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08.20
Tue
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さて、これから一番大事な話をします。

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先ほど明るい話をしろと言われましたが、
それにはきちんとした事実を踏まえてから言わなければなりません。
私たちはほんの12日前、7月25日に、
一番入ってはいけない福島の最も危険地帯を入って、そして、測定してきました。
これは日本でテレビ新聞が何もしないからです。
入ってきました。
聞いて下さい。

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ここにですね、いわき大都市があって、
そこから広野・楢葉・富岡、ここに福島第二原発が4基あります。
そしてその上に大熊と双葉町があって、
ここに6基があって、そのうちの4基が爆発したんです。
そしてさらに浪江があります。

大雑把に言って、私たちが走ったのは直線で30km圏内ですが、
今ここが有楽町で東京駅から30km圏内
30km圏内っていうのはどれくらいか?距離をみなさんに頭に入れておいていただきたいんですが、

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30km圏内というと、中央線で立川までです。
それから横浜までの距離です、あるいは千葉までの距離です、総武線の。

こんな距離が今廃墟になっています。
いいですか。
ご覧になって下さい。
39:23~
ここなんか黒いのが見えますね。これは近づくとこういうものなんです。

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これは、私の友人が4月に撮ってくれたものですが、
こういうものが、除染したものが畑の中に山のように積んであります。

で、ゲートに入って、検問所を通って
そして、本当の危険地帯に入ります。
入って測定したのはみなさんもご存じのフォトジャーナリストの広川隆一さんと、
慶応大学の物理学者の藤田祐幸さん、真ん中にいるのが私ですが、まだ明るい顔をしてますね。

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まだ測定をしていないからです。
それから我々の顔が変わっていきます。
ひきつっていきます。
よーく見て下さい。
もうこれは双葉町に入っています。

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家がこれ、崩れているんです。
私たちは危険地帯なのであんまり長い時間いられません。
それ位危険なところなんで降りられません、あんまり。
そういう所を走っているので、自動車から撮った写真なのでちょっと我慢をしてください。
家が潰れたまま、地震が起こってるぶれたままです。

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双葉高校の校舎、誰ももちろんいません。
ここには野球のボードがあって、9回までありますが、
これは日数が書いてあって、高校野球大会まで日数を数えていたところに震災が起こった。
2011年ボードがそのまま残ってます。
どこへ行っても悲しいのは自転車がみんな倒れている事です。
町の中、いたるところですね。
要するに乗り捨てたままです。

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そして、この家もぶっ潰れています。見て下さい。なぜ潰れたままなんですか?
人が入れないからなんです。
入っちゃいけない所に私たちは入ったんです
みな壊れています。
今ですよ、たった今の話をしているんですよ。
2年前の話をしているんじゃないんです。


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道路の真ん中にこういうふうに崩れたのが。今なんです。
誰も手を付けられないんです。

常磐線は広野の駅までかろうじて行っていますが、
この辺は危険地帯でほとんど人は住んでいません。

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こんなところをみなさん、除染が出来ると思いますか?
私の写真は今、自然界を写していませんが、
自然はもう、山のように美しい緑滴る自然ですが、そこは手を付けられない状態です。
誰もできません。
除染なんかできる筈がありません。
そんなのは子どもが見てもわかります。

それで問題の空間の放射線量。
いったい、どれぐらいそこに放射能が舞っているのか?

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この事ではみなさん、ちょっと数値を頭に入れていただきたいんですが、
計器、メーターによってそれぞれみんな数値が違います。
それから地域によっていろいろな違いはありますが、
日本全土ヲ私がいろいろ調べた限りで言いますと、
あまり汚染していない、ま、比較的ですよ。
日本は全部汚染しましたが、とにかく比較的汚染していない地域の平均的な空間線量でいいますと、
毎時、1時間当たり、0.02~0.05マイクロシーベルトぐらいです。
これは大雑把な平均値です。
これを頭に入れておいて下さい。
だから、たとえば0.5だったらこれは危険です。非常に危険です。
1マイクロシーベルトあればヒジョーーーに危険です。
その数値を頭に入れて聞いて下さい。


原発から3kmのところにある双葉町の住宅の庭にこのカウンターを置きました。
放射S年測定器を置きました。

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そうしたら、先ほど言った0.05の400倍です。
20マイクロシーベルトです。

こうやって測りました。

じゃあ、ここの土はどうなんでしょう?
この土壌を科学者が分析した結果をお話しますと。
土の重さ1kgあたり7万ベクレルを超えました。
信じられない数値です。

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それを1平方m、畳半分ぐらいの面積に換算しますと、
1平方mあたり460万ベクレルを超えます、これは。
チェルノブイリの換算係数を使って計算しますと。

どういう恐ろしさかお話しますと、
チェルノブイリの原発事故では汚染の区分を4段階に分けました。
一番危険な地地域は完全閉鎖地区と言って、全員を強制避難させたところ。
それは148万ベクレル以上のところを強制避難。
もちろんその2番目55万500ベクレル以上も永久避難地区で、みんな住民を追い出しました。
バスに乗せてみんなを強制避難させました。

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いいですか、148万、55万。
とてつもない数値です。
これを地図でお見せしますと、これはチェルノブイリの汚染地帯。

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これは100km位の距離の非常に広大な範囲で、
このピンクのところは危険です。
だけどオレンジになるともっと危険です。
赤くなると今いった55万ないし148万ですが、
双葉町の、さっきカウンターを置いた、
あの20マイクロシーベルトというところは、なんとその3倍でした!

知らなかったでしょ?みなさん、
我々も本当に心臓が凍るようでした。

「こんな大変なところなんだ」
「これが私たちが普段見る事のない福島県の汚染地帯なんだ」ということです。
この真っ赤な一番危険なところ。
それが今の住宅地。

それから、ちょっと離れた所に行って、双葉の小学校があります。
それはみなさんが、あの震災の時に避難をした小学校です。
そこの土もはるかに高いです。
これ、同じぐらいです。
この148万を遥かに超えました。
それ位の状態です。これが福島県の今の現状なんです。

あちこちにあるモニタリングポストとこちらの計器を全部検証しながら進みました。

さらに行きました。
双葉町農村広場というところにあります。

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ここですね。ぞっとします。
数値がどんどん、どんどん上がっていきます。
55です。

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さっき20で、超危険地帯ですよ
ここは55マイクロですよ。
この辺の1000倍得を超えるんですよ。
そういう状態です。

そして今度は一番危険な福島第一の1,2,3,4号機。
つまり爆発した原発のある大熊町に入りました。

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このように、家がブッ潰れていますが、

ここに、広域避難場所という、立て札があります。ここに書いてあります。
地震、火災、原子力、等の災害時にはここに避難して下さい、大熊町。
ここに書いてあります。

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これは、原発から2kmです。
だからそこに森があって、森の向こう側で今原発の事故処理をしているところです。
ここの下にカウンターを置いてみました。同じカウンターでずっと測ってきました。
いくつになったと思いますか?

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320ですよ、信じられません。
これは大体この辺の1万倍という事ですが、
皆さんにもっとわかりやすく言いますと、
ここにもし、あの震災の日から人間がいたら、その人は病気になるんではないんです。
致死量です。
死にます。
そういう量なんです


私たちはこの数値を見た時、もう危ないと思って逃げ出しました。
本当にここにいること自体が危なかったんです。
測定すること自体が危なかったんです。

そういう状態。
ではその森の向こうに働いている人達はどうなるんだろう?と思いませんか?

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毎日鼻血を出し、血尿を出している人たちがいるんです。
沢山の話を私たちは福島の人達から聞いています。
それが、今みなさんが新聞でご覧になっている福島第一。
汚染水が漏れ出している。
この現場の事なんです。

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この内側の事を報道してくれていないんです。
だから皆さんはタカをくくって
汚染水が漏れてる位に考えているでしょ?そういう状態じゃないですよ。

これは本当に深刻です。

私は医学もやってきました、物理学もやってきました。
両方の面からみて、これは本当に危なことです

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私たち自身が甘かったと思っています。
安倍内閣はここに住民を帰そうっていうんですよ。
帰そうとしている。

今も毎日朝日新聞にプロメテウスの罠がずーーっと、この大熊町がね、紹介されていますね。
よーくもう一回読みなおして下さい。
あの人たちの事を。
あの人たちはみんな逃げたんです。
いいですか、
廃墟が行けども行けどもずーーーーっと続くという事。

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これは私がどんなに大声を出してもみなさんにはわかりません。
あの恐ろしさですね。
あの不気味さですね。
車一台通らない死の町がずーーーっと、どこへ行っても人がいない。ゾーッとしてきます。
それは言葉では言えません。

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これをもう一回言います。
30km圏というのは、
東京駅、ここから立川までその間ずーーーーっと、人が、誰もいないという事です。
車が一台も通っていないという事です。
そういう世界をつくったんです。
これが、いま私たちが立ち向かわなければならない再稼働という問題の原子力なんです。
こういう事をみなさんもういっかい認めますか?
そういうものを報道しない世界の人達には、私は「あそこへ入って住んでくれ」と言いたいです。

そうでしょ。
なんで私たちが、なんで私たちがこんな命がけになって、中に入って調べないと分からないんですか!?
何をしているんですか、この国は!
まず基本的な事をやって下さい!


この、今日のお話は8月20日、ですからもう2週間ほどたって
DAYS JAPANで9月号に、恐ろしいですがマップを全部、
全部、縦断測定したマップを全部出しますのでご覧ください。


50:18
それでもうひとつの問題を言います。
今最初に電力の事を申しましたが、
それで、原子力というものの被害の実態は今こうです。
2年半経ってもこうです。

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もうひとつ再稼働について、わたしはどうしても聞いておきたい事があります。
原子力を動かしたい人間達に。
「再稼働をする」という人間たち、電力会社、政治家たちにハッキリ聞いておきたいんです。

毎日毎日、原子力は核分裂をした高レベルの放射性廃棄物が発生します。
「その廃棄物をどこに処分するんですか?」って。
「それは決まっていますか?」って。
決めてから言って下さい。
「その都道府県の地名を言って下さい」って。

言ったら我々は議論しましょう。

今からちょっとDVDを皆さんに見ていただきます。
今日時間があれば、今日は8月6日広島の日なので、
広島で原爆が投下された日で、山本太郎さんは今そちらに行っていらっしゃいます。
間にあったらここの会場にいらっしゃるはずですが、
ちょっと見て下さい。
51:33

ドイツへ行った時の記録です。
3月です。



今のはちょっと予告編です。
後ろに、今日は実を言うと重い物を持ってきました。
あそこに1000円であります。これは絶対に見て下さい。
誰も報道していませんから。私たち1000mの地獄へ3回入ってきました。
本当に、もう人類は終わるだろうと私は予感します。
それぐらい大変な事です。

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それからドイツは止めようとしています。
止めようとしていますけれどこうやってですね、
今、何でここまできたかというと、ドイツはこうやって原発をずーっと止めようとしてきた。
これは、あと9年後にドイツは止めようとしています。
2022年。
ここでゼロになる。
そこまで彼らは引きつけたんです、最後の地獄を。
だから今分かってきているんです。
日本人はまだそれに気が付いていません。
そして再稼働しようなんていう、とんでもない事を言っています。
それは絶対に許してはいけません。

それは誰かが分かるんですから。
今ご覧になった通り、ドイツは今、福島第一の原発と同じようになっているんです。

あの理想の国ドイツが・・・。
私たちはガクッ!としました。
恐ろしいものを見てきました、地獄へ行って。
だからみなさんも、甘い考えは持たないでください。
必ず原発を全部無くして、そして安心できる国をつくっていきましょう。
それから明るい話をしましょう。
終わります。

56:40

ーおわりー


ここまでの講演↓ 動画はこちらにあります ↓
1.原発をどうやって止めるか
「私は多分招かざる客だと思いますが…」広瀬隆8/6 未来への福島、そして脱原発(内容書き出し)




DVD核のゴミどうすんの!? 
山本太郎と広瀬隆のドイツ取材3000kmの旅

2013070540.jpg
●原発廃炉で立地自治体の経済は成り立つか。
●中間貯蔵、最終処分地に関しての問題。
2枚組1セットの値段です ¥1,000
※この価格には消費税5%が含まれています。
※送料無料


第27回ラジオフォーラム 広瀬隆氏出演 文字起こし

1「ドイツの電力会社が東京電力に『我々は協力します』って言ったのに東電が断ったんです」
広瀬隆氏7/13ドイツの廃炉事情・ラジオフォーラム(内容書き出し)


2「原発廃炉でその立地自治体は?
『町の人がホームレスになったとか、そんなことは全くありません』」
広瀬隆氏7/13ドイツの廃炉事情・ラジオフォーラム(内容書き出し)


3「地下1000m核廃棄物の地獄~
いま我々はその先を見ておかないと、これから大変なことになります」
広瀬隆氏7/13ドイツの廃炉事情・ラジオフォーラム(内容書き出し)


<メルトダウンした燃料>「回収できません。絵に描いた餅です」
「そりゃ重いですよ、ウランですからね」「ウランの塊は100トンあります」
~小出裕章ジャーナル・広瀬隆氏7/13ラジオフォーラム(文字起こし)







未来への福島、そして脱原発2013年8月6日 文字起こしのブログ↓
1.原発をどうやって止めるか
「私は多分招かざる客だと思いますが…」広瀬隆8/6 未来への福島、そして脱原発(内容書き出し)


2.原発をどうやって止めるか
「 ゴーストタウン・福島の汚染地帯」広瀬隆8/6 未来への福島、そして脱原発(内容書き出し)


3.「私は逃げた事がありません。1日も役所を閉鎖することがありませんでした」
桜井勝延南相馬市長8/6 未来への福島、そして脱原発(内容書き出し)


4.「これほどおかしなことが行われている。みんな狂っています」
吉原毅氏(城南信用金庫理事長)8/6 未来への福島、そして脱原発(内容書き出し)


5.「あれと同じものがまだ50基、事故が起きるのを待っているかのように日本中にある」
坂本龍一・藤波心8/6 未来への福島、そして脱原発(内容書き出し)


6.藤波「同世代の関心というのはすごい、薄い」・
吉原「TPPは“のび太・ジャイアン式システム”」8/6 未来への福島、そして脱原発(内容書き出し)






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コメント
福島第一原発で汚染水を貯める地上のタンクの周辺で水たまりが見つかりました。高い放射線量が100ミリ㏜/1h計測され、原子力規制委員会は事故を国際的な評価尺度のレベル1としました。東京電力は、タンク内から漏れた可能性が高いとみて原因を調べています。 19日午前9時50分ごろ、福島第一原発でセシウムが取り除かれたあとのストロンチウムなどを含む汚染水を貯める地上のタンクの周辺に、水たまりがあるのを見回り中の作業員が見つけました。

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2006166.html
| 2013.08.20 10:29 | 編集
福島第1の汚染水漏れは300トン、8000万ベクレルの超高濃度 08月 20日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE97J05R20130820
| 2013.08.20 18:55 | 編集
キーコちゃん、いつもありがとう!!!
 
広瀬隆は明快だね。。
オレも「再稼働をする」という人間たち、電力会社、政治家たちにハッキリ聞いておきたい。
毎日毎日、原発は核分裂をした高レベルの放射性廃棄物を発生させる。
「その廃棄物をどこに処分するんですか?」って。
人類はまだその処分の仕方すらわかっていないのに、
この狭い地震国日本の
どこに処分するんですか?!
て聞いてやろう。

この一言だけで
原発再稼働が
いかに無謀で、計画性が無く、無責任な企てであるかが
誰の目にも明らかになる筈だ!

てか
マスコミも専門家もこのことを
キチンと明確にすべきだよね。

このたった一つの質問を投げかけるだけで
原発再稼働は粉砕されちゃうだろう!!!

himadarake | 2013.08.21 03:12 | 編集
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