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03.14
Fri
「不安あおる」
止められた調査

2014年3月11日 報道ステーション 


福島県で見つかった甲状腺癌は事故と関係あるのか?
だが、その検証に必要な初期の内部被ばくのデータが、決定的に不足していた。


被ばく検査「不安あおる」
データ不足 国・県の責任は


国会の事故調査委員会の委員だった崎山氏は
行政による初期の検査体制を厳しく指摘する。

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元原発事故調査委員会委員 崎山比早子氏:
一生懸命やろうと思えばできたはずなのに、それを止める力が働いた

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原子力災害対策本部では2011年3月、
飯舘村など3つの自治体で1080人の子どもに対して、甲状腺の被ばく調査を行っている。
あくまで簡易的な検査だったが、比較的被ばく線量の高い子どもが3人見つかったのだ。
基準値は下回っていたものの、原子力安全委員会は甲状腺モニターを使った詳しい検査をするよう助言。

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しかし、対策本部は検査を行わなかった。
なぜなのか?

これは当時対策本部から原子力安全委員会に送られた文書

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詳しい検査をしない理由について、

甲状腺モニターは相当の重量物(約1トン)であり、その移動が困難である。
このような追跡調査を行う事が、本人、家族及び地域社会に多大な不安・いわれなき差別を与える恐れがある。



元原発事故調査委員会委員 崎山比早子氏:
常套手段ですよ。
いつもそうじゃないですか、なにかの時に「やらない」という事の言い訳に、
「不安を与えるから」ということを言うわけですよ。
きちんとちゃんと測ってもらった方が不安はないんですよ。


国の動きとは別に震災直後から福島に入り、放射線の影響を調べた研究者がいた。
弘前大学の床次(とこなみ)眞司教授だ。

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弘前大学被ばく医療総合研究所 床次眞司教授:
まずその初期の状況下で住民の人達は果たしてどれだけ被ばくしたのか?という事を知ろうと思いました。


甲状腺がんの原因となる放射性ヨウ素の半減期は8日。
物質が消える前の早期の被ばく検査が重要だ。
床次教授は浪江町などで調査を始めた。

しかし、横やりが入る。
福島県の担当者からストップがかけられたのだ。

弘前大学被ばく医療総合研究所 床次眞司教授:
そこは「もうやめてくれ」という事だったです。
「これ以上やらないでくれ」と。
要は、人に関する事についてはやっぱり、「不安をあおる」というようなね、
そういったところ(行政)の協力がなければ、それ以上、これ以上勝手にやるわけにはいかないです。

こうして貴重なデータを売る機会は失われた。

元原発事故調査委員会委員 崎山比早子氏:
放射性ヨウ素の被ばく線量が分かっていないという事は、
たとえばがんが出来ても、それが「放射線の影響ですよ」とも言えないし、「そうじゃない」とも言えない。
なんの根拠もないという事です。

当時の放射線検査をめぐる異様な空気を床次教授は覚えている。

弘前大学被ばく医療総合研究所 床次眞司教授:
なんか知らないですけど、その、静かだったんですよ。
静寂だったんですよ、研究者の世界で。
本来、普通だったら甲状腺検査をやらなければいけないのは分かっているはずなんですけど、
誰も何も言わなかったんですよ、それを。
「おかしいな」って思ったんですけど、その雰囲気が。


福島県は床次教授にストップをかけたのか?
県に聞いた。

Q:床次さんがおっしゃるには、調査を県側から止められたという事で

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福島県県民健康管理課 小谷尚克主幹:
私としては「そこを止めたという話はない」というふうに聞いて、
あの、聞いていますというか、あの…そうですね…

その福島県こそが様々な問題が指摘される甲状腺検査を県立医大と二人三脚で進めてきた。


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県による健康調査の問題点を取材してきた毎日新聞の日野記者はこう語る。

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毎日新聞社会部 日野行介記者:
私が着目したのはその(県による)情報の管理ですよね。
非常に、情報の公開度が低いというレベルではない程の情報の管理。
自分たちで情報を独占して評価は全部自分たちでやる。


Q:独占することによって何が得られるんでしょうか?

毎日新聞社会部 日野行介記者:
それはもう、「被ばくの影響はやはりない」という事を前提にする。
で、結論を付けられるという事が可能になるのだと思います、このシステムだと。



Q:放射線の影響事態を出来るだけ少なく見せようということが、
  なにかしら命題としてあってやってらっしゃるという指摘についてはどうお考えになりますか?

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福島県県民健康管理課 小谷尚克主幹:
そういう批判があることも承知しているんですが、
わたくしどもにとってそういうふうにする事が何のメリットもないという事は、
あの、理解していただきたいなというふうには思います。


しかし日野記者は、県の目指すものについてこう指摘する。

毎日新聞社会部 日野行介記者:
最近、住民の帰還。
避難指示解除、もしくは自主避難も含めた部分でですね、住民の帰還という事が議論になっているんですけど、
人口減少を防ぐ、もしくはその先にある産業復興。
福島県が産業を立て直すという事以外に(目的は)多分ないと思うんですね。


原発事故から3年。
先の見えない日々を過ごしてきた福島の人達。
放射能の影響とどう向き合うのか?その答えもいまだ見えていない。



古舘:恵村さんご覧になってどういうご意見をお持ちになりますか?

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恵村:
「被ばくで甲状腺がんになるには何年もかかる」という通説ですよね。
これに私自身が捕らわれていたなという事にVTRであらためて気付かされました。
で、3つの事を思ったんですね。
ひとつは、被ばくによる子どもの甲状腺への影響について、
私たち、人間がですね、知っている事ってあまりにも少ないという事なんですね。
広島・長崎では十分な測定はしなかったでしょうし、
チェルノブイリでは何年も測定が遅れたし、
今回福島では、国や県が初期の検査ですね、
これをやらなかったりさせなかったりという事がVTRに紹介がありましたけれども、
ま、そういうことですよね。
それは極めて残念なことです。
それから乏しい知見で判断すれば間違える可能性というのは常にあるわけですから、
今も福島で「違う病院で検査がしにくい」という事が現状であればですね、
それは直ちに是正していただきたいということですね。

二つ目は、被災者が100人おられれば100通りの悩みがあるという事なんですね。
しかもその悩みというのは長ーく続いていく訳で、
国や県と医学会、それから学校もですね、
可能な限り一人一人の思いに沿った検査とか治療とかですね、それから心のケアですね、
みていただきたいという事があります。

それから三つ目は原発がひとたび事故を起こせばですね、
本当に多くの人に苦労を背をわせるという、原発の罪深さですね。
原発再稼働というものに対する根本的な疑問にもつながってくると思います。


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古舘:
あの…、お子さんが癌になられたお母さんに取材してつくづく思いましたのは、
みんな周りの方も悩んで苦しい。
だけどさっきの毎日新聞の記者の方がおっしゃっていたように、
産業振興も含めて前向きにやらなきゃってなった時に、
お子さんが癌になってこんなに悩んでいるっていう方に対して、
人間っていうのは無理解が始まってしまう。
そして、家族の中でお母さんが孤立していく。
放射能っていうのは恵村さん、人間関係にひびを入れますね

恵村:そうですね…分断を招いてしまいますよね、暮らしや心に。

古舘:この件はですね、ここで終わる話では到底ありません。


ーーおわりーー









2014年3月11日 報道ステーション 内容書き出しブログ

1.子どもが甲状腺がんに・・・ 母が苦悩の告白3/11報道ステーション(内容書き出し)

2.「甲状腺がん増加は4~5年後」チェルノブイリの“知見”検証3/11報道ステーション
  (内容書き出し)


3.「不安あおる」と県に止められた甲状腺初期被ばく調査3/11報道ステーション(内容書き出し)

<甲状腺がん>母の告白・チェルノブイリの知見・初期被ばく調査に横やり






2014年3月12日 福島県立医科大学から速攻反論!

<反論>
「報道ステーション」の報道内容についての 福島県立医科大学 放射線医学県民健康管理センターの見解
3/12センター長 阿部正文






子どもの内部被ばくと学校現場より一部抜粋

「放射能防護プロジェクト」に参加している三田茂さんという医師がいます。
この3月に小平市の病院を閉院して、東京から岡山へ移住することを決断されています。
今年3月11日に、『報道ステーション』で古舘伊知郎さんが甲状腺がんの特集をやりました。
古舘さんは三田先生にも取材に行っています。


三田医師は、東京・関東の子どもたちの血液、特に白血球の数値が低くなっている、と明らかにしました。
それは柏市や三郷市のようなホットスポットだけでなく、
埼玉市や川崎、横浜、相模原の子どもたちの数値も悪くなっている、と指摘しました。

話を聞いた古舘さんたちは驚いて、「先生の名前と顔が出るが、話していいのか」と聞きました。
三田先生は「大事なことだから、きちんとした良い番組を作ってくれるなら出して構わない」と、OKを出しました。
ところが、数日後に連絡が来て、「実は東京が危ないということは報道できない」と、全面カットになったそうです。
福島だけの問題になってしまいました。


三田先生は、他の医師にも
「甲状腺エコー検査機器を共同で買って、治療し直しましょう」と呼びかけているのですが、反応がない。
多くのテレビ局や新聞社からも、「東京の子どもの健康問題はどうなっているんだ」と取材を受けていますが、
一本の記事にも番組にもなっていません。
今のマスメディアは、「東京は安全だ、危険なのは福島だ」という情報操作がなされているのです。





2014年2月14日
三田茂医師講演会文字起こしブログ

<甲状腺基礎知識> 「甲状腺がん・甲状腺腫瘍を扱うのは 内分泌内科ではなく、耳鼻科や頭頸部外科」
~関東の子どもたちの異常について~2/14三田茂医師(文字起こし)


<甲状腺疾患>
「今後は今までの常識とは違う」~関東の子どもたちの異常について(1)~2/14三田茂医師(文字起こし)


<血液検査>
「ホットスポットに住む4歳男子」~関東の子どもたちの異常について(2)~2/14三田茂医師(文字起こし)


<白血球・好中球・リンパ球>
「小児で全体的に大きく減少」~関東の子どもたちの異常について(3)~2/14三田茂医師(文字起こし)


<白血球異常>
「前は2回測ってもいなかった地域の子から異常が出始めるようになった」
~関東の子どもたちの異常について(4)~2/14三田茂医師(文字起こし)


<質疑応答1>
「僕が東京を出て岡山に行く理由」~関東の子どもたちの異常について~2/14三田茂医師(文字起こし)


<質疑応答2>
「だけど、医師会は動かなかった」~関東の子どもたちの異常について~2/14三田茂医師(文字起こし


<質疑応答3>
「"観察した結果好中球が減った"というのが僕の結論です」
~関東の子どもたちの異常について~2/14三田茂医師(文字起こし)








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この健康管理調査課の小谷尚克は県内各地でイベントを開いて、山下 俊一・神谷 研二とつるんで、放射性物質の98%は海に流れたとか、ヨーロッパと日本の人口密度比も面積比も無視して被曝量ははるかに小さいとか小規模だとか、「安全・安心」の心証づくりをやってきたとんでもない男です。医者で、県による傾眠催眠イベントの責任者。
2012/ 2/19 いわき市で開いた4回目の「安全・安心フォーラム」では、こちらが福一原発からの放出量は今ではチェルノブイリの何倍になっているのか分からない理由を滔々と説明すると、彼らも当然 承知しており、会場騒然。小谷に、福一原発からの放出分の量と核種数、及びウラン 235・プルトニウム 241 の調査データの開示を福島県として国に対して求めるように迫ると、ずっと無視の挙げ句、「77万 tera Bq でチェルノブイリ事故での放出量の1/7と承知しています」とヨウ素換算が何かも知らずにご立派に言います。どこまでも棒で鼻を括った態度に会場の怒号を受けると、人の話をロクに聞いていないのに「そういうご意見があったことは伝えておきます」と。これ、県はまだ続けています。
広野町民 | 2014.03.15 16:52 | 編集
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