05.22
Sun
この録画を見れば矢ケ崎先生の講演の内容がより深く正確に知ることが出来ます
表や図などを参考にお話しして下さっているので
お時間のある方はご覧ください。
【タイトル】福島原発事故 内部被曝について正確な情報を知ろう
【話者】矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授(以下:「矢ヶ崎」敬称略)
「ナマ(今)とぅびぃん! オルタナ・クール」第11回
日時:4月24日(日)19時~21時場所:カフェcello (那覇市泉崎)
タイトル:福島原発事故 内部被曝について正確な情報を知ろうゲスト:矢ヶ崎克馬さん(琉球大学名誉教授)
原爆症 認定集団訴訟で証言を行うなど同問題に詳しい矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授は 、
3月25日に福島県入りし、1週間にわたって空気中や農地、水などの放射 線量や放射能汚染のデータ収集を実施した。矢ヶ崎さんから最新の調査報告を 聞きながら内部被ばくに関して正確な情報が学べます
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途中まで講演内容を正確に書き出して下さっています
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に転記します。
【タイトル】福島原発事故 内部被曝について正確な情報を知ろう
【話者】矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授(以下:「矢ヶ崎」敬称略)
OAM(沖縄オルタナティブメディア)西脇尚人代表(以下:「西脇」敬称略)
西脇:みなさん、こんばんは。OAM 沖縄オルタナティブメディアの西脇尚人です。
オルタナ・クール緊急U-st中継ということで、これから始めようと思います。
いつもは第一・第三金曜日にこちらの泉崎にあるカフェcelloからお送りしているんですけれども、
今日は緊急企画ということで急遽この時間に決定しました。
今日はですね、さっそくなんですけれども、東日本大震災そして福島原発の被害が大きな、
かつてない被害が起こっておりますけれども、
それについてですね、
ネット上では色々、ユーストリーム中継でも色々なテレビや新聞が伝えないような情報が毎日毎日伝えられています。
一方で、ここ沖縄にいて感じるのは、やはり距離が遠いということで、特に原発についてですね、
あんまりイマイチ、こう危機意識がないんじゃないかなあという気がしております。
そういうこともあってですね、ちょっと「どーなのかなー」と思っていた時に、
今日のゲストにお招きしました琉球大学名誉教授の矢ヶ崎克馬さんが、
実はもう沖縄にいらしゃって、この問題、特に今日、中心にお話頂く内部被曝の問題ですね,についてお詳しいということを、
私は恥ずかしながら初めて知って、
それで急遽、矢ヶ崎先生にご出演頂くような形になりました。
さっそくご紹介しましょうか。
琉球大学の名誉教授の矢ヶ崎克馬さんです。
矢ヶ崎さん、今日はどうもよろしくお願いします。
矢ヶ崎:よろしくお願いします。
西脇:矢ヶ崎さん、実は今日も昼間、宜野湾の方で講演されてきて……昨日でしたっけ?
……琉大……一昨日?
矢ヶ崎:一昨日ですね。
西脇:一昨日は琉球大学ですね、
それでそのちょっと前は辺野古の方でやられてまして、ここしばらく
矢ヶ崎さん、かなりお忙しくなってきておりますが、
これからじっくりお話頂くことになりますけども、沖縄で話す意味というか、そういうのは僕は特に大きいかな、思っています、
はい。
で、これから矢ヶ崎さんにパワーポイントを使ってお話頂きますが、
その中で出てきます、一つ、一番大きなポイントは内部被曝についてですね。
内部被曝の恐ろしさ、
これが大手のメディアでは、この恐ろしさが伝えられていないということがあるんじゃないかと思ってます。
実はですね、矢ヶ崎先生は昨年の7月に出されました本「隠された被曝」という本がありまして、
(これちょっとアップにして)この本の中で被曝、しかも隠された被曝というタイトルがついてますね。
これ、僕も読ませて頂きました。
とても驚くべき内容が書かれています。
僕が一番心配していたのはですね、つまり被曝には外部被曝と内部被曝、
この二つが報道される時には何となくごちゃまぜになるかのような誤解を招くような報道のされ方をしていることについて、
それを受け取る人もそれを区別がつかない状態、何となく脅威を感じていて、
何となく大丈夫だなぁ、と思っている。
その辺のあやふやなところが一番怖いなぁ、という……
今日はその辺のことを矢ヶ崎先生にゆっくりとパワーポイントを使ってお話頂こうと思ってます。
それでその時間が約1時間半弱ぐらいかかると思いますけれども、お話頂きます。
その後に今日はフロアに直接話を聞きたいということで、
何名かの方がみえていらっしゃいますので、その方々との意見交換をしたいと思います。
それに、まあ30分から1時間ぐらい時間かければいいのかな、と思っております。
今日はそんな感じで進めていきたいと思っておりますので、どうぞ最後までご覧になって下さい。
(音量について調整の会話あり)
矢ヶ崎:みなさん、こんばんは。
最初にですね、私の自己紹介も兼ねて、なぜ隠された被爆かというような経緯をちょっとご紹介したいと思うんですね。
実は私にとりまして沖縄県民が祖国復帰を闘い取った1972年の祖国復帰がですね、
非常に大きな沖縄に来る意味を私の人生にもたらしました。
沖縄の県民の努力というか、奮闘にもの凄く、私は大学院生の時に広島にいたんですけれども、
感激致しまして、
それで私が沖縄でなんかお役にたつことが出来るかなあ、という、
そういう発想をして琉球大学の助手に応募してきたという経緯があります。
そこで私は物性物理学、超伝導だとか半導体とか磁石とか、
そういうものの性質を研究する学問、物理学をしておりましたけれども、
その物理学の教育と研究の基盤整備ならば俺が出来る、
そういう志を立てて、そうして今までやってきたところです。
一昨年、琉大を退職致しましたが、
琉大の中ではですね、物性物理学をやるのと、もう一つ平和教育、
核の問題の教育、平和教育なんですけれども。これを琉球大学の共通教育に立ち上げまして、
それでこれは1984 年からもう28年間やってるところでございます。
そういうところで物性物理学ではありますが、核問題にかなり集中して研究していく機会がありました。
内部被曝ということにつきましては、沖縄に劣化ウラン弾が打ち込まれた事件がありまして、
それが内部被曝という問題で私が初めて声をあげ始めたきっかけになりはじめましたけれども、
内部被曝も劣化ウラン弾も体の中に吸い込んだりしてしまうと大変酷い、
発ガン(「ハクガン」と聞こえる?)などを生じるというものになっております。
で、2003年に原爆症認定集団訴訟という、被爆者の方が自分の、ガンになったり、
体調が悪いことは、原爆で放射線をあびたからだという、そういう申請を出して、
たくさんほとんど80%ぐらいの方が却下されるというような状態になっていたのを、
306名もの方が集団で訴訟するということになりました。
訴訟に到った原因というのは、今ではもう非常に明白なんですが、
国が内部被曝を認めていない、放射能の埃が原爆の爆心地周辺にいっぱいに漂っていたのを、
これは全然埃はなかったことにしたということがきっかけで
内部被曝が隠されてしまったという大きな科学的操作がありました。
それで私の昨年出した本も「隠された被曝」というテーマになっておりますけれども。
今回の福島でも非常に被曝ということが軽視されております。
内部被曝は外部被曝よりも凄く大きな犠牲的な被曝の中身があるんですけれども、
それがほとんど内部被曝は語られない。
外部被曝だけでも言っても、とりあえずはたちまちは何の健康への影響はないという、
そういう言い方がずっと流されております。
これは大変な一つの事実を隠しているところでありまして、
今後、将来必ず出てくる晩発性、時間が経ってから出てくる傷害、そういったものが語られていない。
そういう状況であります。
特に今日はですね、このタイトルに書いてあるように内部被曝隠しと原爆被曝者のことではなくて、
原発の安全神話というようなことに、ちょっと焦点を当ててお話させて頂きたいと思います。
まず、福島なんですけれども、3月末に一週間ほど福島に行ってまいりました。
私の友達が福島にいたわけなんですけれども、
沖縄から色々、私は安全地帯にいて友達を激励出来るというわけでも中々ないなあ、というようなことを感じながら、
直接行って、主に開き直って今の状態きちっと見ないといけないと、
開き直って楽天的にやるべきことはすべてやろうという、そういうことを訴えてきたわけなんです。
いくつか、土地7市町村を巡って、いっぱい土とか空気とか水を測定してきました。
その話は今日はあんまり深くさせて頂かなくて、主に内部被曝の話にいきたいと思っております。
これが、航空写真なんですが1号炉、2号炉、3号炉、これで4号炉という風に、
こんな風に誠に無残な姿がさらされております。
下の方はこれが3号炉と4号炉なんですけれども、こんな風に安全神話の原子炉が見るも無残な姿を晒しとります。
これが最近
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こういう測定をしてきましたが、この、今写ってる場所は会津の田んぼを測定しております。
一緒に測定にまわっているのは農民連の農家の方々ですね。
今は若干特徴的なデータだけをお伝えします。
この測定例で(1)と書いてるのは福島市内のデータなんですけれども。
同じポイントでの測定の値があれしておりますけれども。
まず一番最初は朝、小雪が降っておりましたけれども、
この7.0というマイクロシーベルト毎時という、この値そのものがかなり強い放射能を含んでるもんです。
で、この時屋内に入ると大体半分に減りました。
半分に減るというのは放射能のほこりがここにいっぱい空気中に俟っているわけなんですけれども、
若干遠くから来る、遠くにある放射性の微粒子からはガンマ線が出ていて、
それで家の中に入ると壁なんかに遮られてしまうものですから、家の中は半分ぐらいになる。
大体どこで測っても外の半分が中だっていうのは変わりませんでした。
同じポイントについてですけれども、この日、一日中西風が吹いておりまして、
夕方は7.0、朝あったものが夕方は0.5に。
こういう測定結果そのものが非常に正直に実態を表しておりまして、
放射線を飛ばす実態は、埃である。
この埃がですね、放射性を帯びているという訳なんですけれども、
たとえば1マイクロメートルという眼に認められるか認められないか、ものすごく小さい粒子なんですけれども。
1ミリの1000分の1の大きさの直径を持っている場合でも、
原子の数にすれば、この中に100万個の100万倍は含まれとります。
ですから一つの微粒子から連続的にピッ、ピッと、こう、放射線が出ている、
それが風にあおられるとずっ~と、海岸のほうに向く西風なんですけれどもね、海に運んでいってしまう。
ただ、0になっていないのは土や土地の表面にですね、放射性物質が溜まっていて染み込んでいて、
それでそこからガンマ線が出ているというような状態です。
この日はですね、西風がずっ~と一日中吹いていまして、
南相馬市まで行ってきたんですけれども、この30キロ圏内で先ほど赤い色に示されているような所も
空気中の空間線量と風にいいいますけれども、これがほぼ昼ぐらいには0.5のレベルになっていました。
ですから常時この汚染が進んでいるんではなくて、風向きやその他気象条件で刻々変化している。
でも、汚染が強いというのは、そこにやっぱり埃が、放射性の埃がついてくるっていう、
いつも襲ってきているという、そういうことであると思います。
2番目はですね、田んぼの上を、土地を、土の汚染状況を探ったもんです。
空気中が0.3、それで田んぼの稲藁の上から測ると0.61、
空気中の線量と土の表面からの測定っていうのは、
必ず外にあった場合には田んぼの方が必ず高い値を示しておりました。
この場合、稲藁がですね、うんと薄く敷いているだけだったんですが、
稲の藁を取り除くだけで大体3分の1はなくなってしまっています。
で、2センチ掘ると半分の値になる。
ということで、もし子どもたちを学校に授業させるということになったら
校庭の土を上から2センチ取るだけで半分以上はきれいになる。
深さ10センチ掘っても必ず通常の値の10倍以上は汚染されておりましたけれども、
そういう具体的に放射線被曝からまぬがれるという方法を政府なんかはきちっと取るべきであると思うんですが、
そういうことがあまりなされておりません。
あと、子どもの様子についてはこの後お話するページ(数字?)を持っておりますけれども、
もう一つ、このハウスの中の測定も致しまた。
ハウスというのはずっと原子炉が爆発して以来、閉じられたまんまだっていうことを言っておりましたけれども、
空気中が0.35、表面の土が0.19というこの値は外の状況と逆転している関係でありました。
表土が0.19、ところが植わっている小松菜の上から見ると0.25いう表土よりも高いですね。
これは外の場合でも表面の土とそこに植わっている雑草を比べると雑草の上からの方が遥かに高いですね。
植物は空気中の炭酸ガスを取るために一生懸命、空気を葉っぱの中に取り入れて、
それで炭酸ガスを取って炭酸同化作用をするんです。
全ての地球の生物の一番元になる炭水化物や栄養をここで作っていくわけなんですけれども、
そういう様子がこういうところもありました。
小松菜などは周囲の汚染された放射性物質そのものを積極的に体に取り入れて、
これを葉っぱから、あるいは根からということがあるんですけれども。
そういう生物の営みがあるということがこういう汚染度でもはっきりしている結果になっています。
放射性の、放射能の影響っていうのは生物、人間や動物だけでなくて植物もすごく大きな影響を受けます。
水についてなんですけれども、泉の今まで湧いていた分量が地震でも変わらなく続いている、
地震の後でも変わらなく続いているというようなところはですね、非常にきれいな水が出ておりました。
水道の水は表面をさらしながら流れてくる、そういう関係の取水のところは必ず汚染されていました。
この汚染の程度は福島県内で(聞き取れず…「1対20」か?)ぐらいの差がありましたけれども、
福島県中全て汚染されているという状態でありました。
今、先ほどお見せした、この原子炉の破壊状態というのはチェルノブイリと同じレベル7という風に言われておりますが、
同じようなところも違っているようなところもあるんですが、
違っているようなところをここでちょっと整理してみました。
まず、一番恐れられている炉心の溶融による核分裂の連鎖反応が起こっているかどうか。
これはチェルノブイリの時には明白に起こったんですね。
炉心の温度が福島の場合よりもすごく高いところまで温度が上がってしまって、
燃料棒が破損して溶け出した核物質が炉心の底に溜まってしまって、それで核融合を起こしてしまったんです。
で、大きな爆発が起こりましたけれども、
その時に、核分裂した時に、ものすごい熱が出ますんで炉心を溶かして穴を開けて、
それを更に4メートルもあるコンクリートの床を貫いて一階まで落ちてしまった、とそういうことが起こっているわけです。
で、これに対しまして、福島は連鎖反応、連続した連鎖反応というのは起こっていない……
部分的に中性子が見つかったり、あるいは海水を入れた後、海水の放射化された原子が見つかったりしたというのは、
部分的に核分裂が起こった証拠なんですけれども、
大規模に大きな臨界量を越えたかたまりが出来て、それで連続して連鎖反応が起こった状態ではなくて、
ごく部分的な連鎖反応が起こってる。
で、放出された放射性の物質についてはですね、
チェルノブイリの場合には核分裂に関するほとんどの放射性原子が飛び出しております。
これは連鎖反応が起こって、すでにたまっているような原子炉の汚染物質の爆発と伴に外に噴出したもんですから、
外で観察されるのもほとんど原爆の時に観測されたものと同じような成分がみつかっております。
それに対して福島はですね、主に沃素とセシウムが専ら報告されてお ります。
この二つはなぜ主に出てくるかというと、沸点・融点という そういう、モノが固体から水に、液体になる、
水の場合は0度摂氏、そ れから沸点というのは液体が気体になってしまう、水の場合は100度摂 氏なんですけれども、
その沸点・融点がすごく低いんです。
沃素の場 合には157度摂氏で気体になってしまう。
それからセシウムの場合には融点がすごく低くてほとんど室温で液体になってしまう。
それで沸点そのものは567度というものですけれども、
液体になってる状態でキープされるようになっているもんだから、
どんどん燃料棒の覆いをガスとして突き抜けて外に出てしまうという、
そういう状態が続いておりまして、福島では沃素とセシウムが主なのです。
で、破局のレベル、規模なんですけれども、
チェルノブイリが比較されるのはチェルノブイリが終結した状態と福島の今の状態が比較されて
ほぼ同じレベルだという風に言われてます。
だから放出する量というのは福島はまだどんどん時間と伴に増えていくわけで、
炉心の状態も本当に今のように上手く修復する可能の方向で進んでいるかどうか、
進んでいくかどうか、それがまだまだ未知数のところがたくさんあります。
で、チェルノブイリはたった一機だったんですが、福島は4機も一緒に破局状態を迎えています。
こういう点がトータルでどれだけ放射性物質が噴出したかどうかっていう、
そういうところでは日本の政府の発表は10%から半分ぐらいまでの間というような、
そういう曖昧な表現をしておりますけれども、
外国の研究者はチェルノブイリの倍の既に5倍に及んでいるんではないか、というようなそういう見方もあります。
日本の研究者、京都大学の研究グループが測定したものです。
一週間ほど前に測定したものなんですけれども。
飯館村の曲田、ここで95ミリシーベルトという大きな値を測定しております。
これそのものはですね、3月15日から積算して今まで約1ヶ月間の値として
90(95?だが「ジュウ」と聞こえる)ミリシーベルトという大変大きな値ですね。
日本の原子力安全委員会が指定している屋内退避や避難ということで
50ミリシーベルトになるまでは自宅内の屋内退避していくことという、そういうレベルがありますが、
このリミットを持っている95ミリという2倍近くの値があります。
で、また少し別の方法で、この土地の汚染状態、1平方メートルあたりどれだけの放射線が出ているか、
ここに書いてあるベクレルというのは、1秒間に何本の放射線が出ているか、そういう数字なんですけれども。
この上のヨウ素の場合には3260キロベクレル、
具体的な数値そのものでいうとキロをのぞくと326万本の放射線が1平方メートルから出ているということですね。
これをチェルノブイリの場合と比較いたしますと強制避難基準を設けられて、
その値というのは1480キロベクレルです。
これらはヨウ素だけを比べてもものすごい強い値が出ていますね。
そういう意味で、この住民を避難させるかどうかということ自体、日本の政府がきちっとした実状に合う対応をしていない、
これは大問題です。
特に大きな問題がですね、福島県内にある学校全て汚染調査致しました。
その結果ですね、日本では管理区域って言って一般の場所ではなくて、
特に放射線が強くて管理しなきゃいけない区域の放射線レベルというのが指定されておりまして、
3ヶ月で1.3ミリシーベルトという、そういう値になったら、もうこの値に達したら、
それ以上労働者は管理区域に入ることが出来ないというような規制がかかっている、
そういう値に対してですね、なんと76%がこれと同じレベルの汚染状態である。
更に明らかにこのレベルを超えているものが20%もあったという、
そういう状況を福島県の測定で報告をしております。
この他ですね、福島県の学校の状態がここに書かれていますけれども、
非常に危惧すべきは、海へ汚染物質を放棄しております。
それから破局に到る、その、破局に到ったら何をしなきゃいけないかというシュミレーションさえありませんでした
けれども、こういった事はですね、結局、住民の被曝限度を引き上げるということで、
そのまんま居続けさせるという、そういうことを日本政府は取っているんですけれども、
このなんか、破局の非常事態の時には、
この限度値を高めるというのが当たり前だみたいな、という風なとんでもないことだと思います。
限度値を高めるということは、住民に被曝をたくさんさせるということなんですね。
そこにきちっとした政府の見解を示すんではなくて、とにかくその場しのぎでやるために限度値を上げて、
住民の健康は絶対今は出ない、
後になって出ることだから、今はなんか「安全だ」っていうことを言って、
そこにおいといた方が簡単だという、そういう住民無視の考え方から、
こういう限度値引き上げということが出て来ておりますけれども、
そういう意味で日本国民全体が主人公として大切にされる存在ではないという、
そういう方針がはっきり出されているというように、私は思います。
ICRPという、今のこういう基準値などを決めている所の考え方というのはですね、
通常の限度値というようなそういう限度値を設定しておりますけれども、
これは健康のためにここまでならいいという値では決してありません。
エネルギーとして電力を生むためには、あまり規制を強くしてしまったら商売が出来ない、
運営が出来ないから、適当な運営が出来る値にとどめておく、と。
その限度値で犠牲者は必ず出ているわけなんですけれども、
その出た犠牲者は、死に到っても我慢しなさいという、そういう数字なんですね。
ですから、民主的な基盤がこういう数字設定基盤にあるかと言ったら、まるっきりありません。
ですから結局、今とられているのは、
いのちも地球も犠牲にしたその場しのぎがされているということがはっきり言えると思います。
ちょっと返りましたが、今、福島県内の学校で子どもたちに20ミリシーベルトという、
そういう高い値を限度値にして、学校を再開していく、授業を始めていくということに対して、全国的に怒りが走っております。
ちゃんと、こういう汚染状態をそのまんまにして
生徒を「被曝していい量」だけ上げて、学校に通わせるのがどういうことだという、そういう怒りが集中しているところです。
そもそも原子力発電は本当に発電所として運営していっていい資格があるかどうか、ちょっと変な言い方をしますけれども。
そういうことでそもそもを考えますとね、
今、まき散らかされているような危険な放射能をとにかく封じ込めるしか能がない、
そういう人類としてはまだ放射能を安全なものに変えていく技術がないんですね。
だから破綻する、すなわち封じ込めが失敗したらとんでもないことになる。
そういう、やってはならんことをやり始めたんだ、という、そこんとこがまず……
我々がどういうきっかけで、こういう原子力発電なんかがされ始めたかということを見る前に、
きちっと視点として置いてかなきゃいけない、そういうもんだと思います。
実は、こういう原子力発電が日本や世界に押し付けられた、そういう中身そのものにアメリカの核戦略にあるんです。
核戦略として中身がどういうところにあるかっていうと、一つは原爆で落としたけれども、
余りにも破壊力が大きくて、しかも放射能で苦しめられる人がすごくたくさん出た。
これをこの核戦略として世界を脅す、そういう兵器として使っていくには
放射線で苦しめられるという、そこの場面をアメリカは隠したかった訳です。
だから核兵器は破壊力は大きいが放射線で苦しめられることはない、通常兵器と同じだと、
そういう虚像をつくりたかった。
もう一つはウラン濃縮工場を経常的に運営していくために、原発を押し付けるということが必要だったんです。
で、どういうことかと言いますと、ウラン、核兵器作るためにはウラニウムの濃縮をしなくちゃいけません。
この濃縮をするということは核兵器だけに、このアメリカが作った工場を使うと精々1年の1、2ヶ月やったら、
核兵器だけのためなら後、運転しなくてもいい状態になってしまいますが、
それでは核戦略としていつでも大量に対応出来るようにしておくためには誠に不都合なんですね。
それでいつでも運転するということを目指して原発を売り込んだ訳です。
たとえば100キロ、100万キロワットの、原子力発電所で一年間運転すると
広島・長崎の約1000倍の放射能のほこりが出てきます。
で、1954年にアメリカとの関わりで日本に原発が導入されました。
その形は「国策民営」と言いますが、国が開発するということを決めて、やるのは東電などの電力会社。
この構造がですね、一切の民主的な運営というものを初めから閉ざしている状況でした。
原子力3原則というのも当時の学術会議、日本学術会議が発表して
被爆国である日本は原子力を開発する上で
「民主・自主・公開」この3原則を守らない限り絶対反対だという、そういう声明を出しましたけれども、
国会ではこの3原則を通過させました。
でもこれは、まさに目くらまし的に、
たとえばサンフランシスコ条約でこの沖縄に、
表向きでは日本に核兵器を持ち込むには、ちゃんと事前協議が必要だなんていう協定をしたんですが、
全くそれは国民向けのもので核密約に基づいて核兵器素通りの状態をつくったんですね。
これと同じように「民主・自主・公開」っていうものが国策民営という形の上で、
丸っきり初めから提供できなかったという歴史があります。
そういう中で安全神話というのがつくられたんですけれども、そのバックグラウンドにはいくつかの布石があります。
今言ったように「国策民営」というスタイルが一つなんですけれども、
この原子力の保安体制がどんな風につくられるかっていう、そこんとこが日本では極めて杜撰でありました。
例えば、アメリカという核戦略の御本家というようなところでも、原子力発電についてはですね、
第3者機関で……第3者機関っていうのは、推進派でもなく反対派でもなくて、
まあ、客観的に事態をきちっと見て判断できるっていうそういう……この第3者機関で
人員としては、ここに書いてあるが、3000名近くの職員を擁しております。
ところが日本はですね、原子力保安院って言って、
通産省の組織の中に保安、まさに推進派の中に保安院があるんです。
で、アメリカの場合の第3者機関とは丸っきり違います。
800名という人員なんですけれども、この中で現場点検を出来るっていうのは数十人しかおりません。
で、とにかくアメリカと比較しただけでも、日本はまさに推進派がつくる保安院で保安監視をやっていたということです。
これが今も、皆さんよく分かるように、
東電と保安院が一緒になって事故対策をやってるわけですね。
この構造そのものがやっぱり初期、操作、これを決定的に遅らせたバックグラウンドをつくっております。
で、もう一つはですね、冷却系をきちっと確保しなきゃいけない、
とそういうことが日本はずっと弱いというふうに言われましたけれども、
この弱いって言われてることが、結局上の産官学が癒着して推進派だけで検討を進めるということで、
実現、冷却系の完全な保安体制がとうとう出来ないで来ました。
色々、この、東北学会の申し入れ、いくつかの政党の申し入れ、市民団体の申し入れ、そういったことをですね、
科学的に検討しないで全て封殺してきた。
それからもう一つ、3番目はですね、この2番目を受けているんですけれども、
チェルノブイリの事故の後、IAEAっていう国際原子力管理委員会、
これが破局になった時のマネジメントも世界的に会議を開いて決定して呼びかけております。
で、その中身は過酷事故に対する拡大防止策、これ以上事故が発展しないように。
それから過酷事故に至った場合の影響緩和策、こういったものを提案していますが、
この時、産官学癒着の日本は、この体制をきちっと取るということをじっと拒否してしまっているんですね。
で、2007年に到っても、耐震安全計画というものを発表して安全宣言を採っておりますけれども、
この時も地震による津波っていうのが、精々5メートル、5.6メートルというような、
そういうところで設定を低く見積もって安全宣言をぶち上げているわけです。
保安、ということで言いますとね、
完全に、一つの安全サイドからモノを見るという、これは言ってみれば推進派で原子力発電所をやると思うけど、
やりたい、という流れがあるのに対して、これが破局に到った時に多くの住民がいて、
これ、住民って言うのは主権者で、
主権者が安全を確保するという眼で見た時の、機械的な設備の状況ではなくて、
これがもし破局に到ったらどうなるかという、
そういう方法での二つのドッキングがあって初めて保安というものが成り立つわけですけれども、
住民サイドの保安というイロハのイがなされていなかったんですね。
どういうことかと言いますと、
国際的にレベル7まで状態判定指標がつくられておりますが、
もしレベル6がこの原子炉に当てはめられたら、どんな状況になる、どんな症状になる、
その症状を抑えるためにどんな機械が必要か、それでそのためにどんな体制が必要になってくるか、
時間はどれだけ許せるか、
こういう安全方法からの検討が一切なされていませんでした。
ですから、初動操作の遅れはですね、利潤第一視、推進派だけで構成している事故対策だもんだから
「原子炉に海水入れると原子炉使えなくなっちゃう、止めたいな」そういうような思惑と、
これ、シュミレーション、悪くなったら、もしこれがダメになったらどういうことになって何が必要かっていう、
そういう安全上の思考的な検討すら出来ていなかったんですね。
症状が出てからオロオロして、さて何するか、時間はいっぱい取られてしまった。
それが、もしそういうことがなくて、初めから海水をバッと入れなきゃならん、という断固とした姿勢があった場合には、
今のような破局は回避できた可能性がある、非常に大きいです。
で、このページで今の一連の話を終わりに出来たらと思うんですけれども、
福島に行って私が一番びっくりしたのはですね、
自治体に、あるいは町内会に放射線を測る計器、一つもないんですね。
これは、誠にこの安全神話というのが住民無視を徹底してやっているかということを見せつけられた、という感じです。
住民は全く放射能物質そのものが目に見えないし、
それでどれだけ汚染されてるかっていうのを計器がないと自分では何にも見えない、
そういう状態に置かれて、それで結局翻弄されている状態なんですけれども、
住民っていうのは、そこにいて邪魔ものではなくて主人公なんですよね。
国の主人公に、もし、万が一あった時にどういう身の回りの状況を知る、あるいは身を守る、
そういうことが必要かって、そういうことが一切なかったんです。
それから、小学校などの原発事故が起こった時にどういう風に避難するかっていう避難マニュアルも見ましたけれども、
基本的には地震と全く同じスタイルでしかなかったですね。
放射能の埃が来ることは、もう非常にはっきりしてますから、
マスクを手配するだなんてイロハのイだと思うんです。
埃だから色々、体に付、衣服に付かないようにビニールの合羽、そういったものは絶対必要です。
で、帽子も被らせなきゃいけません。
で、そういう放射能の破局というのはトータルでどれだけ被曝してるかっていう
計数バッチ、放射線バッジを一人一人の子どもがかないように身につける必要があるんですけれども、
子どもだけでなくて市民全体がですね、こういうことが一切ありませんでした。
一体、この面から見ると安全神話の安全の「あ」の字も手配が整っていなかったという状況なんですね。
結局、自治体そのものは何をやっていいか分からんし、
政府も結局は「安全だ、安全だ」って言ってきたけれども何をやったらいいか分からん、
それで外部被曝しかものが見えていない、
住民の後発性疾患などを認めない、
そういう学会に依存せざるをえなくて今、そういう方向で進んでいるということであります。
限度値を引き上げることは、それから学校のことについては先ほど言いました。
特に乳幼児、妊婦さん、それから病人の方、そういった方は「被曝弱者」という風に呼ばれておりますけれども、
これは特別にちゃんと保護しなきゃいけない、そういうことをやってないんですね。
沖縄でも特に注意して頂きたいのは、
食の安全に関して厚労省は野菜の出荷に放射性検査、
放射能の検査は野菜をしっかり洗ってからやりなさい、と指示を出してます。
ところが市場にはですね、農家は洗浄する設備が整っていないところが、
もっと多いものですから、特に葉野菜は全部そうといってもいいです。
汚染されたものが非常に行き渡ってしまうという、
すなわち、厚労省は洗浄してから表面の埃は全部取り払ったものを検査値として出しておりますけれども、
私どもの消費者には埃の被ったまんまの状態が届いてしまう。
これはですね、政府は今、一生懸命、風評被害避けましょうという風に言ってるけれども、
一番大事なことはきちっとしたデーターを出すことが基本です。
で、消費者がですね、これは汚染されているかどうか、
疑問を持って出来たら避けたいというのは全く合理的な判断です。
合理的な判断自体をデーターも与えなんで「止めなさい、止めなさい」というのは、
本当に大和魂をかきたてられているという、そういうような気が致しました。
結局、被曝を最小化するという手立て、具体的な対応というものが丸っきり行われていない。
それで、津波による被害者、震災によって家が壊れた、そういう被災者、
この方たちは眼に見えて具体的な被害があるんですね。
ところが放射線の被曝者というのは今は健康のように見えるけれども、
5年10年20年という後に発ガンにあったり命を落としたりすることがある。
これに対する手立てというのがですね、丸っきりない状態ですのでね。
同じ震災と言ってもこちらの人災の方には丸っきり具体的に政府が責任持ってサポートするという、
被曝を最小化するという手立てが丸っきりされていない。
これは棄民、民を棄てる、そういう政策がされているか如くのものです。
内部被曝について、いよいよこっちに焦点合わせて話をしていきたいと思ってるんですが、
内部被曝いうのは、ここに赤くやっているのが、放射性の埃ですね。
放射性の埃を吸い込んだり飲み込んだりして、体に入った放射性の埃から放射線がビンビン出てくる。
で、体の中から出た放射線で被曝するから内部被曝だと、そういう風に呼んでいるわけです。
で、基本的な概念をまずつくっておきたいと思うんですけれども、
この絵は分子がどういう風にしてつくられるかっていう話なんですが。
水素の原子が二つあります。
で、通常は水素分子H2(エイチ・ツー)という二つセットになる分子でいるわけなんですね。
で、これの何で一つ一つ原子になってるものが、こういう形になるかと言いますと、
これは一個ずついる原子のエネルギーの安定度がペアになると極端に安定化するわけですね。
ペアになることによって非常に強い結合力が出ます。
そうすると、この電子の結合力を媒介にして重い原子核をもった原子同士が繋がれてしまう。
これが分子をつくっている電子の役割なんですけれども、放射線はここのペアになっている電子を
ぶち飛ばしてですね、分子そのものをこういう風に切断してしまいます。
ペアになるからくっついていられる、このペアになる電子を吹き飛ばしてしまうものですから、
ここで分子がちょん切られてしまう。
こういう切断、分子切断がDNAに起こった時に、特に大事な問題になってきます。
DNAが、皆さんもう中学校の生徒さんも、こういう絵は見ていると思うんですが、
DNAというのは全く同じ分子構造を持ってるものが二本セットになっているわけですね。
で、この二本あるから細胞分裂なんかした時に確実に同じ遺伝子を再生出来ている。
そういうことで二本あるわけなんですが、放射線によって例えば二つともここでちょん切られた場合、
この、ちょん切られた場合、ちょん切られたDNAも生物の修復作用で元通りくっつくと、
まあ珍しい(以後、数語聞き取れず)、
ところがこういう風に二本以上、周囲を含めて、たくさん集中してちょん切られると、
結ぶ、再結合していく、結ぶ相手を間違えてしまうわけですね。
間違えてしまったものが体内で何回も同じような変遷を繰り返して
20回、40回と繰り返して変遷をしてやっと発ガンしていくという風に言われています。
だからその場合に個人的にも被曝していくから、何十年もかかる場合があるわけです。
で、もう一つは、こういう切断されて組み違えてしまった場合、変性という風に呼びますが、
DNAが変性されてしまったものはDNA自体が、変性されたものをそのまんまコピーしていく、
そういう機能を持つことになりますんで、
今いる人の子孫にも同じように、この不安定さが繋がっていってしまう、そういう恐れがあるわけです。
それで、先ほどの内部被曝と外部被曝について
、えーっと、ここに外部被曝のバク、爆弾の爆を書いてます。
ちょっと字が間違ってしまっている。
これ、「お日さま」の日ヘンですね。
これ、人がここにいて、放射線の原子がここにいる場合です。
放射性物質からうちだされるものは、基本的に原子が違うんですけれども、
原子の種類が違うんですけれども、3種類の放射線があります。
α(アルファ)線というものと、β(ベータ)線というものと、それからγ(ガンマ)線です。
このうちですね、アルファ線とベータ線てのはそんなに遠くまで飛ばないんです。
で、ガンマ線はずっと遠くまで飛ぶんですよね。
で、私どもの感覚っていうのはガンマ線が体を貫く、あるいはX線が体を貫くというと、すごく恐ろしい感じがします。
刀で、槍で突き刺されるような、という感じがするんですね。
でも、放射線がどういう風に体に害を与えるかっていうのは、
先ほど示しました分子切断、なんですけれども。
実はガンマ線というのは一番優しい放射線なんです。
なぜ短い距離しか飛ばないかって言うと、
物質との相互作用が非常に密に起こるもんですから分子切断がギシギシと起こる。
だから、ここで発射されたものはアルファ線ならば体の中では40ミクロンしか飛びません。
40ミクロンしか飛ばないんだけれども空気中では4センチ5ミリ飛びます。
でも、この飛んでる間に全てのエネルギーを分子切断に変えてしまって、
自分はエネルギーを失ってしまうもんだから短い距離しか飛べないんです。
電子線も全く同じですね。
ガンマ線はところどころしか分子切断をしなくてエネルギーを余して体の中から外に出てしまう。
そういうものであります。
ですから、外部被曝というのは、ちょっとこういう距離が1メートルもあれば、もうガンマ線しかこない。
しかも外部被曝の場合にはガンマ線の一本しか書いてないけれども、
この中にたくさんの原子から、どんどんあらゆる方向にガンマ線が出て行きます。
で、たくさん出される中で人間の体を向いた方向のものだけ被曝に関与するということですね。
ところが、これが体の中に入ってしまうとどうか、と言いますと、
ここでうちだされるあらゆる方向の放射線が全部体を被曝することになります。
しかも短いものは集中して分子切断を行って、ガンマ線はまばらに分子切断を行いますけれども、
こういうものも全部、体の中では被曝に効いてきてしまうんですね。
こういうメカニズムを考えただけでも内部被曝の方が遥かに被曝量が多いということが分かります。
で、今ですね、非常に特徴的なことはヨーロッパの学者集団と日本やアメリカの学者集団が基本的にモノを見ている、
あるいは科学をする姿勢が違う、ということになっております。
内部被曝はですね、被曝の状況を「どうしてなんだろうな」って言って、考えていくと必ず行き当たります。
で、ヨーロッパの学者集団、これECRR、ヨーロッパ放射線リスク委員会っていうんですが、
これはちゃんと内部被曝も外部被曝も考慮して考察する、科学をやる集団です。
この、人の科学姿勢に対して日本は内部被曝を否定してるんですね。
内部被曝がないかあるかということよりも、法的に内部被曝を認めると大変なことになるいう、
政治的判断あるいは原子力発電所から命令されて、そういうことを認めないという、
そういう中身な対応してきますけれども、こちらは内部被曝を認めていないんです。
で、ECRRが、この期間、どれだけの人が亡くなったかというと何と6500万を越える人が亡くなったと言ってるんですね。
これは、原因としては原爆もある、大気圏内核実験もある、原子力発電所もある。
この数字に対して、日本で行ってる国際放射線防護委員会は117万です。
この数字の差を見て下さい。
これが内部被曝を認めるかどうかの差なんですけれどもね。
内部被曝の方、ものすごい犠牲者が出ております。
例えば、小児あるいは初期胎児の死亡ということに関しては、内部被曝を認めていない日本は、
こういう人が放射線で死ぬはずがないんです。
そういう突っぱりをします。
ところがミルクに放射性物質が含まれていて、それで赤ちゃんは内部被曝をするわけです。
なんでミルクに放射性物質が入るかって言うと、
牧場の草の上に放射性物質が降り注いでいて、それを牛が食べると、
牛のミルクの中に凝結していくというメカニズムがあります。
で、こちらの初期胎児の死亡というのは、お母さんが内部被曝をして、
内部被曝をした放射性、内部被曝の原因になる放射性物質が胎盤を突き抜けて赤ちゃんのところまで行って、
赤ちゃんのところで放射線を出すというメカニズムです。
どちらもこちらは0(ゼロ)をカウントしておりますけれども、
実にたくさんの死亡者がいるわけですね。
むしろ初期の胎児、胎児死亡と初期胎児死亡、これは胎児死亡の方が多いんですね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ここまで00:54:16投稿者の方が内容を書き出してくださいました・・・・・・・・・・・・
では、日本の放射線科学は学会として何で内部被曝を認めていないかという事の話しに入ります
これは先程アメリカの核戦略といいましたが核兵器の姿を偽ることと
原子力発電を推進していくための物だったんですけれども
結局はそのごまかし自体が科学をする姿勢に直結している実態があるのです
アメリカが原爆の後、内部被曝を否定したやり方というのは
アメリカが日本を占領している間に原爆に対するデータを一切秘密扱いにして
その間に操作をした訳なんですけど
基本的には原子爆弾の爆心地から放射性物質を無かった事にしていることと
もうひとつは
被ばく者の被害が内部被曝はなかった事にする
こういう核としてはほとんど99%秘密にしていたデータ操作によって
今の国際放射線防護委員会ICRP、ここの被ばくを判定する基準から内部被曝を隠してしまった
3番目の物は物差しなんです
物差し自体を本当はこれだけが10センチなのに
この物差しというのはこんなに長い間が1センチであって
10センチだよというような物差しを作って相当しております
1945年の原爆直後にアメリカ、あるいはヨーロッパの新聞記者が入ってきたものの
マンハッタン管区の情報部が東京にやってきて
「そういう報道は一切でたらめだ」という事をやって線量部分の中でプレスコードを敷いていったという事があります
第一のものの基本的なやり方はこのグラフが示している通りなんですが
縦軸は放射線の強さを表しています
横軸は時間を表しておりますけど
放射線は半減期だなんていう言葉がありますように
どんどん崩壊していくと自分自身が数少なくなっていくというカーブをとりますけれども
決定的な事はですね
ちょうど広島でいうと6週間目に枕崎台風というのがやってきました
枕崎台風は日本の三大台風と言われているものなんですけど
広島で言えばデルタ地帯の点峰で堤防がてっかいして、爆心一帯床上1メートルの濁流が襲いました
太田川の橋20本が流出してしまった
広島県の流者は2000名以上になったという台風なんですけども
この台風で当時の広島市長も一切合財流されてしまったと、
調査をきちっとする前に流されてしまったと嘆いているわけなんですが
素人が見ても台風の後、埃なんか残っていない
あたりまえのことだけど・・・
ところが科学です。すごい科学があったんです
48日目に初めて測定に入ったというデータ
この後何回も測定に入っているんです
基本的にはある時点で測定します。測定自体かすかに残っている物で全体を表してはいないけれども測定した。
こともあろうに、台風後のこの値が最初からあったというそういう操作をした
日本の科学者は何十年もこの値だと言い続けている
もう一つのやり方というのが
ABBCという原爆傷害調査委員会というアメリカの機関で
のちに日本の放射線影響研究所になりました
ここらに居る日本の研究者が今なお日本の研究のボスに居座り続けているというのが日本の実体と見ていいと思います
どういう事をやったかと言うと直接被ばくと言って
原爆の核分裂をしている上空600メートルから降り注いだ初期放射線と言うのは
2Kまで勘定したら充分であるという
2K以上は放射線は浴びていませんという0ラインにしたんですね
ところが、ドイツ人の研究者などが「日本全国平均と比べれこれがすごく高い値である」と
こういう仕事自体が日本の放射線研究所でなされていないのです
そこで作られた国際放射線防護委員会ICRPの定義は
内部被曝を見るような細かい目で見ない
大きい塊で見るという事をまず宣言しています
このやり方は1キログラム当たらいどれだけのエネルギーの放射線で与えられたか
エネルギーだけで測る
これは具体的な被ばくの中身をいっさい目で見えることなく
全て均一に被ばくしているというそういう条件にセットしてしまっていて単純化を行っているのです
あわせて、具体性を一切打ち捨てている物差を作ったわけです
これによって内部被曝は無視されてしまいました
内部被曝を無視した具体性の詐称という
これは科学的にはものすごく大きな役割を果たしたんです
もう一つ国際放射線防護委員会の特徴というのは
はっきり明示されている勧告という様に呼んでいるのですが重要なものです
14番目の物です
経済的社会的要因を考慮して合理的に達成できる限り規制していくという
そういう中身が出されていますが
これは、別な言葉で言うと
原子力発電所を運営するためにあまり厳しくしてしまうと金がかかりすぎて運営が厳しくなるので
ちゃんと運営していける程度に垂れ流してもそれは認めてもらうと
その結果人が死んでもそれは我慢してくれと言う
重任の線を引いた訳ですね
これはエックス線で体を撮影する場合にはひとりひとりの患者が被ばくをしますが大丈夫いいですか?
と言って、結局被ばくよりも医学的なメリット
医療的なメリットを得るために被ばくをするんですね
毎回かならず重任しています。OK出していますね
原子力発電所の場合は
亡くなる人は誰が亡くなるのか分からないけれども
確実にひどい目にあって亡くなるわけです
でもこれは、社会がエネルギー源を得るために
あんたは、死んでも我慢してと・・・そういう意味なんですね
だから、そういう意味で決定的にちがう民主主義判断の中身を持っています
個の尊厳と言うのが民主主義のもっとも大事な事なのに無視されています
これがICRPの持っている防護体制の指針です
それに対して先程のヨーロッパ放射線リスク委員会と言うのは
「あくまで人間の健康を守る」というのが大原則であるという
日本はICRPを掲げているけれども
具体的には内部被曝を隠ぺいした科学集団が、なお人が変わっても安全だという事を言い続けている
ICRPの具体性を捨て去ってしまうという研究は・・・
科学するって事はですね、まさに具体的に物を見て
物事を具体性の中に探っていくというこれが真理探究の一番基礎的なプロセスなのです
これを結局、単純か平均か具体的な事を一切見せる事がない物差しは科学というものを排除してしまっている
01:05:52・・・・・・ここまで
ここから先はぼちぼち内容を書き出していきます。お待ちくださいd(◕‿-。) ネ❤
表や図などを参考にお話しして下さっているので
お時間のある方はご覧ください。
【タイトル】福島原発事故 内部被曝について正確な情報を知ろう
【話者】矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授(以下:「矢ヶ崎」敬称略)
「ナマ(今)とぅびぃん! オルタナ・クール」第11回
日時:4月24日(日)19時~21時場所:カフェcello (那覇市泉崎)
タイトル:福島原発事故 内部被曝について正確な情報を知ろうゲスト:矢ヶ崎克馬さん(琉球大学名誉教授)
原爆症 認定集団訴訟で証言を行うなど同問題に詳しい矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授は 、
3月25日に福島県入りし、1週間にわたって空気中や農地、水などの放射 線量や放射能汚染のデータ収集を実施した。矢ヶ崎さんから最新の調査報告を 聞きながら内部被ばくに関して正確な情報が学べます
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途中まで講演内容を正確に書き出して下さっています
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【タイトル】福島原発事故 内部被曝について正確な情報を知ろう
【話者】矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授(以下:「矢ヶ崎」敬称略)
OAM(沖縄オルタナティブメディア)西脇尚人代表(以下:「西脇」敬称略)
西脇:みなさん、こんばんは。OAM 沖縄オルタナティブメディアの西脇尚人です。
オルタナ・クール緊急U-st中継ということで、これから始めようと思います。
いつもは第一・第三金曜日にこちらの泉崎にあるカフェcelloからお送りしているんですけれども、
今日は緊急企画ということで急遽この時間に決定しました。
今日はですね、さっそくなんですけれども、東日本大震災そして福島原発の被害が大きな、
かつてない被害が起こっておりますけれども、
それについてですね、
ネット上では色々、ユーストリーム中継でも色々なテレビや新聞が伝えないような情報が毎日毎日伝えられています。
一方で、ここ沖縄にいて感じるのは、やはり距離が遠いということで、特に原発についてですね、
あんまりイマイチ、こう危機意識がないんじゃないかなあという気がしております。
そういうこともあってですね、ちょっと「どーなのかなー」と思っていた時に、
今日のゲストにお招きしました琉球大学名誉教授の矢ヶ崎克馬さんが、
実はもう沖縄にいらしゃって、この問題、特に今日、中心にお話頂く内部被曝の問題ですね,についてお詳しいということを、
私は恥ずかしながら初めて知って、
それで急遽、矢ヶ崎先生にご出演頂くような形になりました。
さっそくご紹介しましょうか。
琉球大学の名誉教授の矢ヶ崎克馬さんです。
矢ヶ崎さん、今日はどうもよろしくお願いします。
矢ヶ崎:よろしくお願いします。
西脇:矢ヶ崎さん、実は今日も昼間、宜野湾の方で講演されてきて……昨日でしたっけ?
……琉大……一昨日?
矢ヶ崎:一昨日ですね。
西脇:一昨日は琉球大学ですね、
それでそのちょっと前は辺野古の方でやられてまして、ここしばらく
矢ヶ崎さん、かなりお忙しくなってきておりますが、
これからじっくりお話頂くことになりますけども、沖縄で話す意味というか、そういうのは僕は特に大きいかな、思っています、
はい。
で、これから矢ヶ崎さんにパワーポイントを使ってお話頂きますが、
その中で出てきます、一つ、一番大きなポイントは内部被曝についてですね。
内部被曝の恐ろしさ、
これが大手のメディアでは、この恐ろしさが伝えられていないということがあるんじゃないかと思ってます。
実はですね、矢ヶ崎先生は昨年の7月に出されました本「隠された被曝」という本がありまして、
(これちょっとアップにして)この本の中で被曝、しかも隠された被曝というタイトルがついてますね。
これ、僕も読ませて頂きました。
とても驚くべき内容が書かれています。
僕が一番心配していたのはですね、つまり被曝には外部被曝と内部被曝、
この二つが報道される時には何となくごちゃまぜになるかのような誤解を招くような報道のされ方をしていることについて、
それを受け取る人もそれを区別がつかない状態、何となく脅威を感じていて、
何となく大丈夫だなぁ、と思っている。
その辺のあやふやなところが一番怖いなぁ、という……
今日はその辺のことを矢ヶ崎先生にゆっくりとパワーポイントを使ってお話頂こうと思ってます。
それでその時間が約1時間半弱ぐらいかかると思いますけれども、お話頂きます。
その後に今日はフロアに直接話を聞きたいということで、
何名かの方がみえていらっしゃいますので、その方々との意見交換をしたいと思います。
それに、まあ30分から1時間ぐらい時間かければいいのかな、と思っております。
今日はそんな感じで進めていきたいと思っておりますので、どうぞ最後までご覧になって下さい。
(音量について調整の会話あり)
矢ヶ崎:みなさん、こんばんは。
最初にですね、私の自己紹介も兼ねて、なぜ隠された被爆かというような経緯をちょっとご紹介したいと思うんですね。
実は私にとりまして沖縄県民が祖国復帰を闘い取った1972年の祖国復帰がですね、
非常に大きな沖縄に来る意味を私の人生にもたらしました。
沖縄の県民の努力というか、奮闘にもの凄く、私は大学院生の時に広島にいたんですけれども、
感激致しまして、
それで私が沖縄でなんかお役にたつことが出来るかなあ、という、
そういう発想をして琉球大学の助手に応募してきたという経緯があります。
そこで私は物性物理学、超伝導だとか半導体とか磁石とか、
そういうものの性質を研究する学問、物理学をしておりましたけれども、
その物理学の教育と研究の基盤整備ならば俺が出来る、
そういう志を立てて、そうして今までやってきたところです。
一昨年、琉大を退職致しましたが、
琉大の中ではですね、物性物理学をやるのと、もう一つ平和教育、
核の問題の教育、平和教育なんですけれども。これを琉球大学の共通教育に立ち上げまして、
それでこれは1984 年からもう28年間やってるところでございます。
そういうところで物性物理学ではありますが、核問題にかなり集中して研究していく機会がありました。
内部被曝ということにつきましては、沖縄に劣化ウラン弾が打ち込まれた事件がありまして、
それが内部被曝という問題で私が初めて声をあげ始めたきっかけになりはじめましたけれども、
内部被曝も劣化ウラン弾も体の中に吸い込んだりしてしまうと大変酷い、
発ガン(「ハクガン」と聞こえる?)などを生じるというものになっております。
で、2003年に原爆症認定集団訴訟という、被爆者の方が自分の、ガンになったり、
体調が悪いことは、原爆で放射線をあびたからだという、そういう申請を出して、
たくさんほとんど80%ぐらいの方が却下されるというような状態になっていたのを、
306名もの方が集団で訴訟するということになりました。
訴訟に到った原因というのは、今ではもう非常に明白なんですが、
国が内部被曝を認めていない、放射能の埃が原爆の爆心地周辺にいっぱいに漂っていたのを、
これは全然埃はなかったことにしたということがきっかけで
内部被曝が隠されてしまったという大きな科学的操作がありました。
それで私の昨年出した本も「隠された被曝」というテーマになっておりますけれども。
今回の福島でも非常に被曝ということが軽視されております。
内部被曝は外部被曝よりも凄く大きな犠牲的な被曝の中身があるんですけれども、
それがほとんど内部被曝は語られない。
外部被曝だけでも言っても、とりあえずはたちまちは何の健康への影響はないという、
そういう言い方がずっと流されております。
これは大変な一つの事実を隠しているところでありまして、
今後、将来必ず出てくる晩発性、時間が経ってから出てくる傷害、そういったものが語られていない。
そういう状況であります。
特に今日はですね、このタイトルに書いてあるように内部被曝隠しと原爆被曝者のことではなくて、
原発の安全神話というようなことに、ちょっと焦点を当ててお話させて頂きたいと思います。
まず、福島なんですけれども、3月末に一週間ほど福島に行ってまいりました。
私の友達が福島にいたわけなんですけれども、
沖縄から色々、私は安全地帯にいて友達を激励出来るというわけでも中々ないなあ、というようなことを感じながら、
直接行って、主に開き直って今の状態きちっと見ないといけないと、
開き直って楽天的にやるべきことはすべてやろうという、そういうことを訴えてきたわけなんです。
いくつか、土地7市町村を巡って、いっぱい土とか空気とか水を測定してきました。
その話は今日はあんまり深くさせて頂かなくて、主に内部被曝の話にいきたいと思っております。
これが、航空写真なんですが1号炉、2号炉、3号炉、これで4号炉という風に、
こんな風に誠に無残な姿がさらされております。
下の方はこれが3号炉と4号炉なんですけれども、こんな風に安全神話の原子炉が見るも無残な姿を晒しとります。
これが最近
2
こういう測定をしてきましたが、この、今写ってる場所は会津の田んぼを測定しております。
一緒に測定にまわっているのは農民連の農家の方々ですね。
今は若干特徴的なデータだけをお伝えします。
この測定例で(1)と書いてるのは福島市内のデータなんですけれども。
同じポイントでの測定の値があれしておりますけれども。
まず一番最初は朝、小雪が降っておりましたけれども、
この7.0というマイクロシーベルト毎時という、この値そのものがかなり強い放射能を含んでるもんです。
で、この時屋内に入ると大体半分に減りました。
半分に減るというのは放射能のほこりがここにいっぱい空気中に俟っているわけなんですけれども、
若干遠くから来る、遠くにある放射性の微粒子からはガンマ線が出ていて、
それで家の中に入ると壁なんかに遮られてしまうものですから、家の中は半分ぐらいになる。
大体どこで測っても外の半分が中だっていうのは変わりませんでした。
同じポイントについてですけれども、この日、一日中西風が吹いておりまして、
夕方は7.0、朝あったものが夕方は0.5に。
こういう測定結果そのものが非常に正直に実態を表しておりまして、
放射線を飛ばす実態は、埃である。
この埃がですね、放射性を帯びているという訳なんですけれども、
たとえば1マイクロメートルという眼に認められるか認められないか、ものすごく小さい粒子なんですけれども。
1ミリの1000分の1の大きさの直径を持っている場合でも、
原子の数にすれば、この中に100万個の100万倍は含まれとります。
ですから一つの微粒子から連続的にピッ、ピッと、こう、放射線が出ている、
それが風にあおられるとずっ~と、海岸のほうに向く西風なんですけれどもね、海に運んでいってしまう。
ただ、0になっていないのは土や土地の表面にですね、放射性物質が溜まっていて染み込んでいて、
それでそこからガンマ線が出ているというような状態です。
この日はですね、西風がずっ~と一日中吹いていまして、
南相馬市まで行ってきたんですけれども、この30キロ圏内で先ほど赤い色に示されているような所も
空気中の空間線量と風にいいいますけれども、これがほぼ昼ぐらいには0.5のレベルになっていました。
ですから常時この汚染が進んでいるんではなくて、風向きやその他気象条件で刻々変化している。
でも、汚染が強いというのは、そこにやっぱり埃が、放射性の埃がついてくるっていう、
いつも襲ってきているという、そういうことであると思います。
2番目はですね、田んぼの上を、土地を、土の汚染状況を探ったもんです。
空気中が0.3、それで田んぼの稲藁の上から測ると0.61、
空気中の線量と土の表面からの測定っていうのは、
必ず外にあった場合には田んぼの方が必ず高い値を示しておりました。
この場合、稲藁がですね、うんと薄く敷いているだけだったんですが、
稲の藁を取り除くだけで大体3分の1はなくなってしまっています。
で、2センチ掘ると半分の値になる。
ということで、もし子どもたちを学校に授業させるということになったら
校庭の土を上から2センチ取るだけで半分以上はきれいになる。
深さ10センチ掘っても必ず通常の値の10倍以上は汚染されておりましたけれども、
そういう具体的に放射線被曝からまぬがれるという方法を政府なんかはきちっと取るべきであると思うんですが、
そういうことがあまりなされておりません。
あと、子どもの様子についてはこの後お話するページ(数字?)を持っておりますけれども、
もう一つ、このハウスの中の測定も致しまた。
ハウスというのはずっと原子炉が爆発して以来、閉じられたまんまだっていうことを言っておりましたけれども、
空気中が0.35、表面の土が0.19というこの値は外の状況と逆転している関係でありました。
表土が0.19、ところが植わっている小松菜の上から見ると0.25いう表土よりも高いですね。
これは外の場合でも表面の土とそこに植わっている雑草を比べると雑草の上からの方が遥かに高いですね。
植物は空気中の炭酸ガスを取るために一生懸命、空気を葉っぱの中に取り入れて、
それで炭酸ガスを取って炭酸同化作用をするんです。
全ての地球の生物の一番元になる炭水化物や栄養をここで作っていくわけなんですけれども、
そういう様子がこういうところもありました。
小松菜などは周囲の汚染された放射性物質そのものを積極的に体に取り入れて、
これを葉っぱから、あるいは根からということがあるんですけれども。
そういう生物の営みがあるということがこういう汚染度でもはっきりしている結果になっています。
放射性の、放射能の影響っていうのは生物、人間や動物だけでなくて植物もすごく大きな影響を受けます。
水についてなんですけれども、泉の今まで湧いていた分量が地震でも変わらなく続いている、
地震の後でも変わらなく続いているというようなところはですね、非常にきれいな水が出ておりました。
水道の水は表面をさらしながら流れてくる、そういう関係の取水のところは必ず汚染されていました。
この汚染の程度は福島県内で(聞き取れず…「1対20」か?)ぐらいの差がありましたけれども、
福島県中全て汚染されているという状態でありました。
今、先ほどお見せした、この原子炉の破壊状態というのはチェルノブイリと同じレベル7という風に言われておりますが、
同じようなところも違っているようなところもあるんですが、
違っているようなところをここでちょっと整理してみました。
まず、一番恐れられている炉心の溶融による核分裂の連鎖反応が起こっているかどうか。
これはチェルノブイリの時には明白に起こったんですね。
炉心の温度が福島の場合よりもすごく高いところまで温度が上がってしまって、
燃料棒が破損して溶け出した核物質が炉心の底に溜まってしまって、それで核融合を起こしてしまったんです。
で、大きな爆発が起こりましたけれども、
その時に、核分裂した時に、ものすごい熱が出ますんで炉心を溶かして穴を開けて、
それを更に4メートルもあるコンクリートの床を貫いて一階まで落ちてしまった、とそういうことが起こっているわけです。
で、これに対しまして、福島は連鎖反応、連続した連鎖反応というのは起こっていない……
部分的に中性子が見つかったり、あるいは海水を入れた後、海水の放射化された原子が見つかったりしたというのは、
部分的に核分裂が起こった証拠なんですけれども、
大規模に大きな臨界量を越えたかたまりが出来て、それで連続して連鎖反応が起こった状態ではなくて、
ごく部分的な連鎖反応が起こってる。
で、放出された放射性の物質についてはですね、
チェルノブイリの場合には核分裂に関するほとんどの放射性原子が飛び出しております。
これは連鎖反応が起こって、すでにたまっているような原子炉の汚染物質の爆発と伴に外に噴出したもんですから、
外で観察されるのもほとんど原爆の時に観測されたものと同じような成分がみつかっております。
それに対して福島はですね、主に沃素とセシウムが専ら報告されてお ります。
この二つはなぜ主に出てくるかというと、沸点・融点という そういう、モノが固体から水に、液体になる、
水の場合は0度摂氏、そ れから沸点というのは液体が気体になってしまう、水の場合は100度摂 氏なんですけれども、
その沸点・融点がすごく低いんです。
沃素の場 合には157度摂氏で気体になってしまう。
それからセシウムの場合には融点がすごく低くてほとんど室温で液体になってしまう。
それで沸点そのものは567度というものですけれども、
液体になってる状態でキープされるようになっているもんだから、
どんどん燃料棒の覆いをガスとして突き抜けて外に出てしまうという、
そういう状態が続いておりまして、福島では沃素とセシウムが主なのです。
で、破局のレベル、規模なんですけれども、
チェルノブイリが比較されるのはチェルノブイリが終結した状態と福島の今の状態が比較されて
ほぼ同じレベルだという風に言われてます。
だから放出する量というのは福島はまだどんどん時間と伴に増えていくわけで、
炉心の状態も本当に今のように上手く修復する可能の方向で進んでいるかどうか、
進んでいくかどうか、それがまだまだ未知数のところがたくさんあります。
で、チェルノブイリはたった一機だったんですが、福島は4機も一緒に破局状態を迎えています。
こういう点がトータルでどれだけ放射性物質が噴出したかどうかっていう、
そういうところでは日本の政府の発表は10%から半分ぐらいまでの間というような、
そういう曖昧な表現をしておりますけれども、
外国の研究者はチェルノブイリの倍の既に5倍に及んでいるんではないか、というようなそういう見方もあります。
日本の研究者、京都大学の研究グループが測定したものです。
一週間ほど前に測定したものなんですけれども。
飯館村の曲田、ここで95ミリシーベルトという大きな値を測定しております。
これそのものはですね、3月15日から積算して今まで約1ヶ月間の値として
90(95?だが「ジュウ」と聞こえる)ミリシーベルトという大変大きな値ですね。
日本の原子力安全委員会が指定している屋内退避や避難ということで
50ミリシーベルトになるまでは自宅内の屋内退避していくことという、そういうレベルがありますが、
このリミットを持っている95ミリという2倍近くの値があります。
で、また少し別の方法で、この土地の汚染状態、1平方メートルあたりどれだけの放射線が出ているか、
ここに書いてあるベクレルというのは、1秒間に何本の放射線が出ているか、そういう数字なんですけれども。
この上のヨウ素の場合には3260キロベクレル、
具体的な数値そのものでいうとキロをのぞくと326万本の放射線が1平方メートルから出ているということですね。
これをチェルノブイリの場合と比較いたしますと強制避難基準を設けられて、
その値というのは1480キロベクレルです。
これらはヨウ素だけを比べてもものすごい強い値が出ていますね。
そういう意味で、この住民を避難させるかどうかということ自体、日本の政府がきちっとした実状に合う対応をしていない、
これは大問題です。
特に大きな問題がですね、福島県内にある学校全て汚染調査致しました。
その結果ですね、日本では管理区域って言って一般の場所ではなくて、
特に放射線が強くて管理しなきゃいけない区域の放射線レベルというのが指定されておりまして、
3ヶ月で1.3ミリシーベルトという、そういう値になったら、もうこの値に達したら、
それ以上労働者は管理区域に入ることが出来ないというような規制がかかっている、
そういう値に対してですね、なんと76%がこれと同じレベルの汚染状態である。
更に明らかにこのレベルを超えているものが20%もあったという、
そういう状況を福島県の測定で報告をしております。
この他ですね、福島県の学校の状態がここに書かれていますけれども、
非常に危惧すべきは、海へ汚染物質を放棄しております。
それから破局に到る、その、破局に到ったら何をしなきゃいけないかというシュミレーションさえありませんでした
けれども、こういった事はですね、結局、住民の被曝限度を引き上げるということで、
そのまんま居続けさせるという、そういうことを日本政府は取っているんですけれども、
このなんか、破局の非常事態の時には、
この限度値を高めるというのが当たり前だみたいな、という風なとんでもないことだと思います。
限度値を高めるということは、住民に被曝をたくさんさせるということなんですね。
そこにきちっとした政府の見解を示すんではなくて、とにかくその場しのぎでやるために限度値を上げて、
住民の健康は絶対今は出ない、
後になって出ることだから、今はなんか「安全だ」っていうことを言って、
そこにおいといた方が簡単だという、そういう住民無視の考え方から、
こういう限度値引き上げということが出て来ておりますけれども、
そういう意味で日本国民全体が主人公として大切にされる存在ではないという、
そういう方針がはっきり出されているというように、私は思います。
ICRPという、今のこういう基準値などを決めている所の考え方というのはですね、
通常の限度値というようなそういう限度値を設定しておりますけれども、
これは健康のためにここまでならいいという値では決してありません。
エネルギーとして電力を生むためには、あまり規制を強くしてしまったら商売が出来ない、
運営が出来ないから、適当な運営が出来る値にとどめておく、と。
その限度値で犠牲者は必ず出ているわけなんですけれども、
その出た犠牲者は、死に到っても我慢しなさいという、そういう数字なんですね。
ですから、民主的な基盤がこういう数字設定基盤にあるかと言ったら、まるっきりありません。
ですから結局、今とられているのは、
いのちも地球も犠牲にしたその場しのぎがされているということがはっきり言えると思います。
ちょっと返りましたが、今、福島県内の学校で子どもたちに20ミリシーベルトという、
そういう高い値を限度値にして、学校を再開していく、授業を始めていくということに対して、全国的に怒りが走っております。
ちゃんと、こういう汚染状態をそのまんまにして
生徒を「被曝していい量」だけ上げて、学校に通わせるのがどういうことだという、そういう怒りが集中しているところです。
そもそも原子力発電は本当に発電所として運営していっていい資格があるかどうか、ちょっと変な言い方をしますけれども。
そういうことでそもそもを考えますとね、
今、まき散らかされているような危険な放射能をとにかく封じ込めるしか能がない、
そういう人類としてはまだ放射能を安全なものに変えていく技術がないんですね。
だから破綻する、すなわち封じ込めが失敗したらとんでもないことになる。
そういう、やってはならんことをやり始めたんだ、という、そこんとこがまず……
我々がどういうきっかけで、こういう原子力発電なんかがされ始めたかということを見る前に、
きちっと視点として置いてかなきゃいけない、そういうもんだと思います。
実は、こういう原子力発電が日本や世界に押し付けられた、そういう中身そのものにアメリカの核戦略にあるんです。
核戦略として中身がどういうところにあるかっていうと、一つは原爆で落としたけれども、
余りにも破壊力が大きくて、しかも放射能で苦しめられる人がすごくたくさん出た。
これをこの核戦略として世界を脅す、そういう兵器として使っていくには
放射線で苦しめられるという、そこの場面をアメリカは隠したかった訳です。
だから核兵器は破壊力は大きいが放射線で苦しめられることはない、通常兵器と同じだと、
そういう虚像をつくりたかった。
もう一つはウラン濃縮工場を経常的に運営していくために、原発を押し付けるということが必要だったんです。
で、どういうことかと言いますと、ウラン、核兵器作るためにはウラニウムの濃縮をしなくちゃいけません。
この濃縮をするということは核兵器だけに、このアメリカが作った工場を使うと精々1年の1、2ヶ月やったら、
核兵器だけのためなら後、運転しなくてもいい状態になってしまいますが、
それでは核戦略としていつでも大量に対応出来るようにしておくためには誠に不都合なんですね。
それでいつでも運転するということを目指して原発を売り込んだ訳です。
たとえば100キロ、100万キロワットの、原子力発電所で一年間運転すると
広島・長崎の約1000倍の放射能のほこりが出てきます。
で、1954年にアメリカとの関わりで日本に原発が導入されました。
その形は「国策民営」と言いますが、国が開発するということを決めて、やるのは東電などの電力会社。
この構造がですね、一切の民主的な運営というものを初めから閉ざしている状況でした。
原子力3原則というのも当時の学術会議、日本学術会議が発表して
被爆国である日本は原子力を開発する上で
「民主・自主・公開」この3原則を守らない限り絶対反対だという、そういう声明を出しましたけれども、
国会ではこの3原則を通過させました。
でもこれは、まさに目くらまし的に、
たとえばサンフランシスコ条約でこの沖縄に、
表向きでは日本に核兵器を持ち込むには、ちゃんと事前協議が必要だなんていう協定をしたんですが、
全くそれは国民向けのもので核密約に基づいて核兵器素通りの状態をつくったんですね。
これと同じように「民主・自主・公開」っていうものが国策民営という形の上で、
丸っきり初めから提供できなかったという歴史があります。
そういう中で安全神話というのがつくられたんですけれども、そのバックグラウンドにはいくつかの布石があります。
今言ったように「国策民営」というスタイルが一つなんですけれども、
この原子力の保安体制がどんな風につくられるかっていう、そこんとこが日本では極めて杜撰でありました。
例えば、アメリカという核戦略の御本家というようなところでも、原子力発電についてはですね、
第3者機関で……第3者機関っていうのは、推進派でもなく反対派でもなくて、
まあ、客観的に事態をきちっと見て判断できるっていうそういう……この第3者機関で
人員としては、ここに書いてあるが、3000名近くの職員を擁しております。
ところが日本はですね、原子力保安院って言って、
通産省の組織の中に保安、まさに推進派の中に保安院があるんです。
で、アメリカの場合の第3者機関とは丸っきり違います。
800名という人員なんですけれども、この中で現場点検を出来るっていうのは数十人しかおりません。
で、とにかくアメリカと比較しただけでも、日本はまさに推進派がつくる保安院で保安監視をやっていたということです。
これが今も、皆さんよく分かるように、
東電と保安院が一緒になって事故対策をやってるわけですね。
この構造そのものがやっぱり初期、操作、これを決定的に遅らせたバックグラウンドをつくっております。
で、もう一つはですね、冷却系をきちっと確保しなきゃいけない、
とそういうことが日本はずっと弱いというふうに言われましたけれども、
この弱いって言われてることが、結局上の産官学が癒着して推進派だけで検討を進めるということで、
実現、冷却系の完全な保安体制がとうとう出来ないで来ました。
色々、この、東北学会の申し入れ、いくつかの政党の申し入れ、市民団体の申し入れ、そういったことをですね、
科学的に検討しないで全て封殺してきた。
それからもう一つ、3番目はですね、この2番目を受けているんですけれども、
チェルノブイリの事故の後、IAEAっていう国際原子力管理委員会、
これが破局になった時のマネジメントも世界的に会議を開いて決定して呼びかけております。
で、その中身は過酷事故に対する拡大防止策、これ以上事故が発展しないように。
それから過酷事故に至った場合の影響緩和策、こういったものを提案していますが、
この時、産官学癒着の日本は、この体制をきちっと取るということをじっと拒否してしまっているんですね。
で、2007年に到っても、耐震安全計画というものを発表して安全宣言を採っておりますけれども、
この時も地震による津波っていうのが、精々5メートル、5.6メートルというような、
そういうところで設定を低く見積もって安全宣言をぶち上げているわけです。
保安、ということで言いますとね、
完全に、一つの安全サイドからモノを見るという、これは言ってみれば推進派で原子力発電所をやると思うけど、
やりたい、という流れがあるのに対して、これが破局に到った時に多くの住民がいて、
これ、住民って言うのは主権者で、
主権者が安全を確保するという眼で見た時の、機械的な設備の状況ではなくて、
これがもし破局に到ったらどうなるかという、
そういう方法での二つのドッキングがあって初めて保安というものが成り立つわけですけれども、
住民サイドの保安というイロハのイがなされていなかったんですね。
どういうことかと言いますと、
国際的にレベル7まで状態判定指標がつくられておりますが、
もしレベル6がこの原子炉に当てはめられたら、どんな状況になる、どんな症状になる、
その症状を抑えるためにどんな機械が必要か、それでそのためにどんな体制が必要になってくるか、
時間はどれだけ許せるか、
こういう安全方法からの検討が一切なされていませんでした。
ですから、初動操作の遅れはですね、利潤第一視、推進派だけで構成している事故対策だもんだから
「原子炉に海水入れると原子炉使えなくなっちゃう、止めたいな」そういうような思惑と、
これ、シュミレーション、悪くなったら、もしこれがダメになったらどういうことになって何が必要かっていう、
そういう安全上の思考的な検討すら出来ていなかったんですね。
症状が出てからオロオロして、さて何するか、時間はいっぱい取られてしまった。
それが、もしそういうことがなくて、初めから海水をバッと入れなきゃならん、という断固とした姿勢があった場合には、
今のような破局は回避できた可能性がある、非常に大きいです。
で、このページで今の一連の話を終わりに出来たらと思うんですけれども、
福島に行って私が一番びっくりしたのはですね、
自治体に、あるいは町内会に放射線を測る計器、一つもないんですね。
これは、誠にこの安全神話というのが住民無視を徹底してやっているかということを見せつけられた、という感じです。
住民は全く放射能物質そのものが目に見えないし、
それでどれだけ汚染されてるかっていうのを計器がないと自分では何にも見えない、
そういう状態に置かれて、それで結局翻弄されている状態なんですけれども、
住民っていうのは、そこにいて邪魔ものではなくて主人公なんですよね。
国の主人公に、もし、万が一あった時にどういう身の回りの状況を知る、あるいは身を守る、
そういうことが必要かって、そういうことが一切なかったんです。
それから、小学校などの原発事故が起こった時にどういう風に避難するかっていう避難マニュアルも見ましたけれども、
基本的には地震と全く同じスタイルでしかなかったですね。
放射能の埃が来ることは、もう非常にはっきりしてますから、
マスクを手配するだなんてイロハのイだと思うんです。
埃だから色々、体に付、衣服に付かないようにビニールの合羽、そういったものは絶対必要です。
で、帽子も被らせなきゃいけません。
で、そういう放射能の破局というのはトータルでどれだけ被曝してるかっていう
計数バッチ、放射線バッジを一人一人の子どもがかないように身につける必要があるんですけれども、
子どもだけでなくて市民全体がですね、こういうことが一切ありませんでした。
一体、この面から見ると安全神話の安全の「あ」の字も手配が整っていなかったという状況なんですね。
結局、自治体そのものは何をやっていいか分からんし、
政府も結局は「安全だ、安全だ」って言ってきたけれども何をやったらいいか分からん、
それで外部被曝しかものが見えていない、
住民の後発性疾患などを認めない、
そういう学会に依存せざるをえなくて今、そういう方向で進んでいるということであります。
限度値を引き上げることは、それから学校のことについては先ほど言いました。
特に乳幼児、妊婦さん、それから病人の方、そういった方は「被曝弱者」という風に呼ばれておりますけれども、
これは特別にちゃんと保護しなきゃいけない、そういうことをやってないんですね。
沖縄でも特に注意して頂きたいのは、
食の安全に関して厚労省は野菜の出荷に放射性検査、
放射能の検査は野菜をしっかり洗ってからやりなさい、と指示を出してます。
ところが市場にはですね、農家は洗浄する設備が整っていないところが、
もっと多いものですから、特に葉野菜は全部そうといってもいいです。
汚染されたものが非常に行き渡ってしまうという、
すなわち、厚労省は洗浄してから表面の埃は全部取り払ったものを検査値として出しておりますけれども、
私どもの消費者には埃の被ったまんまの状態が届いてしまう。
これはですね、政府は今、一生懸命、風評被害避けましょうという風に言ってるけれども、
一番大事なことはきちっとしたデーターを出すことが基本です。
で、消費者がですね、これは汚染されているかどうか、
疑問を持って出来たら避けたいというのは全く合理的な判断です。
合理的な判断自体をデーターも与えなんで「止めなさい、止めなさい」というのは、
本当に大和魂をかきたてられているという、そういうような気が致しました。
結局、被曝を最小化するという手立て、具体的な対応というものが丸っきり行われていない。
それで、津波による被害者、震災によって家が壊れた、そういう被災者、
この方たちは眼に見えて具体的な被害があるんですね。
ところが放射線の被曝者というのは今は健康のように見えるけれども、
5年10年20年という後に発ガンにあったり命を落としたりすることがある。
これに対する手立てというのがですね、丸っきりない状態ですのでね。
同じ震災と言ってもこちらの人災の方には丸っきり具体的に政府が責任持ってサポートするという、
被曝を最小化するという手立てが丸っきりされていない。
これは棄民、民を棄てる、そういう政策がされているか如くのものです。
内部被曝について、いよいよこっちに焦点合わせて話をしていきたいと思ってるんですが、
内部被曝いうのは、ここに赤くやっているのが、放射性の埃ですね。
放射性の埃を吸い込んだり飲み込んだりして、体に入った放射性の埃から放射線がビンビン出てくる。
で、体の中から出た放射線で被曝するから内部被曝だと、そういう風に呼んでいるわけです。
で、基本的な概念をまずつくっておきたいと思うんですけれども、
この絵は分子がどういう風にしてつくられるかっていう話なんですが。
水素の原子が二つあります。
で、通常は水素分子H2(エイチ・ツー)という二つセットになる分子でいるわけなんですね。
で、これの何で一つ一つ原子になってるものが、こういう形になるかと言いますと、
これは一個ずついる原子のエネルギーの安定度がペアになると極端に安定化するわけですね。
ペアになることによって非常に強い結合力が出ます。
そうすると、この電子の結合力を媒介にして重い原子核をもった原子同士が繋がれてしまう。
これが分子をつくっている電子の役割なんですけれども、放射線はここのペアになっている電子を
ぶち飛ばしてですね、分子そのものをこういう風に切断してしまいます。
ペアになるからくっついていられる、このペアになる電子を吹き飛ばしてしまうものですから、
ここで分子がちょん切られてしまう。
こういう切断、分子切断がDNAに起こった時に、特に大事な問題になってきます。
DNAが、皆さんもう中学校の生徒さんも、こういう絵は見ていると思うんですが、
DNAというのは全く同じ分子構造を持ってるものが二本セットになっているわけですね。
で、この二本あるから細胞分裂なんかした時に確実に同じ遺伝子を再生出来ている。
そういうことで二本あるわけなんですが、放射線によって例えば二つともここでちょん切られた場合、
この、ちょん切られた場合、ちょん切られたDNAも生物の修復作用で元通りくっつくと、
まあ珍しい(以後、数語聞き取れず)、
ところがこういう風に二本以上、周囲を含めて、たくさん集中してちょん切られると、
結ぶ、再結合していく、結ぶ相手を間違えてしまうわけですね。
間違えてしまったものが体内で何回も同じような変遷を繰り返して
20回、40回と繰り返して変遷をしてやっと発ガンしていくという風に言われています。
だからその場合に個人的にも被曝していくから、何十年もかかる場合があるわけです。
で、もう一つは、こういう切断されて組み違えてしまった場合、変性という風に呼びますが、
DNAが変性されてしまったものはDNA自体が、変性されたものをそのまんまコピーしていく、
そういう機能を持つことになりますんで、
今いる人の子孫にも同じように、この不安定さが繋がっていってしまう、そういう恐れがあるわけです。
それで、先ほどの内部被曝と外部被曝について
、えーっと、ここに外部被曝のバク、爆弾の爆を書いてます。
ちょっと字が間違ってしまっている。
これ、「お日さま」の日ヘンですね。
これ、人がここにいて、放射線の原子がここにいる場合です。
放射性物質からうちだされるものは、基本的に原子が違うんですけれども、
原子の種類が違うんですけれども、3種類の放射線があります。
α(アルファ)線というものと、β(ベータ)線というものと、それからγ(ガンマ)線です。
このうちですね、アルファ線とベータ線てのはそんなに遠くまで飛ばないんです。
で、ガンマ線はずっと遠くまで飛ぶんですよね。
で、私どもの感覚っていうのはガンマ線が体を貫く、あるいはX線が体を貫くというと、すごく恐ろしい感じがします。
刀で、槍で突き刺されるような、という感じがするんですね。
でも、放射線がどういう風に体に害を与えるかっていうのは、
先ほど示しました分子切断、なんですけれども。
実はガンマ線というのは一番優しい放射線なんです。
なぜ短い距離しか飛ばないかって言うと、
物質との相互作用が非常に密に起こるもんですから分子切断がギシギシと起こる。
だから、ここで発射されたものはアルファ線ならば体の中では40ミクロンしか飛びません。
40ミクロンしか飛ばないんだけれども空気中では4センチ5ミリ飛びます。
でも、この飛んでる間に全てのエネルギーを分子切断に変えてしまって、
自分はエネルギーを失ってしまうもんだから短い距離しか飛べないんです。
電子線も全く同じですね。
ガンマ線はところどころしか分子切断をしなくてエネルギーを余して体の中から外に出てしまう。
そういうものであります。
ですから、外部被曝というのは、ちょっとこういう距離が1メートルもあれば、もうガンマ線しかこない。
しかも外部被曝の場合にはガンマ線の一本しか書いてないけれども、
この中にたくさんの原子から、どんどんあらゆる方向にガンマ線が出て行きます。
で、たくさん出される中で人間の体を向いた方向のものだけ被曝に関与するということですね。
ところが、これが体の中に入ってしまうとどうか、と言いますと、
ここでうちだされるあらゆる方向の放射線が全部体を被曝することになります。
しかも短いものは集中して分子切断を行って、ガンマ線はまばらに分子切断を行いますけれども、
こういうものも全部、体の中では被曝に効いてきてしまうんですね。
こういうメカニズムを考えただけでも内部被曝の方が遥かに被曝量が多いということが分かります。
で、今ですね、非常に特徴的なことはヨーロッパの学者集団と日本やアメリカの学者集団が基本的にモノを見ている、
あるいは科学をする姿勢が違う、ということになっております。
内部被曝はですね、被曝の状況を「どうしてなんだろうな」って言って、考えていくと必ず行き当たります。
で、ヨーロッパの学者集団、これECRR、ヨーロッパ放射線リスク委員会っていうんですが、
これはちゃんと内部被曝も外部被曝も考慮して考察する、科学をやる集団です。
この、人の科学姿勢に対して日本は内部被曝を否定してるんですね。
内部被曝がないかあるかということよりも、法的に内部被曝を認めると大変なことになるいう、
政治的判断あるいは原子力発電所から命令されて、そういうことを認めないという、
そういう中身な対応してきますけれども、こちらは内部被曝を認めていないんです。
で、ECRRが、この期間、どれだけの人が亡くなったかというと何と6500万を越える人が亡くなったと言ってるんですね。
これは、原因としては原爆もある、大気圏内核実験もある、原子力発電所もある。
この数字に対して、日本で行ってる国際放射線防護委員会は117万です。
この数字の差を見て下さい。
これが内部被曝を認めるかどうかの差なんですけれどもね。
内部被曝の方、ものすごい犠牲者が出ております。
例えば、小児あるいは初期胎児の死亡ということに関しては、内部被曝を認めていない日本は、
こういう人が放射線で死ぬはずがないんです。
そういう突っぱりをします。
ところがミルクに放射性物質が含まれていて、それで赤ちゃんは内部被曝をするわけです。
なんでミルクに放射性物質が入るかって言うと、
牧場の草の上に放射性物質が降り注いでいて、それを牛が食べると、
牛のミルクの中に凝結していくというメカニズムがあります。
で、こちらの初期胎児の死亡というのは、お母さんが内部被曝をして、
内部被曝をした放射性、内部被曝の原因になる放射性物質が胎盤を突き抜けて赤ちゃんのところまで行って、
赤ちゃんのところで放射線を出すというメカニズムです。
どちらもこちらは0(ゼロ)をカウントしておりますけれども、
実にたくさんの死亡者がいるわけですね。
むしろ初期の胎児、胎児死亡と初期胎児死亡、これは胎児死亡の方が多いんですね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ここまで00:54:16投稿者の方が内容を書き出してくださいました・・・・・・・・・・・・
では、日本の放射線科学は学会として何で内部被曝を認めていないかという事の話しに入ります
これは先程アメリカの核戦略といいましたが核兵器の姿を偽ることと
原子力発電を推進していくための物だったんですけれども
結局はそのごまかし自体が科学をする姿勢に直結している実態があるのです
アメリカが原爆の後、内部被曝を否定したやり方というのは
アメリカが日本を占領している間に原爆に対するデータを一切秘密扱いにして
その間に操作をした訳なんですけど
基本的には原子爆弾の爆心地から放射性物質を無かった事にしていることと
もうひとつは
被ばく者の被害が内部被曝はなかった事にする
こういう核としてはほとんど99%秘密にしていたデータ操作によって
今の国際放射線防護委員会ICRP、ここの被ばくを判定する基準から内部被曝を隠してしまった
3番目の物は物差しなんです
物差し自体を本当はこれだけが10センチなのに
この物差しというのはこんなに長い間が1センチであって
10センチだよというような物差しを作って相当しております
1945年の原爆直後にアメリカ、あるいはヨーロッパの新聞記者が入ってきたものの
マンハッタン管区の情報部が東京にやってきて
「そういう報道は一切でたらめだ」という事をやって線量部分の中でプレスコードを敷いていったという事があります
第一のものの基本的なやり方はこのグラフが示している通りなんですが
縦軸は放射線の強さを表しています
横軸は時間を表しておりますけど
放射線は半減期だなんていう言葉がありますように
どんどん崩壊していくと自分自身が数少なくなっていくというカーブをとりますけれども
決定的な事はですね
ちょうど広島でいうと6週間目に枕崎台風というのがやってきました
枕崎台風は日本の三大台風と言われているものなんですけど
広島で言えばデルタ地帯の点峰で堤防がてっかいして、爆心一帯床上1メートルの濁流が襲いました
太田川の橋20本が流出してしまった
広島県の流者は2000名以上になったという台風なんですけども
この台風で当時の広島市長も一切合財流されてしまったと、
調査をきちっとする前に流されてしまったと嘆いているわけなんですが
素人が見ても台風の後、埃なんか残っていない
あたりまえのことだけど・・・
ところが科学です。すごい科学があったんです
48日目に初めて測定に入ったというデータ
この後何回も測定に入っているんです
基本的にはある時点で測定します。測定自体かすかに残っている物で全体を表してはいないけれども測定した。
こともあろうに、台風後のこの値が最初からあったというそういう操作をした
日本の科学者は何十年もこの値だと言い続けている
もう一つのやり方というのが
ABBCという原爆傷害調査委員会というアメリカの機関で
のちに日本の放射線影響研究所になりました
ここらに居る日本の研究者が今なお日本の研究のボスに居座り続けているというのが日本の実体と見ていいと思います
どういう事をやったかと言うと直接被ばくと言って
原爆の核分裂をしている上空600メートルから降り注いだ初期放射線と言うのは
2Kまで勘定したら充分であるという
2K以上は放射線は浴びていませんという0ラインにしたんですね
ところが、ドイツ人の研究者などが「日本全国平均と比べれこれがすごく高い値である」と
こういう仕事自体が日本の放射線研究所でなされていないのです
そこで作られた国際放射線防護委員会ICRPの定義は
内部被曝を見るような細かい目で見ない
大きい塊で見るという事をまず宣言しています
このやり方は1キログラム当たらいどれだけのエネルギーの放射線で与えられたか
エネルギーだけで測る
これは具体的な被ばくの中身をいっさい目で見えることなく
全て均一に被ばくしているというそういう条件にセットしてしまっていて単純化を行っているのです
あわせて、具体性を一切打ち捨てている物差を作ったわけです
これによって内部被曝は無視されてしまいました
内部被曝を無視した具体性の詐称という
これは科学的にはものすごく大きな役割を果たしたんです
もう一つ国際放射線防護委員会の特徴というのは
はっきり明示されている勧告という様に呼んでいるのですが重要なものです
14番目の物です
経済的社会的要因を考慮して合理的に達成できる限り規制していくという
そういう中身が出されていますが
これは、別な言葉で言うと
原子力発電所を運営するためにあまり厳しくしてしまうと金がかかりすぎて運営が厳しくなるので
ちゃんと運営していける程度に垂れ流してもそれは認めてもらうと
その結果人が死んでもそれは我慢してくれと言う
重任の線を引いた訳ですね
これはエックス線で体を撮影する場合にはひとりひとりの患者が被ばくをしますが大丈夫いいですか?
と言って、結局被ばくよりも医学的なメリット
医療的なメリットを得るために被ばくをするんですね
毎回かならず重任しています。OK出していますね
原子力発電所の場合は
亡くなる人は誰が亡くなるのか分からないけれども
確実にひどい目にあって亡くなるわけです
でもこれは、社会がエネルギー源を得るために
あんたは、死んでも我慢してと・・・そういう意味なんですね
だから、そういう意味で決定的にちがう民主主義判断の中身を持っています
個の尊厳と言うのが民主主義のもっとも大事な事なのに無視されています
これがICRPの持っている防護体制の指針です
それに対して先程のヨーロッパ放射線リスク委員会と言うのは
「あくまで人間の健康を守る」というのが大原則であるという
日本はICRPを掲げているけれども
具体的には内部被曝を隠ぺいした科学集団が、なお人が変わっても安全だという事を言い続けている
ICRPの具体性を捨て去ってしまうという研究は・・・
科学するって事はですね、まさに具体的に物を見て
物事を具体性の中に探っていくというこれが真理探究の一番基礎的なプロセスなのです
これを結局、単純か平均か具体的な事を一切見せる事がない物差しは科学というものを排除してしまっている
01:05:52・・・・・・ここまで
ここから先はぼちぼち内容を書き出していきます。お待ちくださいd(◕‿-。) ネ❤
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