栃木県に避難している福島の方々のアンケートの報告会がありました。
アンケートを行う事によって、避難している方の本音の気持ちが見えてきます。
自由記述の一言一言がとても重く響きます。
一時的の避難だと思って転居した借り上げ住宅がその家族の状況に合わない状態であっても、
自由に引っ越しが出来ないという事を私は初めて知りました。
原発の事故でなければ、自然災害だけならば、もうとっくに家に帰る事が出来ているのに、
テレビなどでは報道されない避難を余儀なくされている方々の思いを少しでも理解し、広めるために、
とても長いですがアンケート結果の報告内容を書き出しました。
ーーー
原発事故による栃木県内への避難者・栃木県北の乳幼児保護者アンケート報告
―こども・被災者支援法の行方―
2013年12月15日
宇都宮市 宇都宮大学峰キャンパス大学会館2階 多目的ホール
宇都宮大学国際学部 福島乳幼児妊産婦支援プロジェクト(FSP)代表
重田康博教授

皆さま今日はお忙しい中お越しいただいてありがとうございます。
いまご紹介いただいた宇都宮大学国際学部の重田と申します。
福島乳幼児妊産婦支援プロジェクトの代表をやっていますのでよろしくお願いいたします。
今日は晴天ですし、間もなくクリスマスお正月を迎えるという、
一見平穏な日々のように感じますけれども、
実は栃木県内、福島はもちろんのこと、
実は栃木県内でも家族と一緒に正月を迎えられなかったり、
クリスマスを迎えられなかったりする人がいるという事実を
やっぱり私たちは知らなければいけない訳ですね。
で、この福島乳幼児妊産婦支援プロジェクトも立ち上がって3年ぐらいたちます。
そろそろ原発事故のことも風化してきたとか、次のエネルギー不安の事を考えられたり、
原発事故がどこへ行ってしまったのか?と、そのような雰囲気が感じられますけれども、
依然として福島、さらに栃木県、さらに北関東にも避難で苦しんでおられる方が沢山いらっしゃる。
特に自主避難の方々とか、そういう事がやはり一般に認知されていない、忘れかけられている。
そういう時代になっている訳ですね。
そういう時に我々もこの福島乳幼児妊産婦支援プロジェクトを立ち上げて、
放射能被害に困っていられるお母さんやお子さん方、乳幼児の方を対象に、
調査をしたり支援をしたりという事で、これまで2年間やってまいりました。
その結果、うちもこういう調査をして、事実をなり政府なりマスコミなり一般の方に伝えて、
こういう放射能の状況を認識することができたという成果を上げる一方でですね、
まだまだ足りない部分、被災者の事を伝える部分もあると思います。
そういう中で、うちとしては栃木県内の、特に栃木県の被害者。
今日は乳幼児の保護者の方を対象にアンケートをやることによって、
低認知、知られていない。
「全国の中でも低認知被災地として捨てられている栃木県の状況」を、
多くの方に知ってもらいたいという事がこの報告会の大きな目的でもあるわけです。
同時に、後でアンケートの報告から知られていくと思いますけれども、
子ども被災者支援法というものが去年作られましたけれども、
これの実施に関しましても、なかなか実行が進まなかったり、問題点が多いという事で、
7割の方が今日のアンケートで「知らない」と言われています。
やはりこういった事実を知った上で、我々は被害者がどういう課題を抱えているか?
我々はどうするべきなのか?
そういう事を一緒に考えるという事が今日の報告会の一つのゴールにしたいと思います。
今日はアンケートの報告会とあとはパネルディスカッションでいろんな方々に来ていただいています。
それをみなさんと今日は共有して進めていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
ーーー
原発事故による栃木県内への避難者アンケート報告
司会 高橋 若菜(国際学部 准教授)
県内避難者アンケート報告
阪本 公美子(国際学部 准教授)
匂坂 宏枝(FSP コーディネーター)
福島県から栃木県へ避難している方へのアンケートを阪本公美子准教授。
そして、このプロジェクトコーディネーターの匂坂宏枝さん。
文字起こし部分Youtube→http://youtu.be/k6hBownRSqU?t=12m35s
栃木県に避難している方のアンケート集計結果報告
そもそもアンケートに尽きましてホームページでアップしているんですけれども、
震災直後福島県内、そして栃木県内につきましても昨年も行ってきました。
アンケートの目的としては、原発震災被災者の侵害されている権利とかニーズについて状況を確認したうえで、
短期的には市民団体や行政の支援に繋ぐということ。
長期的には国や行政による支援や権利回復につなげば、
これは3月4月に原発子ども被災者支援法に対して出した要望もその一環なんですが、
そういった国の支援、あるいは権利回復に繋ぐという事を目的としています。
そのためにも今日来て下さっている市民の方、国民の方の理解というものが不可欠だというふうに考えています。
そういった位置付でアンケートの結果。
栃木県に避難している方々のアンケートです。
アンケート実施期間 2013年8月5日(月)~2013年8月30日(金)
発送協力 とちぎ暮らし応援会
回収 1017件発送 107件回収(回収率 10.5%)
実施者 宇都宮大学国際学部多文化共圏センター(CMPS)
福島乳幼児・妊産婦支援プロジェクト(FSP)
まず回答者の方から頂いた声を皆様にお届けします。
避難者アンケート自由記述より抜粋
・私たちへの支援をありがとうございます。
あの日以来、人とお話しすることで恐怖心が高まり、不眠や精神面で落ち込んでしまいます。
(私たちの苦しみの声が届かない)
アンケートは全身(全心)で答えさせていただきます(40歳代、女性)
・私の住んでいる所は、避難解除地域です。でも、放射線量はいまだに高いです。
その不安!!本当の事が、報道されない。
日本国全体が忘れようとしている(60歳代、男性)
10.5%というアンケートの回収値でしたが、一枚一枚がとても思いのこもったものでした。
その思いを皆様にお伝えしたいと思います。
回答者の年代は様々な年代の方にお答えいただきました。

性別は女性の方が多かったです。

出身自治体はご覧のようになっております。

この自治体を避難指示区域別に分けましたところ、
避難指示が出ている区域からのご出身は7割の方

現在栃木県に居住されている自治体はご覧のとおりです。

現在のお住まいは、県の借り上げ、民間住宅が多くなっています。
県の家賃補助が適用される形になっています。

家族構成は以下のようになっています。
18歳以下の子育て世代が6割近くになっています。

ご家族についてお聞きしました。
現在住んでいる地域、自治会の方と交流がありますか?とお聞きしましたところ、
6割の方が「無い」とのお答えでした。

福島との行き来はどれぐらいの頻度でしていますか?という質問にはご覧の通りになっています。
「ほとんどない」「全く行く気がない」という方が4割居らっしゃいます。

交通手段は自家用車が最も多く、その次は新幹線となっています。

家計を支えていた人の仕事の復帰の見通しですが、「ない」とお答えになった方が34%です。

仕事についての記述をご紹介します。
自由記述より:仕事について
・内職などの話もあり、少し収入を得る事が出来ました。
相手社が内容に続けられるものではなかったので、当てにならなかったのが残念でした。(50代女性)
・私ども夫婦は仕事もあり年金もありの生活でしたが、
息子は仕事も会社も地元のため、仕事も失いなかなか見つからず困っています。
大学出てから20年同じ会社で働いていたので、
なかなか決心もつかずいろいろと大変な毎日です(70代女性)
世帯全体の経済状況は厳しくなりましたか?という質問では、
「厳しくなった」と答えた方が6割いらっしゃいます。

二重生活。
母親と子どもが避難をし、父親は福島県内で仕事をしているというご家庭が多いですが、
こういった二重生活の負担額は以上のようになっています。

そして二重生活で最も多いのは、
福島との交通費、食費、駐車場とガソリン代となっています。


自由記述より:自主避難者の状況
・特に、自主避難者に対する支援をお願いしたいです。
二重生活のため、光熱費が単純に2倍です。
子どもの教育費も、新潟県村上市に自主避難した友達は
幼稚園の学費が全額無料で制服まで支援していただいたそうです。
栃木県内でも水道代を補助してくれる市町村があると聞きました。
それから、借り上げ住宅の長期化を望みます。
このままだと、帰りたくないのに戻らなければならなくなります。
宇都宮市以外でどのような補助とか支援があるのか詳しく知りたいです。
もちろん宇都宮市の情報もお願いします(40代男性)
次に震災後の健康についてお聞きしました。
あなたの健康はいかがですか?とお聞きしたところ、
7割近くの方が「悪くなった」または「悪くなる不安がある」と回答していらっしゃいます。
具体的には、疲れやすくなった、乳がんになった、心不全になった、脳こうそくになった、
と訴えられています。

ご家族の中に身体上の支援が必要な方はいらっしゃいますか?という質問には
「いる」とお答えになった方が22%いらっしゃいます。

また心の健康をお聞きしましたところ、不安のある方が60%いらっしゃいました。
放射線量が低い栃木県に避難されても心の負担がえったわけではないという事が分かります。
また、60%というのは出てきているだけですけど、
自分で気がつかない方も入れるとかなりの数の方が不安を抱えていらっしゃるのではないでしょうか。

子育てで困っている事をお聞きしました。
学校などでみなと仲良くできているか。
子どもを同世代の友達と遊ばせたい。
という答えが多かったです。
子どもと友達の関係を心配している方が多いように思います。

自由記述より:先が見えない生活
・子どもが中、高、大学という、一番難しい年代になり
住居環境、精神的不安など表面に出にくい問題が山積しています。
夫も単身赴任先で苦労しているので、
なかなか相談しても良い解決法が見つからず毎日不安でいっぱいです。
先の見えない生活がこんなにつらいとは、思いませんでした。(40代女性)
子育ての中で相談相手がいますか?という質問には
「いいえ」というお答えが23%ありました。

相談したい相手は配偶者、また父母・義父母となっています。

お子さんの通学状況です。
77%のお子さんが毎日通学をしています。

保育園と幼稚園の入園状況は就業していないために保育園に入園できなかったという方が3名。
希望の幼稚園に入園できなかったという方が1名いらっしゃいました。

子育てをしていてリフレッシュや息抜きができる場所はありますか?と聞いたところ、
「ない」という方が43%いらっしゃいます。

子どもを遊ばせる場所はありますか?という質問には、
「ない」と答えた方が17%いらしゃいます。

子育て中の母親の悩みを紹介します。
自由記述より:母親の悩み
・自主避難の方は、保育園へ受け付けられないと伺いました。
経済的にも負担があり大変なので働きたい母親のために、
保育園への受け付けは認めるべきだと考えます。
子どもは、避難先の学校や地域になじむ事が出来ていますが、私はなかなかなじめません。
避難後に子どもを授かり、
「避難してきた人が結構子どもを産んでいるんだよね」と非難的な事を言われたり、
こんな状況なので、ちょっとした言葉でも傷つきやすくなっています(30代女性)
女性、特に母親の孤立感が強いことがよく分かりました。
以上で避難者の生活状況を報告しました。
http://youtu.be/k6hBownRSqU?t=23m45s
次は国や行政がどのような支援をしているか?ということについてご報告いたします。
まずは原子力損害賠償についての質問をご紹介します。
東電に賠償請求をしたか?という質問に対しては、した人も77%いるんですが、していない人も26%。
主にシニアの人が出来ていないんじゃないかと思います。

請求内容ですけれども、
財物請求をした人が28名、精神的被害の方を請求した人の方が多くて、56人請求していらっしゃいます。
そして請求方法は東電に直接請求した方がほとんどとなっています。

また、損害賠償に関する相談や説明会に参加したかどうかということにつきましては、
していない人がほとんどです。参加した人は24%にとどまっています。

次に損害賠償方法の理解度については、5と4を含めまして、
理解しているという人は2割にも満ちません。
かなり書類としても難しい書類だというふうに伺っています。

それと財物への賠償金額の満足度ですが、満足していない人が6割を超えています。

さらに精神的被害の賠償額の満足度に関して聞きますと、
8割近くの人が満足していないと答え、「東電の賠償に満足している人はほとんどいない」
と言っても過言でないかもしれません。

次に今後について伺いました。
まず今後について「これからの状況次第で決めたい」という人が半数以上で、
この先の予定を立てられない方がほとんどです。

今後についての考え方は様々なんですけれども、
自由記述より:今後について
・戻りたいけど戻ることはできません。(40代女性)
・避難者たちの心を思うと一刻も早く復興して故郷に戻りたい気持ちでいっぱいです。
よろしくお願いします(60代女性)
・戻りたい戻りたくないで意見が分かれ原発離婚になりそうで怖い・・
これからどう生きていったらいいのか不安・・
悩みを共有できるとうな人がいたら心強いのですが(60代女性)
さらに戻る時期につきましては、
先程の、見通しつかないということもあり未回答の方がほとんどなんですけれども、
回答していらっしゃる方の中では、
借り上げ住宅制度が終了した時に戻らざるを得ないと回答していらっしゃる方がほとんどです。

さらに沢山の避難生活で困っていらっしゃる事があるんですけれども、
中でも「先が見えないことへの不安」というのが81人。
かなりの多くの人が不安を持っています。
それ以外にも精神的に不安定。
家族が離れ離れである。
情報不足、居住環境整備、健康上の問題、生活費が十分でない、
居住地の放射能汚染、など、かなり多岐にわたる困りごとがあります。

さらに悩みを相談する人がいないという方が43%もいらっしゃいます。

さらに専門的な悩みというふうに伺いますと、
70%の方がどこに相談していいか分からないというふうに回答していらっしゃいます。

戸別訪問についても伺いました。
受けなかったという方が69%いらっしゃいましたが、
アンケートの中で「受けなかったが必要だ」という方につきましては、
戸別訪問支援を行っていらっしゃるとちぎ暮らし応援会さんや、
日本カウンセリング学会栃木県支部に戸別訪問支援を以来しました。

なお本日パネルで議論いたします
「原発事故子ども・被災者支援法」を知っていますか?という質問につきましては、
「72%の人が知らない」というふうに答えています。
この事は実質的な支援が届いていないという事の証左かと思っています。

要望の高い支援について・自由記述について紹介していきたいと思います。
自由記述より
・住居・支援・避難先の汚染状況・避難先住民・学校・幼稚園の放射能汚染への意識、
どれにも複雑な思い、葛藤があります(30代女性)
アンケート項目の中で要望の高い支援として、
避難元と避難先を行き来するための交通費の助成。
これは昨年に引き続き9割近い人。避難者の多くの方にとって要望の高い支援となっています。

高速道路の無料化だけではなく、新幹線とか福島県以外にも利用したいという声も寄せられました。
自由記述より:高速道路について
・妻が病院通いがあるため、時々自宅に戻る。
そのため高速道路の無料化は大変ありがたく思います(70代男性)
・高速道路の無料化にはとても助かっております。
高速道路だけではなく新幹線などで
避難元と避難先の行き来の無料化があってもいいのではないでしょうか。
私自身高速道路の運転が苦手なため、避難元に変える際の交通費(新幹線)は痛手です。
そういう点の交通費女性をお願いできたらと思っております(40代女性)
・高速無料化、福島県外以外も利用したい。
(両親が東京へ避難しているためお金がかかる)(30代男性)
次に健康につきましてもかなり多くの方が必要としているんですけれども、
たとえば「18歳以下の子どもの内部被ばく量測定と無料の継続検査」ですとか、

さらに住民票の有無にかかわらない無料の検査・医療体制
そして甲状腺検査など、放射線の健康影響に関する検査の実施、
健康相談や治療の県外での受け付け、検査結果の開示・説明などにつきましては、
いずれも9割近い方が必要な支援というふうに回答しています。
類似した質問項目が去年は77%だった事を考えますと、
かなり健康に関する関心が高まっているという事が分かります。

具体的な声をご紹介します。
自由記述より:健康・検査関連
・子どもたちの甲状腺検査の結果など、本当の情報が分からない事が多い(30代女性)
・南相馬市役所の対応が悪く、がん検診や子どもの予防接種などなにも情報がもらえず、
大変不便な思いをしている。
将来も、どうしていいのか、分からない。
もう、国や南相馬市は県外へ避難している人達は見捨てていると思っている。
南相馬市は最低なとこだ。(30代女性)
・福島県内と県外の差を無くしてほしい。
町の検査などが平日のみで受診できません。
もう3年目に入ります。
小学校1年の子が3年になりました。
小学校の半分です。
今さら戻れますか?なので16年勤めた会社を辞めました(30代男性)
次に避難先自治体に対する要望も多くの人が必要な支援だとしています。
合わせますと8割強の方が「避難先自治体の対応状況によって不利益を受けない対応」とか、
「住民票の有無による不利益を受けない対応」を望んでいます。

自由記述より抜粋:宇都宮市での支援・状況
・子どもの教育費も、新潟県村上市に自主避難した友達は幼稚園の学費が全額無料で、
制服まで支援していただいたそうです。
宇都宮市以外でどのような援助や支援があるのか詳しく知りたいです。
もちろん、宇都宮市の情報もお願いします(40代男性)
・さまざまな回(お茶会など)に参加してみたいと思うが、仕事があると忙しく時間が取れない。
宇都宮市の市政だより等地域の情報がもっと知りたい。(30代女性)
・宇都宮市に住民票を移しましたが、仕事などに必要と思ったための措置でしたが、
宇都宮市は住民税が高い事を知り、不公平さを感じました。
免税の対象になればいいと思いましたし、
移動前の市の税率に合わせる等して欲しかったです(30代女性)
・避難先での福祉関係の支援体制のハードルが高く利用できない等がある。
(市町村によって違うと思いますが)
(対応・支援がスピーディーという市町村もあれば、出来ないと断られる市町村もあると聞いている)
支援体制が平等でない。(60代男性)
・家に(地元に)戻りたくても戻れず、全く知らないとこでの土地探し、そして家を建てる計画をしています。
ですが全くといっていいほど支援や補助等有りません。
本当は絶対に誰でも地元に戻りたいはずです。
まわりにお店が無く、お金も無くても幸せと感じていたあの土地に。
そこを強く言いたいし、なにか支援等出来たらうれしいです。(20代男性)
次に損害賠償に関する情報提供、相談会開催、請求手続きの支援につきましても、
9割近くの方が重要な支援というふうに位置づけていました。
去年の75%と比較しますと、かなり上昇している事が分かります。

そして国や東電に対して多くの自由記述が寄せられていました。
自由記述より:国・東電の賠償について
・なぜ、栃木県内だけ東電説明会が開催されないのか、不思議に感じている。(30代男性)
・適当に避難しており、その勤務先ではあたたかく(何事もなく、変わらず)迎えていただいております。
定住も考えたいのですが、避難元のローンもあり、
賠償をもっとしていたらかないと、二重ローンになります。
最低でも前の生活レベルに戻りたいです(30代男性)
・これから先、前進していこうと思ってもそれを阻むものがあり不安定な状態です。
まず東電の対応、公平かつ迅速ではないという事。
福島原発の事故処理問題、無責任すぎます。
誰に対しても同じ避難している人たちの人権無視など、
アンケート書くだけでも血圧が上がり体調が悪くなります。(50代女性)
・2年5カ月が過ぎても何一つ心が満たされる事はありません。
東電・国の曖昧な態度、避難者の気持ちでとか言葉は聞くけれど、
住まいを一番必要とする人間として、国民としての扱いはされていない気がする日々です。
東電の賠償は大切な(家・土地)の件はもう少し国が先に立ち進めるべきであると思う
(賠償の金額)次に進めない事知ってほしい。
(小さくても、家族と一緒に生活をする幸をください)
(なにがアベノミクスだか福島を3・11を忘れたのが、政治家たちにしか見えない)(70代女性)
賠償以外に関しても、沢山の声が寄せられていました。
自由記述より:国・東電に対して
・東電に対する怒りしかない。お金で解決できないものはどうするつもりか??(30代女性)
・除染後、安全確認、室内掃除後帰宅予定。
家族内でも安全感の度合異なること。
放射能検査測定、安全基準値、一部ヨウ素、セシウムだけ得あり、他の成分はどうなっているの?
なにも言わないけど安全?
安全基準値に他の要素、食物、地面完全ではないのに宇宙線検査等含まれると、オーバーしてしまうのに、
福島県内、外で情報、扱われ方、支援、違っていた事。
帰宅準備でハウスクリーニング期限つきであった。
3月末日までだった(東宝は)範囲についても前もって指示されたのと異なる。査定であった。
これは東電の後出しジャンケンのようで不正ではないか。
今までも、今後も事業の点においても全面的になにか不正をしてきて、
これからも行っていくのでは不信だらけです。(60代女性)
・TVや新聞などで東電のニュースが目に入ると、気持ちがイライラ、
見たくないけど確かめたい気持ちも、いまだに続いています。
そういう気持ちをはき出す所がない(60代女性)
次に自主避難者に対する支援に関しても7割5分の方が、
去年は72%でしたが、さらに去年よりも多くの方が必要な支援というふうに評価しています。
この事はアンケート回答者が自主避難者は24%だったという事を考えますと、
自主避難者はもちろんそれ以外の方も重要な支援だと認識している回答結果ではないかと思います。

具体的な寄せられている言葉をご紹介します。
自由記述より:自主避難支援について
・被災者支援と言いながら、避難区域以外は全く無視されている今の現状にかなり不満(50代男性)
・自主避難者にも少し保障(支援金)があればいいと思います。
自主避難者は辛いです。
自主避難の言葉さえ報道されていないので理解されていない。
・半径なんkm、なんkmで決めるのは不思議です。
その他除染の件、住まいの件等々知りたい事が沢山ありますが、
自主避難のため記入することはできません。(70代女性)
・自主避難者への対応が悪いと思います。
福島市は実は線量は高いのに、どうして国は差を付けて、いろんな面で不利にするのか?
線量の高いところには、正直に公開して差別なく国が対応するべきです(女性)
次に福祉に関しても多くの方が要望が高い。
9割近くの方が必要な支援というふうに評価しています。
該当者は22%ですけれども、多くの方が
高齢者、要介護者、障がい者がいる避難世帯への支援をより充実させるべきだと考えています。

自由記述より
・福島の家は車いすで生活している息子のためにバリアフリーの新築の家だった。
学校にも車いすで通い、充実していた。
栃木ではバリアフリーの家ではないので、家族の負担も大きい。
障害を持つ人間にとって環境が激変した事は大きく、東電は、何らかの対応をすべき。
通院していた病院にも通えなくなってしまった。(40代女性)
雇用に関しても多くの方が、割合で言いますと、7割5分の方が必要な支援と評価しています。
去年の類似した質問では55%だったんですけれども、かなり雇用に関するニーズも高まっています。

自由記述より
・栃木県で「震災被災者対象求人」で入社しましたが、一時帰宅など行かせてもらえず、退職しました。
何のために被災者用だったのか分からない(30代男性)
・定職(正社員)の雇用件数が少なく、生活面で不安が大きい。
住居に関しましても、仮設住宅の延長期間につきまして、
86%の方、去年も85%だったんですけれども、必要な支援というふうに評価しております。
いくつか声をご紹介いたしますけれども、
・借り上げ住宅の長期化を望みます。
・このままだと帰りたくないのに戻らなければならなくなります。
・その先延長になるのか早めに知らせていただかないと、今後の計画ができません。
という声もあります。
この件につきまして、昨年も類似した声がありました。
ちょっと状況を調べましたが、今年4月に厚生労働省に延長可能な通知がきていまして、
避難元の要請のある避難先で延長が可能になっていたんですけれども、
山形、秋田、新潟ではすでに公表されており、栃木県ではまだという事なので、
確認しましたけれども、県の内部ではすでに延長が決まっているということで、
今月中に通知を、福島県からいらっしゃっている方は27年3月31日まで、
宮城、岩手県からは4年まで延長は決定しており、今月中に行こう調査を行うとホームページで公開予定です。

とりあえず27年3月までは延長が決まっています。
ただ、転居につきまして、こちらも昨年に引き続き7割の方々が民間借り上げの転居を望んでいらっしゃいます。

具体的な理由としては3年がたって家族が増えたり、状況が変わってきたり、いろいろあります。
この件に関しては今まで栃木県では前例がなく、原則的に難しいと伺っています。
ハードルが高いと聞き受けましたけれども、
「相談に応じない訳ではない」というふうに伺いました。
是非ハードルをもう少し低くしていただければと思います。
自由記述より:借り上げ住宅の転居について
・避難してきて3年がたって、結婚して子どもが出来て部屋狭く休める場所がないです。
もう一度借り上げ住宅をやって住み替えがしたいです(20代女性)
・借り上げ住宅の転居を1,2回は認めてほしい
(仕事・学校等や借り上げ場所の人間関係などという意見で)
情報が少ないので、教えてもらえるとありがたいです(30代女性)
・福島市内は避難区域になっていないのにいまだに線量が高く、除染も進んでいない状態です。
子どもの健康を思い自主避難しましたが、知人も居なく不安な日を送っています。
主人も宇都宮に来て仕事につき除染が終わるまで福島には帰れないので、
別の借り上げ住宅への転居を強く希望します(30代女性)
・上記にもありますが、現在住んでいる借り上げから別の借り上げへの転居を認めてほしいです。
(ここに住む事に決めた時は短期間でアパートを探したり、2重生活だったが、
現在は家族7人で住んでいるためとても狭い)いろいろ状況も変わっているため(40代女性)
・借り上げ住宅を使用して延長は大変うれしいのですが、当初は思うようなところがなく
(ペットもいたことから妥協があった)
最近は親も89歳になり、足が弱り、段差やお風呂の古さで困っています。
他のところへ移してはもらえないのでしょうか?(50代女性)
・これほど長期化するとは想定できず、まず避難(その時は家は無かったため)と考え、
現在1DKに入居している。
しかし、これを先2年、3年と長期に考えないといけなくなってきているのが現状。
住み替えを考えているが、栃木県生活部消防防災課では、それを認めず、やりきれなさを感じています。
実際家賃は月/1000円の上限だけであるのに、本当に情けないです(60代女性)
情報公開についても住居地域で収穫した食物の放射線量測定と情報提供や
避難元地域での医療や福祉に関する情報提供についても
それぞれ8割を超える方が必要だとおっしゃっています。

自由記述より:情報公開について
・福島に関するニュースを正確に流して欲しいと思います(30代女性)
・避難元の放射線の正確な情報、今後の見通し、1年後に帰っても大丈夫なのか心配です(80代女性)
・私の住んでいるところは避難解除区域です。
でも、放射線量はいまだに高いです。その不安・・本当の事が報道されない。
日本全体が忘れようとしている。(60代男性)
また情報提供に関して定期的な発想を8割の方
子育てに関する情報に関しても7割の方が情報が必要だとしていまして、
さらにそういった情報提供に関するお礼もありました。

自由記述より・提供・お礼
・いつも情報を届けて下さりありがとうございます。
栃木、福島の両情報があるので助かります。
福島の被災者をいつまでも気にかけて下さる方がいるのは心強くありがたい事です(40代女性)
・避難区域の情報は現在、現住所のあった役所に手続きしたので定期に同じように届けられるようになり、
現住所の役所にもお世話になり、大変ありがたく思っています
・栃木県民の皆様のご親切を頂き、感謝しております(60代男性)
・戸別支援を受け助けていただきましてありがとうございました。
応援会の方々ご苦労様です(70代女性)
そして最後に栃木県民の皆様のご親切を頂き感謝しておりますという声もありました。
本日来て下さっている栃木県民の方と感謝され続けられるような対応を続けていきたいと思います。
さらに国や行政が支援法を通して、被害者の状況を踏まえた支援を、
今後国としてしていくべきかと思います。
2013年12月15日
原発事故による栃木県内への避難者・栃木県北の乳幼児保護者アンケート報告
文字起こしブログ
原発事故による栃木県内への避難者アンケート報告 12/15宇都宮大学(動画・内容書き出し)
<アンケート実施の背景と目的>
「低認知被災地」栃木県北地域における子育て世帯の不安12/15宇都宮大学清水准教授
(内容書き出し)
栃木県那須塩原市&那須町乳幼児保護者アンケート結果報告
「震災・原発事故後の生活の変化と原発事故当時と現在の行動」12/25宇都宮大学清水准教授(内容書き出し)
<みんな一緒>
「放射能が怖い」と当り前なことが言えない.孤独感でいっぱいでした。
12/15宇都宮(音声・文字起こし)
<差別と分断>
原発事故放射能に対する対策というのは全て差別で成り立っています。
12/15森田省一さん(音声・文字起こし)
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