2013年10月3日
小出裕章氏インタビュー 岩上安身さん
岩上:
おなじみになりました、小出裕章先生にお話を伺いたいと思います。
小出先生お久しぶりです。
小出:お久しぶりですこんにちは。

岩上:
汚染水の事が起こったときに真っ先に駆けつけなきゃと思いながらも、
あれやこれやとちょっとバタバタしてて、
そうこうしているうちに、もう小出さんはいたるところで取材を受けていらっしゃいますから、
もう第一人者。
メジャーメディアもなんか僕がここに始めてくる頃に比べてはですね、
「メジャーメディアが小出さんを取り上げない」なんていう話をしてたんですけれども、
そんなこと全然ないですよね。
小出:ないです。
岩上:
あらゆるメディアがね、小出さんに取りすがっているというような形で、コメント等、
かなりの新聞雑誌にお出になられているとは思います。
だから重ねての話も多いかと思いますけれども、改めて伺いたいと思います。
というのは、ここに来る前に、これまで小出さんと話したことを振り返ってみました。
実は、私は初めて連絡をして、そして「この日が良いよ」という事で来れたのが、
2011年4月10日だったと思うんですね。
4月10日だったと思うんです、確か。
非常に4月の初めで、要するに事故から1カ月後っていうところでした。
もうちょっと早くから連絡してたんですが、なかなかあわただしくてね、
先生も大忙殺されていましたので、
小出:はい。
岩上:
取材をとる時間がないという事だったんですけれども、
それでもかなり早い時に来て「炉心はどうなっているんだ?」といったお話をさせていただいた時に、
すでに、二人の間で汚染水の話をしているんですね。
小出:はい、そうですね。
岩上:
水の冷却。
でも僕は「水は上から入れているのに何でそれの水位が減っていくんだ?」と、
素人だけど、それは穴があいていて地下に潜っていくしか理由がないと思うんですけど、いかが?
って言ったら、「その通りです」とおっしゃって、
だから「地下水に漏れていっているだろう」と。
「かけてもかけても流れていく」という事で話をしながら、
それでもあの当時は「第一優先が冷やす事なんだ」と、
小出:そうです。
岩上:
「とにかく冷やせ」と。
それで、「汚染水の問題はこれから重大な問題になってくるから、この汚染水をタンカーで持って行く」と
「柏崎刈羽へ持って行くという事で考えてもらいたい」
この柏崎刈羽の話はここで聞いて東電に直接ぶつけましたけれど、
「できません」と。
それは自治体が受け入れないし、その他の事があったんだと思いますね。
そのように言って、結局はタンクを作ってきて、その挙句にタンクの穴が開くと。
また漏水が見つかりましたね。
20万ベクレル。
※東電福島第一20万ベクレル海へ流出
「原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則」に該当。他 この数日内の事故
いや・・・、これを続けていったら、
30年とか、これかかるわけでしょ?全部終わるまでに。
300基600基という数をですね、30年続けていたら何千基になるんだ?って。
ちょっとですね・・・大変なことになっちゃったんじゃないか?という事がひとつ。
それから、ちょっと先走りして言いますけれども、
「これは水以外で冷やすしかないのではないか?」ということで、
鉛を使ってですね、冷やした方がいいと。
こういう事を2011年6月に発表していた山田先生と山田廣成さん、立命館大学の先生ですけれども、
その先生が当時間違いなく6月に発表しているんですけど、何の注目もされなくて、
大変恐縮ですけれども、私どもも最近まで気がつかなくて、
ここまで来て、やっぱり汚染水の漏えいまできたからこそ、
本当にこの「水で冷やし続けるのは無理だな」と考えたからこそ、
この鉛の事をね、真剣に聞く必要があると思って、先日山田先生のところに行って、
長時間そのメカニズムに関してお話を伺いました。
山田先生は直接小出先生にもお電話をして、「このアイディアを聞いてほしい」というんでお話をしたと
小出:はい、ご連絡を頂きました。
岩上:
と聞きました。
ま、そんなことも含めて、
現状の汚染水の状況、
これを管理している東電、政府のやり方、
そして、かつていくつか、水棺というものやいろいろな方法について先生はお考えになりました、と。
「どうもこれが行き詰理ではないか」と考えていらっしゃるという、
このあたりについてまずはお話し願いたいと思います。
小出:
はい。
事故の当時にさかのぼっていくつか聞いていただきますけれども、
2011年3月11日に地震と津波に襲われて、
福島第一原子力発電所の1号機から3号機までの炉心は全て溶け落ちてしまったのですね。
溶け落ちてしまえば大量の放射性物質が
空気中、あるいは液体の方に出ていってしまうという事は避けられなかったわけで、
すでにもう、残念ながら大量の放射性物質が出てしまいました。
でも、それ以上出さないように何とかしようと思えば、
やはり溶かさない、ひたすら冷却をするという事しかなかったわけですし、
物を冷やすという時に、一番効果的な物質は水です。
水以上にいいものはもう、何もありません。
ですから私は事故直後には、「とにかく水を入れてくれ」と、
ま、水がなければ海水でもいいし、
海水が上手く使えないと言うなら、もう泥水でもいいからとにかく水を入れてくれと私は言っていたのです。
そのまま、ま、今日まできている訳ですけれども、
でも、溶けた炉心を冷やそうとして水をかければ、
その水が今度は汚染水になるという事は当たり前な事なのであって、
やればやるだけ汚染水が増えてしまう。
当然なんですね。
それを、当然なことを2年半やり続けてきて、
2011年の3月の段階でも既に10万トンもの汚染水が敷地内に溜まっていて、
私はすぐに「これでは破たんする」と思いましたので、
岩上さんもおっしゃって下さったけれども、「タンカーでとにかく運び出すべきだ」と、
コンクリートの構造物なんかでは到底水を蓄えることはできないので、
「タンカーが良い」と。
「タンクなんか作っているんでは間に合わない」と、
私はそういう提案をしたんですが、それも入れてもらえないまま
東電の方は「とにかくタンクをつくる」という事でやってきている訳ですけれども、
でもそのタンクも、きちんとしたタンクをつくる状況にはありません。
鋼板を溶接して、漏れないようにしながら、…というような作業は、
もうあの現場ではできません。
猛烈な被ばく環境ですので、そんなゆっくりしたことはできない。
鋼板を持ってきて、パッキンを挟んでボルトで止めるというようなタンクしか作れなかったわけですね。
すでにそうやって数100基のタンクを作ったわけですけれども、
岩上:
これは・・・作れ・・なかったと今おっしゃいましたけれども、
「コストの面で出来るだけ安くしたくて溶接型のタンクにした」というのとはまたちょっと違うんですか?
小出:
えっと、コストもあるんでしょうけれども、
私はむしろ、「作業が出来ない」しっかりとした作業が。
要するに被ばく環境で、全ての作業が被ばくを伴う。
岩上:あーー、つまり、溶接をするとなると、現場で溶接をしなきゃ
小出:もちろんです。現場で溶接しなきゃないわけですから。
岩上:しかもそれは時間がかかる
小出:
そうです。時間がかかります。
鋼板を持ってきてボルトで締めるだけならば、時間はそれほどかからないけれども、
鋼板をちゃんと溶接しようと思えば大変な時間がかかってしまう。
それをやれば被ばくがどんどん蓄積をしてしまうということで、
「たぶんそれだろう」と私は思いますけれども、簡易型のタンクを作ったわけですね。
でもそんなものは漏れるのが今度は当たり前なわけであって、
次から次へと漏れてしまっている。
「これからもどんどん漏れていくだろう」と思います。
ですから、まぁ、物を冷やすには水をかけるのが良いのだけれども、
かけ続けてきたが為に、また今度はどうにもならない所に追い詰められてしまっているわけですね。
で、立命館の山田さんの話も今、岩上さんがして下さったけれども、
私は事故直後にヨーロッパの研究者の方から、
「金属で冷やせ」というアイディアを教えてもらったことがあるのです。
ただしその当時は、私自身が「崩壊熱も高いし、金属では無理だ」と、
「とにかく水しかない」と思い込んでいたので、
そのアイディアもリジェクトして、「とにかく水」と、私自身も言ってきたのです。
ただここまで来てしまうと、
岩上:
先生、このね、今おっしゃった「崩壊熱が高い」と。
この当時は「崩壊熱が高いから金属を使うのは無理だ」というのには、
そこそこ根拠が、おそらくおありだと思うんです。
どの程度の、当時は崩壊熱と考えられ、
そしてどういう金属を使うと、まぁ、溶けるのが良いのかもしれませんけど、
問題は沸点っていうんでしょうかね、気体化してしまうと、
たとえば鉛も気体化してしまうと非常に危険ですよね?
小出:もちろんです。
岩上:
だからそういう事があって、
いろいろとお考えがあった上でこの時は却下っておっしゃったと思うんですけれど、
実際には、当初はどんな状況だったんですか?
小出:
福島第一原子力発電所の1号機は46万Kw。
2,3,4は78万Kw位だったと思います。
で、事故で運転を停止したわけですけれども、
停止した直後で言うなら、
1号機の場合には、1万Kw位の崩壊熱がありました。
ですから、各家庭のみなさんの電気ストーブとか、電熱器とかをお使いだとすれば
それが1万個常に発熱を続けるという、そういう発熱があったんですね。
そういう発熱だとすると、1分経つと家庭で使っているふろ桶の水が全部蒸発してしまうという、
そんなぐらいの発熱。
ん・・・、事故直後はもっと多いと思います。
で、1日経つと、ほとんど10分の1に減るんです。

その頃で多分家庭用の風呂の水が1分ごとに蒸発してしまうという、まだそんな強烈な発熱なのです。
ですからそんな発熱を金属で冷却できるってあり得ないので、
水を入れるしかないと私は思っていました。
ただ、崩壊熱は今聞いていただいたように、
1日経つと10分の1に減るし、1年経つとまたその10分の1ぐらいになってくれる、
つまり事故直後から1年経てば100分の1まで減ってくる訳ですね。
今は2年半たっていますので、ほとんど数100分の1に減ってくれている。
そういう状態になっているのであれば水でなくても、
金属をとにかく溶けた炉心のところに届かせる。
そうすると、私が考えているのは、
鉛であるとか、スズであるとか、ビスマスというような、融点が低い金属を考えているのですが、
そういう金属を、もし炉心があるところに届かせることができれば、溶けると思います。
もともと100トンぐらいの炉心だった訳ですけれども、それに金属を加えていって、
体型がたとえば200トンになる、300トンになるというふうに、どんどん大きくなっていく。
で、発熱自身は崩壊熱で、基本的には減っていってくれるわけですから、
発熱量が決まっている時に、体型がどんどん大きくなっていくと、
あるところで必ずバランスするところがくると、私は思っているのです。
発熱ですから、除熱しない限りはもちろん温度が上がっちゃうわけですけれども、
格納容器の表面から放熱する。
原子炉建屋の表面から放熱するという、
必ずそういう物理現象は起きるわけですから、
「ここまでくれば出来るだろう」と私は思います、水じゃなくても。
岩上:なるほど。
小出:はい。
岩上:
いくつかのですね、鉛を使った方法。
山田さんがおっしゃっているのとほぼ同様の事をお考えだとして、
小出:ちょっと違うんですけど、私は。
岩上:あ、ちょっと違いますか
小出:はい
岩上:
だけど、挿入の方法がですね、冷却水のところから、水と共に細かい鉛の粒粒を入れる。
そうすると、水によって燃料の近くに届くと。
そして沈んでいくと。
沈んでいくと水と遮断されるために、この燃料は熱を持ちますね。
そうすると自然に、これは融点が低いから溶けだすと。
溶けることによって燃料をコーティングする。
コーティングしていって、外界と遮断するので、放射性物質が出なくなると、
ま、ざっくりいうとこういうような話で、
結果、それが熱を持つことで、今空冷とおっしゃった、ラジエーターの機能を果たすだろうと、
格納容器や何かが。
というところも、ほぼおんなじように思えたんですが、
違いがあるとしたらどこなんでしょう?
小出:
炉心というものはもともとウランを焼き固めたセトモノだったんです。
ウランを焼き固めたそのセトモノは2800度を超えないと溶けないのですけれども、
実際には溶けてしまったと言っているんですね。
溶けてしまって、圧力容器という鋼鉄製の圧力がまの底にまず落ちた。
しかし鋼鉄というのは1400度1500度で溶けてしまいますので、
簡単に圧力がまの底が抜けて、さらに下に落ちたわけですね。
じゃあ、その下というのはどこか?と言うと、
放射能を閉じ込める最後の防壁として設計されていた
原子炉格納容器、という容器の底に落ちた筈なんですね。
ただ、原子炉格納容器というのは、基本的には鋼鉄製で、
厚さが3cmしかない鋼鉄製なのです。
ですから、溶け落ちた炉心がもし原子炉格納容器の更迭に接触してしまうと、
それも簡単に穴があいてしまう訳ですね。
そこで、じゃあ、東京電力や国はなんて言っているか?って言うと、
「圧力容器からドボッ!と落ちてきた溶けた炉心は、格納容器の床に落ちる」と。
「その部分には床がコンクリートで1m分床張りしてあるんだ」と。
で、コンクリートの上に落ちて、コンクリートを破壊しながら少しずつ下にめり込んで行ったと。
しかし、「1mのコンクリートのうち、やられたのは70cmだけで、30cm分はまだ残っている」
というのが国と東京電力の主張なんです。
岩上:チャイナシンドロームの一歩手前というね、
小出:そうですね。まだ格納容器の底が抜けていないというのが、
岩上:でもそれは計算上そうなっているんで、なにも事実を観測された訳ではないんですね?
小出:
もちろんです。
ですから、私はそれを聞いた時に、もう一瞬噴出しましたけど、
「あなた達見てきたんですか?」と、聞きたくなったわけですね。
格納容器に入れる道理もないし、原子炉建屋にすら入れないという、そういう状況な訳ですから、
本当はどうなっているのか分からないのです。
ただ、今聞いていただいたように、国や東京電力が書いている絵だとすると、
上からドボッ!と落ちてきたものが、そこに饅頭のようにある・・・んですよ。
山田さんも多分そういうイメージ。
ですからそこに鉛を入れることができれば、饅頭の上に降り積もって饅頭をコーティングするという、
山田さんのイメージは多分そうだと思いますが、
岩上:
格納容器に穴があいて、地面が落っこって、コンクリートを破っている、
ということの想定はもちろんしていて、
それでも水をかけていると、鉛の粒粒は格納容器の穴も落ちて、そしてそのコンクリ―トのところにね、
もう食いこんでしまっているところにも落ちていき、
最終的にそれを溶かして、
その内側の下釜までうまく回り込んでコーティングできるかどうかまでは分からないけど、
少なくても外界とは遮蔽するだろうと
小出:山田さんはそういうイメージなんですね。
岩上:そうです。
小出:
ですから、山田さんは国や東電の言っているように、
「格納容器がまだ健全だ」というふうには思ってないかもしれない。
格納容器が抜けているかもしれないけれども、
でも要するに塊としてあるというイメージなんです。
私は違うんです。
多分ドドッっと落ちているし、膨大な水をジャージャーとかけてきて
格納容器の間は蒸気が充満して雨のようにザーザーと流れているという、
猛烈な、その、動的な環境なんです。
岩上:動的環境か。
小出:ですからスタティックに、なんか静かにそこにあるなんていう事ではなくて、
岩上:すごい灼熱で、
小出:はい
岩上:上記でモヤモヤで
小出:そうです。
岩上:
茹だっていて、ザーザー上からまた雨が降る。
ジャングルの中みたいになっている、
小出:そんなになっているわけですね。
岩上:なるほどー。
小出:
だからその溶け落ちたのが
どこか1カ所に塊になっているというふうには私は思わないで、
岩上:流動している?
小出:
落ちる時に多分かなり細かく、
要するに溶けるわけですから、液体になるわけですね。
それで細かく分散して、私たちスラッジ―とかスラリーとか呼ぶ物質があるんですけれども、
要するに泥水みたいなものですね。
そういう形で落ちている筈なので、
多分炉心と言っているものが、塊というか、もうそこいら中に分散してしまっていて、
壁にへばり付いているようなものもあるかもしれない、そういう形かもと私は思っているのです。
そうなると、山田さんが言っているように水と一緒に入れて、
本当に、あちこちに分散してしまっている炉心に全て上手く届かすことができるか?と問われてしまうと、
私は自信がないんです、実は。
岩上:
はっはぁ~・・・なるほど。
これはそうか、イメージの違いですね。
小出:
ただし、私が言っているのが正しいか、
あるいは東電や国が描いているのが正しいのか、
分からないのです。
岩上:
あのー、山田さんのお考えの前提になっているのは、
一応東電がイメージしているものがベースにしていると言った方がいいですね。
小出:そうです。
岩上:
じゃあ、非常に動的な環境であり、バラバラに散乱し、
その散乱したものがまた、要するに動的環境ですから、水流にいろんな形で動かされ、
「まだ動いている」という?
小出:たぶん今でも動いていると私は思っている。
岩上:そんなものをこれから小出さんは、鉛もしくは金属でどのように冷却し、鎮めることができると?
小出:わからないのです。ですから、ま、
岩上:
難しいんだ。はぁ。
どうやって、じゃあ入れるんですか?
まず山田さんの冷却装置から入れるのは同じなんですか?
小出:
それは一番簡単なやり方だと思いますし、
それを本当に入れられるかどうかという事を、
金属の専門家と流体力学の専門家が集まって、まずは検討しなければいけないと思いますね。
原子力発電所というのは結構複雑な構造になっていますし、
たとえば水を入れると言ったって、ポンプで送っているわけですね。
ポンプというのはそれぞれ、水を送るためのポンプというものもあるわけだし、
ま、泥水用のポンプというものもありますし、
他の金属を入れるためのポンプというものもあるわけですし、
今はただ、水を入れるためのポンプで水を入れているわけですね。
岩上:なるほど。
小出:
その水の中に、…ま、私はスズの方がいいと思っているんですけれど、今は。
いずれにしてもその金属をですね、細かい粉体にして流そうというアイディアが今山田さんが言っているし、
私もそれが一番いいと思うけれど、
本当に、でもそれでポンプで送れるか?
配管だって、多分ウネウネしているわけで、配管のあちこちに溜まってしまうかもしれないし
岩上:
詰まっちゃう。
配管が詰まっちゃうと大変ですね。
小出:今度はどう仕様もなくなるんですね。
岩上:水でも冷やせなっちゃいますからね。
小出:
ですから、どの位の粉体の金属が良いのか?
そしてどの位の流量の水があればそれを送ることができるのか?という、
かなりシビアな検討を重ねなければいけない。
岩上:
ちょっと今それは、非常に配管のつまりは怖いと思いました。
いまマンションの下水の配管が詰まってですね、溢れかえるという事、
小出:ありますね。
岩上:
もうすごい、ウンチがですね溢れかえっちゃったって、非常に痛いことになってて、
そこから先どこの詰まりなのか?って簡単にね、
2階から1階にただの配管を調べるのにエライ事だったんですよ。
だから、万が一あれほど複雑で巨大なプラントの中で、何かしら詰まらせたら大変ですよね。
手の打ち様がないっていうか・・・、
小出:
べつにウンチならいいですよ。
私別にウンチの中に手を入れてもいいけれども、
原子力発電所の場合は放射能で、手を入れたら死んじゃうという、そういうものを相手にしている訳ですよね。
岩上:んーーーー。
小出:
ほとんどその作業自身が、どんな作業をしても被ばくをしてしまうわけだし、
場合によっては作業が出来ないような場所があるわけで、
特に炉心に水を入れる、金属を入れるというような事をやろうとすると、
猛烈な被ばくの場所に踏み込まざるを得なくなる、ということも多分ある。。
岩上:「多分ある」という事は、…ポンプで送る時は安全じゃないですか?
小出:
えっと、今のポンプ、今の配管を何にも手を入れないで、
水を流していたのと同じように金属が流せるのならそれでいいけれども、
多分そんなことはない。
岩上:多分そんなことはない。
小出:はい。
岩上:な、なにをしなくちゃいけないんですか?
小出:
要するに山田さんにしても「やってみよう」って言っているわけですね。
ですから私も「やってみよう」と思っているし、
今のままの形でやれるとすれば、
どういう金属をどれだけの粒型の粉にして、
ポンプの流量をどうやって制御すれば、途中で詰まらずにいけるか、ということを
沢山の専門家が集まって、まず検討する。
そして「やれる」となった時に初めてやる事になると思うのですけれども、
でも、うまくいかない可能性もあります。
「やってみたけれども詰まっちゃった」という事が起きるかもしれないと私は思う。
そうなるともう、そのポンプ、その配管は諦めて、
また別の配管なりを設置しなければいけなくなるかもしれない。
そうなると・・・大変だと思います。
岩上:非常に近くに行って工事をしなくちゃいけないという事ですよね。
小出:
そうです、
ですから今まで金属を炉心に入れるなんていう事は原子力発電所は考えてもいなかったわけだし、
そのためのポンプもなければ、そのための配管もないんですね。
今あるやつで何とかそれが出来ないかという事を考えなければいけないわけで、
岩上:
これがむしろ難しいとなれば、
「炉心の蓋を開けて中に入れる」みたいなことはできないんですか?
小出:
もともと、一時期水棺という話があってですね、
格納容器全体を水で満たすことができるならば、
下に落ちた炉心からの放射線を水が遮ってくれるから、上から作業ができるという
そういう、原子炉を冷やすこともできるし後で溶け落ちた奴を取り出すこともできると、いうことで、
東京電力や国は今後何十年か後にやはり水棺という状態を作って、
溶け落ちた炉心を外に掴み出したいと言っているんですね。
岩上:やっぱりそれは燃料がもったいないから
小出:
えーっと、燃料がもったいないというよりは、
そこに置いておいたらやっぱり、チェルノブイリみたいに、石棺という事でやったんですけれども、
チェルノブイリも27年経って、初めにつくった石棺がボロボロなんですね。
いま第二石棺というのをつくっていますけれど、
どうせそれもボロボロになる。
そこに溶け落ちたものをとにかく置いておく限りは、
もう、何十年でも何百年でも石棺をつくり続けるしかない、という、そういう事になっているわけで、
それを何とか避けようと思うならば、
溶け落ちたものをどこかに取り出すしかないのですね。
国や東京電力はそれをやると言っているわけですけれども、
まずはその水を張らなければいけない。
私はその水を張ることもできないと思っているわけです。
それでもし水が張れないとなると、
岩上:水が張れないのは穴があいているからですよね、格納容器に。
小出:
そうです。
格納容器にはもう穴があいてしまっているので水浸しにする事が出来ないのです。
水浸しにする事が出来ない状態で、今岩上さんが言ったように、原子炉格納容器のふたを開けてしまいますと、
猛烈な放射線がその・・飛び出してくることになって、
下を覗くなんて言う事を、
人間が行ったらもうその人間が死んでしまうという事になりますので、
今のままだと、「蓋を開ける」という事がまず出来ない。
蓋を開ける事が出来ればそこからね、金属をどんどん放りこむという事は出来るけれども、
岩上:そうですね
小出:今の状況では出来ない。
岩上:
そうするとルートが…、
配管ルートも危ない。
蓋は開けられない。
他になんかあるんですか?送りこむルート。
小出:・・・ようするにないんですよ。
岩上:ないんですか。
小出:
ないというか、何度も言いますけれども、
この事故は人類が初めて遭遇した事故であって、
原子炉の中に金属を流し込むなんていう事は想定もしていなかったわけで、
そういうようなポンプもなければ配管も設置されていないのですね。
ですからその与えられた状態の中で、「何とか金属を入れられないか」という事を、
山田さんも考えているだろうし、私も考えていますし、
いろんな専門家の知恵を合わせてそれをやってみるべきだと思っているのですけれども、
本当にうまくいくかどうかの確信が私にはないのです。
岩上:なるほど。
小出:
じゃあ、それが出来なかったときにどうするか?ということですけれども、
蓋は開けられないと思います。
そうなれば、パイプをやはり何がしかの形で
格納容器の中に引き込むという作業をしなければいけないと思いますけれども、
それは大変です。
被ばくを覚悟でそれは次にやらなければならない。
岩上:
蓋をあけられないのはもう、公理のようなもので、変えられない、絶対に
それに対して、まだ、既存の配管を上手く使って何とかすることを研究すること、
小出:まずそれを考えた方が良い
岩上:
そして、もしかしたら新設のパイプを付けて、格納容器に、格納容器じゃないですね、
圧力容器に入れなくちゃいけないんですね、そもそも。
小出:
本当は圧力容器に入れられると、
もともとそこにあった炉心が圧力容器の底に落ちているんですから、
圧力容器の中に入れることができれば、炉心が落ちたのと同じ経路で下に落ちるわけですから、
ま、やり方としては一番いいだろうと思います。
岩上:そこに接続させる穴でもあけてやると、
小出:
そうです、ただ圧力容器に穴をあけるという事は多分出来ませんから、
すでに圧力容器には様々な配管が接続されていますので、
その配管の一部を上手く使えるような入り方というものを考えて送りこむと。
岩上:なるほど。
これはね、流体力学の専門家だけじゃなくて、そういう本当に工学のね、
あるいは現場の技術者の知恵の結集、
やってやれない事はもしかしたらないかもしれないという事ですね。
小出:
ですから、東電の、東電のというか福島第一原子力発電所を実際に運転していた人たち。
どこにどんなポンプがどんな配管を通して入っているかという事を
十分知っている人たちの知恵がなければできない。
岩上:なるほど、現場の人達の知恵が必要ですね。
小出:はい。
岩上:
鉛ではなくスズが良いんじゃないかと。
これは山田先生もですね、鉛を一応考えていて、
遮蔽性もあるし重鎮静しやすいとかいろんな利点があると。
ただ、有毒なのがもちろんある。
だから他の金属で対応することも考え得ると。
スズとかアルミニウムとか、あるいは合金とか、という事はおっしゃっていたんですけど、
「とりあえず鉛」とおっしゃっているんですが、
小出さんは「スズの方がいいんじゃないか」と、
スズは何が利点がありますか?
小出:
えっとですね、要するに溶けやすい方がいいんですね、まず。
ですから融点が低いのが良いし、
逆に今度は沸点は高い方がいい。
蒸発してしまったら困るので、
そういう事を考えると、鉛よりはスズの方が融点が低いし、沸点は遥かに高い。
岩上:ああ、遥かに高い。どのくらい高いんですか?
小出:
鉛よりは。
鉛は1700℃位だったと思います。スズは2000数百度、だとおもいます。
岩上:
ああ、そうなんだ。
有毒性という点ではどう?

小出:
毒性と言ったらもう毒ですよ、みんな。
スズも鉛もビスマスも、もちろん有毒ですから、本当はやってはいけないんです。
本当はやってはいけないけれど、そんなことは言ってはいられないんです、今は。
岩上:
ここに正造さんがいらっしゃるんですけれどね、
小出先生にとっての最も尊敬する方は足尾銅山の大変、塩害銅害で苦しんだ公害に苦しんだですね、
そうした田中正造さんがね、こういう金属鉱山のね、
猛毒で苦しんだい人を助けたいと思って本当に紛争したその事跡を追って訪ねて佐野まで行かれたりですとかね、
大変尊敬されているんですけれども、まさかそのねぇ・・・、金属を使う事になるとは。

小出:ええ。皮肉なものですけれども。
岩上:皮肉なものですね。
小出:
えっと、スズの融点は232℃です。沸点は2275℃です。
で、鉛の方はですね、融点が327℃、沸点が1750℃ですから、
スズの方が融点が低いし沸点が高いので、
どちらかと言えば私はスズの方が良いのかなと思いますけれども、
でも・・・まぁ山田さんが言っているように放射線の遮蔽性能でいえば鉛の方がいいし、
慎重にみなさんの知恵を集めて選ぶべきだと思います。
岩上:なるほど。
今度、両者が話をするという機械があったら、それはそれで是非お聞きしたいですね。
小出:はい。
岩上:またそれ以外の専門家ともお話しあいにこれからなってくると思いますけど、
小出:
さまざまなアイディアを私のところに寄せて下さる専門家の方がいらっしゃるから、
また岩上さんにもお伝えできることがあるかもしれません。
岩上:ぜひ、
ーーーつづく
小出裕章助教に原発事故の危険性を聞く~岩上安身記者
2011年4月1日
5/9小出先生のインタビュー(岩上安身氏)
2011年5月9日
「水で冷やすというやり方はそろそろ諦めるしかない」と私は思うようになりました。
小出裕章氏8/23報道するラジオ「福島第一原発事故 汚染水の問題は」(文字起こし)
第2部「水冷やめて空冷に」9/11そもそも総研(内容書き出し)
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小出裕章氏インタビュー 岩上安身さん
岩上:
おなじみになりました、小出裕章先生にお話を伺いたいと思います。
小出先生お久しぶりです。
小出:お久しぶりですこんにちは。

岩上:
汚染水の事が起こったときに真っ先に駆けつけなきゃと思いながらも、
あれやこれやとちょっとバタバタしてて、
そうこうしているうちに、もう小出さんはいたるところで取材を受けていらっしゃいますから、
もう第一人者。
メジャーメディアもなんか僕がここに始めてくる頃に比べてはですね、
「メジャーメディアが小出さんを取り上げない」なんていう話をしてたんですけれども、
そんなこと全然ないですよね。
小出:ないです。
岩上:
あらゆるメディアがね、小出さんに取りすがっているというような形で、コメント等、
かなりの新聞雑誌にお出になられているとは思います。
だから重ねての話も多いかと思いますけれども、改めて伺いたいと思います。
というのは、ここに来る前に、これまで小出さんと話したことを振り返ってみました。
実は、私は初めて連絡をして、そして「この日が良いよ」という事で来れたのが、
2011年4月10日だったと思うんですね。
4月10日だったと思うんです、確か。
非常に4月の初めで、要するに事故から1カ月後っていうところでした。
もうちょっと早くから連絡してたんですが、なかなかあわただしくてね、
先生も大忙殺されていましたので、
小出:はい。
岩上:
取材をとる時間がないという事だったんですけれども、
それでもかなり早い時に来て「炉心はどうなっているんだ?」といったお話をさせていただいた時に、
すでに、二人の間で汚染水の話をしているんですね。
小出:はい、そうですね。
岩上:
水の冷却。
でも僕は「水は上から入れているのに何でそれの水位が減っていくんだ?」と、
素人だけど、それは穴があいていて地下に潜っていくしか理由がないと思うんですけど、いかが?
って言ったら、「その通りです」とおっしゃって、
だから「地下水に漏れていっているだろう」と。
「かけてもかけても流れていく」という事で話をしながら、
それでもあの当時は「第一優先が冷やす事なんだ」と、
小出:そうです。
岩上:
「とにかく冷やせ」と。
それで、「汚染水の問題はこれから重大な問題になってくるから、この汚染水をタンカーで持って行く」と
「柏崎刈羽へ持って行くという事で考えてもらいたい」
この柏崎刈羽の話はここで聞いて東電に直接ぶつけましたけれど、
「できません」と。
それは自治体が受け入れないし、その他の事があったんだと思いますね。
そのように言って、結局はタンクを作ってきて、その挙句にタンクの穴が開くと。
また漏水が見つかりましたね。
20万ベクレル。
※東電福島第一20万ベクレル海へ流出
「原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則」に該当。他 この数日内の事故
いや・・・、これを続けていったら、
30年とか、これかかるわけでしょ?全部終わるまでに。
300基600基という数をですね、30年続けていたら何千基になるんだ?って。
ちょっとですね・・・大変なことになっちゃったんじゃないか?という事がひとつ。
それから、ちょっと先走りして言いますけれども、
「これは水以外で冷やすしかないのではないか?」ということで、
鉛を使ってですね、冷やした方がいいと。
こういう事を2011年6月に発表していた山田先生と山田廣成さん、立命館大学の先生ですけれども、
その先生が当時間違いなく6月に発表しているんですけど、何の注目もされなくて、
大変恐縮ですけれども、私どもも最近まで気がつかなくて、
ここまで来て、やっぱり汚染水の漏えいまできたからこそ、
本当にこの「水で冷やし続けるのは無理だな」と考えたからこそ、
この鉛の事をね、真剣に聞く必要があると思って、先日山田先生のところに行って、
長時間そのメカニズムに関してお話を伺いました。
山田先生は直接小出先生にもお電話をして、「このアイディアを聞いてほしい」というんでお話をしたと
小出:はい、ご連絡を頂きました。
岩上:
と聞きました。
ま、そんなことも含めて、
現状の汚染水の状況、
これを管理している東電、政府のやり方、
そして、かつていくつか、水棺というものやいろいろな方法について先生はお考えになりました、と。
「どうもこれが行き詰理ではないか」と考えていらっしゃるという、
このあたりについてまずはお話し願いたいと思います。
小出:
はい。
事故の当時にさかのぼっていくつか聞いていただきますけれども、
2011年3月11日に地震と津波に襲われて、
福島第一原子力発電所の1号機から3号機までの炉心は全て溶け落ちてしまったのですね。
溶け落ちてしまえば大量の放射性物質が
空気中、あるいは液体の方に出ていってしまうという事は避けられなかったわけで、
すでにもう、残念ながら大量の放射性物質が出てしまいました。
でも、それ以上出さないように何とかしようと思えば、
やはり溶かさない、ひたすら冷却をするという事しかなかったわけですし、
物を冷やすという時に、一番効果的な物質は水です。
水以上にいいものはもう、何もありません。
ですから私は事故直後には、「とにかく水を入れてくれ」と、
ま、水がなければ海水でもいいし、
海水が上手く使えないと言うなら、もう泥水でもいいからとにかく水を入れてくれと私は言っていたのです。
そのまま、ま、今日まできている訳ですけれども、
でも、溶けた炉心を冷やそうとして水をかければ、
その水が今度は汚染水になるという事は当たり前な事なのであって、
やればやるだけ汚染水が増えてしまう。
当然なんですね。
それを、当然なことを2年半やり続けてきて、
2011年の3月の段階でも既に10万トンもの汚染水が敷地内に溜まっていて、
私はすぐに「これでは破たんする」と思いましたので、
岩上さんもおっしゃって下さったけれども、「タンカーでとにかく運び出すべきだ」と、
コンクリートの構造物なんかでは到底水を蓄えることはできないので、
「タンカーが良い」と。
「タンクなんか作っているんでは間に合わない」と、
私はそういう提案をしたんですが、それも入れてもらえないまま
東電の方は「とにかくタンクをつくる」という事でやってきている訳ですけれども、
でもそのタンクも、きちんとしたタンクをつくる状況にはありません。
鋼板を溶接して、漏れないようにしながら、…というような作業は、
もうあの現場ではできません。
猛烈な被ばく環境ですので、そんなゆっくりしたことはできない。
鋼板を持ってきて、パッキンを挟んでボルトで止めるというようなタンクしか作れなかったわけですね。
すでにそうやって数100基のタンクを作ったわけですけれども、
岩上:
これは・・・作れ・・なかったと今おっしゃいましたけれども、
「コストの面で出来るだけ安くしたくて溶接型のタンクにした」というのとはまたちょっと違うんですか?
小出:
えっと、コストもあるんでしょうけれども、
私はむしろ、「作業が出来ない」しっかりとした作業が。
要するに被ばく環境で、全ての作業が被ばくを伴う。
岩上:あーー、つまり、溶接をするとなると、現場で溶接をしなきゃ
小出:もちろんです。現場で溶接しなきゃないわけですから。
岩上:しかもそれは時間がかかる
小出:
そうです。時間がかかります。
鋼板を持ってきてボルトで締めるだけならば、時間はそれほどかからないけれども、
鋼板をちゃんと溶接しようと思えば大変な時間がかかってしまう。
それをやれば被ばくがどんどん蓄積をしてしまうということで、
「たぶんそれだろう」と私は思いますけれども、簡易型のタンクを作ったわけですね。
でもそんなものは漏れるのが今度は当たり前なわけであって、
次から次へと漏れてしまっている。
「これからもどんどん漏れていくだろう」と思います。
ですから、まぁ、物を冷やすには水をかけるのが良いのだけれども、
かけ続けてきたが為に、また今度はどうにもならない所に追い詰められてしまっているわけですね。
で、立命館の山田さんの話も今、岩上さんがして下さったけれども、
私は事故直後にヨーロッパの研究者の方から、
「金属で冷やせ」というアイディアを教えてもらったことがあるのです。
ただしその当時は、私自身が「崩壊熱も高いし、金属では無理だ」と、
「とにかく水しかない」と思い込んでいたので、
そのアイディアもリジェクトして、「とにかく水」と、私自身も言ってきたのです。
ただここまで来てしまうと、
岩上:
先生、このね、今おっしゃった「崩壊熱が高い」と。
この当時は「崩壊熱が高いから金属を使うのは無理だ」というのには、
そこそこ根拠が、おそらくおありだと思うんです。
どの程度の、当時は崩壊熱と考えられ、
そしてどういう金属を使うと、まぁ、溶けるのが良いのかもしれませんけど、
問題は沸点っていうんでしょうかね、気体化してしまうと、
たとえば鉛も気体化してしまうと非常に危険ですよね?
小出:もちろんです。
岩上:
だからそういう事があって、
いろいろとお考えがあった上でこの時は却下っておっしゃったと思うんですけれど、
実際には、当初はどんな状況だったんですか?
小出:
福島第一原子力発電所の1号機は46万Kw。
2,3,4は78万Kw位だったと思います。
で、事故で運転を停止したわけですけれども、
停止した直後で言うなら、
1号機の場合には、1万Kw位の崩壊熱がありました。
ですから、各家庭のみなさんの電気ストーブとか、電熱器とかをお使いだとすれば
それが1万個常に発熱を続けるという、そういう発熱があったんですね。
そういう発熱だとすると、1分経つと家庭で使っているふろ桶の水が全部蒸発してしまうという、
そんなぐらいの発熱。
ん・・・、事故直後はもっと多いと思います。
で、1日経つと、ほとんど10分の1に減るんです。

その頃で多分家庭用の風呂の水が1分ごとに蒸発してしまうという、まだそんな強烈な発熱なのです。
ですからそんな発熱を金属で冷却できるってあり得ないので、
水を入れるしかないと私は思っていました。
ただ、崩壊熱は今聞いていただいたように、
1日経つと10分の1に減るし、1年経つとまたその10分の1ぐらいになってくれる、
つまり事故直後から1年経てば100分の1まで減ってくる訳ですね。
今は2年半たっていますので、ほとんど数100分の1に減ってくれている。
そういう状態になっているのであれば水でなくても、
金属をとにかく溶けた炉心のところに届かせる。
そうすると、私が考えているのは、
鉛であるとか、スズであるとか、ビスマスというような、融点が低い金属を考えているのですが、
そういう金属を、もし炉心があるところに届かせることができれば、溶けると思います。
もともと100トンぐらいの炉心だった訳ですけれども、それに金属を加えていって、
体型がたとえば200トンになる、300トンになるというふうに、どんどん大きくなっていく。
で、発熱自身は崩壊熱で、基本的には減っていってくれるわけですから、
発熱量が決まっている時に、体型がどんどん大きくなっていくと、
あるところで必ずバランスするところがくると、私は思っているのです。
発熱ですから、除熱しない限りはもちろん温度が上がっちゃうわけですけれども、
格納容器の表面から放熱する。
原子炉建屋の表面から放熱するという、
必ずそういう物理現象は起きるわけですから、
「ここまでくれば出来るだろう」と私は思います、水じゃなくても。
岩上:なるほど。
小出:はい。
岩上:
いくつかのですね、鉛を使った方法。
山田さんがおっしゃっているのとほぼ同様の事をお考えだとして、
小出:ちょっと違うんですけど、私は。
岩上:あ、ちょっと違いますか
小出:はい
岩上:
だけど、挿入の方法がですね、冷却水のところから、水と共に細かい鉛の粒粒を入れる。
そうすると、水によって燃料の近くに届くと。
そして沈んでいくと。
沈んでいくと水と遮断されるために、この燃料は熱を持ちますね。
そうすると自然に、これは融点が低いから溶けだすと。
溶けることによって燃料をコーティングする。
コーティングしていって、外界と遮断するので、放射性物質が出なくなると、
ま、ざっくりいうとこういうような話で、
結果、それが熱を持つことで、今空冷とおっしゃった、ラジエーターの機能を果たすだろうと、
格納容器や何かが。
というところも、ほぼおんなじように思えたんですが、
違いがあるとしたらどこなんでしょう?
小出:
炉心というものはもともとウランを焼き固めたセトモノだったんです。
ウランを焼き固めたそのセトモノは2800度を超えないと溶けないのですけれども、
実際には溶けてしまったと言っているんですね。
溶けてしまって、圧力容器という鋼鉄製の圧力がまの底にまず落ちた。
しかし鋼鉄というのは1400度1500度で溶けてしまいますので、
簡単に圧力がまの底が抜けて、さらに下に落ちたわけですね。
じゃあ、その下というのはどこか?と言うと、
放射能を閉じ込める最後の防壁として設計されていた
原子炉格納容器、という容器の底に落ちた筈なんですね。
ただ、原子炉格納容器というのは、基本的には鋼鉄製で、
厚さが3cmしかない鋼鉄製なのです。
ですから、溶け落ちた炉心がもし原子炉格納容器の更迭に接触してしまうと、
それも簡単に穴があいてしまう訳ですね。
そこで、じゃあ、東京電力や国はなんて言っているか?って言うと、
「圧力容器からドボッ!と落ちてきた溶けた炉心は、格納容器の床に落ちる」と。
「その部分には床がコンクリートで1m分床張りしてあるんだ」と。
で、コンクリートの上に落ちて、コンクリートを破壊しながら少しずつ下にめり込んで行ったと。
しかし、「1mのコンクリートのうち、やられたのは70cmだけで、30cm分はまだ残っている」
というのが国と東京電力の主張なんです。
岩上:チャイナシンドロームの一歩手前というね、
小出:そうですね。まだ格納容器の底が抜けていないというのが、
岩上:でもそれは計算上そうなっているんで、なにも事実を観測された訳ではないんですね?
小出:
もちろんです。
ですから、私はそれを聞いた時に、もう一瞬噴出しましたけど、
「あなた達見てきたんですか?」と、聞きたくなったわけですね。
格納容器に入れる道理もないし、原子炉建屋にすら入れないという、そういう状況な訳ですから、
本当はどうなっているのか分からないのです。
ただ、今聞いていただいたように、国や東京電力が書いている絵だとすると、
上からドボッ!と落ちてきたものが、そこに饅頭のようにある・・・んですよ。
山田さんも多分そういうイメージ。
ですからそこに鉛を入れることができれば、饅頭の上に降り積もって饅頭をコーティングするという、
山田さんのイメージは多分そうだと思いますが、
岩上:
格納容器に穴があいて、地面が落っこって、コンクリートを破っている、
ということの想定はもちろんしていて、
それでも水をかけていると、鉛の粒粒は格納容器の穴も落ちて、そしてそのコンクリ―トのところにね、
もう食いこんでしまっているところにも落ちていき、
最終的にそれを溶かして、
その内側の下釜までうまく回り込んでコーティングできるかどうかまでは分からないけど、
少なくても外界とは遮蔽するだろうと
小出:山田さんはそういうイメージなんですね。
岩上:そうです。
小出:
ですから、山田さんは国や東電の言っているように、
「格納容器がまだ健全だ」というふうには思ってないかもしれない。
格納容器が抜けているかもしれないけれども、
でも要するに塊としてあるというイメージなんです。
私は違うんです。
多分ドドッっと落ちているし、膨大な水をジャージャーとかけてきて
格納容器の間は蒸気が充満して雨のようにザーザーと流れているという、
猛烈な、その、動的な環境なんです。
岩上:動的環境か。
小出:ですからスタティックに、なんか静かにそこにあるなんていう事ではなくて、
岩上:すごい灼熱で、
小出:はい
岩上:上記でモヤモヤで
小出:そうです。
岩上:
茹だっていて、ザーザー上からまた雨が降る。
ジャングルの中みたいになっている、
小出:そんなになっているわけですね。
岩上:なるほどー。
小出:
だからその溶け落ちたのが
どこか1カ所に塊になっているというふうには私は思わないで、
岩上:流動している?
小出:
落ちる時に多分かなり細かく、
要するに溶けるわけですから、液体になるわけですね。
それで細かく分散して、私たちスラッジ―とかスラリーとか呼ぶ物質があるんですけれども、
要するに泥水みたいなものですね。
そういう形で落ちている筈なので、
多分炉心と言っているものが、塊というか、もうそこいら中に分散してしまっていて、
壁にへばり付いているようなものもあるかもしれない、そういう形かもと私は思っているのです。
そうなると、山田さんが言っているように水と一緒に入れて、
本当に、あちこちに分散してしまっている炉心に全て上手く届かすことができるか?と問われてしまうと、
私は自信がないんです、実は。
岩上:
はっはぁ~・・・なるほど。
これはそうか、イメージの違いですね。
小出:
ただし、私が言っているのが正しいか、
あるいは東電や国が描いているのが正しいのか、
分からないのです。
岩上:
あのー、山田さんのお考えの前提になっているのは、
一応東電がイメージしているものがベースにしていると言った方がいいですね。
小出:そうです。
岩上:
じゃあ、非常に動的な環境であり、バラバラに散乱し、
その散乱したものがまた、要するに動的環境ですから、水流にいろんな形で動かされ、
「まだ動いている」という?
小出:たぶん今でも動いていると私は思っている。
岩上:そんなものをこれから小出さんは、鉛もしくは金属でどのように冷却し、鎮めることができると?
小出:わからないのです。ですから、ま、
岩上:
難しいんだ。はぁ。
どうやって、じゃあ入れるんですか?
まず山田さんの冷却装置から入れるのは同じなんですか?
小出:
それは一番簡単なやり方だと思いますし、
それを本当に入れられるかどうかという事を、
金属の専門家と流体力学の専門家が集まって、まずは検討しなければいけないと思いますね。
原子力発電所というのは結構複雑な構造になっていますし、
たとえば水を入れると言ったって、ポンプで送っているわけですね。
ポンプというのはそれぞれ、水を送るためのポンプというものもあるわけだし、
ま、泥水用のポンプというものもありますし、
他の金属を入れるためのポンプというものもあるわけですし、
今はただ、水を入れるためのポンプで水を入れているわけですね。
岩上:なるほど。
小出:
その水の中に、…ま、私はスズの方がいいと思っているんですけれど、今は。
いずれにしてもその金属をですね、細かい粉体にして流そうというアイディアが今山田さんが言っているし、
私もそれが一番いいと思うけれど、
本当に、でもそれでポンプで送れるか?
配管だって、多分ウネウネしているわけで、配管のあちこちに溜まってしまうかもしれないし
岩上:
詰まっちゃう。
配管が詰まっちゃうと大変ですね。
小出:今度はどう仕様もなくなるんですね。
岩上:水でも冷やせなっちゃいますからね。
小出:
ですから、どの位の粉体の金属が良いのか?
そしてどの位の流量の水があればそれを送ることができるのか?という、
かなりシビアな検討を重ねなければいけない。
岩上:
ちょっと今それは、非常に配管のつまりは怖いと思いました。
いまマンションの下水の配管が詰まってですね、溢れかえるという事、
小出:ありますね。
岩上:
もうすごい、ウンチがですね溢れかえっちゃったって、非常に痛いことになってて、
そこから先どこの詰まりなのか?って簡単にね、
2階から1階にただの配管を調べるのにエライ事だったんですよ。
だから、万が一あれほど複雑で巨大なプラントの中で、何かしら詰まらせたら大変ですよね。
手の打ち様がないっていうか・・・、
小出:
べつにウンチならいいですよ。
私別にウンチの中に手を入れてもいいけれども、
原子力発電所の場合は放射能で、手を入れたら死んじゃうという、そういうものを相手にしている訳ですよね。
岩上:んーーーー。
小出:
ほとんどその作業自身が、どんな作業をしても被ばくをしてしまうわけだし、
場合によっては作業が出来ないような場所があるわけで、
特に炉心に水を入れる、金属を入れるというような事をやろうとすると、
猛烈な被ばくの場所に踏み込まざるを得なくなる、ということも多分ある。。
岩上:「多分ある」という事は、…ポンプで送る時は安全じゃないですか?
小出:
えっと、今のポンプ、今の配管を何にも手を入れないで、
水を流していたのと同じように金属が流せるのならそれでいいけれども、
多分そんなことはない。
岩上:多分そんなことはない。
小出:はい。
岩上:な、なにをしなくちゃいけないんですか?
小出:
要するに山田さんにしても「やってみよう」って言っているわけですね。
ですから私も「やってみよう」と思っているし、
今のままの形でやれるとすれば、
どういう金属をどれだけの粒型の粉にして、
ポンプの流量をどうやって制御すれば、途中で詰まらずにいけるか、ということを
沢山の専門家が集まって、まず検討する。
そして「やれる」となった時に初めてやる事になると思うのですけれども、
でも、うまくいかない可能性もあります。
「やってみたけれども詰まっちゃった」という事が起きるかもしれないと私は思う。
そうなるともう、そのポンプ、その配管は諦めて、
また別の配管なりを設置しなければいけなくなるかもしれない。
そうなると・・・大変だと思います。
岩上:非常に近くに行って工事をしなくちゃいけないという事ですよね。
小出:
そうです、
ですから今まで金属を炉心に入れるなんていう事は原子力発電所は考えてもいなかったわけだし、
そのためのポンプもなければ、そのための配管もないんですね。
今あるやつで何とかそれが出来ないかという事を考えなければいけないわけで、
岩上:
これがむしろ難しいとなれば、
「炉心の蓋を開けて中に入れる」みたいなことはできないんですか?
小出:
もともと、一時期水棺という話があってですね、
格納容器全体を水で満たすことができるならば、
下に落ちた炉心からの放射線を水が遮ってくれるから、上から作業ができるという
そういう、原子炉を冷やすこともできるし後で溶け落ちた奴を取り出すこともできると、いうことで、
東京電力や国は今後何十年か後にやはり水棺という状態を作って、
溶け落ちた炉心を外に掴み出したいと言っているんですね。
岩上:やっぱりそれは燃料がもったいないから
小出:
えーっと、燃料がもったいないというよりは、
そこに置いておいたらやっぱり、チェルノブイリみたいに、石棺という事でやったんですけれども、
チェルノブイリも27年経って、初めにつくった石棺がボロボロなんですね。
いま第二石棺というのをつくっていますけれど、
どうせそれもボロボロになる。
そこに溶け落ちたものをとにかく置いておく限りは、
もう、何十年でも何百年でも石棺をつくり続けるしかない、という、そういう事になっているわけで、
それを何とか避けようと思うならば、
溶け落ちたものをどこかに取り出すしかないのですね。
国や東京電力はそれをやると言っているわけですけれども、
まずはその水を張らなければいけない。
私はその水を張ることもできないと思っているわけです。
それでもし水が張れないとなると、
岩上:水が張れないのは穴があいているからですよね、格納容器に。
小出:
そうです。
格納容器にはもう穴があいてしまっているので水浸しにする事が出来ないのです。
水浸しにする事が出来ない状態で、今岩上さんが言ったように、原子炉格納容器のふたを開けてしまいますと、
猛烈な放射線がその・・飛び出してくることになって、
下を覗くなんて言う事を、
人間が行ったらもうその人間が死んでしまうという事になりますので、
今のままだと、「蓋を開ける」という事がまず出来ない。
蓋を開ける事が出来ればそこからね、金属をどんどん放りこむという事は出来るけれども、
岩上:そうですね
小出:今の状況では出来ない。
岩上:
そうするとルートが…、
配管ルートも危ない。
蓋は開けられない。
他になんかあるんですか?送りこむルート。
小出:・・・ようするにないんですよ。
岩上:ないんですか。
小出:
ないというか、何度も言いますけれども、
この事故は人類が初めて遭遇した事故であって、
原子炉の中に金属を流し込むなんていう事は想定もしていなかったわけで、
そういうようなポンプもなければ配管も設置されていないのですね。
ですからその与えられた状態の中で、「何とか金属を入れられないか」という事を、
山田さんも考えているだろうし、私も考えていますし、
いろんな専門家の知恵を合わせてそれをやってみるべきだと思っているのですけれども、
本当にうまくいくかどうかの確信が私にはないのです。
岩上:なるほど。
小出:
じゃあ、それが出来なかったときにどうするか?ということですけれども、
蓋は開けられないと思います。
そうなれば、パイプをやはり何がしかの形で
格納容器の中に引き込むという作業をしなければいけないと思いますけれども、
それは大変です。
被ばくを覚悟でそれは次にやらなければならない。
岩上:
蓋をあけられないのはもう、公理のようなもので、変えられない、絶対に
それに対して、まだ、既存の配管を上手く使って何とかすることを研究すること、
小出:まずそれを考えた方が良い
岩上:
そして、もしかしたら新設のパイプを付けて、格納容器に、格納容器じゃないですね、
圧力容器に入れなくちゃいけないんですね、そもそも。
小出:
本当は圧力容器に入れられると、
もともとそこにあった炉心が圧力容器の底に落ちているんですから、
圧力容器の中に入れることができれば、炉心が落ちたのと同じ経路で下に落ちるわけですから、
ま、やり方としては一番いいだろうと思います。
岩上:そこに接続させる穴でもあけてやると、
小出:
そうです、ただ圧力容器に穴をあけるという事は多分出来ませんから、
すでに圧力容器には様々な配管が接続されていますので、
その配管の一部を上手く使えるような入り方というものを考えて送りこむと。
岩上:なるほど。
これはね、流体力学の専門家だけじゃなくて、そういう本当に工学のね、
あるいは現場の技術者の知恵の結集、
やってやれない事はもしかしたらないかもしれないという事ですね。
小出:
ですから、東電の、東電のというか福島第一原子力発電所を実際に運転していた人たち。
どこにどんなポンプがどんな配管を通して入っているかという事を
十分知っている人たちの知恵がなければできない。
岩上:なるほど、現場の人達の知恵が必要ですね。
小出:はい。
岩上:
鉛ではなくスズが良いんじゃないかと。
これは山田先生もですね、鉛を一応考えていて、
遮蔽性もあるし重鎮静しやすいとかいろんな利点があると。
ただ、有毒なのがもちろんある。
だから他の金属で対応することも考え得ると。
スズとかアルミニウムとか、あるいは合金とか、という事はおっしゃっていたんですけど、
「とりあえず鉛」とおっしゃっているんですが、
小出さんは「スズの方がいいんじゃないか」と、
スズは何が利点がありますか?
小出:
えっとですね、要するに溶けやすい方がいいんですね、まず。
ですから融点が低いのが良いし、
逆に今度は沸点は高い方がいい。
蒸発してしまったら困るので、
そういう事を考えると、鉛よりはスズの方が融点が低いし、沸点は遥かに高い。
岩上:ああ、遥かに高い。どのくらい高いんですか?
小出:
鉛よりは。
鉛は1700℃位だったと思います。スズは2000数百度、だとおもいます。
岩上:
ああ、そうなんだ。
有毒性という点ではどう?

小出:
毒性と言ったらもう毒ですよ、みんな。
スズも鉛もビスマスも、もちろん有毒ですから、本当はやってはいけないんです。
本当はやってはいけないけれど、そんなことは言ってはいられないんです、今は。
岩上:
ここに正造さんがいらっしゃるんですけれどね、
小出先生にとっての最も尊敬する方は足尾銅山の大変、塩害銅害で苦しんだ公害に苦しんだですね、
そうした田中正造さんがね、こういう金属鉱山のね、
猛毒で苦しんだい人を助けたいと思って本当に紛争したその事跡を追って訪ねて佐野まで行かれたりですとかね、
大変尊敬されているんですけれども、まさかそのねぇ・・・、金属を使う事になるとは。

小出:ええ。皮肉なものですけれども。
岩上:皮肉なものですね。
小出:
えっと、スズの融点は232℃です。沸点は2275℃です。
で、鉛の方はですね、融点が327℃、沸点が1750℃ですから、
スズの方が融点が低いし沸点が高いので、
どちらかと言えば私はスズの方が良いのかなと思いますけれども、
でも・・・まぁ山田さんが言っているように放射線の遮蔽性能でいえば鉛の方がいいし、
慎重にみなさんの知恵を集めて選ぶべきだと思います。
岩上:なるほど。
今度、両者が話をするという機械があったら、それはそれで是非お聞きしたいですね。
小出:はい。
岩上:またそれ以外の専門家ともお話しあいにこれからなってくると思いますけど、
小出:
さまざまなアイディアを私のところに寄せて下さる専門家の方がいらっしゃるから、
また岩上さんにもお伝えできることがあるかもしれません。
岩上:ぜひ、
ーーーつづく
小出裕章助教に原発事故の危険性を聞く~岩上安身記者
2011年4月1日
5/9小出先生のインタビュー(岩上安身氏)
2011年5月9日
「水で冷やすというやり方はそろそろ諦めるしかない」と私は思うようになりました。
小出裕章氏8/23報道するラジオ「福島第一原発事故 汚染水の問題は」(文字起こし)
第2部「水冷やめて空冷に」9/11そもそも総研(内容書き出し)
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コメント
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福島1原発爆発の真犯人はイ・米連合
SNS情報によれば、米クリントン政権は「ソ連崩壊後に米国の最大の脅威になっているのは日本である」と決定した。それ以来、ブッシュ政権、オバマ政権は対外政策上でこのコンセプトに立って行動している。
福島1原発は、3号炉に2発、4号炉に1発のミニ核爆弾を仕掛けていた同原発保安担当のイスラエルMagna BSP社と、同原発設計者の米GE社が共謀で、3・14にStux Net Virusの遠隔操作で爆破した。3号炉からは高さ600mのキノコ雲が立ち昇った。核爆発でないと、水蒸気爆発ではキノコ雲が立ち昇らないと、ロシアの専門家が指摘している。米NSA職員・原子力専門家Jim StoneがGE社の原発設計技師の証言を得て、AFR=米自由ラジオで暴露した。宇宙情報がその情報を真実であると確認した。彼は2度の投獄、度重なる殺しの脅迫で、CIAによる謀殺の脅威切迫から、メキシコへ亡命、そこから暴露した。政府事故調、国会事故調も、野党も、マスゴミも、真実を隠蔽している。
http://www.youtube.com/watch?NR=1&v=YSU5bP12mH0&feature=endscreen
福島1原発爆発の真犯人はイ・米連合
SNS情報によれば、米クリントン政権は「ソ連崩壊後に米国の最大の脅威になっているのは日本である」と決定した。それ以来、ブッシュ政権、オバマ政権は対外政策上でこのコンセプトに立って行動している。
福島1原発は、3号炉に2発、4号炉に1発のミニ核爆弾を仕掛けていた同原発保安担当のイスラエルMagna BSP社と、同原発設計者の米GE社が共謀で、3・14にStux Net Virusの遠隔操作で爆破した。3号炉からは高さ600mのキノコ雲が立ち昇った。核爆発でないと、水蒸気爆発ではキノコ雲が立ち昇らないと、ロシアの専門家が指摘している。米NSA職員・原子力専門家Jim StoneがGE社の原発設計技師の証言を得て、AFR=米自由ラジオで暴露した。宇宙情報がその情報を真実であると確認した。彼は2度の投獄、度重なる殺しの脅迫で、CIAによる謀殺の脅威切迫から、メキシコへ亡命、そこから暴露した。政府事故調、国会事故調も、野党も、マスゴミも、真実を隠蔽している。
http://www.youtube.com/watch?NR=1&v=YSU5bP12mH0&feature=endscreen
パイプに細いチューブなどを通して、そのチューブから鉛などを流すなんてどうでしょう?
| 2013.10.07 16:17 | 編集