FFTV速報
司会:
堀田千栄子/福島老朽原発を考える会(フクロウの会)会員&FoEJapanサポーター
出演者:
満田夏花/FoE Japan
阪上武/福島老朽原発を考える会(フクロウの会)代表
1:56~

阪上:
これが原子炉建屋 タービン建屋があって、
地下水がこう流れ込んでいて、この先で汚染した地下水が海水へ流れ込んでいるという危険がある
実はこの福島原発というのは、地下水が非常に高い場所で、もともと高い場所で、
ところが、原発がこのままだと地下水に浸かった状態で、浮力で浮くような力が働いてしまうと。
これは一般的にこういう構造物で地下水が溜まりやすいところは大体そうなんですけれども、
地下水をくみ上げるか、あるいは岩盤に固定するような装置をつくるんですけれども、
福島原発の場合はここにサブドレンと書いてあるんですけれども、
一生懸命汲み上げてここの地下水を下げているんですね。
これは事故前からやってたんですけれども、
それが一日850トンというんですね。
ちょっとビックリするような数字ですね。
で、沢山井戸を掘って、50何本ですか、掘って汲み上げていたという状況です。
堀田:井戸って、サブドレンが井戸の事?
阪上:井戸です。これで汲み上げているという事ですね。
堀田:へぇ~、これが50何本もあって汲み上げてたと、はい。
阪上:
で、今現状はどうなっているか?というと、
このサブドレンは地震で使えなくなって、ですから地下水が上がっている状態ですね。

で、逆にですね、今建屋の中はどうなっているか?っていうと、
原子炉建屋の中というのは、もう水が溜まっているわけですよね。
しかもその中に原子炉圧力容器があって、その中に溶融燃料があるんですけれど、
ま,それを一生懸命冷やしているわけですね。
それを冷やしている水は1日400トン循環させているんですけれども、
でもどこかで穴があいていて、下に漏れていて、
さらに格納容器というのがあるんですけれども、そこも穴があいていて下に漏れていて、
だからメチャメチャ高い濃度の水が降りている状況なんですね。
そこに地下水が上がって、地下水も入りこんでいると。
これ実は、建屋というのは、もともと穴がいっぱい開いていて、配管を通すために。
その配管を通す穴というのは必ずしも水止めはしてないんですね。
さっき言ったように普段は地下水をくみ上げて地下水がそこまで上がらないようにしているんです。
ですけども今、逆に地下水を建屋より高い位置に保つようにしています。
わざとね、わざと高い位置に保つようにしていて、
なんでか?というと、建屋の中の滞留水よりも高い位置にしておくと外から中に入ってくる。
逆に、地下水の方が低くなっちゃうと、中から外に出てきちゃうじゃない。
で、中の水は単純な滞留水じゃなくて炉心から漏れ出てきたような水ですので、
これが外に出るというのは絶対に避けなきゃいけないんですよ。
ですから、穴があいていても外から中に入るようにというので、地下水をわざと上げているんですね。
そうすると、ジャンジャン入ってくる訳ですよ。
これが一日400トン
で、これをくみ上げてタンクにためているというのが、タンクにたまり続ける汚染水なんです。
ここはひとつポイントだと思います。
地下水の水位を本当は下げてね、そうすると中に入ってくる地下水が減るんだけども、
それをやっちゃうと今度は中から外にね、
堀田:超高濃度のアレですよね
阪上:
超高濃度の、絶対に外に出してはいけない水を漏らしてしまう事になるので、
地下水を安易に下げられないんです。
そういう問題が背景としてあります。

ですからこれは本当に止めるためにはどうしなきゃいけないか?というと、
地下水を低くしなければいけないんだけども、
ただ低くしてしまうと、さっき言ったようにね、中の高濃度の汚染水が外に出ちゃうので、
だから、格納容器からとかの漏れを止めて、この滞留水が増えないようにして、
その上でこれを全部吸い上げるという事をやらないと、
地下水を下げて、本当に汚染水のもとを断つという事が出来ない。
そういう大きな問題があるということですね。
堀田:これは当分下げられないですよね、誰もそんな閉じに行かれない
阪上:
そうなんですよ。
後で問題になりますけど今「凍土」、土を凍らせて囲ってみたいなね、
「それが中長期的に解決になるんだ」と言っているんですけれども、
でも結局格納容器からの漏れを止めない限りは、囲ったところでやっぱり地下水は下げられないんですよ。
堀田:そうですよね、出ちゃいます。
阪上:
そうなんです。
そうするとまた周りから入ってきて汲み上げ続けて、溜まり続けてという問題は解決しないので、
だから一体どうやって格納容器を止めるのかがね、
格納容器の漏れを止めるのかというのが、それが全く見通しが立っていないと思います。

それから、原子炉建屋に入りこんでいる中にはね、
「基礎マット部分から、下から入りこんでいる部分もあるじゃないか」と。
これは東電が作成されたので、
東電は「地震による基礎マットを大きく損傷させるひび割れはないと想定している」
「実は小さくならあるのか?」とかあるんですけど、
地震でなんだかんだ基礎マットが損傷して水が入り込んできている可能性というのは、
東電自身も否定できないというような言い方をしています。
堀田:これ逆に漏れているとかはないんですか?
阪上:
今のところ地下水を挙げているうちは、外からの圧力の方が高いので外から入ってくると。
だから地下水を下げちゃうと、中から外へ出ちゃうんで、
それはちょっと今の段階では避けなきゃいけない。
堀田:
それも含めて出来ないよと。
とにかく、原子炉の炉心のところ?を何とかしなきゃいけないという事ですよね。
阪上:
そうですね。
だから、炉心から出るのを止めて、これを全部吸いだして、それで初めて地下水が下げられるんですね。
堀田:無理じゃない・・・、
阪上:多分そういう構造だと思います。
で、今問題になっているのは、地下水のトリチウム濃度の推移、

その前にですね、海の濃度がなかなか下がらない。
陸上の方は減衰することもあって下がってきているんですけれども、
濃度がなかなか下がらないという問題があって、
東電が地下水を測ったんですね。

で、これは昨年の12月に一回測って、下がらないことは確認しているんですけれども、
その後は測ってないんですよ。
4ヶ月ぐらい測っていなくて、なんで測っていないのかが分からないし、
なんでこの間(測っていない期間)規制庁、規制委員会はなんにも言わなかったのか?というのが、
堀田:うん、なんでだ?
阪上:この時期、新規制基準の策定で一番忙しかったという事だと思うんですけれども、
堀田:忙しかったんだ
阪上:
で、先日政府交渉の時に木野さんにお話しいただいて、
木野さんの話だと、この5月の段階ですかね、
4月から5月にかけて東電の社内での外部有識者を招いて委員会というのがあって、
そこでなんか、指摘を受けたらしいですね。
「ちゃんと測ったらどうか」という指摘を受けて、
で、ようやく測り出したら、そうしたらやっぱり濃度が上がっていると。
しかも、ストロンチウムやリチウムで基準を超えるような値が出てきたという事で、
多分もう、この段階で海の汚染というのが続いているというのを問題にしても良かったし、
もっと言えばね、この間をちゃんと測っていれば、
もっと素早い対応ができたと思うんですけれども、
5月位になってようやく海の汚染というものが問題になって、
ただ、本当に海への流出を認めたのは、
参議院選挙の7月22日までかかったということです。

それで今、海への汚染については、
一応東京電力も、経産省もそうですけれども、
2011年4月に起きた漏えいというのがあるんですけれども、
これなんかは一カ所から水が噴き出すように出た漏えいを覚えている方もいらっしゃると思うんですけれども、
それに関わる部分で、ちょっとこれは見にくいんですけれども、
上が海で下がタービン建屋ですね。下に原子炉があるんですけれども、
そこに向かって、トレンチという四角い通り道、海水の通り道が通っていて、
そこにタービン建屋から、事故直後ね、汚染した水が入り込んで行って、
ここは一応外へ水が漏れないようになっているはずなんですけど、
それに繋がったケーブルトレンチというのがあって、
電源ケーブルの入った四角い箱モノの構造物なんですけれども、
これはちゃんと水を閉じ込める構造になっていなくて、浸み出ていく訳ですね、水が。
浸み出ていって、それがその先で海へ漏えいしていったんですけれども、
この漏えいについては今は当然止まっているんですけれども、
でもこの地域の非常に浅い所っていうのは、非常に高濃度の汚染状態というのが残っているんですね。
さらにその地下はどうなっているのか?ってよくわかっていなくて、
多分地下で地下水を流した時に、高濃度の汚染水に触れて、それが海へ行って、
なかなか海が下がらない状態が続いているんではないかという事です。

さらにこれがケーブルの箱で、ここは、下に砕石層というのを敷いてあるんですけれども、
ここに浸み出てきて、さらにその下の部分にも汚染水が浸みこむような状態になっている。
というふうに言われていますね。

で、これは地下水の水位なんですけれども、
さっきの1,2号機の一番汚染の高いところで測った地下水がこう上がってきているんですね。
上昇してきていて、
これはなにがおきているか?というと、
これは上からみた図なんですけれども、

さっきの漏れ出たところというのはここになります。
ちょっと分かりにくいです。
で、こっちがタービン建屋なんですけど、
東電がこの一番汚染が高いところをぐるりと取り囲むように、
水ガラスと言ってね、土を科学的な処理で固めて、水を通さないようにして、これを囲って、
上はアスファルトで蓋をして、
それで高濃度汚染地域を閉じ込めるという作業をしようとしたわけですね。
で、ところがこれを海側を止めるというのを先にやっちゃったわけですよ。
海側を囲うという事を先にやっちゃった。

これは断面図ですけれども、いまどうなっているか?というと、
この海側のここですね。
ここに地下水があったら、ここが高濃度汚染地帯ですね、
ここを閉じ込める為に囲うんですけれども、
海側を先にやって、後で山側をやって上を蓋をするみたいなね、
そういう順番だったんですけれども、
先に海側をやっちゃって、
しかも上2m位開いているんですよ。
なんか、地面までは無理みたいで、その薬剤を入れるのがね、
どうしても上が2m位開いちゃうという状態で、

そうするとですね、どうなったか?というと、
こっちから流れていた地下水がここにぶつかって上がってくるわけです、当然ながらね。
で、上がってどうなるか?というと、
さっき言ったここが(上部2m位の開いているところ)一番激しいところなんですね。
この汚染地帯って、
少なくても地表付近では非常に激しい汚染があるというのが分かっているんですよ。
さっきのトレンチの漏れている部分が地表付近ですので、
わざわざそこを通るように地下水路を変えちゃってしまっているみたいなですね、
それでじわじわ水位が上がってきて、
もうすでにこの壁を60cm位超えちゃっているというのが現状です
堀田:ガラス何とかを
阪上:水ガラスですね。
堀田:水ガラスを超えてしまった。
阪上:
それで規制庁が「大変だ」というのでうやっと乗り出してきて、
とりあえず今何をやっているか?というと、
ここ(高濃度汚染地帯)の水を抜いて、地下水を下げなきゃいけないという事をやっているということですね。
堀田:この水ガラスで囲う工事は終わったんですか?
阪上:まだやっています。
堀田:だから海側だけやっちゃったんですね。
阪上:
海側だけやっちゃって「わー大変」という事ですね。
上がってくるというのは分かっていたと思うんですけど、
それでもあんなに急に上がってくるとは思わなかったおして、
やっぱりちょっと、見通しの甘さというのがあったし、
それに対して規制庁も規制委員会も、もう誰もちゃんと監督していないみたいなですね、
というところが非常に問題かなと思います。
それで規制庁が乗り出してきてはいるんですけれども、
今後のモニタリングと言ってもそんなに頻度を上げているわけでもないので、
それで一方で経産省はですね、
資源エネルギー庁が汚染対策委員会というのをつくって、
規制庁規制委員会とはまた別個にこれで責任を負うという形で、動きがずっとあるんですけれども、
これもちょっと後でお話しするんですけれども、
なんか、企業たちのコンペの場になっているみたいでですね、非常にこれも問題があるんですけれども、

そこで今度、こういうふうに(水色の囲み)原子炉を囲うように凍土、凍らせるというのを、
秘密会合でなんかいつの間にかその工法をやるというのが決まっていてということですけれども、
これはただ囲めば済むというものではなくて、
囲うとどうなるか?というと、地下水がたくさんまた沢山あげられますので、
地下水が下がっちゃいますよね。
最初に言ったように、地下水って、いま下げちゃいけない状態なんですよね。
だから、その地下水のコントロールというのはずっと問題になりますし、
この凍土方式でそれが可能なのかどうか?というのがよく分からないですし、
それからそもそも格納容器の漏れをどうやって止めるのかというね、もっと根本的な。
ちょっとそこが見えないですね。
今ある海の汚染についてもね、
本当に過去の、事故直後のものだけなのか?
さっき言ったようにトレンチっていうのはタービン建屋と繋がっているんですよ。
だから、何らかの形でタービン建屋から今でも水が漏れ出てね、
土が浸みこむようなルートっていうのはあるんではないかと。
規制庁、規制委員会は
「そういう可能性についてはきちんと見なきゃいけない」って言っているんですけれど、
ただ今のところ、そういう原因究明はどうするのか?
というところはまだまだ具体的なものがちゃんと出てきているわけではないので、
というのが現状だと思うんです。
チェルノブイリを思い出した時に、チャルノブイリの事故って、上にボーンと吹き出て、
まずは火災を止めるでしょ、ホウ酸かなんかを撒いてしたと思うんですね。
その後石棺をつくって、とにかく放射能を閉じ込める。
多くの方が被ばくしたと思うんですけれど、石棺でとにかく閉じ込める。
それで今、一定に閉じ込められてきた状態になってきたと思うんですけれども、
ところが、福島原発は地下二石棺をつくらなきゃいけない状態なんですけれども、それが出来ていない状態で、
しかももともと、地下水が非常に多い土地で、
地下水がどうしても出てきてしまう状態がなかなか根本的な手が打てない状態にいると。
だからチャルノブイリでいうと、まだ石棺が建てられなくて上がまだ開いている状態というのが、
福島ではまだ、今度は下側ですけどね。
下に石棺っていうのはなかなか難しい事だと思うんですけどね。
堀田:
しかも、水が流れて通って行ったら、汚染して通っていくんですから、
それを止めるっていうのも、
阪上:本当にまさに福島の事故は継続しているという事だと思います。
~19:32 続きはこちら→http://youtu.be/Zb8ei3-PItg?t=19m32s
司会:
堀田千栄子/福島老朽原発を考える会(フクロウの会)会員&FoEJapanサポーター
出演者:
満田夏花/FoE Japan
阪上武/福島老朽原発を考える会(フクロウの会)代表
1:56~

阪上:
これが原子炉建屋 タービン建屋があって、
地下水がこう流れ込んでいて、この先で汚染した地下水が海水へ流れ込んでいるという危険がある
実はこの福島原発というのは、地下水が非常に高い場所で、もともと高い場所で、
ところが、原発がこのままだと地下水に浸かった状態で、浮力で浮くような力が働いてしまうと。
これは一般的にこういう構造物で地下水が溜まりやすいところは大体そうなんですけれども、
地下水をくみ上げるか、あるいは岩盤に固定するような装置をつくるんですけれども、
福島原発の場合はここにサブドレンと書いてあるんですけれども、
一生懸命汲み上げてここの地下水を下げているんですね。
これは事故前からやってたんですけれども、
それが一日850トンというんですね。
ちょっとビックリするような数字ですね。
で、沢山井戸を掘って、50何本ですか、掘って汲み上げていたという状況です。
堀田:井戸って、サブドレンが井戸の事?
阪上:井戸です。これで汲み上げているという事ですね。
堀田:へぇ~、これが50何本もあって汲み上げてたと、はい。
阪上:
で、今現状はどうなっているか?というと、
このサブドレンは地震で使えなくなって、ですから地下水が上がっている状態ですね。

で、逆にですね、今建屋の中はどうなっているか?っていうと、
原子炉建屋の中というのは、もう水が溜まっているわけですよね。
しかもその中に原子炉圧力容器があって、その中に溶融燃料があるんですけれど、
ま,それを一生懸命冷やしているわけですね。
それを冷やしている水は1日400トン循環させているんですけれども、
でもどこかで穴があいていて、下に漏れていて、
さらに格納容器というのがあるんですけれども、そこも穴があいていて下に漏れていて、
だからメチャメチャ高い濃度の水が降りている状況なんですね。
そこに地下水が上がって、地下水も入りこんでいると。
これ実は、建屋というのは、もともと穴がいっぱい開いていて、配管を通すために。
その配管を通す穴というのは必ずしも水止めはしてないんですね。
さっき言ったように普段は地下水をくみ上げて地下水がそこまで上がらないようにしているんです。
ですけども今、逆に地下水を建屋より高い位置に保つようにしています。
わざとね、わざと高い位置に保つようにしていて、
なんでか?というと、建屋の中の滞留水よりも高い位置にしておくと外から中に入ってくる。
逆に、地下水の方が低くなっちゃうと、中から外に出てきちゃうじゃない。
で、中の水は単純な滞留水じゃなくて炉心から漏れ出てきたような水ですので、
これが外に出るというのは絶対に避けなきゃいけないんですよ。
ですから、穴があいていても外から中に入るようにというので、地下水をわざと上げているんですね。
そうすると、ジャンジャン入ってくる訳ですよ。
これが一日400トン
で、これをくみ上げてタンクにためているというのが、タンクにたまり続ける汚染水なんです。
ここはひとつポイントだと思います。
地下水の水位を本当は下げてね、そうすると中に入ってくる地下水が減るんだけども、
それをやっちゃうと今度は中から外にね、
堀田:超高濃度のアレですよね
阪上:
超高濃度の、絶対に外に出してはいけない水を漏らしてしまう事になるので、
地下水を安易に下げられないんです。
そういう問題が背景としてあります。

ですからこれは本当に止めるためにはどうしなきゃいけないか?というと、
地下水を低くしなければいけないんだけども、
ただ低くしてしまうと、さっき言ったようにね、中の高濃度の汚染水が外に出ちゃうので、
だから、格納容器からとかの漏れを止めて、この滞留水が増えないようにして、
その上でこれを全部吸い上げるという事をやらないと、
地下水を下げて、本当に汚染水のもとを断つという事が出来ない。
そういう大きな問題があるということですね。
堀田:これは当分下げられないですよね、誰もそんな閉じに行かれない
阪上:
そうなんですよ。
後で問題になりますけど今「凍土」、土を凍らせて囲ってみたいなね、
「それが中長期的に解決になるんだ」と言っているんですけれども、
でも結局格納容器からの漏れを止めない限りは、囲ったところでやっぱり地下水は下げられないんですよ。
堀田:そうですよね、出ちゃいます。
阪上:
そうなんです。
そうするとまた周りから入ってきて汲み上げ続けて、溜まり続けてという問題は解決しないので、
だから一体どうやって格納容器を止めるのかがね、
格納容器の漏れを止めるのかというのが、それが全く見通しが立っていないと思います。

それから、原子炉建屋に入りこんでいる中にはね、
「基礎マット部分から、下から入りこんでいる部分もあるじゃないか」と。
これは東電が作成されたので、
東電は「地震による基礎マットを大きく損傷させるひび割れはないと想定している」
「実は小さくならあるのか?」とかあるんですけど、
地震でなんだかんだ基礎マットが損傷して水が入り込んできている可能性というのは、
東電自身も否定できないというような言い方をしています。
堀田:これ逆に漏れているとかはないんですか?
阪上:
今のところ地下水を挙げているうちは、外からの圧力の方が高いので外から入ってくると。
だから地下水を下げちゃうと、中から外へ出ちゃうんで、
それはちょっと今の段階では避けなきゃいけない。
堀田:
それも含めて出来ないよと。
とにかく、原子炉の炉心のところ?を何とかしなきゃいけないという事ですよね。
阪上:
そうですね。
だから、炉心から出るのを止めて、これを全部吸いだして、それで初めて地下水が下げられるんですね。
堀田:無理じゃない・・・、
阪上:多分そういう構造だと思います。
で、今問題になっているのは、地下水のトリチウム濃度の推移、

その前にですね、海の濃度がなかなか下がらない。
陸上の方は減衰することもあって下がってきているんですけれども、
濃度がなかなか下がらないという問題があって、
東電が地下水を測ったんですね。

で、これは昨年の12月に一回測って、下がらないことは確認しているんですけれども、
その後は測ってないんですよ。
4ヶ月ぐらい測っていなくて、なんで測っていないのかが分からないし、
なんでこの間(測っていない期間)規制庁、規制委員会はなんにも言わなかったのか?というのが、
堀田:うん、なんでだ?
阪上:この時期、新規制基準の策定で一番忙しかったという事だと思うんですけれども、
堀田:忙しかったんだ
阪上:
で、先日政府交渉の時に木野さんにお話しいただいて、
木野さんの話だと、この5月の段階ですかね、
4月から5月にかけて東電の社内での外部有識者を招いて委員会というのがあって、
そこでなんか、指摘を受けたらしいですね。
「ちゃんと測ったらどうか」という指摘を受けて、
で、ようやく測り出したら、そうしたらやっぱり濃度が上がっていると。
しかも、ストロンチウムやリチウムで基準を超えるような値が出てきたという事で、
多分もう、この段階で海の汚染というのが続いているというのを問題にしても良かったし、
もっと言えばね、この間をちゃんと測っていれば、
もっと素早い対応ができたと思うんですけれども、
5月位になってようやく海の汚染というものが問題になって、
ただ、本当に海への流出を認めたのは、
参議院選挙の7月22日までかかったということです。

それで今、海への汚染については、
一応東京電力も、経産省もそうですけれども、
2011年4月に起きた漏えいというのがあるんですけれども、
これなんかは一カ所から水が噴き出すように出た漏えいを覚えている方もいらっしゃると思うんですけれども、
それに関わる部分で、ちょっとこれは見にくいんですけれども、
上が海で下がタービン建屋ですね。下に原子炉があるんですけれども、
そこに向かって、トレンチという四角い通り道、海水の通り道が通っていて、
そこにタービン建屋から、事故直後ね、汚染した水が入り込んで行って、
ここは一応外へ水が漏れないようになっているはずなんですけど、
それに繋がったケーブルトレンチというのがあって、
電源ケーブルの入った四角い箱モノの構造物なんですけれども、
これはちゃんと水を閉じ込める構造になっていなくて、浸み出ていく訳ですね、水が。
浸み出ていって、それがその先で海へ漏えいしていったんですけれども、
この漏えいについては今は当然止まっているんですけれども、
でもこの地域の非常に浅い所っていうのは、非常に高濃度の汚染状態というのが残っているんですね。
さらにその地下はどうなっているのか?ってよくわかっていなくて、
多分地下で地下水を流した時に、高濃度の汚染水に触れて、それが海へ行って、
なかなか海が下がらない状態が続いているんではないかという事です。

さらにこれがケーブルの箱で、ここは、下に砕石層というのを敷いてあるんですけれども、
ここに浸み出てきて、さらにその下の部分にも汚染水が浸みこむような状態になっている。
というふうに言われていますね。

で、これは地下水の水位なんですけれども、
さっきの1,2号機の一番汚染の高いところで測った地下水がこう上がってきているんですね。
上昇してきていて、
これはなにがおきているか?というと、
これは上からみた図なんですけれども、

さっきの漏れ出たところというのはここになります。
ちょっと分かりにくいです。
で、こっちがタービン建屋なんですけど、
東電がこの一番汚染が高いところをぐるりと取り囲むように、
水ガラスと言ってね、土を科学的な処理で固めて、水を通さないようにして、これを囲って、
上はアスファルトで蓋をして、
それで高濃度汚染地域を閉じ込めるという作業をしようとしたわけですね。
で、ところがこれを海側を止めるというのを先にやっちゃったわけですよ。
海側を囲うという事を先にやっちゃった。

これは断面図ですけれども、いまどうなっているか?というと、
この海側のここですね。
ここに地下水があったら、ここが高濃度汚染地帯ですね、
ここを閉じ込める為に囲うんですけれども、
海側を先にやって、後で山側をやって上を蓋をするみたいなね、
そういう順番だったんですけれども、
先に海側をやっちゃって、
しかも上2m位開いているんですよ。
なんか、地面までは無理みたいで、その薬剤を入れるのがね、
どうしても上が2m位開いちゃうという状態で、

そうするとですね、どうなったか?というと、
こっちから流れていた地下水がここにぶつかって上がってくるわけです、当然ながらね。
で、上がってどうなるか?というと、
さっき言ったここが(上部2m位の開いているところ)一番激しいところなんですね。
この汚染地帯って、
少なくても地表付近では非常に激しい汚染があるというのが分かっているんですよ。
さっきのトレンチの漏れている部分が地表付近ですので、
わざわざそこを通るように地下水路を変えちゃってしまっているみたいなですね、
それでじわじわ水位が上がってきて、
もうすでにこの壁を60cm位超えちゃっているというのが現状です
堀田:ガラス何とかを
阪上:水ガラスですね。
堀田:水ガラスを超えてしまった。
阪上:
それで規制庁が「大変だ」というのでうやっと乗り出してきて、
とりあえず今何をやっているか?というと、
ここ(高濃度汚染地帯)の水を抜いて、地下水を下げなきゃいけないという事をやっているということですね。
堀田:この水ガラスで囲う工事は終わったんですか?
阪上:まだやっています。
堀田:だから海側だけやっちゃったんですね。
阪上:
海側だけやっちゃって「わー大変」という事ですね。
上がってくるというのは分かっていたと思うんですけど、
それでもあんなに急に上がってくるとは思わなかったおして、
やっぱりちょっと、見通しの甘さというのがあったし、
それに対して規制庁も規制委員会も、もう誰もちゃんと監督していないみたいなですね、
というところが非常に問題かなと思います。
それで規制庁が乗り出してきてはいるんですけれども、
今後のモニタリングと言ってもそんなに頻度を上げているわけでもないので、
それで一方で経産省はですね、
資源エネルギー庁が汚染対策委員会というのをつくって、
規制庁規制委員会とはまた別個にこれで責任を負うという形で、動きがずっとあるんですけれども、
これもちょっと後でお話しするんですけれども、
なんか、企業たちのコンペの場になっているみたいでですね、非常にこれも問題があるんですけれども、

そこで今度、こういうふうに(水色の囲み)原子炉を囲うように凍土、凍らせるというのを、
秘密会合でなんかいつの間にかその工法をやるというのが決まっていてということですけれども、
これはただ囲めば済むというものではなくて、
囲うとどうなるか?というと、地下水がたくさんまた沢山あげられますので、
地下水が下がっちゃいますよね。
最初に言ったように、地下水って、いま下げちゃいけない状態なんですよね。
だから、その地下水のコントロールというのはずっと問題になりますし、
この凍土方式でそれが可能なのかどうか?というのがよく分からないですし、
それからそもそも格納容器の漏れをどうやって止めるのかというね、もっと根本的な。
ちょっとそこが見えないですね。
今ある海の汚染についてもね、
本当に過去の、事故直後のものだけなのか?
さっき言ったようにトレンチっていうのはタービン建屋と繋がっているんですよ。
だから、何らかの形でタービン建屋から今でも水が漏れ出てね、
土が浸みこむようなルートっていうのはあるんではないかと。
規制庁、規制委員会は
「そういう可能性についてはきちんと見なきゃいけない」って言っているんですけれど、
ただ今のところ、そういう原因究明はどうするのか?
というところはまだまだ具体的なものがちゃんと出てきているわけではないので、
というのが現状だと思うんです。
チェルノブイリを思い出した時に、チャルノブイリの事故って、上にボーンと吹き出て、
まずは火災を止めるでしょ、ホウ酸かなんかを撒いてしたと思うんですね。
その後石棺をつくって、とにかく放射能を閉じ込める。
多くの方が被ばくしたと思うんですけれど、石棺でとにかく閉じ込める。
それで今、一定に閉じ込められてきた状態になってきたと思うんですけれども、
ところが、福島原発は地下二石棺をつくらなきゃいけない状態なんですけれども、それが出来ていない状態で、
しかももともと、地下水が非常に多い土地で、
地下水がどうしても出てきてしまう状態がなかなか根本的な手が打てない状態にいると。
だからチャルノブイリでいうと、まだ石棺が建てられなくて上がまだ開いている状態というのが、
福島ではまだ、今度は下側ですけどね。
下に石棺っていうのはなかなか難しい事だと思うんですけどね。
堀田:
しかも、水が流れて通って行ったら、汚染して通っていくんですから、
それを止めるっていうのも、
阪上:本当にまさに福島の事故は継続しているという事だと思います。
~19:32 続きはこちら→http://youtu.be/Zb8ei3-PItg?t=19m32s
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コメント
地下水は岩盤の上を流れるわけで、岩盤の下には流れない
建屋の前で地下水を止めればその水は脇に逃げるから、建屋の周りの土がえぐれてしまいます.止められて地下水は周囲の地面下で過飽和状態になり、早晩土石流を引き起こします.
地下水を減らすにはその水域の流れ込む量を減らさなきゃならない訳だから、上流域のかなり広い範囲を浸透を防止するシート、膜状のもので覆う必要があります.
それはまた別の問題を引き起こすでしょう.
福島の建屋配置は横一列に膨大な長さに並んでいて、地下水の流れを完全に止めていることになっています.地下水が集中している場所の配置形としては非常識です.水を止めている建屋配置を直すべきです.
建屋の前で地下水を止めればその水は脇に逃げるから、建屋の周りの土がえぐれてしまいます.止められて地下水は周囲の地面下で過飽和状態になり、早晩土石流を引き起こします.
地下水を減らすにはその水域の流れ込む量を減らさなきゃならない訳だから、上流域のかなり広い範囲を浸透を防止するシート、膜状のもので覆う必要があります.
それはまた別の問題を引き起こすでしょう.
福島の建屋配置は横一列に膨大な長さに並んでいて、地下水の流れを完全に止めていることになっています.地下水が集中している場所の配置形としては非常識です.水を止めている建屋配置を直すべきです.
直井 俊次 | 2013.08.18 10:42 | 編集
きーこ様
いつも貴重な情報・書き起こしありがとうございます。
原子力規制庁・規制委員会は、原発の再稼働について、大きな力を持っているようですが、福島第一原発のこの事故の対処方法については、何の能力もないのですかね?
放射能の計測を東電が止めても、その事態をしばらく放置をしていたとは、規制の名が泣きます。
そんな無能な庁と委員会では、困ります。
おまけに、水漏れに対応の凍土方式は、秘密会で決まったんですか?!
底なしの税金投入になりそうだし、効果も怪しいのに・・・。
この庁や委員会の、偉そうにしているだけの無責任体制をどうにかしないと、日本がダメになると、本当に心配です。
でも、こういうことが、FFTVやふくろうの会やきーこ様のお力で、私のようなものも知ることができます。
問題さえ、認識できない時には対処しようがないですが、こうして問題が認識され多くの人に共有されれれば、庁や委員会の問題は何とかなるのではと思います。
本当に、情報・書き起こしありがとうございます。
いつも貴重な情報・書き起こしありがとうございます。
原子力規制庁・規制委員会は、原発の再稼働について、大きな力を持っているようですが、福島第一原発のこの事故の対処方法については、何の能力もないのですかね?
放射能の計測を東電が止めても、その事態をしばらく放置をしていたとは、規制の名が泣きます。
そんな無能な庁と委員会では、困ります。
おまけに、水漏れに対応の凍土方式は、秘密会で決まったんですか?!
底なしの税金投入になりそうだし、効果も怪しいのに・・・。
この庁や委員会の、偉そうにしているだけの無責任体制をどうにかしないと、日本がダメになると、本当に心配です。
でも、こういうことが、FFTVやふくろうの会やきーこ様のお力で、私のようなものも知ることができます。
問題さえ、認識できない時には対処しようがないですが、こうして問題が認識され多くの人に共有されれれば、庁や委員会の問題は何とかなるのではと思います。
本当に、情報・書き起こしありがとうございます。
ナウ | 2013.08.19 21:45 | 編集
結局、汚染物質は事故後海へ日々継続して流出しているという理解になります。
現状を定量的にみると建屋への地下水流入量850t/日に対しタンクへの回収量が400t/日ですから450t/日は何らかの形で海に流出している訳です。その内どのくらい重汚染されているか分かりませんが、タンク漏れで一時的に300t漏れた問題もかすむほどの重大問題です。
注水冷却も回収はトレンチのようなところでやっていると思うので閉鎖された循環系ではなく注水量から回収されず外部へ漏れていくものもあると思います。
抜本的解決は行方不明の溶融燃料を閉じ込めるしかないようですが使用済み燃料の取り出しに数年かかるようでは50年でも無理でしょう。
現状を定量的にみると建屋への地下水流入量850t/日に対しタンクへの回収量が400t/日ですから450t/日は何らかの形で海に流出している訳です。その内どのくらい重汚染されているか分かりませんが、タンク漏れで一時的に300t漏れた問題もかすむほどの重大問題です。
注水冷却も回収はトレンチのようなところでやっていると思うので閉鎖された循環系ではなく注水量から回収されず外部へ漏れていくものもあると思います。
抜本的解決は行方不明の溶融燃料を閉じ込めるしかないようですが使用済み燃料の取り出しに数年かかるようでは50年でも無理でしょう。
曽我部 正幸 | 2013.08.29 11:45 | 編集