東海村にあるプルトニウム溶液と高放射性廃液の「潜在的危険」は
水素爆発と10の何乗ギガベクレル単位になる放射性物質の飛散だ!!
原子力規制委員会
第3回独立行政法人日本原子力研究開発機構再処理施設における
潜在的ハザードの実態把握にかかるヒアリング
2013年12月2日
ヒアリング3回目
本日で実態の把握完了
規制庁より資料1の説明
独立行政法人日本原子力研究開発機構再処理施設における
潜在的ハザードに関する実態把握調査報告書(案)
参加者
原子力規制庁

緊急事態対策監 安井正也

事故対処室長 志間正和

事故対処室室長補佐 松本尚

安全規制管理官付 小澤隆寛(試験研究炉・再処理・加工・使用担当)

独立行政法人 原子力安全基盤機構
核燃料廃棄物安全部 核燃料サイクルグループ長 浅田和男
独立行政法人 日本原子力研究開発機構(JAEA)
東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所
再処理技術開発センター

センター長 大谷 吉邦

ガラス固化技術開発部部長 三浦 信之

処理部部長 林 晋一郎

前処理課課長代理 佐本 寛孝

ガラス固化処理課課長代理 小高 亮
動画はこちらhttp://www.youtube.com/watch?v=927l-2ezgi0
4:11~始まり
安井:
資料1ハザード(危険性)に関する実態調査報告書について事実確認を中心に誤解がないかどうかをチェックする事を目的にやりたい。
志間:
現地調査結果について報告
第1回、第2回ヒアリングでJAEA(日本原子力研究開発機構)側から説明された内容と、現場の実態が整合するかどうかを確認する事を目的として調査。
実施日時場所については本年11月25日にJAEAの東海再処理施設の方に、我々、志間、松本、浅田グループ長の3人で訪問して現場を確認。
調査結果、内容としてはヒアリングで説明された内容通りであった事を現場で確認。
ただし2点ほどヒアリングの説明と現場の内容が異なる点があった。
後ほど、そういう事が発生している理由についてJAEA側から説明をいただく。
内容が異なる2点
1点目
プルトニウム溶液と高放射性容器を貯蔵している核貯蔵の液量が
現場で確認してきたものと、JAEAから説明を受けたものが異なっていた。
2点目
プルトニウム溶液を固化安定した後のMOX粉末の保管について、
JAEA側の事前説明では「プルトニウム転換技術開発施設とプルトニウム燃料施設の物を合わせて500ホールある」という説明だったが、現場では、プルトニウム燃料施設の空き容量が確認できなかったので、
これについてどれだけのものが空き容量としてあって、
今後安定化していった場合にはどれだけのものをこのプルトニウム保管施設の方に保管しようという計画を持っているのか、詳しく説明していただきたい。
以上が現地調査の報告。
報告書案の中身についての説明
資料1
第1回、第2回ヒアリングでJAEAからの説明をまとめたもの
ポイント説明
2ページ
I. 実態把握調査の背景と目的
どのような経緯でこの調査が始まったのか?を簡単に説明している。
ポイントとしては、今年の7月に原子力規制庁の核燃料等の新規制基準に関する事業者ヒアリングを受けて、
JAEA側から「再処理に関する意見」というものが出されている。
その中で東海再処理施設の中にこう放射性廃液やプルトニウム溶液を保有していて、
これらを固化安定化することで潜在的なハザード(危険性)を低減して安全性を高めることが重要
その施設の安全性を高めていくための措置についての新規制基準の運用というのが重要という指摘がされている。
これを踏まえて原子力規制委員会と事務局の原子力規制庁の方でいろいろすすめかたのやりとりをして、
今年の8月14日に原子力規制委員会において実態把握の進め方の了承を得て、実態把握が進められている。
3ページ
実態調査における前提となっている今回の実態把握調査の対象は、懸案となっている
二種類の放射性溶液のために使用する必要がある施設に関するものに限定されていること。
また、再処理の主工程の再稼働は東海再処理施設が新規制基準に適合した以降でなければ実施しない。
また、規制当局による許認可処分や評価結果がまとめられていない事項については、
JAEA の内部評価にとどまるものであること。
といったことが前提になっているという記載をしている。
4ページ以降
II. 実態把握調査結果 については、JAEAから説明があった内容をもとに規制庁でまとめた。
まず、東海再処理施設における潜在的ハザード(危険性)ですが、
(1)として、JAEA側から説明があった潜在的ハザード(危険性)がどう言ったものであるのか?の説明
報告書では、「潜在的ハザード」といった表現を使わずに、「潜在的な危険の原因」と呼ぶことにしています。
(2)「潜在的危険の原因」の現況ということで、
プルトニウム溶液については体積が3.1㎥(立方メートル)で
内臓放射能量は1×10の17乗 Bqという説明があったのでそれを記載している。
一方で先程報告した現地調査の結果としては、プルトニウム溶液は合計で3.44㎥。
といった数値に違いが発生している。
これについては後ほどどうしてこうなっているのか説明をしてもらいたい。
5ページ
②高放射性廃液 について記載。
こちらの合計体積はヒアリングによると430㎥。合計内蔵放射能量は 4.2×10の18乗 Bqとなっている。
一方で、現地調査においては、合計体積が421.4㎥と若干減っている状況だったので、
この発生原因についても説明してもらいたい。
6ページ上段
こちらでは、分離精製工場の中に
どうしても吸いだせない高放射性廃液合計約24㎥が二つの貯槽に残されている状態である、という説明が第2回ヒアリングでされている。
JAEAの計画では、この24㎥を除く406㎥を固化・安定化させるということを計画していると聞いている。
この分離精製工場の中にある24㎥はJAEAが考えている潜在的ハザード(危険性)の対象の中に入っているのかどうか?
また、固化・安定化させる対象に入れているのかどうか不明確なところがあるので、
この点についても説明してJAEA側の考えをはっきりさせてもらいたい。
7ページ
(3) 考えられる周辺公衆への影響 を記載
ポイントとしては
①プルトニウム溶液を液体で貯蔵することによるリスク評価として、
JAEA側では放出放射能量で約1ギガベクレル(GBq)、
実効線量で約10μSv と評価している。
一方、8ページ
② 高放射性廃液 についても同様に液体で貯蔵することによるリスク評価というものを行っている。
放出放射能量で約100GBq、実効線量で約100μSvと評価している。
8ページ・図の下
第1回、第2回のヒアリングでは高放射性廃液貯蔵場内の貯槽から高放射性廃液が漏えいした場合の復旧対策についてJAEA側から明確な説明がなされていない。
一方で、他の施設に対しては説明がなされているので、高放射性廃液貯蔵場もそこから漏えいした場合の復旧対策についても、対策がなされているなら説明いただきたい。
8ページ下
2. 固化・安定化の具体的方法及びスケジュール等について
9ページ
(1) プルトニウム溶液の固化・安定化の具体的方法及びスケジュール等 ということで、
まず
① 固化・安定化処理に使用する施設 というのがこちらの図3にある、
第2回ヒアリングでの既存のプルトニウム転換施設を使う。
② 溶液中の物質の固化・安定化処理後の形態及び「潜在的な危険の原因」の低減効果 といったところで、
JAEA側の説明だと、プルトニウム溶液についてはMOX粉末化する。
その粉末をMOX粉末貯蔵容器に封入後、貯蔵ホールで強制冷却するという説明を頂いている。
プルトニウム溶液3.1㎥を全てMOX粉末化した場合には約 640kgPu のMOX粉末ができて、
粉末貯蔵容器ベースで行くと130対に封入するという説明をもらっている。
これをプルトニウム転換技術開発施設とプルトニウム燃料施設をあわせて約 500ホールの空き貯蔵ホールがあると説明をもらっているが、具体的にどれだけの本数をどこに入れるのかという計画についてはまだ聞いていないので、明確化してほしい。
10ページ
MOX粉末化することによって水素掃気が不要となって、冷却についてもドラフト効果で強制冷却が不要となっても冷却機能は維持されると評価している。
③ 固化・安定化処理時に生じうる追加的影響の評価
固化・安定化処理時に生じるリスク評価として、JAEA側が
放出放射能量で約 3×10-2乗GBq、実効線量で約 4×10-1乗μSv と評価している。
11ページ
こちらでは固化安定化に伴いプルトニウム溶液が減少することによるリスクの減少と、
固化安定化を実施することに伴うリスクの増加の関係についても、第2回ヒアリングで説明を頂いている。
その結果を図6として盛り込ませた。
このような図になるという説明をもらっている。
④ 現時点で処理が停滞している理由として、
JAEA側の説明によれば、主排気筒ダクトの設備補修がまだ終わっていないということで、
これの補修後すぐに再開可能な状態である。
⑤ 処理完了までに必要な期間 ということで、
JAEAからの説明では約 1.5 年間で全量をMOX粉末化できるとしているという説明をもらっている。
(2) 高放射性廃液の固化・安定化の具体的方法及びスケジュールです
① 固化・安定化処理に使用する施設ですが、図7のとおり、
第二回ヒアリングの説明であった既存のガラス固化技術開発施設を使う。
② 溶液中の物質の処理後の形態及び「潜在的な危険の原因」の低減効果
JAEAでは、高放射性廃液については一定程度濃縮した後、溶融したガラスと混合して、
これを冷却してガラス固化体をつくると。
ガラス固化体は保管セル内で強制空冷によって除熱しながら保管する形態を予定している。
また、高放射性廃液(406㎥)を固化・安定化したときには、
すみませんこちらは事務局のミスでして
約880体と書いてありますが、これは630体と第一回の説明で受けているので
630体の固化体が出来ると見積もられている。
その一方で今東海再処理施設設内においてのガラス固化体保管余力は 173 体分であると説明を受けている。
また、高放射廃液をガラス固化すると水素掃気は不要となって、
冷却についてもドラフト効果で自然通風の状態となることから、
強制空冷が不能となってもガラス固化体の冷却機能は維持される。
13ページの下
③ 固化・安定化処理時に生じうる追加的影響の評価 ですが、
固化安定化の処理中の生じうるリスクは放出放射能量で約 40GBq、実効線量で約 2μSvとしている。
14ページ
高放射性廃液の固化・安定化に伴い高放射廃液が減少することによるリスクの減少と、
固化安定化を実施することに伴うリスクの増加の関係について説明を受けた内容いを記載。
図10。
15ページ
JAEAは固化安定化によって放射性廃液の液量が減ることに伴って、
表6ですが、
貯槽の予備率の向上とか耐震裕度の向上がみられるという説明を受けている。
④ 現時点で措置が停滞している理由 として、
ガラス固化技術開発施設内の固化セルに設置されている両腕型マニプレータ(BSM)の故障が今年の6月20日に発見されている。
その設備補修を実施中ということで、
この設備補修が完了して所要の運転準備を行ったあと、
平成 26 年第 4 四半期からガラス固化技術開発施設の運転再開を計画している。
⑤ 処理完了までに必要な期間 というところで、
JAEAからは高放射性廃液を処理完了するまでに約20年とみていると説明を受けている。
こちらについて先程の分離精製工場内に貯蔵されている24リューベのものも含んで20年なのか、
除いて20年なのか、明確化させてもらいたい。
こちらの20年としているガラス固化官僚の期間ですが、
これは年間35体のガラス固化体を作るペースで進んだ場合という事が大前提で、
このガラス固化の運転が安定的に行われることに加えて、それ以外に20年の間に完了するといったところで、
満足しなければいけない条件がある。
それがその下のア~ウに記載している。
まず1点目として
保全計画上の20年の運転期間中に耐用年数や使用期限を迎える機器もある。
そういう機器の交換や更新が計画通り進むことが必要。
次にガラス固化体を保存する固化セルの容量が、現行だと420体になる。
これを年間35体のガラス固化体をつくるペースでいくと5年でいっぱいになってしまう。
この5年でいっぱいになる前にJAEA側では保存方法を変更して容量を増やすという事を考えているが、
それを実現する必要がある。
また、(ウ)ですが、高放射性廃液を全量固化安定化した時には、
すみませんこちら880本と書いてありましが630本の間違いです、訂正します。
これを保管するにあたっても(イ)の貯蔵方法の変更が実現した場合でも、
年間35体のガラス固化体をつくるペースで約11年後にはこれがいっぱいになってしまう。
これがいっぱいになる前にさらなる保管スペースというものを用意しなければいけない。
そうしないと、ガラス固化安定化が出来なくなってしまうというところが考えられている。
さらにそれに加えて、ガラス固化の処理完了に必要な期間として、変動要素が二点ほどある。
17ページ
まず一点目は
ガラス固化保存セルの貯蔵方法の変更や増設に関しては、
地元との安全協定の手続きを経る必要がある。
この地元了解が取れるか?ということについてJAEA側は「現時点では答えられない」としている。
二点目は
改良炉の早期導入に伴って、炉の整備の計画停止低減という事が図られ、
固化安定化の処理完了までにかかる期間を短縮できる可能性も示している。
こういったところから「約20年間としている期間が変動する可能性がある」という事が考えられる。
3. 新規制基準の運用 ですが、
(1) 「新規制基準の運用」に係る JAEA 側の考えをまとめた。
まず、① プルトニウム溶液の固化・安定化処理に対する新規制基準の適用 ですが、
JAEA側の考え方として当方が受け止めた内容としては、
プルトニウム溶液には既存のプルトニウム転換技術開発施設を利用して、
現有のプルトニウム溶液を約 1.5 年間で固化・安定化できるという見込みであることから、
現在実施中の設備補修を完了した時点で、
新規制基準の適合とは切り離して、すみやかに固化・安定化を開始したい。
② 高放射性廃液の固化・安定化処理に対する新規制基準の適用 ですが、
こちらについては全量固化・安定化するためには約20年の期間を要するということから、
「ガラス固化技術開発施設における新規制基準適合に係る措置を適切に進めていく」としているものの、
その上で新規制基準適合のための対応と並行しつつ固化・安定化処理を開始したい。
というのがJAEA側の考えと受け止めている。
(2) JAEA がこれまでにとってきた個別の安全対策と新規制基準への適合見込み について、
こちらは完全に新規制基準に適合していないまでも、
新規制基準で要求されている安全上の事項についてJAEA側がどの程度まで措置を実施しているか?
また、どの程度の期間内に規制基準に適合が完了する予定であるのか?を調査した。
その結果が18ページ以降①~④に記載されている。
① 緊急時安全対策関係 について
全電源が喪失するケースや津波が施設に到達するケースなどの緊急時を想定して
対策がなされていることを確認している。
② 高経年化対策関係 ですが
JAEA側の説明では、高経年化については追加の保全策を要することなく、
機器・構造物の安全機能が維持している、ということを確認していると説明を受けた。
一方で保全計画上の耐用年数に到達するものの機器の更新や交換が必要になる。
またこちらの高放射性廃液のガラス固化に係る期間20年に関しては、
これらの保全計画上の機器の更新や交換に伴う機械の停止等も含められているということを確認している。
③ 耐震対策ですが、
平成 22 年 6 月に東海再処理施設の耐震バックチェックの第一段として、
基準地震動 Ss を 600gal とする評価結果などを報告しているということを確認。
また、JAEA側は規制当局にはまだ報告していないものの、
内部において耐震関係の評価とか対策を実施していると説明を受けた。
④ JAEA 側の新規制基準への適合計画 ですが、
ガラス固化技術開発施設についてですが、現行で行くと、平成28年度中までに新規制基準に適合するように既存施設の設計変更を完了させるという予定にしていると説明を受けている。
また、こちらの申請も規制当局の審査を経た上で、
平成30度から施設・設備の改修工事を開始するという説明を受けている。
また、ガラス固化体の保管セルの貯蔵容量の変更についても、
これらのガラス固化技術施設内の新規制基準の適合への対応の中で行うという説明を受けている。
報告書の案については以上です。
私からの説明は以上です。
34:34
ーーつづく
2.東海村JAEA潜在的危険に関するヒアリング~日本原子力研究開発機構からの説明~12/2
(内容書き出し)
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