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05.30
Thu
汚染水対策で遮水壁設置を求める方針
NHK 2013年5月30日 4時17分

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東京電力福島第一原子力発電所で汚染水増加の原因となっている
地下水の流入を減らす対策を検討していた国の専門家委員会は、
建屋周囲の地盤を凍らせて水の流入を遮る壁を設置する対策を求める方針を固めました。

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福島第一原発では1日400トンのペースで地下水が建屋に流れ込み、
汚染水が増え続ける原因となっていて、先月、地下の貯水槽から汚染水が漏れたのをきっかけに、
国が専門家委員会を設置して抜本的な対策を検討しています。
これについて専門家委員会は、地下水が建屋に流れ込まないよう、
建屋周囲の地盤を凍らせて水の流入を遮る壁を設置する対策を求める方針を固めました。

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具体的には、地面にパイプを埋め込み、
その中に冷たい液体を流して周囲の土を凍らせる
というもので、
こうした陸側の遮水壁は、おととし1度、検討されました。
しかし、水の流入量が大幅に減って制御できない形で地下水の水位が下がると、
逆に建屋から汚染水が流れ出るおそれがあるとして、設置が見送られていました。


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東京電力は現在、地下水の流入を減らす対策として、
建屋の山側の12か所で井戸を掘って地下水をくみ上げ、海に放出することを検討しています。
しかし、地元の漁業者の反発などもあって実施のめどは立っていません。
敷地内に汚染水を保管する場所が少なくなるなか、
専門家委員会は、地下水をくみ上るだけでは対策は十分ではないとして、
今回、陸側の遮水壁の設置を求めることにしましたが、水位の管理など課題もあり、
国と東京電力に実現の可能性を早急に検討するよう求めるとしています。
この方針は30日に開かれる専門家委員会で審議され、最終決定される見通しです。




汚染水対策 地下水流入抑制で遮水壁設置へ
NHK 5月30日 19時22分

ー略(上記ニュースと内容が同じため)ー
その結果、30日に開いた3回目の会合で、地下水の流入を減らすため、
1号機から4号機の建屋全体を囲むように水の流入を遮る壁を設置する新たな対策をまとめました。

具体的には、複数ある壁を造る工法の中から、
遮水効果の高さや工事期間の短さから、地盤を凍らせる方式を採用し、
平成27年度前半までの運用を目指すべきだとしています。

そのうえで長期的な対策案も示し、遮水壁に加えて、
建屋の山側の井戸から地下水をくみ上げて海に放出する「地下水バイパス」などの方法を組み合わせて、
段階的に地下水の流入を減らし、最終的に8年後の平成33年までに地下水の流入を止める
としています。

東京電力などによりますと、遮水壁は地下水の流入を強制的に遮ることから、
最悪の場合、建屋周辺の地下水の水位が下がりすぎて、
汚染水が建屋から地下水側に逆流するおそれがあるということです。


このため、遮水壁の設置に当たっては、地下水の水位が下がり過ぎた場合に、
井戸に水を入れて水位を回復する対策なども検討すべきだとしています。

ただ、地盤を凍らせるて造る遮水壁は設備の維持にかかるコストが高く、
水位の管理という技術的な課題もあり、
専門家委員会は、国に研究開発や制度面での支援など積極的な関与を求めるとともに、
早急に実現可能性を検討すべきだとしています。


地下水の現状と課題

福島第一原発には、敷地の山側にある高台から海に向かって
大量の地下水が流れて汚染水増加の原因となっていて、
いかに地下水の建屋への流入を減らすかが課題となっています。

その対策としてこれまでに検討されてきたのが、
サブドレンと呼ばれる建屋の周囲にある井戸から地下水をくみ上げて
地下水の水位レベルを低く保つことや、地下水の流入経路となっている建屋の隙間などを埋めること、
それに、山側に新たに井戸を堀って建屋に流れ込む前にきれいな地下水をくみ上げて海に放出する
「地下水バイパス」という方法などです。

しかし、サブドレンは、事故で放出された放射性物質で汚染されて復旧のめどがたっていないほか、
建屋の隙間を埋める作業も高い放射線量がネックとなって進んでおらず、
900近くあるとされる建屋の隙間のうち、埋めることができたのは3か所にとどまっています。

このため、最も現実的な対策として検討が進んでいたのが「地下水バイパス」でした。
東京電力は、建屋の山側12か所に新たに井戸を掘り、
水質検査で放射性物質の濃度が法令の基準以下であることを確認したうえで
海に放出する計画でこの対策によって
地下水の流入量を最大で1日100トンほど減らせると見込んでいました。

当初はことし4月中にも実施したい考えでしたが、地元の漁業者側から
「地下水と汚染水の違いについて区別がついていない」などの反発があり、
海への放出に同意が得られず、結論は持ち越されました。

抜本的な解決策が見いだされないなか、汚染水は1日400トンのペースで増え続けています。

これらの汚染水は、一部の放射性物質を取り除く処理を行ったあと、
溶け落ちた核燃料の冷却に使われ、現状では、原発の敷地内のタンクで保管するしかありません。

こうしたなかで地下の貯水槽からの汚染水漏れが発生し、政府は、東京電力任せの対策を抜本的に見直そうと急きょ専門家などよる委員会を設置して、検討を進めていました。

凍土式の地下遮水壁とは

福島第一原発の汚染水対策で採用されることになった地盤を凍らして地中に壁を造る工法は、
水の流入を防ぎたい地下鉄のトンネル工事などで実績があります。

「地盤凍結工法」とも呼ばれるこの工法は、ゼネコンの鹿島が提案し、
案では、1号機から4号機までの建屋全体を囲むように1メートルほどの間隔でパイプを埋め、
その中にマイナス40度の液体を流して循環させ地盤を凍らせて固めることで、
水の流入を防ぐとされます。

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基本的に地中にパイプを埋めるだけでよく、
工事期間が1年から2年ほどとほかの方法に比べて短く作業員の被ばくを抑えられる一方、
パイプに冷却用の液体を流し続ける必要があり維持コストがかかるほか、
今回のような大規模なものでは10年以上の長期にわたって運用された実績はほとんどありません


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鹿島などによりますと、地盤を凍らせて造った壁は水を通さないということで、
凍った地盤が溶けないかぎりは機能が維持されるほか、
地震などでひびが入ってもすぐに再び凍らせることができるということです。









以下ぜ―んぶ2011年の発言のなかのほんのほんの一部です。
文字起こしを始めたころの記事は大変読みにくい(><;)ので、一部修正してここに抜き出します。


たねまきJ「行程表に関して」小出裕章氏(内容書き出し・参考あり)7/13

近藤:地下に沈みこんでいる物についての問題点の指摘というのがまるで聞こえてこないんですよね

小出:そうですね

近藤:これは、地下に沈みこんでいるから もういいと思っているんですかね

小出:
わかりません
わたしはですから、地下水に接触する前に囲いをつくって汚染の広がりを防いで欲しいと言ったわけですけど
結局それも何の手だても取られないまま今日に来ていますし
毎日新聞があちこち取材してくれたら1000億円のお金がかかるので東電の株主総会の前には言えないとか
そんな話だったという事が新聞に出ていたと思います
政治の世界は困ったものだなと思いました


たねまきJ「ステップ1達成について」小出裕章氏(内容書き出し・参考あり)7/20

小出:
今やるべきことは決まっているのですね
めり込んでいく炉心が地下水と接触することを断たなければならないわけですから
前から聞いていただいているように地下にバリアを張る
地下ダムという言葉を使われる方もいらっしゃるけど
それをやらなければならないし
一方で環境の汚染を防ぐために溜まっている汚染水を何とか漏れない所に移さなければいけないという
そういう、とにかく緊急にやらなければいけないことを一つずつ積み上げていくという
その先にしか方策は見えてこないと思います

水野:
今おっしゃいました地下ダムという
地下水に触れないように汚染水を遮断する壁を作るという話しは
これは、すぐにやる話なのかと私は思っていたんです
小出先生が前からおっしゃっていましたよね

小出:はい

水野:
ところが、これ、どうやら行程表の中では
ステップ3でやるらしいですね

小出:そうですね

水野:今から検討に着手するんですね?考えるって事ですよね?

小出:そうです。あまりにも遅すぎます

水野:その間、要するに地下に汚水が流れているんでしょ

小出:そうです?

水野:その事は何にも言わないですね

小出:そうです


たねまきJ「腐葉土のセシウム他」小出裕章氏(内容書き出し・参考あり)7/25

平野:
遮水壁ですね。いわゆる地下ダムに近いものですけど
先生、政府が前倒しで今年の秋から第2工程表でやるという事を言い出したのですけれども
1000億かかるということで
先生はずっと指摘していらっしゃいましたがこれはいい方向に向かっていると思っていいんでしょうか

小出:
もちろんそうだと思いますけれども
秋からではなくて今やらなければいけないと思います

平野:
1000億というお金がものすごく高いと思うのですが
先生はそんなに大掛かりにやらなくてもいいというようなお考えだったように聞いたんですけど

小出:いえいえ、そんなことありません。

平野:
たとえば30メートル掘らなくても10メートルでも
やれる段階でやったらいいんじゃないかと

小出:
はい。
要するに私自身もよく分からないのです
溶けた炉心が地面にめり込んでいくはずだと私は推定しているのですが
そのめり込んでいく深さがいったい何メートルなのかという事が私にはよく分かっていません
めり込んでいった塊が地下水と接触しないようにしなければいけないのですが
めり込む深さまでは最低やらなければいけないと思いまして
私は5メートルか10メートルというように言っているのですけれども
確実な根拠がある訳ではありません
ですから、本当に安心を求めていくならば岩盤に達する程の深さまで持って行かなければいけないだろうし
そうするとずっとお金はかかるだろうと思います


吉田照美ソコダイジナトコ 「原発のウソ、そしてホントの話」
小出裕章氏(内容書き出し・参考あり)8/22


吉田:これは、汚染水の地下水への影響はあると思うんですけれども
どんどん滲みている状況を防ぐために、地下ダムみたいなものをやるっていう作業するみたいな事を言ってたのは
その後情報として聞こえてこないというのは何なんですかね

小出:私はかなり早い段階から地下ダムを作らなければいけないと発言をしていたのですけれど
東京電力は5月の27日か28日に株主総会があったんですね
で、その地下ダムを作ろうとすると、私が聞いた話では
どうも、1000億円のお金がかかると、
それを株主総会の前に発表するのは嫌だと東京電力が言っていた

吉田:その空気感がモロに伝わってきていましたね

小出:聞きました、
しかし、私は、その1000億円という値段を聞いて
「冗談を言わないでくれ」と、実は思った

吉田:えっ!どんなことですか?

小出:1000億円位ケチるな。と

吉田:ああ、確かに

小出:今度の事故を収束させる、あるいは被害の全体を賠償しようと思えば
何十兆ものお金がかかるのです
1000億円なんて、もう、そんなことケチっている場合ではない
即刻でもやるべきだと私は思ったのですが
株主総会が終わった後も東京電力としては、すぐに、どうも、やるという動きはありません
ただ、行程表が改定されて、第2段階だったのか、それ以降だったのか・・・
やはり、彼らも地下ダムを作る、そういう案が出てきていましたので
いずれやることになるだろうと思います

吉田:そんな・・・いずれ・・というおっとりした状況じゃぁ良くないんですよね

小出:そうです、
すでに、今現在も、どんどん汚染水が海に向かって流れていっている訳ですね
ですから、一刻も早く本当はやらなければならない



小出裕章氏・吉田照美ソコダイジナトコ「2号機は爆発していると思います」
12/13(内容全て文字起こし)


吉田:
東京電力も一瞬はその地下ダムに関しての話しというのは、
一瞬出たもののその後一向に出て来ないというのは、
要するにお金がもったいないからその話しは出てこないんですか?

小出:
それが一つだと思いますし、
地下にバリアを張ろう思うと、大変な被ばく環境で大がかりな作業をしなければいけないので、
作業員の被ばくという事をどうするかという大変な問題があるのだろうと思います




凍った土の遮水壁。
工事にかかる手間や作業員の被ばくは少なくて済みそうだけど、
冷却材を入れ続けなければいけないという所にちょっと引っかかります。
冷却材を入れなければ溶けてしまうという事なのだろうから、
たとえば電源が切れたら地下はドロドロと溶けて、恐ろしい事になりそうだ。
長い長い期間という事を考えた時、
今、一番手軽にできるからと言って、この方法でいいのか?
地震でヒビが入っても再び凍らせ場問題ないという事だけど、
地震でパイプ自体が折れちゃうとか、
停電したらどうなるんだろう?
とても良い方法のようにも思えるけれど、
安易な感じもして、危ないような気もします。

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