玉川:
今日のテーマはこちらです。
そもそも原発再稼働といっても、
事故が起きたら
即避難できるのだろうか
という事でですね、実は今日にも規制委員会の方で、規制適合第一号が決まるかもしれない。
というふうな状況になっているところなんです。
羽鳥:再稼働に向かうという事ですか?
玉川:そういうことです。
で、これ、安倍総理ですね、会見(3月10日)されましたけれども、

これは10日ね。
11日の1日前という事で会見だったんですが、
「原子力規制委の審査で適合と認められた原発は再稼働を進める方針だ」と。
あらためておっしゃったというふうなことで、
結局規制委員会が「適合だ」と言ったら動かしますよというふうな事なんですが、
さて、それで本当に大丈夫なのか?というふうな話が今日の話なんですけれども、
これ、今回のテーマはですね、「事故が起きたとする」
これ、事故が起きないとは言えない訳ですよね、安全神話が無くなりましたから。
やっぱり「事故は起きる」という前提に立たなくちゃいけないと思うんですが、
事故が起きたとして、被ばくしないで逃げる事が出来るんだろうか?
というふうなところが今回のテーマなんですね。
で、避難計画っていう事になるんですけど、
避難計画って、そもそも誰がどういうふうに作るんですか?というふうなところから入りたいんですが、
国は指針を策定しています。

で、これ、2段階になっていまして、
原発から半径5km。
それから半径30km。
二つに分けてですね、まず5km以内の人から避難しなさい。
で、それが終わったらここから30kmまでの人も避難しましょうと。
つまり、5km圏内の人が避難が終わるまで、ここからここまでの人は(30km圏内)待っていて下さい
ということなんですね。家の中で。
もうそもそもこれが可能なのか?っていう気もするんですけれども、
羽鳥:現実的じゃない
赤絵:現実的じゃないですよねぇ。
玉川:
ね。「ずっと待ってろ」と。
じゃあこの計画、どこがつくるんだ?と。
国がつくるのかというと国じゃないんです。
市町村がつくるんです。

この30km圏内に入っている市町村。
ここまでまず抑えた上でですが、
今回お話を伺ったのが環境経済研究所というところの上岡さんという方が試算をされました。
全国にある原発、そこで事故が起きて放射能が漏れ出した場合、
30km圏内の人が避難するのにどれくらい時間がかかるか?
つまりこれ大事ですよね。
時間がどれくらいかかるんだ?という事を試算してみたVTRです。
玉川:
今規制委員会がですね、要するに
「原子炉に関しては世界最高水準の規制基準だ」という事で再稼働に向かっているんですけれども、
本当に再稼働しても被ばくしないで避難することは大丈夫なのか?ということなんですが、
これいかがですか?

上岡直見代表 環境経済研究所:
これはですね、福島であれだけの事態が起こったわけですから、
もうこれからはですね、最悪の事態が起こり得るという前提で考えなければいけないという事です。
結論から言いますと、
「全国どこの原発であっても、30km圏内の人が被ばくをしないで避難するという事は不可能である」
という結論が出ました。
玉川:
仮にメルトダウン。
全電源喪失からメルトダウンで30km圏に放射性物質が到達してしまうのに
大体どれぐらいの時間を診ればいいんですか?
上岡:
これは想定によって違うんですが、最もシビアな場合ですね、
全電源喪失から2時間ないし3時間ぐらいのところで、放射性物質の放出が始まると。
それから気象条件によっても違いますが、
それが住民に到達するにはですね、それからやっぱり、1~2時間後という事になると思いますから、
玉川:あ、1時間で30kmは届いてしまうという事ですか?
上岡:
気象条件によっても違いますが、
だから、全電源喪失から少なくとも数時間位のところではですね、放射能が来てしまうという事だと思います。
玉川:そうすると、数時間で避難しなきゃけないっていう事ですよね?逆に言えば。
上岡:はい。
玉川:その30km圏内の人が避難するのに、どれぐらいの時間がかかるんだ?って言う話なんですが、
上岡:
たとえば一番多いところでいうとですね、
浜岡原発が一番時間がかかる結果になったんですが、
その場合は上手くいってもですね、60時間くらいという様な結果が出ました。
玉川:60時間…
30km圏内の人が、全て避難するのに60時間かかるんですか?
上岡:はい、そういう事です。
また東京電力が今年夏の再稼働を目指している新潟県の柏崎刈羽原発ではー。
玉川:これ(柏崎刈羽原発)はどの位?
上岡:約30時間ぐらい
玉川:30時間
上岡:はい。
玉川:
そうすると、今東京電力が「柏崎刈羽を再稼働させたい」って言っている訳ですよね。
で、じゃあ避難するとしたら、30km圏内の避難に丸1日以上新潟ではかかってしまうという事ですね?
上岡:まあ、そういう事になると思います。
――スタジオ
玉川:
これ、試算の結果が私も驚くべき物だったんですけれども、
被ばくしないで30km圏内の人が避難できる原発はない!
っていうふうな試算結果が出たっていう事なんですね。
羽鳥:人口とか道路の状況とか、逃げた時の渋滞とか、いろいろ考えたら全員避難するにはこの時間帯。
玉川:そう。
まず時間の方を見ていただきたいんですが、こちらですが、
(↓クリックすると若干大きく見る事が出来ます)

63時間(浜岡)っていうのは、ほぼ3日間っていうことですね。
それから、これ、まずは人口が多いところがものすごく時間がかかるっていうことと、
羽鳥:そうですよね、移動する訳ですもんね。
玉川:
それから道路事情によっては、
人口がそんなに大きくない所でもこれ位(島根 45.4時間)かかるというふうな話なんですね。
で、これがですね「ほんとかよ」って思われる方もいると思うんですが
実は、道とか県が独自に試算をしているところもありまして、ちょっとそれと比べてみますとね、
条件は多少違うんですけれども、一番似た条件に合わせて比較してみるとですね、
たとえば、10時間という試算なんですが、それに対して北海道の資産は12時間45分とかね、
それから14時間に対して、石川県が14時間とか、
それから9.5時間に対して、愛媛県は9時間かな。
こういうふうな事で、やっぱり全部出ている訳じゃないんですけれども、
この数字っていうのは(道や県の試算と)そんなに違いがないっていう事が分かって頂けると思うんです。

で、皆さん今疑問に思っているのは、
なんでそんなにかかるんだ?というような話ですよね。
それ、次に聞いているんでVTR!
玉川:
どうしてこんなに時間がかかっちゃうんですかね?
上岡:
これはやっぱりその地域に住んでいる方が一斉に避難することになるとですね、
その地域に存在している車が一斉に動き出すという事になるわけですね。
これはたとえば福島の実態でも、ま、福島はいろいろ情報の混乱もあったんですけど、
そういう事は別としましても、大体体験談を聞きますと、
普段だったら15分から20分で行けるところを5時間、6時間かかったという事なんですね。
玉川:何でそんなに時間がかかっちゃうんですか?
上岡:
道路っていうのは普段通行する交通量に合わせて大体作っている訳ですね、
その地域の車が一斉に動き出すというようなことは元々考えていない事で、
当然そうなれば道路が足りない、道路の方が足りないという事になるわけですね。
玉川:要するに渋滞が起きるっていう事?
上岡:簡単に言えば重体という事になりますね。
上岡氏が算出した避難指示は核原発から30km圏内の道路の本数。
そしてその地域の人口などを基に試算しています。
玉川:
いま政府はですね、「避難できる」っていう立場だと思うんですけど、
なんでこれ「避難できる」っていう話になるんですかね?
上岡:えーっとね、「避難できる」と入っていないと思います。
玉川:言ってないんですか?
上岡:
はい。
「計画を立てなさい」というところでとどまっていると思います。
玉川:
という事は実際に避難にかかる時間を計算をしてみたら
「とてもじゃないが逃げられませんよ」という事になったとしたら、
じゃあ、要するに「逃げられない」っていう事ですよね?

上岡:そうですね。
玉川:これでいいんですか?
上岡:
日本の場合は避難計画のですね、その実現性というのが、
再稼働の条件に法律的にはなっていないんです。
だから多分(避難計画と再稼働は)「関係ない」っていう事になります。
スタジオーー

玉川:
これですね、たとえば
「30km歩いたって63時間もかからないじゃないか」って思われる方もいらっしゃると思うんですけど、
これはあくまで全ての人が避難するまでです。
だから、歩けない方もいらっしゃる訳ですよね。
そういうふうな方はどうしても車で移動しなければならない。
だけど、車で移動しようと思っても、道路が人口の割に少ないとずーっと渋滞している。
という事は、「車でしか動けない人は避難できない」というふうなことになって、
全員が避難するにはどうしてもこれぐらいかかるというのがあるんですね。
高木:
車がね、渋滞で使えないという事になれば、他にじゃあ、どうやって避難したらいいんだ?と。
歩いて行くのか他の方法があるのか?
そこまではあるんですか?なにか。
玉川:
だから、実はちょっと戻していただきたいんですけれども、
避難計画を立てている自治体というのもあるんです。

実はですね、135市町村というのが関係する自治体なんですけれど、
そのうちですね、策定しているところも43%あるんです。
で、こういうところはじゃあ、どういうふうな計画をしているか?って言うと、
「どうやって病院の人を避難させましょうか」とか、
それから「一般の人はまずどこどこに行きましょう」とかね、
「避難場所をこういうところにしましょう」とか、そういう事はもちろん考えているんですが、
じゃあ、「それが全部終わるまでにどのくらいの時間がかかるのか」
っていうところまでやっているっていうところはあまりない。
というふうな事ですね。
つまりシュミレーションが必要になるので、なのでそういうふうなところまではいっていない。
だけど本当は「そこにどれくらい時間がかるのか」というのがものすごく大事なんだけれども、
そういうふうなところは今全部が行きとどいているような状況ではないんですね。
で、やっぱり不思議なのは、
「そういうふうな状況で動かしていいのか?」というのと、
「今の法律で動かしていいのかどうか?」というのを規制委員会は、そこまでは考えていないんですよ。
考えてない。
松尾:
だって、原発そのものの技術とか、安全性に関する規制をしているだけで、
「どういうふうに優れた避難計画が出来ているか」なんていう事は、また全然別の問題ですよね。
玉川:
なんか、責任が両方にないみたいな感じですよね。
つまり、規制委員会としては「原子炉というか、原子炉の施設が安全かどうかはやりますよ」と。
「それが適合しているかどうかだけやりますよ」
で、「動かすか動かさないかというのは政府が決める」
ただ政府は「規制委員会がOKって言ったら動かす」って言ってるんで、
ボールの投げ合いみたいな事になっているんですね。
こんな状況で本当に大丈夫なのか?というふうな事を含めて、
私は新潟県の泉田知事にお話を伺ってきました。
こういう試算なんかが出ていますがどう思いますか?という事でVTR.
玉川:
環境経済研究所というところが
原発から30km圏の全ての人達が避難するのにどれ位の時間がかかるんだろう?
という事を試算をしたんですね。
で、柏崎刈羽原発、新潟の場合なんですけれども、この場合で29.5時間かかると。
「メルトダウンが始まってからおよそ30時間かからないと30km圏内の避難が終わらない」
っていう事なんですけれども、この結果をどういうふうに受け止めますか?
新潟県 泉田裕彦知事:
いろんな事態があるので一つの試算というふうに受け止めています。
これ、2007年の中越沖地震とか、2004年の中越の地震を経験した感覚で言うとですね、
そんなに早く避難できないだろうと。
玉川:あ、もっとかかる。

泉田:というのはですね、
(この試算は)道路が使える前提ですけど、道路が使えなくなるんですよね、段差が出来たり。
実際東日本の大震災の時も渋滞して動かなかったでしょ。
あれと同じでですね、そもそも緊急自動車が3時間経ってもたどり着けないっていう位
(車が)動かなくなっちゃうっていう事がありますので、
「動く」という前提で避難計画を立ててもなかなか難しいと。
そもそも高速道路も中越地震の時は復旧するのに時間がかかるので、
緊急自動車も含めてすぐ通るって言うほど甘くないだろうと思っています。
加えて、ここで雪が降っていたりすると、もっと時間がかかるという事になると思います。

ーースタジオ
松尾:ああ、そうか。
玉川:
ということなんですよ。だから「そんなもんじゃすみませんよ」と。
さっきの試算でもね、たとえば柏崎刈羽の場合は29.5時間っていう事ですけれども、
「こんなに早く終わる事はない」って言っているんです、知事は。
羽鳥:
すごーくちいちゃく書いてあるんですけれども、カッコの中って大事なんでしょ?
「全ての道路が使える場合」っていうの。
玉川:そうなんです。

高木:あー、本当だ。
玉川:全ての道路が…
羽鳥:すごい大事ですよ
玉川:そう。「全ての道路が使えるとして」なんですよ。
松尾:
これ原発がぶっ壊れるぐらいの大きな災害が起きている時に
道路が健全な状態で使えるなんていう事は、逆に想像しにくいですよね。
玉川:
どれぐらいの道路が使えなくなるかなんていうようなところまでね、要素として入れちゃったら、
非現実的になっちゃうわけですよね。
もうすでに非現実的な事だと思うけれども。
という様な事でね、すでに最初に言ったように、
政府は規制委員会が適合と言ったら「動かす」って言っている訳ですよ。
っていう事は、この新潟の柏崎刈羽、ここの原発を「動かす」って言ってきたらどうしますか?
というような話も知事に伺っています、VTR。
玉川:
仮に規制委員会がですね「審査適合しましたよ」と。
新潟の原発は大丈夫、大丈夫というか・・・規制はクリアしましたよと、
さあそれで政府が「規制をクリアしたから動かしましょう」ってなった時にどうするんだと?

泉田:
意味ないんですよ、だから。
そもそもですね、この規制基準というのが世界最高水準になっていないんです。
世界の最新の原発はですね、メルトダウンするという前提で、
メルトダウンした後に放射性物質を出さないように受け止めるコアキャッチャーっていうのが付いている訳です。
日本はそれが付いてないんですよ。
コアキャッチャーとは、原発がメルトダウンした場合に備え、
炉心燃料を閉じ込めて冷却し、放射性物質の拡散を抑える装置の事です。
フランスなど海外で建設中の原発にはコアキャッチャーがついていますが、日本では導入されていません。
泉田:
よく私は線香花火に例えるんですけど、
線香花火で火事を起こさないためにはバケツを下に置いて、それで線香花火をやるでしょ。
そうすると、万が一落ちてもジューっていって止まるじゃないですか。
日本はですね、足の上で線香花火をやっている様なものなんですよ。

「原発の規制基準そのものが不十分なんだ」という泉田氏。
さらには規制委員会の姿勢にも問題があると指摘します。
泉田:
規制委員会は「再稼働の判断には関与しない」と言っているんです。
だから無責任体制になっているんですよ。
規制委員会は法律上・設計上はですね、各役所に勧告権を持っているんです。
「安全を確保するために」というミッションを背負ってそれをやっていない訳なんです。
やらないで機器の性能と断層だけ見て適合しているかどうか判断したいということをやるから、
話がおかしくなるんだと思うんです。
玉川:
要するに勧告権があるんだから、
「法改正だってちゃんとやらなければいけませんよ」って本当は言えるんですね。
泉田:勧告すればいいんですよ。
玉川:
それからシュミレーションだって、「国でちゃんとやりなさい」っていうことだって、
もしかしたら出来るかもしれない訳ですよね。

泉田:
そういう事です。
結局田中委員長(原子力規制委員)が会ってくれない最大の原因は、
「答えられないから」っていう事しかないと思うんですよね。
そうでないと会わない理由ないですもんね。
玉川:「会えない」んですね、要するに。
泉田:会ったら説明できないからでしょ。
規制委員会は法律上の責務を果たしていないと主張する泉田知事。
その中には救助する側の命と安全にかかわる問題もあると言います。
いったいそれは・・・
泉田:
これ、放射性物質が放出されている時にですね、誰が(救助に)行ってくれるんですか?と。
じゃあ、消防でチームを作っていくっていう事になると、
その消防で行かれる人はかなりヘビーな被ばくをする可能性があるので、
そういう事の調整もしないといけないですよね。
ここのところが法令が手つかずなんですよ。
民間が行くのか自治体の職員が行くのか?
それとも国の組織でそういうレスキュー隊を作っていくのか?っていうところ。
これはもう2年以上前から「議論してくれ」って言っているんですけど、
答がないまんま進んでいるので、これはきっちりやって頂きたいと思っています。
ーースタジオ
玉川;どうですか、泉田知事の話。

松尾:
田中さんですか、規制委員会の規制委員長。
「あの方は会ってくれない」というのがちょっと意味が分からないんですけど。
玉川:
つまり、泉田知事は再三面会を求めているんですね。
ところが、会ってもらえないんだそうです、シンプルに言うと。

赤江:ただでさえ時深刻なのに、世界基準のコアキャッチャーを付けないというのはなぜなんですか?
玉川:それはコアキャッチャーを付けるためには作りなおさなきゃいけないんです。
赤江:全部?
玉川:
「炉の下に入れる」っていうことですから。
それはもしかしたら可能なのかもしれないけれど、ものすごい莫大なお金がかかりますよね。
多分新しく作った方が安いでしょうね、だとすれば。
だけど世界は「使う」っていうんだったらそっち方向で動いているんですよ。
松尾:
新しく作るとなると、反対されて身動きがとれなくなるから、
「あるものを動かしちゃえ!」っていうことなんですね。
玉川:
まぁ逆に言えばですね、これ、こちらを見ていただければね、
「これぐらい時間がかかりますよ」と。

今日もしかすると、実質的な合格、基準適合第1号になるかと思われているのは、川内原発なんですけど、
ここだって30km圏内の人が避難するのに、丸一日ぐらいかかるっていう試算が出ているんですね。
だから、それじゃあ「どうするんですか?」と。
逃げられる人はいいけれども、病院にいる方とか、介護を受けられている方。
家で一人暮らしをしているお年寄り。
こういう人達は自分で歩いて避難なんて出来ないんだから、迎えに行かなきゃいけない訳ですよ。
バスかなりなんなりで。
その時に「中心部に向かって行け」って、誰が命令できるんですか?
羽鳥:ん・・・・・
玉川:
そういうような法律になってないんですよ。
「誰が行くんだ」
そういうところは「全部いまだ解決していない状況だ」っていうふうなことなんですよね。
高木:
もしね、今度事故があるとすると、2回目になるわけですよね。
1回目の時に結局、事故調査委員会でしたっけ、が、最後に発表した時に初めて私たちは、
実は全電源喪失から4時間以内にでしたっけ?に、もうメルトスルーが起きていて、
「放射能が漏れていた」っていう事を聞かされたわけですよね。
その記憶が私たちの中にずっと残る訳じゃないですか。
人の気持ちとしてね、今度何か地震があったりして事故になっているって。
見た感じでね、電源が落ちていますと。
原発が事故になっていますよと思った時に、多分人間は、
「また、もう漏れている筈だ」って判断すると思うんですよ。
そうするとね一斉に、政府から漏れているとか漏れてないとか発表があろうが無かろうが、
自主的にワーッって行動する心情が働くんじゃないかと思うんです。
玉川:当然の心理でしょうね。
高木:
そうすると、今の計画がね、
本当にもうただの計画倒れで、絵に描いた餅で、
とてもコントロールできなくなるっていう可能性の方がすごく大きい様な気がするんですけど。

玉川:
まァ、この後わたし実は経済産業省と、
「再稼働します」という事になれば経済産業省が考える訳ですね。
それから規制委員会と、両方に「どう考えているんですか?」っていうのを聞いているんですけど。
で、私は聞きました。
原発で過酷事故が起きた場合、被ばくをせずに避難する事は出来ないと試算が出てそうふうに考えられるんですが、
それでも原発を再稼働させて問題ないと考えますか?

私は「再稼働する」という事になると経産省というふうな事で、所管がここになるのでね、聞きました。
そしたらですね、「原子力規制委員会に聞いて下さい」
ああ、そうですか。
で、原子力規制委員会に聞いたら、
「回答する時間が足りずお答えできません」
実はですね、1週間前にこの質問を投げています。
だけども1週間でも、回答する時間が足りないのでお答えできない。
ま、ここ(原子力規制委)もどうかと思うんですけど、
でも、本来はね、ここが答えなきゃいけないんです、経産省が。
経産省が答えなきゃいけないのを、また、原子力規制委員会に投げているんですね、まる投げしてるんですね。
で、ちょっと私今回取材して思ったんですけど、
やっぱり被ばくをしないで、もしか事故が起こったら被ばくをしないで、
誰ひとりとして被ばくをしないで逃げられる体制というのは絶対に必要なんだと思うんですよね、私は。
ところが、じゃあ「被ばくしないで逃げられるのか?」っていうふうな事をやってみると、
日本の場合は非常にそれは難しいんですね、やっぱり、道路事情から言っても。
そうすると、「避難できます」という事を再稼働の前提に入れちゃうと、
多分動かせる原発が無くなっちゃうんじゃないかなと、いうふうなことがあって、
規制委員会とかは「いや、私は基準だけやっているんで、関係ありませんから、再稼働に関して」
政府は「再稼働するかどうかは規制委員会の判断で決めますから」
お互いにこういうことをやっているってね。
というふうな事なんじゃないかなと思うんですけど、

「十分な避難計画なしに政府は本当に再稼働を認めるんだろうか?」と。
私は非常に疑問なんですね。
ええ、「ほんとうにやるんですか?」と。
羽鳥:ないとダメでしょうね、やっぱり。
玉川:
と、思うんですけどね。
「本当にそれで動かすんですか?」と、
という今日のそもそも総研でした。
<安全審査優先>
川内原発だけが厳しく想定“620ガル”まで引き上げ(←東日本大震災は2933ガルだけど)
&30圏内避難問題3/13ニュース7(内容書き出し)
<川内原発>
なぜ事故時の住民避難にSPEEDIを活用しないのか?~黒木政府参考人と「SPEEDI」の関係~参議院山本太郎議員質疑4/3(文字起こし)
今日のテーマはこちらです。
そもそも原発再稼働といっても、
事故が起きたら
即避難できるのだろうか
という事でですね、実は今日にも規制委員会の方で、規制適合第一号が決まるかもしれない。
というふうな状況になっているところなんです。
羽鳥:再稼働に向かうという事ですか?
玉川:そういうことです。
で、これ、安倍総理ですね、会見(3月10日)されましたけれども、

これは10日ね。
11日の1日前という事で会見だったんですが、
「原子力規制委の審査で適合と認められた原発は再稼働を進める方針だ」と。
あらためておっしゃったというふうなことで、
結局規制委員会が「適合だ」と言ったら動かしますよというふうな事なんですが、
さて、それで本当に大丈夫なのか?というふうな話が今日の話なんですけれども、
これ、今回のテーマはですね、「事故が起きたとする」
これ、事故が起きないとは言えない訳ですよね、安全神話が無くなりましたから。
やっぱり「事故は起きる」という前提に立たなくちゃいけないと思うんですが、
事故が起きたとして、被ばくしないで逃げる事が出来るんだろうか?
というふうなところが今回のテーマなんですね。
で、避難計画っていう事になるんですけど、
避難計画って、そもそも誰がどういうふうに作るんですか?というふうなところから入りたいんですが、
国は指針を策定しています。

で、これ、2段階になっていまして、
原発から半径5km。
それから半径30km。
二つに分けてですね、まず5km以内の人から避難しなさい。
で、それが終わったらここから30kmまでの人も避難しましょうと。
つまり、5km圏内の人が避難が終わるまで、ここからここまでの人は(30km圏内)待っていて下さい
ということなんですね。家の中で。
もうそもそもこれが可能なのか?っていう気もするんですけれども、
羽鳥:現実的じゃない
赤絵:現実的じゃないですよねぇ。
玉川:
ね。「ずっと待ってろ」と。
じゃあこの計画、どこがつくるんだ?と。
国がつくるのかというと国じゃないんです。
市町村がつくるんです。

この30km圏内に入っている市町村。
ここまでまず抑えた上でですが、
今回お話を伺ったのが環境経済研究所というところの上岡さんという方が試算をされました。
全国にある原発、そこで事故が起きて放射能が漏れ出した場合、
30km圏内の人が避難するのにどれくらい時間がかかるか?
つまりこれ大事ですよね。
時間がどれくらいかかるんだ?という事を試算してみたVTRです。
玉川:
今規制委員会がですね、要するに
「原子炉に関しては世界最高水準の規制基準だ」という事で再稼働に向かっているんですけれども、
本当に再稼働しても被ばくしないで避難することは大丈夫なのか?ということなんですが、
これいかがですか?

上岡直見代表 環境経済研究所:
これはですね、福島であれだけの事態が起こったわけですから、
もうこれからはですね、最悪の事態が起こり得るという前提で考えなければいけないという事です。
結論から言いますと、
「全国どこの原発であっても、30km圏内の人が被ばくをしないで避難するという事は不可能である」
という結論が出ました。
玉川:
仮にメルトダウン。
全電源喪失からメルトダウンで30km圏に放射性物質が到達してしまうのに
大体どれぐらいの時間を診ればいいんですか?
上岡:
これは想定によって違うんですが、最もシビアな場合ですね、
全電源喪失から2時間ないし3時間ぐらいのところで、放射性物質の放出が始まると。
それから気象条件によっても違いますが、
それが住民に到達するにはですね、それからやっぱり、1~2時間後という事になると思いますから、
玉川:あ、1時間で30kmは届いてしまうという事ですか?
上岡:
気象条件によっても違いますが、
だから、全電源喪失から少なくとも数時間位のところではですね、放射能が来てしまうという事だと思います。
玉川:そうすると、数時間で避難しなきゃけないっていう事ですよね?逆に言えば。
上岡:はい。
玉川:その30km圏内の人が避難するのに、どれぐらいの時間がかかるんだ?って言う話なんですが、
上岡:
たとえば一番多いところでいうとですね、
浜岡原発が一番時間がかかる結果になったんですが、
その場合は上手くいってもですね、60時間くらいという様な結果が出ました。
玉川:60時間…
30km圏内の人が、全て避難するのに60時間かかるんですか?
上岡:はい、そういう事です。
また東京電力が今年夏の再稼働を目指している新潟県の柏崎刈羽原発ではー。
玉川:これ(柏崎刈羽原発)はどの位?
上岡:約30時間ぐらい
玉川:30時間
上岡:はい。
玉川:
そうすると、今東京電力が「柏崎刈羽を再稼働させたい」って言っている訳ですよね。
で、じゃあ避難するとしたら、30km圏内の避難に丸1日以上新潟ではかかってしまうという事ですね?
上岡:まあ、そういう事になると思います。
――スタジオ
玉川:
これ、試算の結果が私も驚くべき物だったんですけれども、
被ばくしないで30km圏内の人が避難できる原発はない!
っていうふうな試算結果が出たっていう事なんですね。
羽鳥:人口とか道路の状況とか、逃げた時の渋滞とか、いろいろ考えたら全員避難するにはこの時間帯。
玉川:そう。
まず時間の方を見ていただきたいんですが、こちらですが、
(↓クリックすると若干大きく見る事が出来ます)

63時間(浜岡)っていうのは、ほぼ3日間っていうことですね。
それから、これ、まずは人口が多いところがものすごく時間がかかるっていうことと、
羽鳥:そうですよね、移動する訳ですもんね。
玉川:
それから道路事情によっては、
人口がそんなに大きくない所でもこれ位(島根 45.4時間)かかるというふうな話なんですね。
で、これがですね「ほんとかよ」って思われる方もいると思うんですが
実は、道とか県が独自に試算をしているところもありまして、ちょっとそれと比べてみますとね、
条件は多少違うんですけれども、一番似た条件に合わせて比較してみるとですね、
たとえば、10時間という試算なんですが、それに対して北海道の資産は12時間45分とかね、
それから14時間に対して、石川県が14時間とか、
それから9.5時間に対して、愛媛県は9時間かな。
こういうふうな事で、やっぱり全部出ている訳じゃないんですけれども、
この数字っていうのは(道や県の試算と)そんなに違いがないっていう事が分かって頂けると思うんです。

で、皆さん今疑問に思っているのは、
なんでそんなにかかるんだ?というような話ですよね。
それ、次に聞いているんでVTR!
玉川:
どうしてこんなに時間がかかっちゃうんですかね?
上岡:
これはやっぱりその地域に住んでいる方が一斉に避難することになるとですね、
その地域に存在している車が一斉に動き出すという事になるわけですね。
これはたとえば福島の実態でも、ま、福島はいろいろ情報の混乱もあったんですけど、
そういう事は別としましても、大体体験談を聞きますと、
普段だったら15分から20分で行けるところを5時間、6時間かかったという事なんですね。
玉川:何でそんなに時間がかかっちゃうんですか?
上岡:
道路っていうのは普段通行する交通量に合わせて大体作っている訳ですね、
その地域の車が一斉に動き出すというようなことは元々考えていない事で、
当然そうなれば道路が足りない、道路の方が足りないという事になるわけですね。
玉川:要するに渋滞が起きるっていう事?
上岡:簡単に言えば重体という事になりますね。
上岡氏が算出した避難指示は核原発から30km圏内の道路の本数。
そしてその地域の人口などを基に試算しています。
玉川:
いま政府はですね、「避難できる」っていう立場だと思うんですけど、
なんでこれ「避難できる」っていう話になるんですかね?
上岡:えーっとね、「避難できる」と入っていないと思います。
玉川:言ってないんですか?
上岡:
はい。
「計画を立てなさい」というところでとどまっていると思います。
玉川:
という事は実際に避難にかかる時間を計算をしてみたら
「とてもじゃないが逃げられませんよ」という事になったとしたら、
じゃあ、要するに「逃げられない」っていう事ですよね?

上岡:そうですね。
玉川:これでいいんですか?
上岡:
日本の場合は避難計画のですね、その実現性というのが、
再稼働の条件に法律的にはなっていないんです。
だから多分(避難計画と再稼働は)「関係ない」っていう事になります。
スタジオーー

玉川:
これですね、たとえば
「30km歩いたって63時間もかからないじゃないか」って思われる方もいらっしゃると思うんですけど、
これはあくまで全ての人が避難するまでです。
だから、歩けない方もいらっしゃる訳ですよね。
そういうふうな方はどうしても車で移動しなければならない。
だけど、車で移動しようと思っても、道路が人口の割に少ないとずーっと渋滞している。
という事は、「車でしか動けない人は避難できない」というふうなことになって、
全員が避難するにはどうしてもこれぐらいかかるというのがあるんですね。
高木:
車がね、渋滞で使えないという事になれば、他にじゃあ、どうやって避難したらいいんだ?と。
歩いて行くのか他の方法があるのか?
そこまではあるんですか?なにか。
玉川:
だから、実はちょっと戻していただきたいんですけれども、
避難計画を立てている自治体というのもあるんです。

実はですね、135市町村というのが関係する自治体なんですけれど、
そのうちですね、策定しているところも43%あるんです。
で、こういうところはじゃあ、どういうふうな計画をしているか?って言うと、
「どうやって病院の人を避難させましょうか」とか、
それから「一般の人はまずどこどこに行きましょう」とかね、
「避難場所をこういうところにしましょう」とか、そういう事はもちろん考えているんですが、
じゃあ、「それが全部終わるまでにどのくらいの時間がかかるのか」
っていうところまでやっているっていうところはあまりない。
というふうな事ですね。
つまりシュミレーションが必要になるので、なのでそういうふうなところまではいっていない。
だけど本当は「そこにどれくらい時間がかるのか」というのがものすごく大事なんだけれども、
そういうふうなところは今全部が行きとどいているような状況ではないんですね。
で、やっぱり不思議なのは、
「そういうふうな状況で動かしていいのか?」というのと、
「今の法律で動かしていいのかどうか?」というのを規制委員会は、そこまでは考えていないんですよ。
考えてない。
松尾:
だって、原発そのものの技術とか、安全性に関する規制をしているだけで、
「どういうふうに優れた避難計画が出来ているか」なんていう事は、また全然別の問題ですよね。
玉川:
なんか、責任が両方にないみたいな感じですよね。
つまり、規制委員会としては「原子炉というか、原子炉の施設が安全かどうかはやりますよ」と。
「それが適合しているかどうかだけやりますよ」
で、「動かすか動かさないかというのは政府が決める」
ただ政府は「規制委員会がOKって言ったら動かす」って言ってるんで、
ボールの投げ合いみたいな事になっているんですね。
こんな状況で本当に大丈夫なのか?というふうな事を含めて、
私は新潟県の泉田知事にお話を伺ってきました。
こういう試算なんかが出ていますがどう思いますか?という事でVTR.
玉川:
環境経済研究所というところが
原発から30km圏の全ての人達が避難するのにどれ位の時間がかかるんだろう?
という事を試算をしたんですね。
で、柏崎刈羽原発、新潟の場合なんですけれども、この場合で29.5時間かかると。
「メルトダウンが始まってからおよそ30時間かからないと30km圏内の避難が終わらない」
っていう事なんですけれども、この結果をどういうふうに受け止めますか?
新潟県 泉田裕彦知事:
いろんな事態があるので一つの試算というふうに受け止めています。
これ、2007年の中越沖地震とか、2004年の中越の地震を経験した感覚で言うとですね、
そんなに早く避難できないだろうと。
玉川:あ、もっとかかる。

泉田:というのはですね、
(この試算は)道路が使える前提ですけど、道路が使えなくなるんですよね、段差が出来たり。
実際東日本の大震災の時も渋滞して動かなかったでしょ。
あれと同じでですね、そもそも緊急自動車が3時間経ってもたどり着けないっていう位
(車が)動かなくなっちゃうっていう事がありますので、
「動く」という前提で避難計画を立ててもなかなか難しいと。
そもそも高速道路も中越地震の時は復旧するのに時間がかかるので、
緊急自動車も含めてすぐ通るって言うほど甘くないだろうと思っています。
加えて、ここで雪が降っていたりすると、もっと時間がかかるという事になると思います。

ーースタジオ
松尾:ああ、そうか。
玉川:
ということなんですよ。だから「そんなもんじゃすみませんよ」と。
さっきの試算でもね、たとえば柏崎刈羽の場合は29.5時間っていう事ですけれども、
「こんなに早く終わる事はない」って言っているんです、知事は。
羽鳥:
すごーくちいちゃく書いてあるんですけれども、カッコの中って大事なんでしょ?
「全ての道路が使える場合」っていうの。
玉川:そうなんです。

高木:あー、本当だ。
玉川:全ての道路が…
羽鳥:すごい大事ですよ
玉川:そう。「全ての道路が使えるとして」なんですよ。
松尾:
これ原発がぶっ壊れるぐらいの大きな災害が起きている時に
道路が健全な状態で使えるなんていう事は、逆に想像しにくいですよね。
玉川:
どれぐらいの道路が使えなくなるかなんていうようなところまでね、要素として入れちゃったら、
非現実的になっちゃうわけですよね。
もうすでに非現実的な事だと思うけれども。
という様な事でね、すでに最初に言ったように、
政府は規制委員会が適合と言ったら「動かす」って言っている訳ですよ。
っていう事は、この新潟の柏崎刈羽、ここの原発を「動かす」って言ってきたらどうしますか?
というような話も知事に伺っています、VTR。
玉川:
仮に規制委員会がですね「審査適合しましたよ」と。
新潟の原発は大丈夫、大丈夫というか・・・規制はクリアしましたよと、
さあそれで政府が「規制をクリアしたから動かしましょう」ってなった時にどうするんだと?

泉田:
意味ないんですよ、だから。
そもそもですね、この規制基準というのが世界最高水準になっていないんです。
世界の最新の原発はですね、メルトダウンするという前提で、
メルトダウンした後に放射性物質を出さないように受け止めるコアキャッチャーっていうのが付いている訳です。
日本はそれが付いてないんですよ。
コアキャッチャーとは、原発がメルトダウンした場合に備え、
炉心燃料を閉じ込めて冷却し、放射性物質の拡散を抑える装置の事です。
フランスなど海外で建設中の原発にはコアキャッチャーがついていますが、日本では導入されていません。
泉田:
よく私は線香花火に例えるんですけど、
線香花火で火事を起こさないためにはバケツを下に置いて、それで線香花火をやるでしょ。
そうすると、万が一落ちてもジューっていって止まるじゃないですか。
日本はですね、足の上で線香花火をやっている様なものなんですよ。


「原発の規制基準そのものが不十分なんだ」という泉田氏。
さらには規制委員会の姿勢にも問題があると指摘します。
泉田:
規制委員会は「再稼働の判断には関与しない」と言っているんです。
だから無責任体制になっているんですよ。
規制委員会は法律上・設計上はですね、各役所に勧告権を持っているんです。
「安全を確保するために」というミッションを背負ってそれをやっていない訳なんです。
やらないで機器の性能と断層だけ見て適合しているかどうか判断したいということをやるから、
話がおかしくなるんだと思うんです。
玉川:
要するに勧告権があるんだから、
「法改正だってちゃんとやらなければいけませんよ」って本当は言えるんですね。
泉田:勧告すればいいんですよ。
玉川:
それからシュミレーションだって、「国でちゃんとやりなさい」っていうことだって、
もしかしたら出来るかもしれない訳ですよね。

泉田:
そういう事です。
結局田中委員長(原子力規制委員)が会ってくれない最大の原因は、
「答えられないから」っていう事しかないと思うんですよね。
そうでないと会わない理由ないですもんね。
玉川:「会えない」んですね、要するに。
泉田:会ったら説明できないからでしょ。
規制委員会は法律上の責務を果たしていないと主張する泉田知事。
その中には救助する側の命と安全にかかわる問題もあると言います。
いったいそれは・・・
泉田:
これ、放射性物質が放出されている時にですね、誰が(救助に)行ってくれるんですか?と。
じゃあ、消防でチームを作っていくっていう事になると、
その消防で行かれる人はかなりヘビーな被ばくをする可能性があるので、
そういう事の調整もしないといけないですよね。
ここのところが法令が手つかずなんですよ。
民間が行くのか自治体の職員が行くのか?
それとも国の組織でそういうレスキュー隊を作っていくのか?っていうところ。
これはもう2年以上前から「議論してくれ」って言っているんですけど、
答がないまんま進んでいるので、これはきっちりやって頂きたいと思っています。
ーースタジオ
玉川;どうですか、泉田知事の話。

松尾:
田中さんですか、規制委員会の規制委員長。
「あの方は会ってくれない」というのがちょっと意味が分からないんですけど。
玉川:
つまり、泉田知事は再三面会を求めているんですね。
ところが、会ってもらえないんだそうです、シンプルに言うと。

赤江:ただでさえ時深刻なのに、世界基準のコアキャッチャーを付けないというのはなぜなんですか?
玉川:それはコアキャッチャーを付けるためには作りなおさなきゃいけないんです。
赤江:全部?
玉川:
「炉の下に入れる」っていうことですから。
それはもしかしたら可能なのかもしれないけれど、ものすごい莫大なお金がかかりますよね。
多分新しく作った方が安いでしょうね、だとすれば。
だけど世界は「使う」っていうんだったらそっち方向で動いているんですよ。
松尾:
新しく作るとなると、反対されて身動きがとれなくなるから、
「あるものを動かしちゃえ!」っていうことなんですね。
玉川:
まぁ逆に言えばですね、これ、こちらを見ていただければね、
「これぐらい時間がかかりますよ」と。

今日もしかすると、実質的な合格、基準適合第1号になるかと思われているのは、川内原発なんですけど、
ここだって30km圏内の人が避難するのに、丸一日ぐらいかかるっていう試算が出ているんですね。
だから、それじゃあ「どうするんですか?」と。
逃げられる人はいいけれども、病院にいる方とか、介護を受けられている方。
家で一人暮らしをしているお年寄り。
こういう人達は自分で歩いて避難なんて出来ないんだから、迎えに行かなきゃいけない訳ですよ。
バスかなりなんなりで。
その時に「中心部に向かって行け」って、誰が命令できるんですか?
羽鳥:ん・・・・・
玉川:
そういうような法律になってないんですよ。
「誰が行くんだ」
そういうところは「全部いまだ解決していない状況だ」っていうふうなことなんですよね。
高木:
もしね、今度事故があるとすると、2回目になるわけですよね。
1回目の時に結局、事故調査委員会でしたっけ、が、最後に発表した時に初めて私たちは、
実は全電源喪失から4時間以内にでしたっけ?に、もうメルトスルーが起きていて、
「放射能が漏れていた」っていう事を聞かされたわけですよね。
その記憶が私たちの中にずっと残る訳じゃないですか。
人の気持ちとしてね、今度何か地震があったりして事故になっているって。
見た感じでね、電源が落ちていますと。
原発が事故になっていますよと思った時に、多分人間は、
「また、もう漏れている筈だ」って判断すると思うんですよ。
そうするとね一斉に、政府から漏れているとか漏れてないとか発表があろうが無かろうが、
自主的にワーッって行動する心情が働くんじゃないかと思うんです。
玉川:当然の心理でしょうね。
高木:
そうすると、今の計画がね、
本当にもうただの計画倒れで、絵に描いた餅で、
とてもコントロールできなくなるっていう可能性の方がすごく大きい様な気がするんですけど。

玉川:
まァ、この後わたし実は経済産業省と、
「再稼働します」という事になれば経済産業省が考える訳ですね。
それから規制委員会と、両方に「どう考えているんですか?」っていうのを聞いているんですけど。
で、私は聞きました。
原発で過酷事故が起きた場合、被ばくをせずに避難する事は出来ないと試算が出てそうふうに考えられるんですが、
それでも原発を再稼働させて問題ないと考えますか?

私は「再稼働する」という事になると経産省というふうな事で、所管がここになるのでね、聞きました。
そしたらですね、「原子力規制委員会に聞いて下さい」
ああ、そうですか。
で、原子力規制委員会に聞いたら、
「回答する時間が足りずお答えできません」
実はですね、1週間前にこの質問を投げています。
だけども1週間でも、回答する時間が足りないのでお答えできない。
ま、ここ(原子力規制委)もどうかと思うんですけど、
でも、本来はね、ここが答えなきゃいけないんです、経産省が。
経産省が答えなきゃいけないのを、また、原子力規制委員会に投げているんですね、まる投げしてるんですね。
で、ちょっと私今回取材して思ったんですけど、
やっぱり被ばくをしないで、もしか事故が起こったら被ばくをしないで、
誰ひとりとして被ばくをしないで逃げられる体制というのは絶対に必要なんだと思うんですよね、私は。
ところが、じゃあ「被ばくしないで逃げられるのか?」っていうふうな事をやってみると、
日本の場合は非常にそれは難しいんですね、やっぱり、道路事情から言っても。
そうすると、「避難できます」という事を再稼働の前提に入れちゃうと、
多分動かせる原発が無くなっちゃうんじゃないかなと、いうふうなことがあって、
規制委員会とかは「いや、私は基準だけやっているんで、関係ありませんから、再稼働に関して」
政府は「再稼働するかどうかは規制委員会の判断で決めますから」
お互いにこういうことをやっているってね。
というふうな事なんじゃないかなと思うんですけど、

「十分な避難計画なしに政府は本当に再稼働を認めるんだろうか?」と。
私は非常に疑問なんですね。
ええ、「ほんとうにやるんですか?」と。
羽鳥:ないとダメでしょうね、やっぱり。
玉川:
と、思うんですけどね。
「本当にそれで動かすんですか?」と、
という今日のそもそも総研でした。
<安全審査優先>
川内原発だけが厳しく想定“620ガル”まで引き上げ(←東日本大震災は2933ガルだけど)
&30圏内避難問題3/13ニュース7(内容書き出し)
<川内原発>
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コメント
連チャン感謝(いつもね)。
再起動は許せない、何故川内から始めたのかというと
答えははっきりしていて、ド保守田舎屈従貧困欠リテラシー、
ですからお金雇用で納得解決、狭い社会で反対も気兼ねするし
万一事故って放射能出しても人口密集地ではないので波紋が
直治まる・・少なくても福島より。
いつも怒られていそうなんですが、浜岡再起動をやれば好いと。
電気欲しいなら大都会に原発移して事故れば日本の問題は
解決してみんな楽しくしていられる筈なんです。それが嫌だから
地方に犠牲を押しつけて都会のへたり共は平気なんです。
この本質的なことをスルーして反原発はない、当たり前ですよ。
再起動は許せない、何故川内から始めたのかというと
答えははっきりしていて、ド保守田舎屈従貧困欠リテラシー、
ですからお金雇用で納得解決、狭い社会で反対も気兼ねするし
万一事故って放射能出しても人口密集地ではないので波紋が
直治まる・・少なくても福島より。
いつも怒られていそうなんですが、浜岡再起動をやれば好いと。
電気欲しいなら大都会に原発移して事故れば日本の問題は
解決してみんな楽しくしていられる筈なんです。それが嫌だから
地方に犠牲を押しつけて都会のへたり共は平気なんです。
この本質的なことをスルーして反原発はない、当たり前ですよ。
simpleズ! | 2014.03.15 12:22 | 編集
現地の人「福島第一原発から白煙が上がっているように見える」(はなゆー2014年3月15日土曜日)
http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2014/03/blog-post_777.html
https://twitter.com/yamayurifarm/status/444690566287093760
【おいおい再稼働どころじゃないだろ!】人類はレベル7を解決した歴史がない
★緊急事態か!?福島第一原発3号機、核燃料プールの温度上昇が止まらず!2週間ちょっとで、8℃が21℃に!福島の放射線量も急上昇中!(真実を探すブログ03/15)
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-2024.html
http://www.asyura2.com/12/genpatu25/msg/552.html#c610
http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2014/03/blog-post_777.html
https://twitter.com/yamayurifarm/status/444690566287093760
【おいおい再稼働どころじゃないだろ!】人類はレベル7を解決した歴史がない
★緊急事態か!?福島第一原発3号機、核燃料プールの温度上昇が止まらず!2週間ちょっとで、8℃が21℃に!福島の放射線量も急上昇中!(真実を探すブログ03/15)
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-2024.html
http://www.asyura2.com/12/genpatu25/msg/552.html#c610
真実の追究 | 2014.03.15 17:31 | 編集
(1)いやいや万一、当日何万人も避難できると、意味なく仮定したって、
(2)それから何百年も帰還できないなら、もう全く意味のない技術だろ原発!
どうして避難を仮定するような技術に金ださなきゃいけない!
http://www.asyura2.com/12/genpatu25/msg/552.html#c610
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201205020147.html
【人類はレベル7を解決した歴史がない】≪朝日2012年5月3日≫「チェルノブイリ、まだ被害渦中」日本ペンクラブが視察・・・25日に会見した浅田次郎会長は「処理作業にはキリがない。絶望的だ。大人は未来に責任をもたないといけない」と話し、原発反対を改めて表明した。ペンクラブは昨秋「脱原発を考える集い」を開き、今春は福島を訪れ、大飯原発再稼働に反対する声明も出している。森絵都理事は「原発事故から26年(今年で28年目)たったチェルノブイリに教えを請う気持ちで行ったが、【★まだ被害の渦中】だということがわかった」と話す。・・・新たなシェルター造りや廃炉の管理のため、【★今も常時3千人が作業】をしている。報道によると新たなシェルター造りの建設費は約1620億円。欧州各国による基金に頼り、地元の雇用が創出されてもいるという皮肉な状況だ。中村敦夫理事は「原発は経済のためと言う人がいるが、逆の意味の冗談ではないか」。・・・公園内の記念碑には、今も人が住めない100を超える廃村の名前が刻まれている。中村理事は「広大な森の除染は不可能だと証明されている。日本は森と山の国だ」と心配を隠さない。・・・事故当時8歳で、今年になって甲状腺がんを発症した男性もいた。中村理事は「内部被爆の問題が大きいのではないか。日本と違い、汚染された森のキノコなどを食べざるを得ない食糧事情もあるようだ」と話す。ウクライナの首都キエフの内分泌研究所によると、胎内被曝(ひばく)した子どもの7歳検診では、【★健康児は2.5%】しかいなかったという。
(2)それから何百年も帰還できないなら、もう全く意味のない技術だろ原発!
どうして避難を仮定するような技術に金ださなきゃいけない!
http://www.asyura2.com/12/genpatu25/msg/552.html#c610
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201205020147.html
【人類はレベル7を解決した歴史がない】≪朝日2012年5月3日≫「チェルノブイリ、まだ被害渦中」日本ペンクラブが視察・・・25日に会見した浅田次郎会長は「処理作業にはキリがない。絶望的だ。大人は未来に責任をもたないといけない」と話し、原発反対を改めて表明した。ペンクラブは昨秋「脱原発を考える集い」を開き、今春は福島を訪れ、大飯原発再稼働に反対する声明も出している。森絵都理事は「原発事故から26年(今年で28年目)たったチェルノブイリに教えを請う気持ちで行ったが、【★まだ被害の渦中】だということがわかった」と話す。・・・新たなシェルター造りや廃炉の管理のため、【★今も常時3千人が作業】をしている。報道によると新たなシェルター造りの建設費は約1620億円。欧州各国による基金に頼り、地元の雇用が創出されてもいるという皮肉な状況だ。中村敦夫理事は「原発は経済のためと言う人がいるが、逆の意味の冗談ではないか」。・・・公園内の記念碑には、今も人が住めない100を超える廃村の名前が刻まれている。中村理事は「広大な森の除染は不可能だと証明されている。日本は森と山の国だ」と心配を隠さない。・・・事故当時8歳で、今年になって甲状腺がんを発症した男性もいた。中村理事は「内部被爆の問題が大きいのではないか。日本と違い、汚染された森のキノコなどを食べざるを得ない食糧事情もあるようだ」と話す。ウクライナの首都キエフの内分泌研究所によると、胎内被曝(ひばく)した子どもの7歳検診では、【★健康児は2.5%】しかいなかったという。
真実の追究 | 2014.03.16 21:56 | 編集
チェルノブイリやスリーマイル、東海JCOと深刻事故の前例がありながら福島ではヨウ素剤の配布もなく、SPEEDIのデータがあったに関わらず的確な避難計画も無かった。
福島後いまもなお、日本全国の原発立地や核を扱う施設、工場の周辺地域の人々にはヨウ素剤や高性能マスクの配布も説明もない。
避難も、一部で訓練などしていましたが風向きなど予測もつかないし、土地の形状で逃げられない地域がある。
いまだに事故は起きない前提で、もし起きてもその時はもう仕方ないという棄民政策続行中です。
いまもなお、何の反省もなく。むしろ、国民なんぞその時の行き当たりばったりでしか対応しない!あらかじめ助ける準備という発想は無い!という強い意思でもあるかのように。
私はこのことに恐ろしさを感じます。いま、この瞬間も同じなんです。
福島後いまもなお、日本全国の原発立地や核を扱う施設、工場の周辺地域の人々にはヨウ素剤や高性能マスクの配布も説明もない。
避難も、一部で訓練などしていましたが風向きなど予測もつかないし、土地の形状で逃げられない地域がある。
いまだに事故は起きない前提で、もし起きてもその時はもう仕方ないという棄民政策続行中です。
いまもなお、何の反省もなく。むしろ、国民なんぞその時の行き当たりばったりでしか対応しない!あらかじめ助ける準備という発想は無い!という強い意思でもあるかのように。
私はこのことに恐ろしさを感じます。いま、この瞬間も同じなんです。
| 2014.03.17 00:04 | 編集