<日米原子力協定>「日本が属国である限りは再処理工場認めておいてやろう」という枠組みの中にあるのです~小出裕章ジャーナル8/10ラジオフォーラム(文字起こし)

ラジオフォーラム
第30回放送 熱狂なきファシズムの到来? 参院選を振り返る
 ゲスト: 想田和弘さん(映画監督)
 パーソナリティ: 湯浅誠(社会活動家)
小出裕章ジャーナル



湯浅:
今日はですね、ズバリ日米原子力協定についてお聞きしたいと思うんですが、
私もちょっと調べましてね、この協定1955年にまず結ばれて、
1968年に旧協定が結ばれて、
そして1988年、今の協定が、中曽根内閣だと思うんですけれど結ばれて、
この協定は今も有効な訳ですよね。

小出:
そうですね。
30年だったですかね、なんか。

湯浅:
そうです、30年で。
だから2018年まで日米原子力協定というのが今あるわけですよね。

小出:もちろんです。

湯浅:
小出さん、
この協定はどんな内容でどんな問題点がありますか?

小出:
原子力協定だけを特別歴史の流れから切り離すというのは、もちろん間違いなのであって、
日本というこの国が、
サンフランシスコ講和条約で、一応米軍から解放された時からの流れの中で理解するべきだと思います。
そして日本には日米安全条約があるわけですし、日米地位協定というものもあるわけですね。
そういうものの基本的な枠組みはなにかというと、
日本という国が米国の属国になっているというそういうことなのですね。

原子力協定ももちろんその一部を成しているわけで、
米国の指導のもとというか、米国の思惑の枠組みの中でこれまで原子力をやってきた。
で、米国に付き従っている限りは一定の自由を与えてやろうという、そういう協定です。


湯浅:
たとえばですね、核燃料サイクルですが、
これを日本がやめたいと思っても、この協定がある限りやめれないでしょ?


小出:
もともとは米国は日本に核燃料サイクルはやらせたくなかったのです。
というのは、“核燃料サイクル”というのはいわゆる“核兵器製造サイクル”とでもいうべきものでして、
原子炉で出来たプルトニウムを取り出すという事が一番の眼目なんですね。
で、日本はでも、なんとしても自力で核兵器をつくる力、技術的な能力を付けておきたいと思っていたわけで、
その中心技術である再処理という事をやりたかったのです。
ところが米国としては「やはり日本という国にそれをやらせるのはまずいかもしれない」と思ってですね、
日本が再処理に手を付けるという事に関しては、随分と米国の中で反対があったのです。
その反対を押し切って、1977年に東海の再処理工場というのが動きだしたわけで、
ようやくに日本としては米国から了承を取り付けて、核燃料サイクルに踏み込む事が出来たという事なのです。

湯浅:そうなんですか。

小出:はい。
それをもちろん日本は簡単に手放すことはできないわけですし、
米国としても日本が指図に従っている限りは、
ま、世界で唯一なんですね。
核兵器保有国以外に再処理工場を認めたというのは日本だけなのであって、
「日本が属国である限りは認めておいてやろう」という、
そういう枠組みの中で原子力協定があるのです。
ですから、歴史の流れの中で考える限りは、
日本は自分でも抜けたくないだろうし、
米国としても今の枠組みが維持できている限りは、日本はその枠組みで利用したいと思っていると思います。


湯浅:
たとえばね、アメリカの原子炉を日本が購入することで、
ウランあるいはプルトニウムの燃料でアメリカは儲けていこうと、そういうこともあったんですか?


小出:
ウランを売りつける。
あるいは原子力発電所というのは天然のウランでは日本の原子力発電所は動かないわけで、
“濃縮”という大変な厄介な事をしなければいけないのですが、
米国はウラン濃縮、つまり原爆をつくるためのウラン濃縮工場を沢山つくり過ぎてしまって、
そこから出てくる濃縮ウランをどこかに売らなければ儲からないのですね。


湯浅:あ、アメリカは余ってたんですか…

小出:
そうです。
もう山ほど余っていますのでとにかく原子炉を売りつけて、その燃料を売りつける事で金儲けをする。
そして、原子炉自身も米国がパテントを持っているわけですから、「売れば売るほど儲かる」と。
ただし米国自身はゼネラルエレクトリックも、ウェスティングハウスも、
すでにもう生産ラインを失ってしまっていますので、
日本の生産ラインを動かして、それでまた金儲けをしようともくろんでいる訳です。


湯浅:危険は日本任せで利益はアメリカが取ると?

小出:そうです。

湯浅:
日本もまた原子力ムラはそれで儲けたいし核兵器も取りたい、つくりたいという本音もあるので、
日米のそういう、この原子力に群がった人たちが、お互いが、
これ、民衆は全く無視して、お互いがいいだろうと作ったような協定でしょ?

小出:
そうです。
ま、国家としても思惑、あるいは企業としての思惑というのが複雑に絡み合って、
米国の利益、もちろん米国は利益を求めるわけですし、
日本の企業もすでにつくってしまった生産ラインがあるので、もう抜ける事が出来ないという事で、
儲けに入っている訳です。


湯浅:
これね、先生ね、たとえば日米安保条約ってありますよね。
これがある限り沖縄とか横須賀の基地は日本にあるじゃないですか。
だからいくら沖縄の人が「基地を撤去しろ」と言っても、
日米安保条約がある限りなかなか撤去されませんよね?

小出:そうです。

湯浅:これと同じような構図が原子力にもあって、

小出:そうです。

湯浅:
結局その、日本政府も沖縄の基地ビジネスで儲けたい人もいますからね、
あるいは軍産複合体もそれで儲けた人がいるし、
アメリカだって、日米安保条約の中で沖縄に基地を置きたいという、
そういう両者の野望みたいなものが安保条約であって、結局沖縄の人が苦しんでいると。

小出:そうです。

湯浅:
先生ねこれね、この原子力協定、2018年に期限が切れます。
これは破棄させなきゃダメですね。

小出:
私は破棄させるべきだと思いますし、
原子力協定だけじゃなくて地位協定だって破棄しなければいけないし、
日米安保条約も破棄するべきだと私は思います。


湯浅:本当の意味で独立していかないといけないという事ですね。

小出:そうです。

湯浅:はい、良く分かりました。先生また引き続きよろしくお願いします。

小出:こちらこそよろしくお願いします。


関連記事

コメント

非公開コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます