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07.31
Wed
2013年7月15日 いわき市ゆったり館
吉田小児科クリニック院長 吉田 均 医師
「小児科医からのメッセージ ~放射能と子ども・いのち・みらい~」

Youtubeにスライドが写っていないので、画像を入れた文字起こしができませんでした。
分かりにくいかもしれませんが想像して読んでみてください。


1.小児科医からのメッセージ 甲状腺のお話し 前半


はじめまして、よろしくお願いします。

えー、ま…、
いわき市に来るという事で、いろんな迷いがありました。
どういう迷いかと言いますと、
真実を伝えるべきか、あるいはオブラートに包んだような話で安心していただくか。

迷って、いろいろ相談しながらきたんですけれども、
深刻な話が多いんですけれども、
もし途中で御気分が悪いという方がいらっしゃいましたら、
手を挙げていただきますとサポートががおりますのでよろしくおねがいいたします。


まず、一番関心のあるいヨウ素の話を持ってきます。
「甲状腺は大丈夫か」という項目です。

石川県にある北国新聞に小さな記事として、新たに9人の甲状腺がん、福島の。
っていう記事が小さく載りました。
甲状腺がんが多発。
ま、「9人ぐらいで多発か」と言われると、
私は40年間小児科医をしているんですけれども、
甲状腺の病気はみましたけれども甲状腺の癌はゼロです。

私と同期に入ったドクターに聞いたら、
「確か医者になった時に1例あったかな」
その方は術後突然死になりました。手術が悪かったんですね。

小児外科医のベテランの女性も1例しかみていない。
それは遺伝性の甲状腺がんでした。

とにかく我々小児科医としては稀な病気なんです、ほとんど見た事が無い。
「100万人に一人から二人だろう」と言われていますね。

それだけ稀なものがこれだけ出たんですね。
福島県は記者会見で放射線の影響を否定しました。
それが事実であればそれは嬉しいんですけれども、
「放射線が原因だ」と言っているドクターもいるし、
わたしもその一員です。

そして福島県の人は、検査しすぎじゃないか、スクリーニング効果。
でも残念なんがらこういうこともあります。
発見されない小さながんをはやく見つけて
長期、何十年後に発病するのを見つけるということもあり得ます。
それをスクリーニング効果というふうに言っていまして、事実です。
だから、彼らの言っていることは必ずしもウソではありません。

ウソかどうかを今からちょっと、私の分析で診ていきたいと思います。

放射性ヨウ素I131,132,133、ヨウ素が甲状腺に集まってきます。

そして、全員が癌になるんじゃないんですよ、ほんの一部が癌になります。
これが朝日新聞に載ったんですね。
SPEEDIで測定したといわれます。
100ミリシーベルトというラインですね、いわき市にもかかっているんですけれども、
こういうのが出たんで、福島県、福島県立医大はもしかして驚いたんではないかと、
なぜなら彼レは100ミリシーベルト以下なら安全、以上なら危険というふうに言ってきたわけですからね。


これは、ネットワークでつくる放射能汚染地図という、ETVで、去年ありました。
「いい番組だな」と思っていたんですけれども、
これ試算値ですよ。
実際の実測値ではありません。
753ミリシーベルトという事が画面に映りました。
しかしですね、しかしこれが出て、
非常に原子力ムラの学者さん達はお困りになったんじゃないかなと私はそう思います。

それでこれを下げる。
今年の1月、同じ登場人物でですね、映像も重なっていて、
特にこれを言う時だけが変わるんですよ、同じ学者で、63に下がっていました。
慌てて下げてきたようにも私には見えます。

どちらが事実の数字なのかわかりません。
あくまでどちらも試算なのですから。
実測したものではないんです。

100にはいっていないから、一応甲状腺がんにはならないというのが彼らの言い分ですね。
「100ミリシーベルト、以下は安全」なんですよね。

しかし、私が読んだヤブロコフさんの世界の一流雑誌に載ったのは50ミリシーベルト。
別の論文では10ミリシーベルト。

今年我々の仲間がベラルーシへ行って来て研修をしてきたんですけれども、
現地のドクターにですね、「閾値なし」とハッキリ教わったそうです。

そして福島県立医大の副学長山下俊一氏。彼がどう言っているか?
「10~100ミリシーベルトの間で発がんが起こり得るというリスクはすてきれない」
持って回った言い方なんですけれども、
「10ミリシーベルトでも癌になるかもしれない」という事を、彼が言っているんですよ、彼が。
どう思いますか?

そして、これらは福島の事故が起きる前の話ですから、彼は事実を言ったんでしょう。
チェルノブイリの経験からね。

なのに今回は、福島原発の事故が起こるとですね、
100ミリシーベルトまでなんで上げちゃうんですかね?
ここをしっかり押さえたいと思います。



2.小児科医からのメッセージ 甲状腺のお話し 後半



これはベラルーシの地図です。色が濃いところはヨウ素が沢山降ったところですね。
白いところが少ないところです。
北の方、18.5から37万ベクレルのヨウ素が降りました。
そこでどういう事が起きたか?
甲状腺がんが増えたんですね。
これは成人も含めてです。

2013072811.jpg

これは国立環境所の出したデータなんですけれども、
この前の緑色のところでも甲状腺がんが出たんですね。
緑色。
みなさんがお住まいのところと比べてみるといいとおもいます。

これらはですね、スクリーニング効果と言いまして、
スクリーニング効果、どういうものなのか?

彼らが言うには、甲状腺がんはゆっくりゆっくり大きくなるから、
大人になってから発病するがんを子どものうちに見つけた。故に、「検査のし過ぎだ」と。
それがスクリーニング効果ですね。

じゃあ、それを彼らが言うデータを基に考えてみたいと思います。

今回がんが発見された人たちの癌の大きさですけれども、
一番小さいので6mm。
一番大きいので33mmでした。
平均14.1mm。

これがどれくらいかかって大きくなるか?ということですよね。
福島県立医大の鈴木教授。
レントゲン技師の手引書みたいなものに載っていました。
彼らが「甲状腺がんがゆっくり大きくなる」という事の根拠がこれなんじゃないかなと思います。
これを基にですね、これが正しいとします。
で、このデータは大人のものですよ。子どものスキルとは多分違うんですけれども、
大人のものが子どもに適用できると仮定します。

そして癌の大きさとスピードを見てみました。
一番はじっこの14mmだと、8年後には29mmになります。

私の感覚として言えば
普通2cm以上あれば、20mm以上あれば気付くんじゃないかなと思うんですけど、
どうですか、ここ(のど)触ってみられて、
しこりはあります?
2cmのものがあったら、気付く。
癌だと意外と固いです。
のう胞だと柔らかいので、なかなか触っても分かりません。

良く私のところに「首が腫れている」って言って受診されるんですよ。
その方達のリンパ節の大きさは通常5mm以下です。
「よく気付いたな」と思う。
私も「どこどこ?」って言って触ると、先生ここじゃないの。
と、5mm以下のものをお母さん方は見付けているんです。

したがって、2cmもあれば多分見付けるんじゃないかなと思います。

大きく見て、ここの28mmを取りました。
ここで気付くという事に仮定します。

これにかかるのが23年。
彼らが言っているゆっくりゆっくり大きくなるっていうのは、ま、これから見ると事実だと思いますね。
23年もかかる、一番小さいので。
で、その話は置いておきます。

次にですね、実際に甲状腺がんになったのは、23年度。23年度で11名です。
これは生研と言ってまだ手術していな人も含まれているんですけれど、
医者はほとんどは生研で判断しますが、
1名だけ良性だったので、10人の、引く1になっています。

そうするとこれを10万人値に計算し直しますと、
10万人当たり27.3という数字が出てくる。
すごい多いですよ。

多いんですけれどスクリーニング効果と彼らは言うんですよ。

で、これはね、国立がんセンターの資料です。
山下さんがつくられた資料のスライドをお借りしてですね、私が作りなおしたものです。
27.3だとこうなります。
これだけ今あったわけですね。

彼らが言うには、「これが早く、大人になってから発病する人たち」をみた、ということにしたんですね。
そして、23年後に全員発見される。
という事が先ほどの過程から数値が出ましたね。
これをスクリーニング効果というんですよ。

23年後。
ここですね、ここで全員発見されるんです。


という事は23年後から手前の部分が、先に見つかったと。
彼らの言い分ですよ。

という事はこれを積み上げていくと白い線のところまで行きます。上の方は余っていますね。
これが「がんの過剰発生」と統計学的に言うんです。

しかもですね、これはあくまでも中間発表。
現在も進行形で福島医大で一生懸命、かどうか知らないけれど、一生懸命されているようです。

さらにがんが、今の割合で行けば当然この23.7に上積みされる可能性がありますよね。
そうすると、癌の過剰発生がさらに増えるという事になる。
というのが私の考えです。

ここまで二つの仮定を基に話してきたんで、
事実かどうかというのは今後しっかりそれを見守っていかなければいけないと思います。
よろしいでしょうか。

この私の過程で、まだ言い足りない事があります。

たとえばこれは10代の癌です。
20代になってまた新たに癌の人が増えてきますよね。
その人たちのも先取りしていると。
スクリーニング効果だと言ったとしても、
その人たちを、ここでバーッと出たとしてもここにのせていく必要があります、ね。
という事は10代のこれを下げないとですね、20代で出来た人のこれをここに上乗せできないんですよ。

という事はさらにがんの過剰発生が、あの白いラインの下の方に出てきます。

ちょっと説明が下手で分かりにくかったかもしれませんけれども、そういうことなんで。
ちょっと分かりにくかったですか?
分かりますか。


もうひとつ大きな重大な点があります。

それは、「歴史に学ぶ」という事ですね。
ベラルーシに。

この方は去年亡くなられた重松逸造(しげまつ いつぞう)氏という方です。
山下俊一はこの方の直系のお弟子さんです。
じゃあ、この重松さんがなんて言ったか?
「甲状腺多発なし。上のラインの棒グラフとみてみてください。調査し過ぎが原因」
これ、先程のスクリーニング効果です。
彼もちゃんとこういうふうに昔言ったんですね。

山下さんが同じ事を言わないはずが無いでしょ。

そしてされに増えて、多い事は認めたんですけれども、
そしたら今度は「放射能との因果関係はない」というふうに彼は言ったんですね。
正直に言いなさいよ。

で、その翌年にWHOがようやくですね、
沢山の論文が出たので、もう否定できないという事でようやく認めたんですよ。

そしたら彼はなんて言った?
また認めないんですよ。
分からない事だらけ。
そしてそれでおしまい。


このドクター(重松)とこのドクター(山下)。
二人の関係性も考えて下さい。

そして、山下さんの話しの信ぴょう性を信じるかか信じないかという事になるかと思います。





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comment 2
コメント
「山下さんの話しの信ぴょう性を信じるかか信じないかという事になるかと思います。」

福島の人達は誰も山下さんの話しを信じていないと思いますが、避難する事ができずに、
信じた振りをして我慢しているのだと思います。
タック | 2013.07.31 08:20 | 編集
いつも大変お疲れ様です。
その成果を安直に読ませていただいて非常にありがたいです。
私は特に文字だと理解しやすいようなので、こちらは本当にありがたいです。どうもありがとうございます!!
ご健康に留意され、これからもご活躍されますようお祈り申し上げます。
unimaro | 2013.07.31 10:19 | 編集
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