の凝集沈殿なんかによって、土砂やなんかが入らないようにする。
こういう仕組みを設ける。

それからもうひとつは大垣ダムのところで浚渫
?やなんかで行われている、実は日本にある低圧浚渫という技術がありまして、
そこを拡販しないで、そーっと底の泥を吸い上げていくという技術があります。
この浚渫を行って、逆にここでセシウム回収型の中心的な焼却施設をつくることによって、
逆に、森林地域からこの被災地域の、水の、農業用水とかの汚染を防ぐ事が出来る。
そういう可能性があります。
ですから一番汚いとされているこの地域の一番中心にある、
実は大垣ダムのところできちんとした復興対策を組んでいくという事が、
一番有効なんではないかというふうに考えています。



それからもう一つ最後に残る問題はの浄化の問題であります。

それで実はですね、日本に残っていますいろんなセシウムなどの沈降から見ると、
ひとつは…、ある面では、海は非常に大きなボリュームがありまして、
海に入ったものはある時期でやっぱりかなり希釈されてきています。
それで海の希釈力というのがやっぱり一つの大きなファクターであるのは違いない。
だけれども、今問題になっていますのは、川から流れ込む、
海の底へ流れ込んでいる先程の粘土を含んだ土砂。
これのある地域の海産物はかなり危険が残ってしまいます。

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それともうひとつは福島の原発のところから海へいったいどの程度、
どういう格好で放射性物質が流れ出しているかという事が
まだ全面的には分かっていないという問題が残っています。
海の問題はまだ本当の意味ではこれからの課題と言わざるを得ないと思っています。


放射性物質の保管・管理
最後に放射性物質をどのように保管・管理するか?という時に
実際にはですね、今回の福島で出ているのはアルファ線・ベータ線・ガンマ線で、
中性子線があるとすごく遮蔽が難しいんですが、

中性子線の例は一番よくご存じなのがJCO事故っていう、東海村の傍で1990年代ですか、
バケツでウランを濃縮をやって臨界を起こして、
東大病院で引き取って亡くなられちゃった方がいらっしゃった恐ろしい事故がありますが、
ああいうふうに臨界になったところでのところから中性子線が出てきていますが、
今回の飛散では中性子線の出る核種はあまり検出されていないという事がわかっています。

そうするとアルファ線・ベータ線・ガンマ線で、
先ほど申し上げたようにアルファ線・ベータ線までは比較的遮蔽が簡単。
で、ガンマ線もだいたいコンクリートを50cm程度あれば大体遮蔽できるという事が分かっています。

それで今の一番の問題は、この保管の仕方であります。
たとえばこれは横浜のところで、保土ヶ谷ですか、南保土ヶ谷だったかな、
一部横浜市が埋め立て処分に使うという事で、ここですね、
処分場に入れようとして住民の反対で1日で撤回したということで、

それからこれは福島第一原発で、ここで矢印が書いてあるのが汚染水が溜まっているんですが、
こういうふうな格好での処分というのはあまり勧められないというふうに思っておいrます。

それともうひとつご理解いただきたいのは、
濃縮すると危険が増すか?」というと、
実際に外に出てくる放射線量は濃縮するから危険が増すという事ではありません。


濃縮すると、濃縮によって無くならしていくものはなにかというと、
実際には放射性物質でないものを除いていくというのが濃縮の一番大事なステップであります。

それで、出てくる放射線の遮蔽の必要量というのは総量で決まってまいります。
ですからガンマ線がほとんど飛んでくるので、
この「ガンマ線がどの程度あるか」という事で決まってまいりますと、
少なければ少ないほど管理がしやすい。
だから一番濃縮してしまえば、たとえば東京大学やなんかに持ってきてもいい。
そういうようなものになるという、そういうような考え方であります。

ですからいま、
これは一番最初の頃に国会で使ったスライドなんですが、
先ほど申し上げたように一番下にちゃんとしたコンクリートやなんかの遮蔽層を置いて、
その上にドレーンがあって、どの程度の水が出ているかというのがわかるようにしておく。

それから入れるものはコンテナのようなものを入れて濃縮してためておく。

それで、仮置きとか一時保管とかいうんですが、非常に難しいのはですね、
もし何10万トンという土をやろうとすると、
そもそも工事をやる時に雨が降ってきた時に10万トンレベルのもので雨が降ってきた時に、
工事を上手く維持できるかどうか?
それから10年以上経った時に、この何10万トンというのを本当に…、
今回も水だってすぐに漏れ出しています。

そういうものをきちんと監視できるか?と言うと非常に難しいと。
ですからこれを量をなるべく濃縮してきちんとした遮蔽の中で、バリアをはっきり置いたものに置いて、
浅地中処分を中心にやる。

それで30年経ったら掘り起こすというのは、私は現実的に非常に難しいんじゃないかと思っています。
ですから、仮置き場という恰好よりも、
かなり長期の保管をしながら減衰を待つという格好での施設をきちんとつくる。
そうするとどうしても焼却場と保管所というのを一体化して、
ま、林野庁が国有林を開放してというのを言っていますから、
こういうような抜本的な仕組みをつくる必要があるんじゃないかと、

それでもうひとつは、先程から申し上げている通り、
国の審議会やなんかに、国から予算を貰うという事でずっとやってきた人だけでやるのでは無しに、
やっぱり今の日本の環境技術が一番進んでいる物なんかを入れる。
それから地元の自治体の代表の人を入れる。
こういう格好での透明性と公開性と先進的な科学的な話が入るような格好での
処分の仕方というのを考えるのがすごく大事だなと。


これは私の家のそばにある目黒の清掃工場ですが、
この目黒の清掃工場なんかは環境技術のかなり、一番いいレベルの物を集めてつくられています。
これは日本が世界に輸出している環境技術なんですが、
福島にもぜひ、やっぱりこういうものを活かす。

それで目黒の場合には、清掃工場をつくる時に
昔はどぶ川だったみたいな目黒川も綺麗にして桜並木になって、
イタリアンなんかのお店がいっぱいあるような素晴らしい文化的な地域になっています。

それで福島における復興とか除染というものも、
やっぱり、日本が持っているいいものを最大限引き出せるような格好での、
最新の科学とか技術とかを使ってやっていく。
それで「散ったものがもう手が出せない」という議論を一部の週刊誌やなんかが非常に書いていますが、
これは今地元で暮らしている住民の苦難そさらに増す議論である。

やなんかには様々な議論があります。
最初に食品を継続すると言った時も……どちらかというと放射線事故に責任のある人が、
そんな全袋検査なんか出来るわけがない。
金がかかりすぎる。という事を繰り返し言いました。

だけど日本の今の科学技術でやったらば、
その全袋検査を現実にやっていくという機械は1年足らずの間に開発する事が出来ました。
そういうなんかこう、本当の国民の力を集めて、
やっぱり住民が、いろんな意見が分裂して苦労したりする事がないような、
地元の方がどういう点で悩み苦しみ考えているかという事を
応援していただく様な事を是非考えていただきたい。



そういう一つの例は、これは実は鹿島保育園のその後です。

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鹿島保育園を土をどけて除染をしたけれども、
お母さんたちの中には土埃の立つ川砂を持ってこられたために、外遊びを好まないという。
それでもう一方では、これで低いから遊んでいいんじゃないかという人がいました。
それで私どもは園の方とも相談して、
東日本復興財団という孫さんのところへ走り込んで、
「あんたらダイエードームの人工芝があるじゃないか」と。
「あれと同じくらいのものを寄付してくれませんか」と言ったら、
この鹿島保育園に寄付してくれました。

そしたら鹿島保育園でやるんならという事で、
南相馬の桜井市長が全部の保育園に人工芝かそういうものを置いて、
親御さんが分裂しないでみんな外遊びやなんかもできるようなものにしようという事を考えるに至った。

で、やっぱりいろんな知恵を集めて、住民がどうやったら復興に向けて足を踏み出していけるかという、
そういうところでの知恵をあつめて、全部のところでおんなじように出来ないかもしれないけれど、
最初のどこかで出来るところから一つづつ良い事を積んで行くことによって、
大きな変化が生まれてくるんじゃないかということに考えております。

ご清聴をありがとうございました。


ーーー質疑応答に続く





1.「東京大学という組織・放射性核種の飛散と性質」
児玉龍彦氏4/18放射能連続講座2大地を守る会(内容書き出し)


2.「”医療用に使われたから安全”ということはない」
児玉龍彦氏4/18放射能連続講座2大地を守る会(内容書き出し)


3.DNA修復エラー・放射性物質の人体蓄積・食品からの内部被ばく4/18児玉龍彦氏(内容書き出し)


4.「除染はなぜ必要か?」 児玉龍彦氏4/18大地を守る会(内容書き出し)


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この人の責任は?

市町村が進める除染作業が全然進んでいない様ですが、
除染、除染と言っているこの人の責任はどうなるの?
というか、児玉さんは土建業の専門家なのでしょうか?

(NHK)除染の実施地域は対象の5%以下
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130517/k10014658411000.html

こうなる事は、チェルノブイリ事故の処理で、除染を諦めた事で知っていたでしょうに。

【国際】チェルノブイリ事故、大規模除染を断念…26年
http://desktop2ch.tv/wildplus/1335307277/

児玉さん推薦の竹中工務店も、当然チェルノブイリの事は調べて知っていたでしょう。
児玉さんも竹中工務店も確信犯?

おかげで、私達住民の避難する機会と権利が奪われました。

児玉さんは、東京大学と組んで除染を進めていたようですので、東京大学もグルなのでしょう。
やはり悪名高い東京大学だけの事はあります。