3.「当初鼻血を出した子が甲状腺癌や白血病になったの?」牛山元美医師3/18臨床医が見たチェルノブイリ、福島の現状 (文字起こし)

「臨床医が見たチェルノブイリ、福島の現状」
牛山元美医師(さがみ生協病院)
2014年3月18日

文字起こし部分のYoutube→http://youtu.be/k1Pv7KyuK9c?t=40m6s

放射線が身体に悪いというのはみなさんご存じだと思います。
この辺はとばしていきますけれども、
小さなお子さんほど、乳幼児ほど同じ放射線でも沢山の人がそのために癌で死ぬという事は明らかにされています。

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特に内部被ばく、体の中に取り込んだ放射性物質は、場所によってはさっさと出ていくかもしれないけれども、
例えば生殖器などだと、もうセシウムが入ったら永久に出ないと言われています。

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生殖器というと卵巣があります。
女性の卵巣は大人になってから作るんじゃなくて、もうオギャーって生まれた時その瞬間。
もうその前からですけど、
生まれた赤ちゃんのお腹の中にすでに400個ぐらい全部卵子が揃って待っている訳です。
その状態に生まれます。その卵子はいつできたか?と言われると、
お母さんのおなかの中で発生してまだ5週6週、さっきの一番放射線の感受線が高い頃にもう作られるんです。
だからお母さんが被ばくしてその赤ちゃんはお腹の中で被ばくして、
その赤ちゃんの卵子にも影響が出てくる可能性があるといわれる。
3代に及ぶ可能性もあるという事で
、そんな話もあります。


で、ちょっと私は町田とか相模原のあたりなんですけど、
結構事故の後に福島に行ったわけでもないのに鼻血が出て、
「もうだらだら出て枕が真っ赤になったわ」とか、
子どものくせに口内炎が出来て治らなかったとか、いろんな話を聞いて、
80人ぐらいのお母さん方から相談する会があったんですけど、2011年12月に。

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そこにちょっと参加させてもらったんですけど、
まぁ皆さん事故の後からずっとミネラルウオーターしか飲んでいないとか、子どもをずっと外に出していないとか、
町田とか相模原でね、そういう方が多くて、
私はこれはちょっと神経質なんじゃないの?と。
神奈川とかだと空間線量が0.2マイクロシーベルト位にだったというし、
それから普通の医学的知見から言うと、それで、たとえば鼻血が出たりしない。
鼻血が出るとしたら血小板がもうおかしくなっちゃったの?骨髄がおかしくなっちゃったの?
または、ホットパーティクルが入ったとしたら目から先に血が出るでしょう。
鼻からではなくて、目から血が出るでしょ。
いろんな事を考えると「違うでしょう」と思ってたんです。

だから「本当に神経質な親子だからそういう事を気にするのかなぁ」という思いがありました。
でもお母さんたちから話を聞いていくうちに、
特に福島から避難した方のお話を聞いた時に、
んー、なんかこの母親の直感というか、
お母さん達が「おかしいな」と思っている気持ちを受け止めなきゃいけないんじゃないか。

私はそんなに放射線の医学に詳しくない、ただの一介の臨床医なので、
やれる事といったら患者さんのお話を聞くことなんです。
そこが全ての始まり。
だから、
「もしかしたらそのお母さんの直感が正しいところがあるかもしれないからその話を聞いていかなきゃ」と思って、
いろいろお話を健康相談会などで聞くようになったし、
そういう相模原のあたりのお母さんたちの相談を受けるようになりました。

42:53
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ちょうどその頃に鎌仲ひとみさんが作られた「内部被ばくを生き抜く」という映画を見てたら、
その中でチェルノブイリ事故ですごい被ばくをした、汚染されたベラルーシという国の子どもたちの中に、
やっぱり鼻血を異常に出す子がいた。
血液検査で異常が出た子、血圧が高くなった子がいたと、
この、スモルニコワ先生、女性なんですけど、
向こうの現地のゴメリというところの小児科医の先生が語ってたんですね。
それを私は何度も何度も繰り返して聞き直して、
その子たちが大きくなってどうなったの?
その子たちが甲状腺がんになったの?
その子たちが白血病になったの?という事をとても知りたくなりました。


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で、日本から約8000km離れたところ、
ここにチェルノブイリ原発があって、その上にベラルーシっていう国があるんですけれども、
ここに行ってきました。
去年の3月に行きました。

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ベラルーシは平坦なところなんですけれども、
日本の本州ぐらいのところで日本の10分の1ぐらいの人口が住んでいて、
一番たくさんの放射性物質がチェルノブイリ原発事故で落ちた訳です。

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私たちは5人の医者とあと数人一緒に行った人達がいたんですけど、
空港に夜中に降り立ったら、さっきのスモルニコワ先生が「ハイ」って夜中の1時頃に迎えに来て下さっていて、
本当に嬉しかったんですけど、
その先生に連れられて、ミンスクという空港からゴメリという、
一番汚染して甲状腺がんが沢山出たところに、夜中に連れて行ってもらいました。

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今度はそこで、現地の保健所長さんのお話とか、
甲状腺がんを実際に発症したお子さん、今はもう30代になっています。
そういった方達とか、もっとおばあちゃんとか、いろんな方からお話を沢山伺う事ができました。

結果を言いますと、当時鼻血を出した子が白血病や甲状腺がんになったわけではない。
でも、あの時の鼻血とか、あの時の高血圧の原因が放射線かどうか、なんにも公式には認められていない。
子どもの甲状腺がんが増えたことは認められました。
でもそれ以外にいろんな病気があった、今もある。
だけど、それは何も公式には放射線のせいで病気が増えたとは言えない。
科学的にはなんにも私たちは立証できていないんです。と言われました。

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でも、今ゴメリの周辺に行くとこういう板が立っています。
この板は墓標なんですね。放射線のマークが付いています。
ここにはこういう名前の村があった。
ここに75世帯、177人の人が住んでいました。
そこの村を1991年から93年にかけて埋葬しますという、村のお墓なんです。
荒れ地の中にポツンと立っています。
でも私たちがここで測ったら、ここの線量は今0.14ぐらい。
地面の下に埋めてしまったから、汚染したものを。だからこれだけ低いんでしょうけど、
掘り返すとまた上がるという事でした

掘り返さないでいるとだんだん下がってきています。

でも今、このあたりの人達の子どもは
年に2回ぐらい、3週間ずつ2回ぐらい保養する権利をもらっていて、今も保養しています。
今の子どもたちです。
子どもたちがやっぱりこの地で獲れるジャガイモとかを食べているから、汚染しちゃうんですね。
ここのお母さんに聞いたんですね、
「どのようにみなさんは少し汚染した村に住んでいて、何に気を付けていますか?」って言ったら、
「お金がある時は町で売っているものを買います」
「え?お金がない時は?」って言ったら、
「自分の畑のジャガイモを食べています」
「あ・・・」
牛乳もそう。自分の家の牛乳を飲んでいます。
もちろん汚染されているし、30ベクレルとか80とかあるんですけれども、
分かっているけどそれしかない。
もう本当に貧しいところで、そういう状態。

で、「もしまた原発事故みたいな事が起きたらどうしますか?」って誰かが聞いたら、
「濡れたシーツを窓に干します」
「外から入ってこないようにそうするように私たちは思っています」と言われて、
「あ、そうですか」
だいぶなんか、日本と違うなと思いながらきました。

で、その汚染地にいる子どもたちは保養に行きます。
保養に行ってきれいな空気を吸って、汚染されていない食事をすると、
子どもの内部被ばく量が下がるというのは確認されています。
でもそれだけ内部被ばくが今もハッキリと測れる位あるんです、向こうは。
特に食べ物によっては本当に何千という位、体全部で何千ベクレルと行った被ばくをしている子もまだいます。


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そこでは、そのゴメリという汚染地域では汚染していない地域に比べて病弱な子が多いという話もあります。


このあたりはちょっと飛ばしますけれども、いろんな病気が増えたと言われています。

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ただ病気の概念が旧ソ連のところと、日本とか、
西洋科学のところでは違うと言われていろんな意見があるんですけど、
ともかく内分泌、これは甲状腺なんですけど、甲状腺のがんだけじゃなくて、
バセドウ氏病とか橋本病とかこういう甲状腺の自己免疫疾患と言われている病気も非常に増えています。


それから代謝、同じ内分泌のところで、糖尿病が実はすごく増えているんです。
それれはただの食事が良くなったから、ジャガイモだけなんですけど、
そういう事かもしれないですけど、でもなんだか内分泌、ホルモンの関係した病気がとても増えている。
でも原因は分からない。

向こうの先生は必ず言うんです。
「私たちは事実をあなた達に語るだけです」と。
「何故かはわからない。なにも立証されていません。何も言えない。でも事実はこうだ」


一番下に先天障害というのがあります。
すごく増えるのかと思ったら、あんまり増えていないです。
でもこれは後で聞いた話だと、やっぱりその先天障害が見込まれるお子さんに対しては、
もう、中絶をすごく積極的に勧めていると聞きました。

あんまり表には出てこない。



ーーつづく










放射線被ばくを学習する会「臨床医が見たチェルノブイリ、福島の現状」
2014年3月18日 牛山元美医師 文字起こしブログ

1.「やっぱりこれは大気中核実験どころじゃない被ばくを私たちはしているんじゃないか」

2.「医療被曝も本当は身体に悪いんだよ」

3.「当初鼻血を出した子が甲状腺癌や白血病になったの?」

4.「事故当時0歳~4歳位の子ども達が、ずーっといつの年代でも一番甲状腺癌を発症している」

5.「気にしちゃいけないんでしょ?」って。 「いや、これは気にした方がいいです」

6.IAEAと福島医大「福島の悲劇を奇跡に変えよう!」 「は?」

7.~相模原・町田など65名の甲状腺エコーと白血球検査結果~

8.質疑応答「ベラルーシでの癌のタイプ・他」

9.質疑応答「井戸川元双葉町長&報道ステーション現場」





2014年2月14日
三田茂医師講演会文字起こしブログ

1.<甲状腺基礎知識> 「甲状腺がん・甲状腺腫瘍は 内分泌内科ではなく、耳鼻科や頭頸部外科」

2.<甲状腺疾患>「今後は今までの常識とは違う」

3.<血液検査>「ホットスポットに住む4歳男子」

4.<白血球・好中球・リンパ球> 「小児で全体的に大きく減少」

5.<白血球異常> 「前は2回測ってもいなかった地域の子から異常が出始めるようになった」


6.<質疑応答1> 「僕が東京を出て岡山に行く理由」

7.<質疑応答2> 「だけど、医師会は動かなかった」

8.<質疑応答3> 「"観察した結果好中球が減った"というのが僕の結論です」





2014年3月11日 報道ステーション 内容書き出しブログ
1.子どもが甲状腺がんに・・・ 母が苦悩の告白
2.「甲状腺がん増加は4~5年後」チェルノブイリの“知見”検証
3.「不安あおる」と県に止められた甲状腺初期被ばく調査



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コメント

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柔軟で真摯な先生ですね

この牛山医師のように患者の話をちゃんと聞いて、更に応えて考えてくれる医師はなかなか居ないので、増えてくれると小さい子を持つ親子がどんなに気が楽になるでしょう。

日頃と比べて、
「何かおかしい」
という感覚を頭ごなしに否定する動物は人間くらいじゃないでしょうか。

ホットスポットではないとされる私の地域ですが、2011年3月20日ころに私は初めて突然歯茎からかなり出血して驚き、その後はありませんが肌荒れが治らず、
子供は急に口内炎を頻発するようになり、伴侶は2012年に糖尿になりました。

年のせい、でも済ませようと思えば出来ますが、やはりそれまでと比べて
「何かおかしい」。

この感覚をもとに人生計画を進めています。

いつも有意義なブログをありがとうございます。
子供は3年前に鼻血をたくさん出して、口内炎もたびたび出来ました。
そんな子供が必ずガンになるというわけではないと分かり少しホッとしました。
震災後はなかなかミネラルウォーターも手に入らず一番危なかった時期に水道水を飲ませてしまったと後悔しています。
汚染が高そうな場所にはなるべく行かないようにしています。
この記事を読み、今年の夏は絶対に保養に行きたいと思いました。

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No title

言語学者で哲学者のノーム・チョムスキー氏 最も弱い子どもらがどう扱われるかで 社会の健全さ問われる
http://www.youtube.com/watch?v=z1TydT_DPJ4#t=160

被曝=癌と結びつける人が多いけど、癌以外の様々な症状の方が多いように思います。
ゴメリより遥かに汚染が軽い、東京よりも汚染が軽いかも知れないキエフの現状を知れば、首都圏に子供は住ませられないことが分かると思います。
子供だけじゃなくこれから親になる可能性がある若い世代も。
特に女の子や女性の被曝は致命的かも知れないと思います。

貴重な情報をありがとう

漫画家の山本おさむさんが,福島県の天栄村に住んでいた時放射能の被害にあい,まず愛犬コタが鼻血を出したということを思い出しました。(犬と人間を一緒にするのは不謹慎かも知れませんが)

ガンマ線の被曝にせよ,放射性核種の取り込みにせよ,地面に近いところにいる幼児や小動物がまっ先に被害を受けやすいのでしょう。
また牛山さんがおっしゃているように,空間線量のあまり高くない神奈川県で鼻血を出す子がいたり,ベラルーシで子供の時被曝して鼻血を出した人の白血病やガンの発病率が顕著に高いわけではないという話から考えると,「鼻血」というのは生体の防御機能に関係しているのではないかとも考えられます。
しかし例え,白血病やガンの発症が大量に起こることのないような低線量であっても,ガンマ線の外部被曝による遺伝子の損傷や,放射性核種の取り込みによる内部被曝が体内組織や生理作用に与える被害は,年齢が低く若い細胞ほど大きくなると考えられます。

健康被害者への補償や(福島・チェルノブイリの)被害状況の調査・広報等に関して,行政による誠意ある対応が期待できない以上,
牛山さんの伝えてくださるお話はこの上なく貴重なものです。
またそれを丁寧に書き起こしてくれるkiikochanのブログにも深く感謝します。

【最後の原発大国も【脱原発】

1【最後の原発大国も【脱原発】へ大転換! 一気に20基廃炉!!】
フランス政府、「2025年までに原発20基が不要に」/ルモンド紙(3月28日)フランスねこ引用2014年3月29日 (土) 電力使用の効率化と自然エネルギーの利用拡大により、フランス国内にある58基の原発のうち約20基が2025年までに不要になる。3月26日、フランス環境省のロロン・ミシェル エネルギー・気候問題局長は仏国会の「原子力に関する調査委員会」による質問への答弁の中でこのように示唆した。20基は現在フランス国内にある全58基のうち3分の1以上に相当する。フランスのオランド大統領は公約として原子力の利用を2025年までに75%から50%に削減することを掲げている。同局長の発言は電力政策の転換にかかる新たな法律制定に向けた議論に一石を投じる見込み。(抜粋、一部編集)●元の記事:「フランス、20基の原発の有用性について自問」/ルモンド紙(3月28日)(« La France s’interroge sur l’utilité de 20 réacteurs », Le Monde, 2014.03.28)
http://franceneko.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/202520328-1fc7.html
2.四国電力、中国電力、廃炉の方針だす。
四国電社長、伊方1号機「廃炉含め検討」:「島根1号機廃炉も」 中国電社長、投資負担重く http://www.asyura2.com/14/genpatu37/msg/220.html