福島に住み続けるために必要だと思う事3点 SAFLAN-­TV(文字起こし)

SAFLAN-TV第20回 福島に住み続ける その3 
〜その日常生活〜
2013年2月25日


SAFLAN-­TV。
司 会:松井さやか(弁護士)・井桁大介(弁護士)
ゲスト:菅波香織(弁護士)



2013062325.jpg

松井:
今回は福島に住み続ける第3弾という事で、引き続きサフランの菅波さんとお伝えしていきます。
前回まで菅波さんに福島に住み続ける生活について伺ってきたんですが、
住み続けるにあたって菅波さんが必要だと思う事を3件あげていただきました。

まず第1点が、「科学的に十分な解明をされていない」という事への理解
これはどういった意味でしょうか?


菅波:
そうですね、サフランの活動という支援法のいろいろな活動というのがありますけれども、
支援法の文言の中に、「放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分解明されていない」と、
いう事が記載されています。

井桁:それが法律の文言にも入っています。

菅波:
それが私が今福島で生活している中では、
非常のその支援法があるっていう事がすごく心強いなと思う所でして、
「科学的に十分解明されていない」という事は、
「放射線の影響というものに対して不安に思ってもおかしくないんだよ」という意味だと思うんですね。

いま放射線の影響に対していろいろな考えの方がいて、
そのなかで、ま、あんまり気にされない方と気にする方とで、
分断というものもすごく起きている現状が福島の中にあると思いますので、
そういった、「十分に解明されていない」ということが前提となった時に、
ま、「不安に思う事がおかしいよ」とか、「避難するのはおかしい」とか、
そういうことを、お互いが責めたり傷つけあったりという事が
無くなっていくんじゃないかなというふうに思っています。


松井:
実際にお住まいのいわき市の中でも、
あまり放射線について
「『危険だ』という事を言ってはいけない」っていうふうな空気があるっていう話ですよね?


菅波:
そうですね。
いわき市はかなり最初の段階で「安全前言」というかたちもありましたし、
いまも学校などでも、線量が一部高い部分もあるという中で、
そういうところを除染…ま、除染してほしいという事を話をすると、
「いや、その『除染』ということは言わないでくれ」と。

井桁:言わないでくれと。

2013062322.jpg

菅波:いうことで、
「除染」というキーワードだったり、「放射能」ということだったり、
そういう事を言おうとするとストップが入るというような状況はあります。

「除染」については、「除染」じゃなくて「環境整備事業」です。と、言葉をわざわざすりかえる。

それは、放射能・・・汚染…という事で子どもにストレスを与えない、
・・・っていう意味あいも無くはないのかなとは思うんですけれども、
逆にその…なんていうのか、
「隠す」というか「言うな」「言うな」という事の影響で
ストレスとか精神的な負担を感じている親御さんも沢山いると思いますし、
そういう親御さんを見てストレスを感じるお子さんもいっぱい居るのかなぁというふうに思います。

井桁:
そういった行政の側にこういった
「科学的に十分解明されていないんだ」ということを前提とした対応を取ってもらいたいと

菅波:
そうですね、行政もそうですけれども、
住民の間でもそういうことを前提に、ま、いろんな考え方がいると。
「そういう考え方もあるよね」という事で、認めあえるというような空気が
こういう理解が進めば出来ていくんじゃないかなというふうに期待できると。


松井:
すごくその、生活上放射線を浴びないようにというか、
内部被曝も外部被ばくもすごく気を付けている家族がいるとして、
そういう家族を共有しないような空気ではなくて、
解明されていないんだからすごく怖がる人もいるし、そうじゃない人もいるという、
その両方を認める事ができるようになるという意見ですか?

菅波:そうですね。はい。

松井:
1点目は支援法にもあるんですけれども、「科学的に十分解明されていないという事への理解」
もうひとつなんですが、
「安心して遊ぶことができる環境」ということですがこれは?


菅波:
そうですね、今ある程度いわきは線量が低いというところもあって、
あまり、あまりというか制約も無く今活動はありますけれども、
「一部線量が高いところもまだある」というところと、
あと環境省の方で、0.23マイクロシーベルト/h以上の汚染がある所については
除染の費用を国が負担するというふうになっていて、
その基準である程度除染というものがいわき市でも進んでいるんですけれど、

その測り方も、あの…、なんていうか、
広い面積のところである程度ポイントを絞って測って平均値を取るというやり方なので、
もっと高いところを取れば0.23を超えるような場合でも、
恣意的にやってしまえばそこは0.23は声無いよと。

ただ、「原発事故でかなり放射性物質がそこにある」という事は分かっているので、
子どもがある程度長い時間活動するようなところとか、通学路とか、
そういうところは0.23という事に関わらず、きちんと除染して、
そういう所での内部被曝も外部被ばくも照らすという事が一つ大事な事かなというふうに思います。



松井:実際に菅波さんのお子さんが通われている学校では除染はされてないんですか?

菅波:
表土除去はされずに、
0.23マイクロ超えないという事で、うちの学校は引っかからなかったんですけど。

2013062321.jpg

井桁:
今回は「遊ぶ」という事を書きましたけれども、
外でいわゆる遊びをする事だけではなくて、もう少し広い意味合いなんですよね。

菅波:
そうですね。外で遊ぶという事、外でも運動もそうですし、
それは、遊ぶというと保育園や園児、小さい事言うイメージもありますけれども、
小中、高校生の屋外での運動っていうことも安心してできるというところが、
整う事が必要かなと思います。


松井:
人間として健康的に過ごそうとすると、
やはり運動したり外気にあたったり、自然に触れたりというのが、

菅波:
そうですね。
逆に、都会じゃなくて、我々が住んでいる、田舎に住んでいる人っていうのは、
そういう自然環境で伸び伸びと子どもを育てたいっていうふうに思って住んでいる方が多いと思うんですね。
それがかなり制約されているというのは、
そういう人々にとってはかなり苦痛な状況を強いられていると思います。


井桁:3つめですね。「緊急時の備え」

松井:この緊急時の備えというのは、、これはどういった事でしょうか?

菅波:先ほどヨウ素剤もお見せしましたけれども、

2013062323.jpg

松井:前回見せていただきました。こういう形で。

菅波:
いわき市は福島第一原子力発電所から、40km前後の場所にあります。
で、今回の事故でもヨウ素がかなり初期に高濃度で飛んできたという事もあります。
事故収束というような発表はありましたけれども、
まだまだ予断を許さない状況は続いていて、
余震もまだまだ大きいものが続いている中で、
万が一、また原発事故…、
そのもう一度の原発事故っていうのは本当にあってはならないし、
なんとしても防がなければいけないと思うんですけれども、
万が一そういう事があった時に、
こういったヨウ素剤を服用するような事態になってしまうのか。
で、今私は学童保育に子どもを預けて会長もやっているんですけれども、
たとえばその子どもを預けている時間帯原発事故が万が一起こった時に、
本当にどうやって子どもたち全員を安全に避難させるのか。
私がどこまで責任を負えるのか。
そういったところの不安は常に付きまとっての生活になっています。

ですので、行政の方にはそういった時の、緊急時の避難のマニュアルというのをきちんとつくって頂いて、
マニュアルがあっても周知されていなければどうしようもないので、
きちんと周知したうえで避難訓練もするとか、
そういった事が原発から近い所に住んでいる我々にとっては必要なのかなというふう医は思います。

井桁:
やはり社会全体、もしかしたら行政だけではなく社会全体で、
もう、「少なくても福島の原発がまたなにか、爆発したり事故になるっていう事はないだろう」というふうに、
どこか安心しちゃっている所があるかもしれません。


松井:
またそういうことはちょっと、言いづらいというか。
やはり絶対にあってはならないという事ですけれども、
それを想定すること自体がすごくストレスになるような、っていうような圧力とか、
そういったものもあるのかもしれないですね。

菅波:そうですそうですね。

井桁:
もともとあの事故は起きないだろうという事を前提にああいうふうな生活、
原発を建てて「事故が想定外だ」と言ってたわけですから、
やっぱりあり得る事、
本当はあってはいけないけれども、あり得ることとしての緊急時の備えというものは
やっぱり意識しなければいけないという事ですね。


菅波:そうですね。

2013062324.jpg

松井:
福島に住み続けるために必要だと思う事3点をお話しいただきました。
最後に菅波さんにSAFLANとしてどのように活動していきたいかといった事を伺いたいんですけれども、
どのような活動をしていきたいですか?


菅波:
そうですね。今まさに支援法の関係で言うと、
基本方針の策定というところで一生懸命やっていただいているところだと思います。
で、住民の意見を聞くというふうに法律には書かれていますけれども、
なかなか復興庁の方が直接聞きに来られるという機会がほとんどないという状況がありますので、
私としては地元の広いいろんな方の意見を聞いて、
それを基本方針に反映していただけるような活動を継続してやっていきたいというふうに思っています。

松井:
当事者であり、弁護士である菅波さんだからこそできる活動だと思いますので、
引き続き頑張りましょう。
ありがとうございました。


文字起こしは3回目のみしましたが、これ以前の
SAFLAN-­TV1回目と2回目のYoutube ↓

第18回 福島に住み続ける その1〜住み続ける理由〜 2013/02/11
http://youtu.be/Ul2sWHfWSnE

第19回 福島に住み続ける その2 〜その日常生活〜 2013/02/18
http://youtu.be/Lvu-YhByxiU








関連記事

コメント

非公開コメント