広瀬隆「原発、福島・人権、そして憲法」
2013年6月2日 福島市AOZ
日本の敗戦前から戦後史へ
58:16~Youtube→http://youtu.be/Re0Jf42F5Go?t=56m16s


えーっとね、憲法
腹が立ってしょうがない事をちゃんと言っておきますけれど、
これはみなさんのところに、経過がずーーっと、文字ばかりでね、あるけれども、
後でしっかり読んで、それを自分で打ちなさい。いいですか、読んだだけじゃだめ。
それを全部打っていくとわかるから、書いてある意味が。
いいですか、ちゃんと説明します。

これはGHQが、憲法が施行された後に出した、おもしろいチラシですよ、これ。
憲法施行前、
以前は役人の前に平民がへつらっていた。
今は役人も住民も同じである。
それから、以前は天皇が偉くて次に貴族で、男が偉くて次に女は末端に居た。
今は全部同じです。
こういう事をね、書いた。

こんどこれはね、
以前は子どもの結婚をみんなおやじが決めて支配して、財産を持って、自分だけが事柄に携わっていた。
今は、男女平等である。

それから信教ね。
帝国時代には神道だけでキリスト教会も佛教も全部ダメだったのが、
今はどの宗教も大丈夫です。
ということ。
いいですか、その後日の丸・君が代問題が起こってくるので言っておきますけれども、

日の丸に何の罪もありません。
これは幕末にペリーやなんかが来航してきて、
「これは危ない」と言うので薩摩の藩主島津斉彬(なりあき)が
日本の船と外国の船を区別するために作った。
こういう旗の綺麗な日の丸。
これには何の、そういう戦う意思はありません。
お互いに国を識別するためにつくったのが日の丸なんです。
今はどうなってます?
外国で何と言ってます?
こういうマークが付いているんです、日の丸に。

ドイツ人が出してる、ね。こういうふうになっちゃってる。
さぁ、

以前は陸運軍大臣が内閣を支配していた。
今は内閣が全てを支配するんです。
文民でなければならないという事を定めています。

以前は為政者が税金を使い放題。
今は税金はきちっとですね、なっているかどうかはこれは怪しいけれど、
ともかくこういうルールになっています。
議会で全部決めていくんです。
という事になっている。
という事で「国民に主権がある」という事を定めたこの当たり前の条文を誰が制定したか?

新聞を読むとなに?
「GHQが制定した」という石原の言葉しか出てこないじゃないですか!!
なんにも反論していない。
誰一人反論しない。
おかしいじゃない!
「お前ら子どもなのか」って言いたいんですよ。
そうでしょ。

これ今から日付の順でバーッと送っていきますから、いいですか。

戦後、日本がさっき言ったミズーリで降伏文書に調印してから、
まず立ち上がったのは文化人グループなんです。
「このままじゃいけない」
「日本はこのまま進んではいけない」
「ただ敗北した国であってはいけない」
「我々はきちんと自立すべきだ」という事で
辰野隆、正宗白鳥、山田耕筰、山本実彦、村岡花子たちが立ち上がって、
文化の民主主義化を促進する。
「民主主義化」という言葉を使って、立ち上がって、

そうして大原孫三郎って、ご存じ有名なの大立者がお金を出して、
大原社会問題研究所に、この高野岩三郎を連れて来て、
そしてこの文化人連盟を発足するんです。11月にね。

その時にですね、高野岩三郎という偉い男がですね、
戦時中はほとんどNHKは、日本放送協会は当時侵略戦争に狂奔していたのを、
これを引き継いでNHKの会長に戦後民間として初めて就任して、
そしてストライキをやったり労働組合と、そういう吉田茂なんかと対峙する中を全部動きまわって、
紛争を民主化しようという事をやった素晴らしい人です。
この人達がいた。
ところが、この時余計なのが出てくる。

近衛文麿グループが動いて、マッカーサーと会談をして、
佐々木惣一とか高木八尺とか松本重治達が出てきて、憲法草案の作成に着手するんですね。
要するに、
マッカーサーが「憲法を変えないとダメだこの国は」と
日本人は12歳だ、13歳だと言って、バカにした。
それで、
この時その言葉を聞いたこの連中がなんと言ったかというと、
「民主主義ってどういう事だ?」
言われた意味が分からなかったそうです。
「民主主義」っていう事さえもわからなかった連中が、この近衛グループ。
記録に残っている。
マッカーサーとあって帰って来てから、
「民主主義って何のこと?」って言ったそうですけど、こういう連中ですよ。

それでですね、それを聞いたアメリカがビックリしちゃったわけ。
近衛が出てきた。
いったいどういう事だ。
「日中戦争を起こしたたあの近衛じゃないか」
「なんであんな奴が憲法作成にかかわっているんだ」
ということで、ニューヨークタイムズやなんかが怒ってですね、
「近衛が憲法をやるんならナチスのゲーリングを連合国のトップに据えるようなもんだ」
ということをいって、それでGHQもたまげて、
「そんなことは我々頼んだ訳じゃない。近衛に日本の憲法を変えろと言っただけだ」
という事で立ち切ったんですが、

それでもですね、草案を発表したんですね。
ところがもう、その直後近衛文麿に逮捕命令が出て近衛は自殺をします。
で、ゲーリングも自殺をするんですけれど、

この時もうひとつ動くのが松本烝治(じょうじ)のグループで、
これは幣原喜重郎という三菱財閥の一派の人間が、
これがまた、マッカーサーが彼らに対してですね、
「自由主義をちゃんとやりなさい」と「人権を確保しなさい」という事を要求したので、
松本烝治達が動いたんですが、
「憲法改正」の意味さえもわからなかったんです、松本烝治。

ここで大事な日本人のグループが出てくるんです。
それが鈴木安蔵さん達、この人達で、
この人だけに私は敬語を使います。
この鈴木安蔵さんが「自由憲法の必要性について」という講演をやってですね、
そうしてこの文化人たちと一緒に7人の侍が憲法研究会を結成するんです。
日付も大事ですよ。

そうして、言論の自由、男女平等、生存権、転向することも何をやってもよろしい
本当に命と でよろしい。
民主主義の屋台骨となる思想をダーッと全部骨組をですね、どうやって謳うべきかということで、
そうしてクリスマスに鈴木安蔵が憲法草案を完成して、
これを最終案として研究会が確定したんです。

で、この骨子はですね、
その時問題だったのは天皇の取り扱いだったんですが、
天皇をそのまま廃止するという意見ももちろんあったんですが、
強引にやると他の大事なことも全部ダメにされる可能性が高い、
いまの日本の国民の感情、やはり彼らも民度をちょっと測ったんですね。
それでともかく天皇制は廃止しないという事にはしておくけれど、
とにかく儀礼的存在、お飾りだけにしておく、何の実権も持たないという、
そういう存在にするという事で、これは12月28日に、1945年ですよ。
毎日新聞に鈴木安蔵草草案が掲載されて、
で、気が付いたGHQがね、これを見て、GHQはビックリしちゃった。
「素晴らしい内容だ」と。
「これこそ俺たちが日本にやっていた事だ」という事だったんです。

そして同時にその頃、各政党の上でね、その中で一番明確に動いたのが日本共産党で、
この第一回の全国協議会で新憲法の骨子を決定したんです。
が、この時ですね、共産党の文言では、「天皇制を廃止する」ということを明言したんですね。

で、こういう事でまとめますと、要するに3つ45年内に生まれた憲法草案と、
3つのなかで共産党案が一番早かったんです。
次に佐々木惣一草案、
それから鈴木安蔵草案が出たんです。
だけど、内容が問題で、
ともかく共産党はマッカーサー相手ですから、これはもう、最初から育つ芽がなかった。
それで潰される訳です。
佐々木惣一草案は天皇の統治権を維持すると、何も変わってない。
これも、空中分解した。
結局、鈴木安蔵草案しか使えるものが無いという事は、GHQにすぐ分かったんです。

それでですね、ここでマイロ・ラウエルという人物が
「これを基にやれ」と、
もうすでにGHQも憲法について準備的研究と提案のレポート作成が進んでいたんですが、
この鈴木安蔵の草案をみて、ただちにこれを翻訳しようということで、
で、マッカーサーは焦っていました。
「時間が無い、もう急がないとダメだ」ということで、
そうしてこの憲法草案を採用することになるんですが、
さて、この鈴木安蔵を紹介しておきます。

彼は、皆さんの福島県の相馬郡生まれの人です。
そして彼は、先程ずっと飛ばした凄まじい戦時中の治安維持法の批判で検挙されて投獄された。
そうしたことから憲法の事を研究するうちに、
吉野作造という大正デモクラシーのリーダーと会って、
そして研究をして、どんどん日本史をガーッと調べていったら、
なんと明治維新の直後に土佐の植木枝盛という素晴らしい男がいたという事を発見してですね、
そして「人民には抵抗する権利がある」
「国家が悪い事をしたら我々は抵抗していいんだ」と
革命権まで明記していたという事を知ったんですね。

そしてその源をさらにたどると、
中江兆民という素晴らしい男がフランスの本で、「社会契約論」を書いたジャン=ジャック・ルソーとか、
そういう奴をみんな読んで、そしてそれを翻訳していた。
そういうのを植木枝盛がそれを読んで、そして学んで、そして自分の国に当てはめて、
何をするべきか?という事で、自由民権論の議論を確立していった。

これが植木枝盛ですね。
郵便報知新聞というのは当時の反明治政府のリーダーだった素晴らしい新聞です。
郵便、彼らが支持したので郵便報知という、
この新聞の執筆は私も大好きなものばっかりですけど、
その人たちがやっていてそこに寄稿した。
そこで投獄されるんですね。
植木枝盛も投獄されます、明治時代に。
明治時代は極悪人相手ですから、まともな事を言うと投獄された。
いま佐々木も広瀬隆も投獄されないんですね。
ね!ここが大事です。
我々は守られているからこんなことを大声で言えるんです。
昔だったら全部投獄されています、我々は。
良いですか、そうしてですね、これは明治の初期のころですよ、
さっきの侵略をやっていた時代にこういう事を言っていた人がいたんです。

この「按」という字はこの「案」と同じ意味なんです。
今の字で書くとね。
東洋大日本帝国の国の憲法の按ですね。
を、出した。
こういう中にですね、世界中の、これまでの自分たちの考え方だけじゃダメだということで、
ヨーロッパのね、フランス人だけじゃない、イギリス人も、そういう考えも全部取り入れて、
その中でなにが優れているかを読み取って、自分たちの素案をつくった。
だからこういう流れです。

日本国憲法の土台がこうやって築かれてきたんです。
中江兆民から植木枝盛。それを発掘したのが鈴木安蔵。
この人が戦後に出てきたわけです。

で、1946年が明けて、急な動きでGHQが動いているというんで、
松本烝治たちが慌てふためいてですね、
封建的憲法をまたこしらええる、明治憲法と同じようなものをまたこしらえる。
それをGHQがまた見て、呆れて、
「一体この人達は何なんだ」と、「この日本人は何なんだ」という事で、
それでさっきの民生局のメンバーがですね、
国連憲章だけじゃない鈴木安蔵草案をアメリカの憲法、ドイツのワイマール憲法、フランスの憲法、
それからポツダム宣言などの沢山の資料を並べて、そうして、
日がなかったの。
もう急いで作らないと、日本人を早く追い詰めないとダメだという事で、

民政局は日がなかったので、ほとんど使えたのが鈴木安蔵草案だけだったんです。
ね。
結局そこの中に自分たちが知っているヨーロッパやアメリカの思想をはめていっただけなんです。
そこへですね、それが出来あがった、
GHQ草案が出来あがったところへ日本政府がバカな松本市案というのを持って行ったら、
それでバカにされて、
ここからがよくテレビに出てくるんです。
ここからあとだけがね。
それでその日本の政府の案をGHQが蹴ったというところから始まるからおかしい。
蹴るのは当たり前です。
つづくーー
「我々はそれを知らされない」広瀬隆氏6/3脱原発テント裁判を考える講演会(内容書き出し)
2013年6月2日 福島市AOZ
日本の敗戦前から戦後史へ
58:16~Youtube→http://youtu.be/Re0Jf42F5Go?t=56m16s


えーっとね、憲法
腹が立ってしょうがない事をちゃんと言っておきますけれど、
これはみなさんのところに、経過がずーーっと、文字ばかりでね、あるけれども、
後でしっかり読んで、それを自分で打ちなさい。いいですか、読んだだけじゃだめ。
それを全部打っていくとわかるから、書いてある意味が。
いいですか、ちゃんと説明します。

これはGHQが、憲法が施行された後に出した、おもしろいチラシですよ、これ。
憲法施行前、
以前は役人の前に平民がへつらっていた。
今は役人も住民も同じである。
それから、以前は天皇が偉くて次に貴族で、男が偉くて次に女は末端に居た。
今は全部同じです。
こういう事をね、書いた。

こんどこれはね、
以前は子どもの結婚をみんなおやじが決めて支配して、財産を持って、自分だけが事柄に携わっていた。
今は、男女平等である。

それから信教ね。
帝国時代には神道だけでキリスト教会も佛教も全部ダメだったのが、
今はどの宗教も大丈夫です。
ということ。
いいですか、その後日の丸・君が代問題が起こってくるので言っておきますけれども、

日の丸に何の罪もありません。
これは幕末にペリーやなんかが来航してきて、
「これは危ない」と言うので薩摩の藩主島津斉彬(なりあき)が
日本の船と外国の船を区別するために作った。
こういう旗の綺麗な日の丸。
これには何の、そういう戦う意思はありません。
お互いに国を識別するためにつくったのが日の丸なんです。
今はどうなってます?
外国で何と言ってます?
こういうマークが付いているんです、日の丸に。

ドイツ人が出してる、ね。こういうふうになっちゃってる。
さぁ、

以前は陸運軍大臣が内閣を支配していた。
今は内閣が全てを支配するんです。
文民でなければならないという事を定めています。

以前は為政者が税金を使い放題。
今は税金はきちっとですね、なっているかどうかはこれは怪しいけれど、
ともかくこういうルールになっています。
議会で全部決めていくんです。
という事になっている。
という事で「国民に主権がある」という事を定めたこの当たり前の条文を誰が制定したか?

新聞を読むとなに?
「GHQが制定した」という石原の言葉しか出てこないじゃないですか!!
なんにも反論していない。
誰一人反論しない。
おかしいじゃない!
「お前ら子どもなのか」って言いたいんですよ。
そうでしょ。

これ今から日付の順でバーッと送っていきますから、いいですか。

戦後、日本がさっき言ったミズーリで降伏文書に調印してから、
まず立ち上がったのは文化人グループなんです。
「このままじゃいけない」
「日本はこのまま進んではいけない」
「ただ敗北した国であってはいけない」
「我々はきちんと自立すべきだ」という事で
辰野隆、正宗白鳥、山田耕筰、山本実彦、村岡花子たちが立ち上がって、
文化の民主主義化を促進する。
「民主主義化」という言葉を使って、立ち上がって、

そうして大原孫三郎って、ご存じ有名なの大立者がお金を出して、
大原社会問題研究所に、この高野岩三郎を連れて来て、
そしてこの文化人連盟を発足するんです。11月にね。

その時にですね、高野岩三郎という偉い男がですね、
戦時中はほとんどNHKは、日本放送協会は当時侵略戦争に狂奔していたのを、
これを引き継いでNHKの会長に戦後民間として初めて就任して、
そしてストライキをやったり労働組合と、そういう吉田茂なんかと対峙する中を全部動きまわって、
紛争を民主化しようという事をやった素晴らしい人です。
この人達がいた。
ところが、この時余計なのが出てくる。

近衛文麿グループが動いて、マッカーサーと会談をして、
佐々木惣一とか高木八尺とか松本重治達が出てきて、憲法草案の作成に着手するんですね。
要するに、
マッカーサーが「憲法を変えないとダメだこの国は」と
日本人は12歳だ、13歳だと言って、バカにした。
それで、
この時その言葉を聞いたこの連中がなんと言ったかというと、
「民主主義ってどういう事だ?」
言われた意味が分からなかったそうです。
「民主主義」っていう事さえもわからなかった連中が、この近衛グループ。
記録に残っている。
マッカーサーとあって帰って来てから、
「民主主義って何のこと?」って言ったそうですけど、こういう連中ですよ。

それでですね、それを聞いたアメリカがビックリしちゃったわけ。
近衛が出てきた。
いったいどういう事だ。
「日中戦争を起こしたたあの近衛じゃないか」
「なんであんな奴が憲法作成にかかわっているんだ」
ということで、ニューヨークタイムズやなんかが怒ってですね、
「近衛が憲法をやるんならナチスのゲーリングを連合国のトップに据えるようなもんだ」
ということをいって、それでGHQもたまげて、
「そんなことは我々頼んだ訳じゃない。近衛に日本の憲法を変えろと言っただけだ」
という事で立ち切ったんですが、

それでもですね、草案を発表したんですね。
ところがもう、その直後近衛文麿に逮捕命令が出て近衛は自殺をします。
で、ゲーリングも自殺をするんですけれど、

この時もうひとつ動くのが松本烝治(じょうじ)のグループで、
これは幣原喜重郎という三菱財閥の一派の人間が、
これがまた、マッカーサーが彼らに対してですね、
「自由主義をちゃんとやりなさい」と「人権を確保しなさい」という事を要求したので、
松本烝治達が動いたんですが、
「憲法改正」の意味さえもわからなかったんです、松本烝治。

ここで大事な日本人のグループが出てくるんです。
それが鈴木安蔵さん達、この人達で、
この人だけに私は敬語を使います。
この鈴木安蔵さんが「自由憲法の必要性について」という講演をやってですね、
そうしてこの文化人たちと一緒に7人の侍が憲法研究会を結成するんです。
日付も大事ですよ。

そうして、言論の自由、男女平等、生存権、転向することも何をやってもよろしい
本当に命と でよろしい。
民主主義の屋台骨となる思想をダーッと全部骨組をですね、どうやって謳うべきかということで、
そうしてクリスマスに鈴木安蔵が憲法草案を完成して、
これを最終案として研究会が確定したんです。

で、この骨子はですね、
その時問題だったのは天皇の取り扱いだったんですが、
天皇をそのまま廃止するという意見ももちろんあったんですが、
強引にやると他の大事なことも全部ダメにされる可能性が高い、
いまの日本の国民の感情、やはり彼らも民度をちょっと測ったんですね。
それでともかく天皇制は廃止しないという事にはしておくけれど、
とにかく儀礼的存在、お飾りだけにしておく、何の実権も持たないという、
そういう存在にするという事で、これは12月28日に、1945年ですよ。
毎日新聞に鈴木安蔵草草案が掲載されて、
で、気が付いたGHQがね、これを見て、GHQはビックリしちゃった。
「素晴らしい内容だ」と。
「これこそ俺たちが日本にやっていた事だ」という事だったんです。

そして同時にその頃、各政党の上でね、その中で一番明確に動いたのが日本共産党で、
この第一回の全国協議会で新憲法の骨子を決定したんです。
が、この時ですね、共産党の文言では、「天皇制を廃止する」ということを明言したんですね。

で、こういう事でまとめますと、要するに3つ45年内に生まれた憲法草案と、
3つのなかで共産党案が一番早かったんです。
次に佐々木惣一草案、
それから鈴木安蔵草案が出たんです。
だけど、内容が問題で、
ともかく共産党はマッカーサー相手ですから、これはもう、最初から育つ芽がなかった。
それで潰される訳です。
佐々木惣一草案は天皇の統治権を維持すると、何も変わってない。
これも、空中分解した。
結局、鈴木安蔵草案しか使えるものが無いという事は、GHQにすぐ分かったんです。

それでですね、ここでマイロ・ラウエルという人物が
「これを基にやれ」と、
もうすでにGHQも憲法について準備的研究と提案のレポート作成が進んでいたんですが、
この鈴木安蔵の草案をみて、ただちにこれを翻訳しようということで、
で、マッカーサーは焦っていました。
「時間が無い、もう急がないとダメだ」ということで、
そうしてこの憲法草案を採用することになるんですが、
さて、この鈴木安蔵を紹介しておきます。

彼は、皆さんの福島県の相馬郡生まれの人です。
そして彼は、先程ずっと飛ばした凄まじい戦時中の治安維持法の批判で検挙されて投獄された。
そうしたことから憲法の事を研究するうちに、
吉野作造という大正デモクラシーのリーダーと会って、
そして研究をして、どんどん日本史をガーッと調べていったら、
なんと明治維新の直後に土佐の植木枝盛という素晴らしい男がいたという事を発見してですね、
そして「人民には抵抗する権利がある」
「国家が悪い事をしたら我々は抵抗していいんだ」と
革命権まで明記していたという事を知ったんですね。

そしてその源をさらにたどると、
中江兆民という素晴らしい男がフランスの本で、「社会契約論」を書いたジャン=ジャック・ルソーとか、
そういう奴をみんな読んで、そしてそれを翻訳していた。
そういうのを植木枝盛がそれを読んで、そして学んで、そして自分の国に当てはめて、
何をするべきか?という事で、自由民権論の議論を確立していった。

これが植木枝盛ですね。
郵便報知新聞というのは当時の反明治政府のリーダーだった素晴らしい新聞です。
郵便、彼らが支持したので郵便報知という、
この新聞の執筆は私も大好きなものばっかりですけど、
その人たちがやっていてそこに寄稿した。
そこで投獄されるんですね。
植木枝盛も投獄されます、明治時代に。
明治時代は極悪人相手ですから、まともな事を言うと投獄された。
いま佐々木も広瀬隆も投獄されないんですね。
ね!ここが大事です。
我々は守られているからこんなことを大声で言えるんです。
昔だったら全部投獄されています、我々は。
良いですか、そうしてですね、これは明治の初期のころですよ、
さっきの侵略をやっていた時代にこういう事を言っていた人がいたんです。

この「按」という字はこの「案」と同じ意味なんです。
今の字で書くとね。
東洋大日本帝国の国の憲法の按ですね。
を、出した。
こういう中にですね、世界中の、これまでの自分たちの考え方だけじゃダメだということで、
ヨーロッパのね、フランス人だけじゃない、イギリス人も、そういう考えも全部取り入れて、
その中でなにが優れているかを読み取って、自分たちの素案をつくった。
だからこういう流れです。

日本国憲法の土台がこうやって築かれてきたんです。
中江兆民から植木枝盛。それを発掘したのが鈴木安蔵。
この人が戦後に出てきたわけです。

で、1946年が明けて、急な動きでGHQが動いているというんで、
松本烝治たちが慌てふためいてですね、
封建的憲法をまたこしらええる、明治憲法と同じようなものをまたこしらえる。
それをGHQがまた見て、呆れて、
「一体この人達は何なんだ」と、「この日本人は何なんだ」という事で、
それでさっきの民生局のメンバーがですね、
国連憲章だけじゃない鈴木安蔵草案をアメリカの憲法、ドイツのワイマール憲法、フランスの憲法、
それからポツダム宣言などの沢山の資料を並べて、そうして、
日がなかったの。
もう急いで作らないと、日本人を早く追い詰めないとダメだという事で、

民政局は日がなかったので、ほとんど使えたのが鈴木安蔵草案だけだったんです。
ね。
結局そこの中に自分たちが知っているヨーロッパやアメリカの思想をはめていっただけなんです。
そこへですね、それが出来あがった、
GHQ草案が出来あがったところへ日本政府がバカな松本市案というのを持って行ったら、
それでバカにされて、
ここからがよくテレビに出てくるんです。
ここからあとだけがね。
それでその日本の政府の案をGHQが蹴ったというところから始まるからおかしい。
蹴るのは当たり前です。
つづくーー
「我々はそれを知らされない」広瀬隆氏6/3脱原発テント裁判を考える講演会(内容書き出し)
2013年6月2日福島市での広瀬隆氏の講演内容書き出し
講演会全編の動画はここにあります↓
<日本の歴史1.侵略>
「戊辰戦争~日清戦争~日露戦争」竹島と尖閣諸島は何処の領土か?広瀬隆氏6/2福島(内容書き出し)
<日本の歴史2.強制連行>
慰安婦問題・敗戦~広瀬隆氏6/2福島(内容書き出し)
<日本の歴史3.憲法>日本国憲法の土台が築かれるまで~広瀬隆氏6/2福島(内容書き出し)
<日本の歴史4.憲法>
どこがGHQが作ったんですか?違うでしょ! 日本の国民が作ったんでしょ!!~広瀬隆氏6/2福島
(内容書き出し)
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コメント
日の丸は薩摩の藩主島津斉彬が作ったって?
もっとはるか前から存在しますよ。
有名な織田信長と武田勝頼による「長篠の合戦」の絵巻を見てください。
戦国時代からすでに(もっと前から?)使われていたのです。
広瀬さんならご存知でしょうに。
もっとはるか前から存在しますよ。
有名な織田信長と武田勝頼による「長篠の合戦」の絵巻を見てください。
戦国時代からすでに(もっと前から?)使われていたのです。
広瀬さんならご存知でしょうに。
通りすがり | 2013.06.29 02:12 | 編集
絹笠泰男さんのウェブページでも憲法学のところでルソーの社会契約論であることを結論づけておりました。
田母神さんが本の中で憲法学は未消化であると述べていらっしやることが、大変残念です。
私のこれまでに得られた情報に基づく結論は、憲法は、差別(=存在の否定)をなくすことのみを目標につくられなければならないということです。
生命と財産を全体で守ることを言い換えると、存在の肯定ですね。このときが平等(機会の平等)であると。
まさに、自由は天国。差別は地獄だと思います。
究極の差別は、殺人です。死刑も同じ。命を守ると契約しておいて死刑はないですね。ありえないです。
釈迦の慈悲。キリストの隣人愛は、だから自由に近づけたとおもいました。
でも、仏教、キリスト教と『教』になると差別が入り込んで、人々が羊のむれにされてしまうのですね。
田母神さんが本の中で憲法学は未消化であると述べていらっしやることが、大変残念です。
私のこれまでに得られた情報に基づく結論は、憲法は、差別(=存在の否定)をなくすことのみを目標につくられなければならないということです。
生命と財産を全体で守ることを言い換えると、存在の肯定ですね。このときが平等(機会の平等)であると。
まさに、自由は天国。差別は地獄だと思います。
究極の差別は、殺人です。死刑も同じ。命を守ると契約しておいて死刑はないですね。ありえないです。
釈迦の慈悲。キリストの隣人愛は、だから自由に近づけたとおもいました。
でも、仏教、キリスト教と『教』になると差別が入り込んで、人々が羊のむれにされてしまうのですね。
松本 栄司 | 2015.08.04 20:16 | 編集