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01.06
Mon

東海村にあるプルトニウム溶液と高放射性廃液の「潜在的危険」は
水素爆発と10の何乗ギガベクレル単位になる放射性物質の飛散だ!!


1.東海村JAEA潜在的危険に関するヒアリング~規制庁からの説明~12/2(内容書き出し)

2.東海村JAEA潜在的危険に関するヒアリング~日本原子力研究開発機構からの説明~12/2
(内容書き出し)




上記のブログを書いていて、東海村の再処理工場が危険を持っている事を知りましたが、
今回、小出裕章ジャーナルでこの事に関して小出先生の解説がありましたので書き出しました。




第52回放送 ラジオフォーラム


湯浅誠(社会活動家)
小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)

湯浅:今日も小出さんと電話がつながっています、小出さん今年もよろしくおねがいします。

小出:はい、こちらこそよろしくお願いします。

湯浅:
えー、正月早々ちょっと物騒な話題なんですが、
12月2日に原子力規制庁が東海村にある「東海再処理施設」
これは日本原子力研究開発機構の施設だという事なんですが、
そこにプルトニウム溶液と、高レベル放射性廃液があって、それについての調査報告をまとめたと。
で、その調査報告によると、廃液が430立方メートル、それだけの量が処理されずに残っていて、
安全装置が壊れると、沸騰して放射性物質が飛散したり、
水素爆発をおこしたりする恐れがある
ということなんだそうですが、
まず初歩的でいつもながら恐縮なんですけれど、
東海村の再処理施設というのは、これはどういう施設なんですか?


小出:
はい、皆さん再処理と言うような言葉を聞くと、
この施設が放射能のゴミをなにか処理してくれる、
始末をしてくれるというふうに思われる方がいらっしゃるようなのですが、
それは全くの誤解です。

再処理という作業は、
原子炉を運転して出てきた使用済みの燃料の中から、プルトニウムという物質を取り出すため、
それを目的にした工場です。
で、プルトニウムというのは、長崎原爆の材料になった物質でして、
もともとは米国がマンハッタン計画という原爆製造計画を進める中で、
どうしてもプルトニウムを取り出したいとして開発された技術です。
東海再処理施設でも、これまで「ふげん」という原子炉が日本にあったのですが、
そこから出てきた使用済み燃料を、「ふげん」というのは敦賀にあったんですが、
敦賀から東海村まで持ってきまして、
その使用済み燃料、もともとは個体なのですけれども、
それをドロドロの液体にまず溶かしまして、溶かした液体の中からプルトニウムという物質を分離しようという、
そのために作られた工場でした。



湯浅:
たとえば「再処理施設」という言葉を聞いたら、
頭の中で「プルトニウム抽出施設」と置き換えて考えないといけないという事ですね。

小出:そうです、そのとおりです。

湯浅:
で、その、プルトニウムなんだから当然危ないものだということはわかりますけど、
「安全装置が壊れると沸騰して水素爆発が起こる」というのは、
これは要するに原発で冷却が止まると熱くなって爆発するという、
今回起こった事と同じ事が起こるという事なんですか?

小出:
そうです。
全く同じ事が起こります。

使用済みの燃料というのは膨大な放射性物質を抱えてしまっていますので、常に発熱をしています。
その熱を冷やせなければ、温度が上がってしまいますし、
いま東海再処理施設には液体になった、使用済み燃料を液体にしてしまった廃液が沢山残っているのです。
で、それが常に発熱をしていますので、
それを冷やせない限りは液体が沸騰してしまうという事は簡単に起きてしまいますし
膨大な放射線が飛び交っていますので、水素も日常的に生成されてしまっていますので、
それをきちっと処理できなければ、福島第一原子力発電所で起きたよう水素爆発が起きてしまいます。


湯浅:
これ、430立方メートル残っているっていうんですけど、
実際はもっとあったという事ですよね?「残っている」って言うからには。

小出:
そうです。
これまで東海再処理施設というのは1977年から運転を始めた筈だったと思います。
それで、確か2006年までは、まがりなりにも運転されてきたんですけれども、
この際処理という作業は猛烈な危険を抱えている作業でして、
度々事故を起こしたり、故障で機械が動かなかったりしまして、
1977年から2006年まで30年間、一応まがりなりに動わけですけれども、
その期間の施設の稼働率、設備利用率と私たちは呼んでいますが、
20%にも満たないという程の悲惨な運転履歴を残してきました。

で、2006年に一応は、お金儲けのための運転は止めたのですけれども、
でもその時までに処理できない廃液が残ってしまっていましたし、
施設自身も故障や事故が続いて、運転できないまますでに6年間停止してしまっていたのです。

湯浅:
そうすると、その危なっかしい物をいつまでそこに置いておくんだ?という事が
今回の調査でそういう話になったんだと思いますが、
これは結局どうするという事になっているんですかね?

小出:
いずれにしても廃液の状態でこれからずーっと保管を続けるという事はとっても難しい事です。
廃液は加熱されればすぐに蒸発してしまいますし、
放射性物質が沸騰して噴出してくるという事になってしまいますし、
タンクなんかにどこかに割れが出来れば、また漏れてきてしまうという事になりますので、
とにかくなんとしても個体にしたいという事だと思います。

湯浅:それは、その稼働率が20%だったという中で出来るんですか?

小出:
大変だろうと思います。
30年間で処理できた使用済み燃料というのは1100トン程度だったと思いますし、
だいたい1トンの使用済み燃料を溶かしますと、1㎥(立法m)の廃液が出来るのですが、
今430㎥あるということで、
多分それを処理しようとすれば何十年。
確か原子力規制委員会の計画では20年ぐらいかかるという事だったのだと思いますけれども、
ま、これから長ーい期間頑張らなければいけないし、
施設はまた事故や故障が起きるでしょうから、本当にいつになったら終わるのかもわからないという、
そういう状態になってしまっています。

湯浅:30年かけて1000トン。

小出:はい、1100トンぐらいだったと思います。

湯浅:
1100トンぐらいですね。
いま430トン分残っていると。

小出:そうですね。何十年かはかかると思います。

湯浅:
なるほど、じゃあそれは東海村で「動かせない」という事になるんですよね?
東海村でやらざるを得ない。

小出:
六ヶ所再処理工場というのもまあ日本はつくろうとしたわけですけれども、
六ヶ所の再処理工場すらが動いていませんし、
廃液をガラスに固めようとするところで止まってしまっていますので、
六ヶ所に送ったところでやはり出来ないだろうと思います。


湯浅:
んー…、これはあの、小出さんとしては「どうしたらいい」っていうか、
ま、そ、そうやって20年かけてやるしかないっていう事なんですかね?

小出:
はい、多分そうだと思います。
再処理なんていう事に手を付けたことそのものが間違いだった訳で、
本当はやってはいけなかったのです。
ただし、もう時間を元に戻すことはできませんので、
既に溶かしてしまった廃液はなんとしても個体にするという事をやらざるを得ないと思います。

湯浅:この安全装置というのは、かなりしっかり設計されているものなんですかね?

小出:
もちろんその施設を設計する時には、
事故が起きないように、そして安全装置等を沢山付けるわけですけれども、
残念ながらその安全装置がきちっと動かないという事はよくある事でして、
福島第一原子力発電所だって、もちろん安全装置は付いていたのですけれども、
それでもやはり事故は起きてしまう訳ですから、
これからまた東海再処理施設で廃液を処理しようとすれば、
さまざまな事故、故障が起きるだろうと思います。

湯浅:結局だからそうやって、手を付けちゃいけないものに手を付けたからこうなるっていう事ですね。

小出:はい、そういう事だと思います。

湯浅:はい、ありがとうございました。

小出:ありがとうございました。



ーーー


液体にしてしまった
液体になっている
液体だから固体よりも危険がとても大きいのだという事が分かりました。

あらためて、これからどうやっていくんだろう・・・と、
寒気がしました。



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