子どもが甲状腺がんに・・・ 母が苦悩の告白3/11報道ステーション(内容書き出し)
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子どもの甲状腺がん 原発事故との関係は…
チェルノブイリで検証
「チェルノブイリは4~5年後」
甲状腺がんと事故の関係は
福島県平田村
そこに福島県立医大と距離を置き、子どもたちの甲状腺検査などを無償で行っている病院がある。(ひらた中央病院)
エコー検査にかける時間は県の検査よりもはるかに長い。
内部被ばくを測るホールボディカウンターも子ども用の物を導入。


3歳と5歳の子どもを持つ母親:
チェルノブイリでも後から甲状腺の癌が出たとかあったので、
小さいうちから検査を受けておいて、早めに分かれば治療なりなんなり出来るのかなと思って、

ひらた中央病院を運営する 佐川文彦理事長:
今原発事故が起きて、あれからまだ3年しか経っていないんですよ。
まだ集結していないんですよ。
「放射能は心配ありません」「これは問題ありませんから」と言い切れる問題ではないと思う。

27万人を検査して33人。
子どもの甲状腺がんとは年間100万人に一人か二人という、極めてまれな病気ではなかったのか。
被ばく医療の専門家として福島県のアドバイザーを務めた山下氏は。
2014年2月23日

長崎大学 山下俊一副学長:
これはまさにスクリーニング効果そのものであります。
スクリーニングした事がありませんでしたから、その頻度がまだ分からなかった。
一見増えたように見えますけれども、
多分子どもたちがある頻度を持っていたんだろうと。
山下氏の説明はこうだ。

これまでも甲状腺癌は自覚症状が現れることなどで初めて見つかっていた
それに比べて今回は、スクリーニングと言われる処方がとられた。
スクリーニングとはある集団の全員を調べて病気を見つけ出すこと。
つまり、今回の場合は福島県の子ども全員を調べる事で甲状腺に異変のある子どもを見つけることです。
そのため自覚症状がなかった甲状腺がんも見つかり数が多く見えるという。
さらに、県立医大の鈴木教授が繰り返すのが「チェルノブイリ」だ。

福島県立医科大学 鈴木眞一教授:
チェルノブイリで4~5年目から小児の甲状腺がんが多発したっていうこともありまして、

福島県立医科大学 鈴木眞一教授:
最短でチェルノブイリで4年、5年で甲状腺がんが増加した
1986年、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故。
大量の放射性物質がまき散らされた後、実は4~5年後から子どもの甲状腺がんが増えたとされている。

年齢層では事故当時のゼロ歳から4歳が最も多かったが、福島ではこの年齢層は発生していない。
こうしたことから鈴木教授は、現在福島で見つかっている甲状腺癌は
「事故の影響とは考えにくい」としている。

福島県立医科大学 鈴木眞一教授:
もちろん、えーっと、放射線との関係影響があるかないかを見ていくために始めた検査ですから、
ある程度の事は言及しなければいけない訳ですけど、
まだその時期ではないというのがひとつ。
まだ、チェルノブイリでの、先程話した事故のデータでも、4~5年から急増したという事ですので、
今、出ているものに関しては、(放射能が影響した)可能性は非常に低いんじゃないかと。
しかし、福島の子どもたちの健康調査を独自に行っているある医師は、
チェルノブイリのデータに疑問を抱いている。

北海道深川市立病院 松崎道幸医師:
チェルノブイリ事故が起きた時には、
原発事故の後に子どもに甲状腺がんが激増するという想定は全くありませんでした。
最初の4,5年の甲状腺のデータには非常に疑いがありますので、
それを根拠にしてものを断定してはいけないと思います。
チェルノブイリ
甲状腺がんの“真実”
原発事故からの4年間。
放射線の影響による甲状腺癌は本当になかったのか?
真相を確かめるため、私たちは事故から28年目を迎えるチェルノブイリへ向かった。

1986年4月26日
チェルノブイリ原発の4号機が爆発炎上。
莫大な量の放射性物質が放出された。
かろうじて石棺と呼ばれる分厚いコンクリートで覆ったものの、
中には今も溶け落ちた核燃料が手つかずで残されたままだ。

緊急事態省の担当者:翌日住民は避難させられ、これからも絶対に誰も住む事はない。
「甲状腺がん増加は4~5年後」
チェルノブイリの“知見”検証
チェルノブイリ原発の周辺にあったいくつもの町や村。
あの日、放射性物質は容赦なく人々の元に降り注いだ。
未曾有の原発事故を経験したこの地で、
“子どもの甲状腺がん”と“被爆”の関係はどのような結論に至ったのか?
ウクライナの首都キエフにある内分泌代謝研究センター。
ここには国中から甲状腺の病気を抱える患者が集まる。
甲状腺が専門のこの機関で特に調べ続けているのがチェルノブイリ原発事故の当時子どもだった世代。

この男性は現在30歳。
事故で被ばくした時は2歳だ。
Q:チェルノブイリ事故への不安は?

事故当時2歳の男性:
もちろん気にしている。
故郷は立ち入り禁止で検問所もある。
妻も甲状腺の手術を受けているので気をつけないと。
原発事故のあと異変が見え始めたのは4~5年後の事だった。
甲状腺がんと診断される人々が急激に増え始めたのだ。

特に顕著だったのが子どもたち。
極めて稀なはずの子どもの甲状腺がんがなぜ増えたのか?
当時から研究所の所長を務めるトロンコ医師は、いち早く放射線の影響を疑い世界に訴えた。
しかしなかなか認めてもらえなかったという。

ウクライナ内分泌代謝研究センター ミコラ・トロンコ所長:
事故で浴びた放射線の量で、
ある学者は「甲状腺がんが発症する」と言い、ある学者は「発症しない」と言った。
大論争が巻き起こった。
原爆を投下された広島や長崎の調査データをもとにしてだ。
この時医学会の常識とされていたのは、原爆被害を受けた広島や長崎の“知見”
「放射線による甲状腺がんの発症は早くても8年後以降」というものだった。
そのため「事故後4~5年で見つかった癌は放射線とは関係ない」とされた。
高性能な機器で大規模な検査、つまりスクリーニングを行ったため
「もともとあった癌が多く見つかっただけだ」と。
しかし、現実は違った。
ウクライナ内分泌代謝研究センター ミコラ・トロンコ所長:
4年で発症するとは思ってもいなかった。
しかしその思い込みは間違いで、子どもたちの潜伏期間はもっと短かったのだ。
様々なデータを集め、事故後4年でも発症している事を実証した。
着目したのは甲状腺がんの原因となる放射性ヨウ素だ。
その半減期は非常に短い。
そこで放射性ヨウ素が消えた後に生まれた子どもたちが殆ど発病していないのに比べ、
放射性ヨウ素が消える前に生まれていた子どもたちは発病率が高いことを突き止めた。

こうして、事故から10年経ってようやく子どもの甲状腺がんと放射線の因果関係が国際機関にも認められた
(国際原子力機関の報告 1996年)
この、チェルノブイリの“知見”。
つまり、事故後4~5年以上に甲状腺がんが増えた事等から、
いま福島で見つかっている甲状腺癌は「被ばくが原因とは考えにくい」とされている。
取材を続ける中、気になる情報が出てきた。
原発から西へ110kmにあるコロステン
放射ので汚染されたが居住は許されている地域だ。

最前線に当たる検診センター(コロステン検診センター)
事故以来甲状腺がんの検査はどのように行われてきたのか?副所長が語ってくれた。

コロステン検診センター アレクサンドル・グテーヴィチ副所長:
当時は何の機器もなかったので“触診”で診察するしかなかった。
1990年位に初めて、エコー診断装置や線量測定器が入り、検査の態勢ができた。
この地域に高性能の検査機器が納入されたのは、事故から4~5年経ってから。
“触診”だけで、癌が見逃される事はなかったのか?
実は早い時期から子どもの甲状腺がんが増えていた可能性はないのだろうか?
コロステン検診センター アレクサンドル・グテーヴィチ副所長:検査機器がいいと患者は見つかりやすい。
Q:甲状腺がんをもっと早く発見できた?
コロステン検診センター アレクサンドル・グテーヴィチ副所長:当然、可能だったろう。
内分泌研究センターのトロンコ所長も、事故直後の検査体制は十分でなかったことを認める。

ウクライナ内分泌代謝研究センター ミコラ・トロンコ所長:
当時のソ連に高性能のエコー診断装置はなかった。
1989年か90年になって、アメリカの大富豪などからエコー診断装置の寄贈を受けた。
それでは、
福島で4~5年を待たずに早い時期から見つかっている“子どもの甲状腺がん”は本当に“放射線”と関係ないのか?
ウクライナ内分泌代謝研究センター ミコラ・トロンコ所長:
可能性は低い。
私たちが知る福島の線量は僅かだ。
ただ調査はすべきだ。
科学は予想外のデータを提示する事がある。
28年経つが、私たちは得た回答より疑問点の方がはるかに多い。
チェルノブイリで調査した経験もある、京都大学の今中助教は
「当時起きた事が今の福島に重なって見える」という。

京都大学原子炉実験所 今中哲二助教:
西側のオーソリティー(権威)日本のオーソリティーも含めてどういう反応をしたかというと、
「広島・長崎に比べたら早すぎる」と。
また、同時にいわゆる今でも言われているスクリーニング効果ですよね。
「熱心に検査検診をすれば、それだけがんも見つかる」という事も言われましたけれども、
(今回)福島関係の方々は、「それは福島の事故が原因ではない」
「なぜならば、チェルノブイリに比べたら早すぎる」とおっしゃったんですよね。
それを聞いて、皆さん20年前におっしゃった事を忘れたのかなと、
福島で起きている事態は事故の影響なのか?そうではないのか?
だが、それを検証するための重要なデータが、実は決定的に不足しているのだ。
かつて詳しい検査を目指した研究者がいた。
しかしそこにストップがかけられたという。
ーーつづく
2014年3月11日 報道ステーション 内容書き出しブログ
1.子どもが甲状腺がんに・・・ 母が苦悩の告白3/11報道ステーション(内容書き出し)
2.「甲状腺がん増加は4~5年後」チェルノブイリの“知見”検証3/11報道ステーション
(内容書き出し)
3.「不安あおる」と県に止められた甲状腺初期被ばく調査3/11報道ステーション(内容書き出し)
2014年3月12日 福島県立医科大学から速攻反論!
<反論>
「報道ステーション」の報道内容についての 福島県立医科大学 放射線医学県民健康管理センターの見解
3/12センター長 阿部正文
子どもの内部被ばくと学校現場より一部抜粋
「放射能防護プロジェクト」に参加している三田茂さんという医師がいます。
この3月に小平市の病院を閉院して、東京から岡山へ移住することを決断されています。
今年3月11日に、『報道ステーション』で古舘伊知郎さんが甲状腺がんの特集をやりました。
古舘さんは三田先生にも取材に行っています。
三田医師は、東京・関東の子どもたちの血液、特に白血球の数値が低くなっている、と明らかにしました。
それは柏市や三郷市のようなホットスポットだけでなく、
埼玉市や川崎、横浜、相模原の子どもたちの数値も悪くなっている、と指摘しました。
話を聞いた古舘さんたちは驚いて、「先生の名前と顔が出るが、話していいのか」と聞きました。
三田先生は「大事なことだから、きちんとした良い番組を作ってくれるなら出して構わない」と、OKを出しました。
ところが、数日後に連絡が来て、「実は東京が危ないということは報道できない」と、全面カットになったそうです。
福島だけの問題になってしまいました。
三田先生は、他の医師にも
「甲状腺エコー検査機器を共同で買って、治療し直しましょう」と呼びかけているのですが、反応がない。
多くのテレビ局や新聞社からも、「東京の子どもの健康問題はどうなっているんだ」と取材を受けていますが、
一本の記事にも番組にもなっていません。
今のマスメディアは、「東京は安全だ、危険なのは福島だ」という情報操作がなされているのです。
2014年2月14日
三田茂医師講演会文字起こしブログ
<甲状腺基礎知識> 「甲状腺がん・甲状腺腫瘍を扱うのは 内分泌内科ではなく、耳鼻科や頭頸部外科」
~関東の子どもたちの異常について~2/14三田茂医師(文字起こし)
<甲状腺疾患>
「今後は今までの常識とは違う」~関東の子どもたちの異常について(1)~2/14三田茂医師(文字起こし)
<血液検査>
「ホットスポットに住む4歳男子」~関東の子どもたちの異常について(2)~2/14三田茂医師(文字起こし)
<白血球・好中球・リンパ球>
「小児で全体的に大きく減少」~関東の子どもたちの異常について(3)~2/14三田茂医師(文字起こし)
<白血球異常>
「前は2回測ってもいなかった地域の子から異常が出始めるようになった」
~関東の子どもたちの異常について(4)~2/14三田茂医師(文字起こし)
<質疑応答1>
「僕が東京を出て岡山に行く理由」~関東の子どもたちの異常について~2/14三田茂医師(文字起こし)
<質疑応答2>
「だけど、医師会は動かなかった」~関東の子どもたちの異常について~2/14三田茂医師(文字起こし
<質疑応答3>
「"観察した結果好中球が減った"というのが僕の結論です」
~関東の子どもたちの異常について~2/14三田茂医師(文字起こし)
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