井戸
福島第1で高濃度の放射性物質 観測用井戸から
東京新聞 2013年6月19日 10時31分
東京電力は19日、福島第1原発で、
2号機タービン建屋東側に設置した観測用の井戸から採取した水を分析した結果、
1リットル当たり
ストロンチウム90が1千ベクレル、
トリチウムが50万ベクレルなど、高濃度の放射性物質が検出されたと発表した。
東電によると、井戸は第1原発港湾内の放射性物質濃度が高い原因を調べるために昨年12月ごろ設置。
タービン建屋と海の間にあり、5月下旬に採取した水を分析したところ、高濃度の放射性物質が検出された。
(共同)
基準超の放射性物質 公表まで2週間余
NHK 6月19日 19時25分
福島第一原発の海に近い観測用の井戸で採取した地下水から、
海への排出基準を上回る放射性物質が検出された問題について、
東京電力では、先月31日には発電所の担当部署が把握していましたが、
公表まで2週間余りがたっていました。
東京電力によりますと、今回、観測用の井戸の地下水の調査は、先月24日に水を採取する作業が行われ、
その後の分析で先月31日にはトリチウムの濃度が基準の値より高いことを
発電所の担当部署が把握していました。
しかし、このデータはすぐに本店とは共有されず、
本店の担当部署には今月11日になって伝えられたということです。
さらに、経営陣への連絡や、分析に時間がかかる放射性ストロンチウムの結果が出るのを待って、
19日に公表したとしています。
東京電力は
「分析結果を精査していたことやストロンチウムの結果がまとまるのを待っていたため、
結果的に公表が遅くなり、申し訳ない」と話しています。
19日の国の原子力規制委員会でも、委員の1人が
「もっと早く発表できたと思う。トラブルが起きたと分かったら、速やかに公表すべきだ」
と指摘しました。
東京電力の情報公開を巡っては、ことし3月、
停電で福島第一原発の使用済み燃料プールの冷却システムなどが止まった際も
公表の遅れが指摘されました。
海に近い井戸でも高濃度汚染…福島第一原発
(2013年6月29日20時04分 読売新聞)
東京電力福島第一原子力発電所の1、2号機タービン建屋海側にある井戸の地下水から
高濃度の放射性物質が見つかった問題で、
東電は29日、海の近くに新たに掘った井戸から、
地下水1リットル当たり3000ベクレルの高濃度の放射性物質を検出したと発表した。
東電は、これらの井戸付近で2年前に漏れ出た汚染水が広範囲に広がっているとみており、
海への拡散を防ぐため護岸などの地盤改良工事を急いでいる。
東電によると、新たに掘った井戸は、
今月19日に高濃度の放射性物質が検出されたと発表した最初の井戸から海側に19メートルの位置にあり、
海まで6メートルしかない。
28日に採取した水を分析した。
同じ日に最初の井戸から採取した地下水からは、同1400ベクレルの放射性物質が検出された。
井戸から放射性物質90万ベクレル…事故後最高
(2013年7月5日21時48分 読売新聞)
東京電力福島第一原子力発電所の海側にある井戸の水から高濃度の放射性物質が見つかった問題で、
東電は5日、2号機タービン建屋に近い、海から約25メートル離れた別の井戸の水から、
ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が1リットルあたり90万ベクレル検出されたと発表した。
事故後に検出された地下水や海水の汚染としては最も高い濃度。
高濃度の放射性物質が新たに見つかった井戸は、2011年4月、高濃度の汚染水が海に漏れ出た地点から数メートルの場所にある。東電は、この時の汚染水が残っていた可能性が高いと説明している。
同様の放射性物質は、今回の井戸の約30メートル北東にある井戸から今月1日に採取した水からも、
1リットルあたり4300ベクレル検出されている。
セシウム3日で90倍 一昨年汚染水漏出近くの井戸
東京新聞 2013年7月9日 夕刊

東京電力は九日、福島第一原発2号機の取水口近くの汚染監視用の井戸で、八日に採取した地下水から
1リットル当たり2万7000ベクレルの放射性セシウムが検出されたことを明らかにした。
五日に同じ場所で採取した分に比べて、濃度は90倍近くに上昇した。
これまでは、周辺の地下水も含め、セシウムはほとんど検出されていなかった。
建屋地下やトレンチ(地下のトンネル)にたまる高濃度汚染水による汚染が拡大している可能性が高まった。
今回の検出場所は、
一昨年四月に海に大量の高濃度汚染水が流出して大きな問題になった取水口近くのピット(立て坑)から、
建屋側に九メートルの場所に新しく掘られた井戸。
五日採取の水からストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が90万ベクレル検出されたが、
その際、セシウムの値は309ベクレル止まりだった。
しかし、八日採取の水からはストロンチウムなどが89万ベクレルと依然として高い水準で検出された上、
セシウム134が9000ベクレル、同137が1万8000ベクレルの計2万7000ベクレルを検出した。
東電はこれまで、一昨年に漏れた高濃度汚染水の一部が土壌中に残り、
そこに含まれるセシウムが土の粒子と結合して土に残り、
ストロンチウムなどは地下水に押し出されて井戸に出てきた可能性が高いとの見方を示してきた。
しかし、セシウムがこれまでよりはるかに高い値で検出されたことで、
タービン建屋地下やそこにつながるトレンチから高濃度汚染水が漏れている可能性が高くなった。
東電は海に近い部分を土壌改良し、海への汚染拡大を防ぐ対策を進めているが、
より監視を強化する必要がある。
◆海洋影響は不明
<東京電力の話> セシウムが三日間で上昇した原因を分析中。今のところ、海への影響は分からない。
セシウム濃度上昇 対策強化の必要指摘
NHK 7月10日 4時17分
東京電力福島第一原子力発電所の観測用の井戸の地下水から放射性物質が高い濃度で検出された問題で、
監視を強化するため新たに掘られた井戸では、放射性セシウムの濃度が4日間で100倍余りに上昇し、
専門家は、
東京電力が行っている汚染水の流出を防ぐ対策や調査をさらに強化する必要があると指摘しています。
福島第一原発では、ことし5月以降、海に近い観測用の井戸の水から高い濃度の放射性物質が検出され、
東京電力は監視を強化するため新たに井戸を掘って調査を続けています。
これらの井戸の1つでは、採取した水に含まれる放射性セシウムの濃度が
今月5日から8日にかけて90倍に上昇し、
9日の測定ではセシウム137の値が1リットル当たり2万2000ベクレルと、
5日の値の100倍余りにさらに上昇しました。
これまで東京電力は、事故直後のおととし4月に2号機の近くで海に流れ出た高濃度の汚染水がしみ込み、
この放射性物質が検出された可能性があると説明していましたが、
土に吸着されやすいセシウムの濃度が上昇したことで、
おととしの汚染水の流出だけでは説明がつかなくなっています。
東京電力は原因を調べるとともに、流出を防ぐため井戸に近い護岸に薬剤を入れて固める工事を行い、
観測用の井戸を増やして監視を強化することにしています。

これについて、地下水に詳しい産業技術総合研究所の丸井敦尚総括研究主幹は、
建屋などから新たに汚染水が漏れ出している可能性を考えて
「護岸を固めるだけでなく、原子炉を囲むように鋼鉄製の仕切り板を打ち込み、
さらにその隙間に水を通しにくい粘土を入れるなどして、何重にも対策をとるべきだ」と述べ、
海への流出を防ぐ徹底した対策が必要だと指摘しています。
そのうえで、調査について
「地下水は横だけでなく上下にも動くので、さらに敷地内の広い範囲に観測用の井戸を設けるほか、
沿岸の海底で地下水が湧き出している場所の調査も行い、
地下水の全体的な流れを把握したうえで、抜本的な対策を立てるべきだ」と話しています。
海水
過去最高濃度のトリチウム、福島第一取水口で
(2013年6月26日22時34分 読売新聞)
東京電力は26日、福島第一原子力発電所の港湾内で24日に採取した海水から、
1リットルあたり1500ベクレルに上る放射性物質のトリチウム(三重水素)を検出したと発表した。
採取場所は1~4号機の取水口付近で、2年前の観測開始以来、最も高い濃度。
国が定めた許容限度(同6万ベクレル)より低いが、
4月の同110ベクレルから今月21日は同1100ベクレルと、上昇し続けている。
約150メートル南西にある井戸の地下水からは、
5月下旬以降、1リットルあたり50万ベクレルのトリチウムが検出されている。
26日の原子力規制委員会の定例会で、更田(ふけた)豊志(とよし)委員は
「汚染水漏えいの影響が海水に及んでいる可能性が強く疑われる」と指摘。
詳細な調査や、港湾の地盤を薬剤で固めて地下水の海への流出を防ぐ工事を急ぐよう求めた。
海水のトリチウム濃度 最も高い値に
NHK 7月6日 18時23分
東京電力福島第一原子力発電所で、
海に近い観測用の井戸の地下水から放射性物質のトリチウムなどが高い濃度で検出されている問題で、
井戸の近くの港で採った海水のトリチウムの濃度がことし5月から上昇を続け、
この2年間で最も高い値になりました。
福島第一原発では、ことし5月以降、2号機の海側にある観測用の井戸で採った地下水から
放射性物質が高い濃度で検出されていて、東京電力は海への影響を調べています。
その結果、原発の港にある取水口の北側で、
今月3日に採った海水のトリチウムの濃度が1リットル当たり2300ベクレルと、
先月21日のおよそ2倍に上昇していることが分かりました。
この値は国が設けている海への排出基準の25分の1程度ですが、
ことし4月までの1年ほどは、1リットル当たり100ベクレル程度だったのが、
5月以降、上昇する傾向が続いていて、
原発事故のあと観測を始めたおととしの6月以降では、最も高い値になりました。
観測用の井戸の近くで新たに掘った別の井戸では、
5日、地下水からストロンチウムなど、ベータ線という放射線を出す放射性物質が、
これまでで最も高い1リットル当たり90万ベクレルという濃度で検出されています。
東京電力は「地下水が海に流れ出た可能性は否定できないものの今は特定できない」として、
観測用の井戸を増やして監視を強めるほか、
護岸の地盤を固め、井戸の水が海に漏れ出すのを防ぐことにしています。
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コメント
フランスのLe Monde紙が2013/07/03にこんなことを行ってますね。リンクを参照して下さい。