<甲状腺がん>日野川静枝教授質疑応答8/10(文字起こし)

日野川静枝さん
拓殖大学商学部教授。
科学史、技術史、埋もれた原発開発史、
サイクロトロン研究などの歴史を発掘することで、核科学の現在を鋭く照射するのが本業。
ことし(2013年)3月、甲状腺がんの診断を受けて右葉の切除手術を受ける。





※最後の方で井戸川元町長もご自身の甲状腺についてお話しされています。





文字起こし部分のYoutube→http://youtu.be/G9FrUSJfP84?t=20m42s

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質問1

質問:手術前に腫瘤が見つかった時の選択肢とかそういうものは病院から提示されたんですか?

日野川:
細胞診をやりまして、
それでサスピシャス(=suspicious)という、「癌の疑いあり」というふうに病理の方から上がってきた、
それを見た時に先生は「手術」という一言でしたね。
だから私も「他にありますか?」って聞けばよかったんですけれど、
「あ、そうかやっぱり」と思っちゃったもんですから、
それ以上「他の選択肢はありますか?」とは聞く余裕が自分になかったのが、
それが参考になる本を読めば、
乳頭がんというがんの種類は、甲状腺がんの一般的な癌の種類なんですよね。
それで、今私は取ってしまったあとは、
別に抗がん剤も飲んでいませんし、
放射線治療もやってませんし、
本当に書いてあるとおり大人しい癌と言われて、
ま、それはわかりません、将来全く違うところに出るかもわかりませんけれども、
ですから、「がん」と言われて「手術」と言われたんですね。



質問2
質問2:
術後にCT検査をお断りになった理由というのが「被ばくを避けるため」という事で、
主治医の方が「がんになるリスクが高まりますよ」とおっしゃったそうなんですが、

日野川:発見の遅れが、再発の発見の遅れが

質問2:
という事は被ばくをするために癌になるという事ははっきりしているけれど、
だけどそれをしなければ癌の発見が遅れるという、
なんか、どちらにしても癌になるというようなところに持って行かれるような感じがするんですけど、

日野川:私の感想でいいんですか?

質問2:ちょっと、そういう事自体がおかしいなという気がします。

日野川:
私自身でやっぱり、
「自分の身体の中に放射性物質が入っても不思議はないな」と思うのは、
福島事故以前から、先程ご紹介があったように、サイクロトロンという加速器
原子核物理学の加速器なんですが、それの1930年代に発明されたものなんですけれど、
その歴史を調べてあるいて、だから機械があれば見せてもらえるところを歩いて、
そうすると大体、
「まず妊娠の可能性はありますか?」
「ありません」って言っても、
「あなたは女性だから、ここまでしか入れてあげれないよ」っていうところを何カ所か、
もう若い時から、そういう生活をしてきているので、
だから余計に、福島だけでなくて、これは私にとってはそういうリスクを背負ってきているから、
可能性としては、もしも放射性物質が甲状腺にあったとすれば、
放射性物質が微量ではあってもまだ半減期の長いものを抱えているとしたら、
それにX線を浴びるという事は、エネルギーを与えるという事なんですよ、放射性物質に。
だからそれでまたね、自分の身体がダメージを受けたらいかんと思って、
だからまぁ、私自身は選択しないで。
ま、ちょっとそれは、職業柄の事でした。


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司会:
サイクロトロンという加速器ですけれども、この前東海村で放射能漏れを起こしましたよね、事故で。
あれは陽子を出すというやつですけれども、
要するに放射能が出るわけですね。
出たり隠したりしているところですね。


日野川:
1930年代のサイクロトロンは人工的に放射性物質をたーくさん作ったんですよ。
天然には存在しない。
その一つにプルトニウムもあった。
それは今日ちょっと余計な事だったかもしれないんですが、
私2枚ばかり、これを書きました。
これは事故があった年の2011年にちょっと依頼があって、
その中にちょっと私が調べていた歴史のような事が書いてあって、
プルトニウムも人工元素ですから、サイクロトロンでのみ。
だからアメリカのみ、でなんです。
作れたのは、その時代に。
それはイギリスからもその情報が欲しいと、
ウラニウムと同じくプルトニウム239は核分裂するはずだからそれを調べてくれ、と。
装置が無いんです、イギリスには、つくれる装置が。
アメリカにのみあったんですから。
それを依頼を受けた時、アメリカが調べてそれはウランと同じに核分裂する事を確かめますけど、
その情報はイギリスにはあげないんですよ。
だからその情報はアメリカのみで独占しているんです。


質問3
質問3:
私は福島県二本松市出身なので、
特に子どもを救うためにはできることは何でもやりたいというふうな事でやっているんですけれども、
でもその割にちっとも勉強をしていなくて、
甲状腺がんって、切るしかないんですかね?

ーー:
私はね、北海道がんセンターの西尾先生に聞いたんですけど、
もう即切るだけだっておっしゃっていました。
西尾先生の場合は、放射線科の先生だけど、それ以外の方法はないとおっしゃってました。

司会:
ちょっと補足していいですか。
日野川先生は右葉といって、二つあるうち、
大体大人ですと片方で8gから10g、合計合わせて16~20gあるらしいんですけれども、
「片方だけの切除で済んだ」と。
で、それはリンパ腺にいってないとか、悪性度がそれほどないから片方ですんだと、
そう理解していいんですね?
で、リンパ腺にいってたり、危ないという事だと、両方取らないといけない。
両方取った上で今度はどうするかというと、
肺とか、肝臓に転移してないかとか、という事を調べるんだけれども、
甲状腺の場合には、あんまりよく調べなくても特効薬があるんですね、特効薬。
なにかというとね、ヨウ素131。
子どもの甲状腺がんをつくる放射性物質が、
甲状腺がんの患者さんの転移癌をやっつける為の特効薬になるんです。
ちょっと詳しい事はですけれども、
だからちょっと軽いと言いますかね、


日野川:
リンパ節はとってないんですよ。
そこまで取ると術後にやっぱりむくみが出たりいろいろあるんですけど、
それはなかったです。
だから本当に初期だと思いますね。



質問4
質問4:何回か全く自覚症状なしって、

日野川:そう

質問4:一番初めの人間ドックで頸動脈の検査というのはもともとメニューにあったんですか?

日野川:
あのね、脳ドックをオプションに付けたから、
頸動脈を脳に行く血流、それを見るためにみたという話です。

質問4:脳ドックの人はみんなそれを見るわけですね?

日野川:と思います。
それはもう、検査中に検査官の人が
「なんでなんですかね、とにかく支持があるから見ますけど」みたいな
「私脳ドック付けました」って言ったらすぐに分かったんですよ。
「あ、それじゃみます、みるひつようがあるんですね」って。

ーー:
脳ドックのオプションを付けたからといって、首をみるっていう事は、
あの、全部の病院がそうする訳じゃないですよ。

日野川:そうですか

ーー:
わたしは脳ドックをオプションで付けた事があったんですけど、
その時は首は見ていただけませんでした。

日野川:あー、なるほど。

質問4:
ただ、なんていうか、いわゆるスクリーニング効果っていうような話があって、
今も、福島の話なんですけれども、子どもの超音波をみるって普通はしないわけですよね。
これみると、結節は見つかるし、甲状腺がんも見つかると。
それをよく県立医大とかは「それかもしれない」みたいな話がよく出ると思うんですけれども、
実際、韓国は甲状腺がん検診というのをやっていて、
やっぱりスクリーニングをするから、
やらなかったら見つからないでそのままだったものが見つかるという効果も、
実際他の癌でもある事はあるんですよね。
だからそこのところの関係というか、
ま、日野川さんの場合はたまたまという話なんで、
そこの問題と言いますかね、だから分からない。
要するに検査しないで見つからなかった場合にどうなったか?というのは、
要するに分からないんですよね、永遠に分からないんですよね。


日野川:
あの、ただね、自覚症状が出れば、
つまり飲み込みにくくなるとか、軌道を圧迫しますから、
呼吸がね、ちょっとしづらくなるとか、
そういう自覚症状だけで、出れば医者に行くと思うんですよ。
それが、私の場合は全く何もなかったですから、本当に初期だと思うんですけど、
自覚症状が出れば行くし、行けば診ますよね。診れば発見しますよね。
でもそれはある程度の進行後ですよね。


質問4:
これは30mm。
大きい方なんですか?小さい方なんですか?

日野川:でも、片側全部取ったその方側が、あの玉とおっしゃってたその大きさなんです。

質問4:なにも感じなかったんですね?

日野川:いえいえ、それは甲状腺全部ね。

質問4:ああ!癌そのものは

司会:10×7×7ですね。だから小さい方ですね。

日野川:
なんか娘が言うには先生が
「触ってごらん、ホラ他の組織のところと感触が違うでしょ」と言ったそうですけど、
本人は、娘自身は「さっぱり分かんないよ」って。

ーー:写真見ても、写真じゃ分からないんですか?どこが癌で

日野川:
その病理検査の写真もあるんですけど、
ちょっとそれは色が黒くて、
これですけど、全部記録はとってるんですけど、

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じゃ、おまわししましょうね。
取ったところの断面をこういうふうに切ったというのが分かりますから、それで。

ーー:
先生の10×7×7mmほどの癌というのは、
この前6月に福島で発表された手術をした子どもたちの癌の平均より小さいです。

ちなみに、子どもの癌は、あれはハイティーンだから甲状腺はそんなに小さくありませんが、
でも大人の女性よりははいきんの女性は小さいです。
それから5歳ぐらいですと、両方が2gずつです。
1歳ですと、1gずつです。
1gという事は、先生が取った癌とほとんど同じ大きさです。
だから、ゼロ歳児、1歳までの子どもで、直径1cmの癌が出来たとすれば、
それは甲状腺全体と同じ大きさだという事です。



ーー:
あの、いいですか。
皮膜はないという説明があったんですけれども、
この「被膜は無い」という事の意味がちょっと分からないんですけれども、

日野川:ごめんなさい、私も分からない。

ーー:
最初に人間ドックの時は腫瘤とだけ言われたんですね。
他に結節とか石灰化とか、その時は聞いてらっしゃらないんですね。

日野川:
(頷く)
でも、診断のブックの中には書いてありました。そういうものが

ーー:で、切ったものにもそれがはっきりと見えてたんですね。

日野川:そうそう。

ーー:
今のお話を聞きながら、本当に私はドキドキしながら聞いてたんですけれども、
お子さんを甲状腺検査に連れていってるんですけれども、
4×7mmの腫瘍がこの間お子さんにあったんですね。
それがその前よりもちょっと大きいんですよ、4か月前よりも大きくなってて、
「これってどうなんだろう」って今ドキドキしながら聞いてたんですけれども、
んーーー、その、検査の時点で「もう石灰化」とか言われているお子さんもいるんですよね。
それを、あと半年後には行った方がいいですよって言っても、
本人達がそれほど気にしてらっしゃらないので、
結局なにが起こっているかというと、
のう胞はほとんど全員出てます。
検査に連れていった方でのう胞も無かった方は人家族しかなくて、二人姉妹です。
で、あとの方は、連れていった方は全員のう胞があるんです。
で、のう胞だけだと全然、
「あ、綺麗なのう胞でよかったわ」で終わっているんですね。
それで終わっていいのかどうか分からないです。
で、綺麗なのう胞であっても半年後に連れていくと変わっていたりするんですよ。
それで私は、なんかもうドキドキして行ってたんですけど、
その子どもの甲状腺の異常があった時に、「腫瘤だけど様子を見ようね」って、それでいいのかな?って。
様子を見ていただいてるんですけど、今。
もうちょっと頻繁に連れていった方がいいのかなとか、
あるいはお母さんたちをあんまり刺激しちゃいけないなとか、
さっきからいろいろ感じていまして、


司会:よろしいですか、ちょっと先生の感想を

日野川:いやいや、医学的な知識は私もゼロなので、

ーー:
ちょっと私も言いたいんですけど、すみません、
私の友達に、「もう病院に行った方がいいよ」と言われたのに関わらず、行ってない人がいるんですね。

司会:それは大人ですか子どもですか?どこの方ですか、福島?

ーー:
福島の人ですね、それで穿刺細胞診(せんし・さいぼうしん)はどうでしたか?
どんなふうにやらされるんですか?

日野川:
麻酔もなんにもかけません。
だから、お医者さんは映像を見ながら、それで針を刺す。

ーー:チクッってするの?

日野川:
そうそう。
もう、麻酔もしないし、痛みもそんなに感じませんでした。

ーー:
その穿刺細胞診をすると転移しやすいとかそういう事はないんですか?
穿刺細胞診になかなか行けない人がほとんどなんですね、私が知っている人で。

司会:
転移はないです。
いまはそれは相当古い30年前ぐらいの話で、今は本当にチクッなんです。

ーー:それはなんにもためらいも無くスーッと行っちゃったんですね。

日野川:そうなんです。
というより本人は経過が、
こういう診断をしてどういう結果が出たら次は何の検査というのが書かれていますから、
それで次は穿刺細胞診なんだと、
先生が言わなくても自分はやってもらいたいと言おうと思っていましたから、
何の疑問も感じませんでした。

ーー:井戸川さんどうぞ、今の事聞いて下さいよ、やらなくちゃいけませんよ。

井戸川:
聞いてませんでした(笑)
1年前にこの辺にあるのは分かってましたので、あらかじめとってみたんですよ。
私は直接かぶりましたから、データは分からないんですよ、針が振り切れちゃってて、全部。
だからいくら浴びたか分からないんで、高いところにいたんですね。
で、調べたらありました。
左の方がちょっと大きくて、くっついちゃってて取りました。
その時は大丈夫だって言われましたけど、
今こっちも来てますけど、なんか今日はちょっと声の出が悪いですね。

日野川:それもね、やっぱり自覚症状の一つです。声がかすれるっていうのも。

井戸川:今日は非常に声の出が悪いです。

日野川;ぜひ。


ーー:
先ほど「手術しかないのか」という話が出たんですけど、
私は伝聞でそういう意味ではちょっと不確かなんですが、
大阪に行った時に甲状腺の学生たちが言っていた中で、
親御さんなんですが、その親御さんの御子息が10歳の時に嚥下障害があって、
さんざん知れべたところ病院で全甲状腺がんと診断されて、
ただその時に手術をしなかった。
それから20年経って、結局経過観察をしてて、
嚥下障害が感じられる位の癌だったにもかかわらず、そのままで、
すでに肺にも転移があるとその時に診断されてたそうなんですが、そちらもとどまって、
もうそれ以上に悪化しなかったというふうにそのお母さんから聞いたんです。


ーー・何か特別な事をしてですか?

ーー:
いえいえ、経過観察をしてただけです。
それを病院がOKして、家族もそれを選択してという事で、
というふうにそのお母さんはおっしゃってたんですけれど、

司会:ちょっと、お答えが・・そういう例があるという事ですね。



ーーおわりーー


前半はこちら↓
<甲状腺がん>衝撃の体験談「甲状腺右葉を切除しました」 日野川静枝教授 8/10(文字起こし)











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