福島第一原発4号機燃料取り出しの技術的問題11/15後藤政志氏(内容書き出し)

後藤政志氏 2013年11月15日


00:45~
1.福島第一原発4号機燃料取り出しの技術的問題

2013112011.jpg

それでは最初に4号機の使用済み燃料取り出しの問題です。
これは東京電力が発表している写真になります。
燃料取扱全体と書いてありますけれども、要はオペフロと言って一番最上階ですね。
その上に、これ、爆発で吹っ飛んでたんですね。
それをひとつはこれ燃料取扱の設備として大きな上のクレーンと、
燃料を吊るための設備を設置しております。
これは新しく設置したんですね。
ですから本来はもともとあったものを作り直しているものですから、
この機会そのものがちゃんと機能するかどうか?というそういう検査が必要です。
これは東京電力がそれを実施したという事になります。

2013112012.jpg

同じく写真でこれは分かりやすいんですが、この下に使用済み燃料があります。
そしてここで燃料を1本1本取り出して、ここから取り出したものをキャスクの中に詰める作業です。
何両をつかむところ他下にあるんですね、小型のクレーンみたいな。
で、こちらに大型のクレーンがありましてこれでキャスクを吊る。

2013112013.jpg

技術的なもんたいとしてはこういうことになります。
まずはキャスクを使用済み燃料プールの中に水に浸けて入れます。
その状態で、今度は燃料を1本1本吊ってですね、キャスクの中に移すという作業をやります。
それが全部で1533体ありまして、
そのうち202たいだけは新燃料で放射線帯びていないんですけれども、
それ以外の1300体以上は使用済みの燃料なので非常に放射線量が強い。
放射線が強いですから水の上に出せません、人が被曝してしまいますから。
それで水中で作業をします。

水中で作業する時の、この時の技術的な問題をいくつか指摘しておきたいと思います。
これは東京電力も当然いろんな検討をしている訳ですが、
私がみたところいくつかの疑問があります。

その一つの疑問は
これは一番最初から課題になっているんですけれども、
ラック、今収めてあるところから引き上げる時ですね、
がれきが今までいっぱいあったわけです。
そのがれきをわかる範囲で取り去っているんですけれども、残っている可能性がある。
その時には上げて行く途中で引っかかる可能性があります。

引っかかってしまうとどうなるか?というと、
一応引っかかった時にはそれ以上力がかからないようにインターロックがかかっているんですね。
1トン以上かからないように。
それは燃料を壊さないためです。
ただ、ここは計測しながらですね、加重計が付いている、計測しながら人がやるんですね。
コンピューター制御じゃないんです。

そうすると引き上げていく途中で見ている訳ですけれども、
たとえばそれをちょっと人が見落としてしまったり、
あるいは計測系に不備がちょっとあったりすると、とたんにグーッっと上がってしまって、
その時には最大の力、つまりインターロックで決められた力までかかるんですね。
その状態になりますと多分噛みこみますので、
そこまで行くとこの吊っている機械を緩めても燃料が多分落ちない。
引っかかっ他状態になっている、途中で。
そうすると中途で引っかかってこういう状態になりますと、
その状態でもうホールド、つまり止めるしかないんですが、
問題は、その状態で安全の状態を保てるか?という事なんですね。
その状態自身はずっと維持しながら、ま、外せばいいんですけれども、
一番怖いのはその状態で地震がくるとどうなるか?という事ですね。
途中でつっかえて、真ん中のところで支えて、地震でゆすられますから、
燃料が損傷する可能性が極めて高い。という事があります。

ですから問題は、「引っ掛かった時に対策」というのが、
東京電力は「いろいろと検討している」と言っているんですが、
本当に引っ掛かった時にどうやってやるか?という、非常に難しい問題を抱えている。
特にそれに地震が絡んだ場合という事になります。


さて、使用済み燃料をキャスクという大きな容器に入れます。
そのキャスクというのはですね、これがキャスクです。

2013112014.jpg

こう言うふうに断面をとっていますけれども、非常に
ここの蓋をとって立てた状態で上から燃料を入れます。これが22体入るかっこうになります。
で、キャスクの中に入れて、外側は遮蔽されていて、
当然もちろん放射能も出ないようにしてあるんですけれども、
このキャスクに入れる作業が一つは大事なんですね。


キャスクに入れた後、今度は大きいクレーンでキャスクを吊りあげる
吊りあげて建物の外へ持ってくる訳ですね。

その時に、一つはですね地震がきた時にどういうふうになるか?という事ですけれども、
先ほどの噛みこんだ状態のものですけれども、
フリーで吊っている状態ですね、この状態も水の中にありますので、燃料は。
多分水の中にあると地震がきてもですね、水の抵抗があるのでそんなに大きくは揺れないはずなんです。

問題は、この水が長周期の地震でスロッシング、水が大きく動揺する可能性があります。
その時にはその水と一緒に燃料も揺れます。
これがものすごく力を発生します。
で、そういう事が起こると燃料を損傷しやすい。

あるいはキャスクを吊った状態ですね。
このキャスク地震がやっぱりゆすられる。スロッシングで。
これは非常に問題です。

東京電力によるとこれ(キャスクをつり上げるクレーンの腕)が長いので、あんまり共振しない。
「地震がきても大丈夫だ」と言っているんですが、それは間違っているんですね。
地震の種類では周期が長い波がありますから、
実際に石油タンクがそういう長周期の揺れでスロッシングで壊れているんですね。火災を起こしています。

これですと、大体5mぐらいから一番長い時には30m近くまであるんですけれども、
これで周期が数秒から10数秒くらいまで動きます。
そうするとその長周期がですね、
普通の地震というのは0.何秒とか1秒とかそういう数値なんですけど、
長周期の場合は数秒から10秒ぐらいあるんですね。
実際に高層ビルが揺れるのが大体数秒から10秒ぐらいのオーダーです。

そういう状態になるとですね、もう手がつけられないんですね、それが起こってしまったら。
だから東京電力は「そういう事は共振しない」と言っているんですが、
私はそういう考え方は間違っていると思います。

「共振する可能性がある」と見て判断するべきで、
その時にどうするか?という事を言っています。
そうすると最初からロープで引っ張っておくとかね、なんか対策をとっておかないと、
いったんこれが揺れ始めるとどうしようもないです。

それが一番心配される事です。


さて、ここで積み出します。
積み出しまして、問題になりますのはあと、

2013112015.jpg

ここ、オペフロって、ま、一番上ですけれども、
ここからカバーを付けておりまして、建物の外に出します。
それで、キャスクをですね、台車の上に乗せて搬出する。
これで共用プールの方に持っていくんですが、
ここはちょっと勘違いするんですけれども、ここは切っています(赤丸)
つまりここの高さは上から下までの高さが非常に高いんですね。
で、全部入れるとこれは30m超える、32mというふうに考えられます。

問題は、この非常に高いところから間違えて落っこちたらどうか?という事です。
その時にキャスクがもつかどうか?
実際キャスクの設計というのは輸送する時、それからその時の落下ですね、
それから火災、それから放熱も含めて、
それで放射能を外へ出さないというそういう設計になっているんですが、
実際には9mの高さから落下実験をやって、漏れないことを確認しました。
燃料も損傷しないというふうにやっています。
これは実際にそういう基準になっていまして、
キャスクの設計はそういうふうにしなくちゃいけないんですね。

ところがそれ以上の高さについてはやっていませんので、
それで調べたところ、東京電力が言ってたのは、
電力中央研究所がやっていた研究では17mの高さから落とした実績がある、研究した。
それでなんとか大丈夫だと、いうふうに言っています。
で、問題はですね、17mでやっている。
それが十分かどうかは分からないんですけれども、
17mが仮にOKだとすると、「32mの時はどうですか?」ということになりますね。

で、原子力規制委員会の委員長も、それについては、
「下にちゃんとクッションがあって、計算でやってみると、たぶん32mまで大丈夫でしょう」
なんて言い方をしている。

ただ私が非常に違和感がありますのは、
「じゃあ本当に32mから落として大丈夫だと言えるんでしょうか?」という、
「そういうデータがあるんでしょうか?」
実証と言います、実際に証明されていない。
それが非常に問題で、実はこれは今までにもやってきた事ですよ。
問題は9mの高さで基準はいいとしているんですけど、
実際の運用は30m、32mの高さから降ろしているんですね。

「じゃ、そこで落ちた時にはどうなるか?」という事は、データ無しに今までやってきている。
9mという基準は何で決まっているのか?
32mやっていいというのは何処で保証されているのか?

という基本的な問題になります。
今回起こった問題じゃありません、今までも問題だった。
私はそういうふうに見ています。

そうすると、もちろんいろんなところですね、
ロープを二重にするとか、いろんなところを故障したりしても、
故障があっても落ちないようにしていると言っているんですが、
一番大切なのはいろんな事が重なって仮に落っこっても
大丈夫なようにしておくことが一番大事
なのであって、
その事にデータがないというのは実証性に乏しいという事になるかと思います。

ですからそこは私は、やはり32mから落っこどしても大丈夫だという証拠を出すべきだと思います。

100歩譲って、もしそれが出来ないのであればこういう方法もあります。
ここをですね、32mずっと落ちてしまったら問題になりますから、
ここに一回段差を付けるんですね。
15mですか。16mのところにいったん段差を付けてやってみる。
そして、2回に分けて下すと。
そうするとこの落差ですね、落としても16m以上の落差が生じませんので、
きちんとそういう台をつくってやるくらいの慎重さがあればいいんではないかと私は思います。

そういうことも考えないで、
「たぶん大丈夫であろう、計算で大丈夫であろう」というのは、
原子力のように、特にこの使用済み燃料は
万が一落として容器が壊れてそこから放射能が出てくると近寄れなくなります
そうなると、手がつけられなくなるんですね。

そういうことを考えますと、
「やはりこれは慎重にやらなければいけないんではないか」というふうに思う訳です。


そういうデータ無しにやるのはいかがなものか、というふうに思います。

今までも、今までの原子力で福島の状態、汚染水問題、みんなそうです。
憶測でやっているんですね。
「これで大丈夫であろう」という憶測のもとでやってきたのが、結果として非常にまずい事になっている。
今回もそういう事だけはして欲しくないんですね。

そういう意味できちんとした事をやってほしいというのが私の意見です。


実際の構造をちょっと見てみますと、こういう資料が付いていました。
これは巻き上げた時にブレーキがあって、本来止めなきゃいけない時にブレーキをかけるんですけれども、
こういう格好になって言えるんですね。

2013112016.jpg

これは回転しているものを、ディスクといって回転します。
それをブレーキをかけるんですけれど、
これは電磁石があってバネがありまして、このバネで押し付けているんです、実は。
押しつけている状態で電気を流して、ブレーキを外しているんです。
この状態で回転します、動きます。

2013112017.jpg

で、スイッチを入れるとこの電気が切れて電磁石が消える。
そうするとバネの力でこのように外れてブレーキがかかるという、こういう構造です。

これは何がいいか?というと、万が一電源が無くなってもブレーキがかかるんですね。
つまり電源喪失の時に安全になるという事です。
その意味ではすごくしっかり設計している。
で、「こういう事だから大丈夫だ」という説明を盛んにしているんですが、
私が気にしているのは、電源に関してはそれではいいです、
でも他の故障についてはどうか?ということも一緒に考えなければいけない。
たとえばブレーキディスクがダメだった時、
擦り減ってしまった、ここに油が入ってしまった時には効きませんから、そういう時にはどうだとか、
そういう事を考える必要があります。

東京電力の発表によると、
「このシステム自身も二重になっていて大丈夫だ」というふうに説明しているみたいです。
それであるならば、ま、よろしいわけですけど、
それでも二つ仮にあったとしても、両方が一度に壊れる、多重故障と言いますが、そういうことがないように、
共通要因ですね、共通要因故障と言います。
そういう事が起こらないか?という事はきちんと精査する必要があって、
原子力規制庁はその事を全体に渡ってチェックする、という事をやっている、
「やっているんだろう」と思いますけど、
「そこのところはきちんとしていただかなければ困る」というふうに思っています。


2013112018.jpg

また、これが格納容器で、圧力容器がここにあります。
で、原子力建屋があって、建屋にこういう骨組の大きな構造でクレーンを中につくって、
ここのところの放射能を外に出すのを、ま、少しこの、出にくくするというんですかね、
抑るためのカバーをしています。
これが全体の設計で、非常に大きなものです。
長さも結構ありますし、高さも非常に高いです、そういう状態になっている。

で、問題はここの構造をつくってやる時に、ここから取り出してこう持ってくる。
この作業をずっとやるんですけど、
これの全体の設計がちゃんとできているか?というと、
先ほど言いました高が、ここからここまでですでに32m位あるという事ですね、
そこが一番のポイントになります。

で、実際にここから先共用プールまで、これは大した距離じゃない「100m位だ」と言っています。
作業自体は通常やっているものと変わらないので、
「いつもと同じだから問題ない」と言っている訳ですけど、

一つはこういうふうに新しくつくったという事ですね。
その時に一つ私が気になったのは、設計基準が少し甘く見ているところがあります。
一部の設計にですね、設計基準地震度SSというんですけれども、
その設計基準地震度SS特にクレーンについてですね。

クレーンは普段はプールの真上に置いておかないので、
常に脅威にさらされている訳ではない。
滅多にないので、そんな大きな基準地震動を使わなくてSDという、
設計基準地震動よりも大体半分ぐらいの地震動ですね、
それで設計していいという基準があるんですけれども、
その基準、緩い方の基準を使っているんですね。

それは短期管理と言いまして、短いある期間、限定的になにかやる時の対応用に設計されている、
「それでいい」としてるんですね。

ただ今回は1530体以上もの燃料取り出しをやりますから、1年かけてやるんですね。
1年間フル稼働でずっと動かしてやるんです。
実際速度がゆっくりしか動かさないので、毎秒25mm位の速度で動かすと言っているんですね。
そうすると非常にゆっくりですから、時間がかかるわけですよ。
で、一回取り出せば何日かかかる格好になるわけですから、
そういう事をやっていると常に動いて稼働している状態が、常時動いている。
クレーンが常時動いてこうやっている格好になりますから、
燃料取り出し装置とクレーンがですね、
そういう状態なのにいまの、荷重をそうやって甘く見てもいいのか?という事になります。

他にもいくつかありますけど、ま、今お話ししたようなところがですね、
大体、特に地震がらみ、
地震でスロッシングの問題とか、ロープが長いけど長周期で動揺しないか?とそういう問題。
それから最初に申し上げたがれきが引っ掛かったら、
ま、そういうとこ度が一番問題になると思います。




http://youtu.be/7z3t1S4HwhE?t=18m58sからは
「福島第一原発1号機格納容器のサンドクッションドレン管の漏えいについて」の後藤さんの説明です




福島第一原子力発電所4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業 (初日)

撮影日:平成25年11月18日
提供:東京電力株式会社

4号機燃料取り出し関係ブログ

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大丈夫?4号機からの使用済み燃料取り出し間近!







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