牛山元美医師(さがみ生協病院)
2014年3月18日
文字起こし部分のYoutube→http://youtu.be/k1Pv7KyuK9c?t=57m2s

ベラルーシでは事故後あっという間に出生率が減りました。
甲状腺癌では死なないんですね、あまり。死なない割には出生率が減っています。
もちろん、国全体が大変な思いをしていたんだと思います。
もしかしたら中絶させたという事なのかもしれない。
死亡率が上がってきた。
これは日本だってそうよね、同じで「あんまり日本と変わらないじゃない」と思っていたんですけど、
日本の出生率と死亡率を重ねるとだいぶ時代が違う。
日本よりもはるかに前に出生率と死亡率が逆転している。
非常にやっぱり、この出生率の低下というのは恐ろしいなと、
事故の影響なんだなと。
いろんな、社会的影響とかいろんなものが入っているんだなと思いました。
実は、むこうの医学アカデミーの教授が最初に言った言葉はこれなんですけれども、

当時事故が起きたときですね、
「なにも事故が起こった事は知らされなかった。
10日間ぐらい知らされなかった。
自分の子どもは6歳だった。
6歳の子どもはいつものようにずっと外で遊んでました。
でも夜になると決まって吐き気を催した。
で、自分の子どもだけじゃなくて、多くの近くの子どもたちが、みんなとにかく吐き気を催した。
なのにその原因はいまだに27年、28年経ってもいまだに説明されていない。
放射線医学の専門家と臨床医との間の論争は今も続いています」
という事を今もおっしゃっていました。
とても立証するのは難しい。
だけどいろんな現象がそこにはあると。
それを私たちはやっぱり見ていって、出来れば記録して、
それをいつか何かに役立てていかなければいけないと思っています。

この辺は飛ばします。

子どもの甲状腺のエコーの検査をやっています。

これがエコーの写真ですけれども、
やることは簡単なんです。
でも、塊があった時にそれが癌なのか、癌じゃなくて良性なのかを見極めるというのは、
それはすごく経験が要ります。
私も丸一日向こうで講習を受けて、これはやれるようになって、やれるんですけれども、
やっぱり、細かいことになると診断が出来ないです、自分では自信がないです。
だからうちでは検査技師さんがずっと、もともと甲状腺科をやっていたので、
うちの病院では甲状腺科をやっているんですけど、私はあまり手を出さないでお話しする方にしています。
いろんな写り方をします。

福島でやっているのは一次検査で結節やのう胞があったら二次検査に進む。
その二次検査というのは、これはベラルーシでやったんですけども、
甲状腺に塊があったらそこに針を刺すんですが、
エコーの検査のところにこういう針を付けるアダプターが付けています。
そのアダプターを付けた上に針を、注射器を付ける。

この注射器にピストルっていうんですけれども、そういうチャカチャカと動かせる物を付けて、
これは日本製なんですけど、ベラルーシでやったんですけど、
日本でも同じようなものを使っています。
それを用いて、エコーをしながら患者さんの塊に針を刺しているところです。

これが、とった細胞をスライドグラスに広げて、染色液につけるとこんなふうに見えるんですね。
この中で変な、これは細胞核がこういうふうに写るんですけれど、
その中で、でこぼこしている核だとか、大きくなった核だとかを探していって、
これが異常だというのを見つけるんですけど、
採り方が悪いと何もわかりません。
血ばかりが入っていて、甲状腺の細胞が入っていないこともあります。
上手にこういう染色をしていくというのは結構、やはり慣れがいるので、
かなり手慣れたところでやらないと、ハッキリしたちゃんとした診療は出来ない。
で、ベラルーシが言っているのは、「こういう検査をするための染色液すら十分に無かった」と。
ちゃんとやれていないんです。日本と全然話が違う。

これはみなさんご存じだと思います。
さっきの33人(報道ステーションの33人)はここですね。
甲状腺検査で33人の人がもう癌だと確定していると。
今手術を待っている人が41人いる。
これ以外に実はまだ二次検査が終わっていない人が454人いる。
この方たちの二次検査が終わるともっと、もしかしたら増える可能性がありますが、
現時点で74人が悪性か悪性疑い。
これは10万人に換算すると27人ぐらいになっちゃう。
数年前に宮城県とかの癌登録、先ほどお話がありましたけれど、
それは10万人あたり1.7人ぐらいだった。約16倍以上多い。
でもじゃあ、多いからこれが放射線のせいなの?って言うと、本当にそれは難しいです。
今までの医学的知見。
そんなものにこだわっちゃいけないのかもしれないけれど、
癌細胞というのは、たった1個からはじまるんですよ。
たった1個の細胞が遺伝子が傷ついて、そこからその細胞は無限に増殖を始める。
1個の細胞が2個になってって大きくなって、
それが例えば1cmの大きさの癌の塊になるのにどれだけかかるか?って言うと、
「多分何年もかかるだろう」とみんな私たちは教わってきました。
「何年も1cmになるのにかかるけれども、でも1cmになってからは速いよ」
ま、ネズミ算式にどんどん増えていく訳ですから。
そんなふうなイメージで私たちはずっと教わってきました。
だからその今までの医学的知見から考えると、
今、2011年とか2012年、2013年に調べて出ている癌というのが、
本当に放射能の福島の原発のせいなのか?と言われると、
今までの医学的知見から言うと、「うーん、違うんじゃないの」と言いたくなる様なものなんですが、
http://youtu.be/k1Pv7KyuK9c?t=1h2m6s
福島ではいろいろ地域で分けてやってきました。

これは、汚染地図と重ねて何人出たか、というのを書いてみたんですけれども、

放射能のプルームが行ったところとか、中通りのあたりに、結構人数的には多い。

でも人数だと分からないのでパーセンテージで人口で割りました。
人口で割るとちょと細かすぎちゃいますけど、やっぱり中通りのあたりがちょっと高いかなと思います。

良く見るとこの辺はゼロばっかり続きます。
すごいここは低いじゃない。
私はちょっと「え?」と思ってよく見てみたら、
ここはまだ二次検査をほとんどやっていない
だけど実はこの中にも8割以上二次検査が終わっていてゼロというところもあるんですよ。

そういったところを含めて、岡山大学の津田先生がちょっとこまかいので飛ばしますが、



解析されまして、
さっきの、下の方の、いわゆるいわき市に近い方のところに比べて、
二本松とか、郡山のあたりの、中通りの真ん中辺のところは、
普通に考えて、普通に統計的に処理をしただけでもやっぱり、
絶対に沢山の癌がそこで出ているというのは今の時点でも言えるよ。
というのを、津田先生はちゃんと、統計学的に立証、証明されています。
計算されています。

そこで、津田先生のご意見をここに書かせていただきました。

1.18歳以下の甲状腺癌は、とにかく事故前よりも確実に増加している。
2.中通りの一部、郡山とか二本松のあたりでは、
他の福島県の地域に比べて、明らかに甲状腺がん発生率が多い傾向がある。
3.そんなことから、とにかく対象を福島県に限る根拠はないよ。
しかも18歳以下に限る根拠もないよ。
チェルノブ利の事とかもあります。
歳とって、後から増えてくる。
4.いま、事故前に比べて明らかに空間線量が高いところがあるわけです。
そこに住んでいる人が沢山いるわけです。
それによる異常な被ばくが続いている訳ですね。
その地域では、将来がどうのこうの、これから報告検査をやってじゃなくて、
今、そこにいる人達に避難を呼び掛けたり、疎開させたり、保養をさせたりするべきなんじゃないか。
ということを言っています。
<甲状腺がん>原発の事故の話しが無ければ、「原因不明の多発」です
3/6津田敏秀教授OurPlanetTV (文字起こし)
甲状腺がん「被曝の影響、否定出来ず」〜疫学専門家インタビュー2013年
http://youtu.be/k1Pv7KyuK9c?t=1h4m22s

動物や昆虫にもいろいろと異常が出ている事は、ムソー博士もお話をされてきています。
「身体の一部が白くなるアルビノと呼ばれる突然変異」ネズミや鳥になにが?高放射線量地域生物に異変
TBS(内容書き出し)
ムソー教授:
こんなことは見た事がありません。
これが見られるのは非常に珍しい事なんです。
ここは福島県浪江町の帰還困難区域。

琉球大学の先生も、蝶々の異常を言っています。
福島原発事故 生態系に影響与えていないのか
2013年5月30日放送 そもそも総研(内容書き出し)
まず、琉球大学の大瀧先生にはヤマトシジミという蝶々ですけれども、
福島にいる蝶々にどういうふうな影響があったか?というふうな事でお話を伺っています。
http://youtu.be/k1Pv7KyuK9c?t=1h4m31s
でも今、福島のお母さんたちと話をすると、「私は心配し過ぎですよね」って言われるんですよ。
12月に私はホールボディカウンターを福島市で受けさせてもらって、
私は全く出ませんでした。
しょっちゅう行ってて、結構ウロウロしているんですけど、
原発から5km位のところまで行かせてもらったこともあるんですけど、
でも全然出なかった。
同じ時に中学生の女の子がやったんです。
そうしたら、その子は福島の子だったんですけれども、出たんですね。
ハッキリと数10ベクレルの、体重1kgあたり数10ベクレル出たんです。
「えぇ?」と思って話を聞いたら、
同じ福島県だけど、綺麗なところ、海沿いの上の方なんですけど、
そこにおじいちゃんがいて、そこにお爺さんが作っている玄米や野菜をいつも貰って食べている。
そのお子さんは中通りに住んでいるんですね。
で、お母さんが言うには、
「去年測った時には無かった」と。「全然なかった」
「今年測って出たんでショックです。でも気にしちゃいけないんですよね」
「気にしちゃいけないんでしょ?」って言われたから、
「いや、これは気にした方がいいです」
やっぱり測っていない玄米、おじいちゃんが作ってくれたお米は、特に玄米は止めた方がいいかもしれないし、
ちゃんと測ってから食べた方がいいですよ。
ということを何度も言ったんですけど、
「気にしちゃいけないんですよね、大丈夫なんですよね」と何度も言われて、
こちらが「いや、心配して下さい」っていう感じでした。
それぐらい向こうでは、「放射能の事を心配し過ぎるのはよくない」という事は、徹底して周りに広まっています。
で、放射能の事を話をすると、さっきのテレビにもありましたけれど、本当に
「まだそんな事を言っているの?気になるんだったら、心配だったら出ていけば」
で、出て行った人の悪口をすごく言われていて、
それから帰ってきたら帰ってきたで、また悪口を言われてしまう。
すごく中で分断というか、いろんな差別が始まっています。
不思議なくらいに住みにくい状況になっています。
放射能について話が出来ないです。
対策もとれない。
「除染だ」と言われて若いお父さんもみんな駆り出されて除染作業をしている。
で、加害者が、誰が悪いのかが分からない。
外で遊ばせたお母さんが悪いのか。
被害者が、被ばくをしている人たちがなにか悪いかのようになってしまっています。
でも、医者だって放射能は怖いんですよ。
放射能に不安を抱くのは当然なんです。
だから、できるだけ被ばくを減らすのは当たり前だと思います。
特に感受性の高い、幼い子を守るのは、もう人間として当たり前の、社会として当たり前なんじゃないでしょうか。

だから適切な時期の避難とか疎開、保養や、
汚染していない食べ物をちゃんと食べさせる調査をするということも訴えていきたいと思います。
ただ自己防止対策を徹底しろといっても、人間だからどうしても難しいですよね、そこは。
だから核を安全にコントロールできないのであれば、その核を制限するべきじゃないか、利用をね。
だから原発は廃炉にするべきじゃないかと私は思っています。
ーーつづく
【放射線被ばくを学習する会】「臨床医が見たチェルノブイリ、福島の現状」
2014年3月18日 牛山元美医師 文字起こしブログ
1.「やっぱりこれは大気中核実験どころじゃない被ばくを私たちはしているんじゃないか」
2.「医療被曝も本当は身体に悪いんだよ」
3.「当初鼻血を出した子が甲状腺癌や白血病になったの?」
4.「事故当時0歳~4歳位の子ども達が、ずーっといつの年代でも一番甲状腺癌を発症している」
5.「気にしちゃいけないんでしょ?」って。 「いや、これは気にした方がいいです」
6.IAEAと福島医大「福島の悲劇を奇跡に変えよう!」 「は?」
7.~相模原・町田など65名の甲状腺エコーと白血球検査結果~
8.質疑応答「ベラルーシでの癌のタイプ・他」
9.質疑応答「井戸川元双葉町長&報道ステーション現場」
2014年2月14日
三田茂医師講演会文字起こしブログ
1.<甲状腺基礎知識> 「甲状腺がん・甲状腺腫瘍は 内分泌内科ではなく、耳鼻科や頭頸部外科」
2.<甲状腺疾患>「今後は今までの常識とは違う」
3.<血液検査>「ホットスポットに住む4歳男子」
4.<白血球・好中球・リンパ球> 「小児で全体的に大きく減少」
5.<白血球異常> 「前は2回測ってもいなかった地域の子から異常が出始めるようになった」
6.<質疑応答1> 「僕が東京を出て岡山に行く理由」
7.<質疑応答2> 「だけど、医師会は動かなかった」
8.<質疑応答3> 「"観察した結果好中球が減った"というのが僕の結論です」
2014年3月11日 報道ステーション 内容書き出しブログ
1.子どもが甲状腺がんに・・・ 母が苦悩の告白
2.「甲状腺がん増加は4~5年後」チェルノブイリの“知見”検証
3.「不安あおる」と県に止められた甲状腺初期被ばく調査
- 関連記事
-
- <鼻血は風評被害だ?>環境省が異常な反応~いろいろまとめ~ 「如何に福島は危ないかを証明しているのは今の環境省」
- <見える>被曝の影響が写真に4/19,20東京新聞記事より
- <ドイツ・ベラルーシ報告>核戦争防止国際医師会議「新生児の死亡率について誰か論文を書いたか?なぜ日本人は調査しない?」3/22おしどりマコケン(内容書き出し)
- 9.質疑応答「井戸川元双葉町長&報道ステーション現場」牛山元美医師3/18臨床医が見たチェルノブイリ、福島の現状 (文字起こし)
- 8.質疑応答「ベラルーシでの癌のタイプ・他」牛山元美医師3/18臨床医が見たチェルノブイリ、福島の現状 (文字起こし)
- 7.~相模原・町田など65名の甲状腺エコーと白血球検査結果~牛山元美医師3/18臨床医が見たチェルノブイリ、福島の現状 (文字起こし)
- 6.IAEAと福島医大「福島の悲劇を奇跡に変えよう!」 「は?」牛山元美医師3/18臨床医が見たチェルノブイリ、福島の現状 (文字起こし)
- 5.「気にしちゃいけないんでしょ?」って。 「いや、これは気にした方がいいです」牛山元美医師3/18臨床医が見たチェルノブイリ、福島の現状 (文字起こし)
- 4.「事故当時0歳~4歳位の子ども達が、ずーっといつの年代でも一番甲状腺癌を発症している」牛山元美医師3/18臨床医が見たチェルノブイリ、福島の現状 (文字起こし)
- 3.「当初鼻血を出した子が甲状腺癌や白血病になったの?」牛山元美医師3/18臨床医が見たチェルノブイリ、福島の現状 (文字起こし)
- 2.「医療被曝も本当は身体に悪いんだよ」牛山元美医師3/18臨床医が見たチェルノブイリ、福島の現状 (文字起こし)
- 1.「やっぱりこれは大気中核実験どころじゃない被ばくを私たちはしているんじゃないか」牛山元美医師3/18臨床医が見たチェルノブイリ、福島の現状 (文字起こし)
- 復刻版<甲状腺がん>母の告白・チェルノブイリの知見・初期被ばく調査に横やり
- <反論>「報道ステーション」の報道内容についての 福島県立医科大学 放射線医学県民健康管理センターの見解3/12センター長 阿部正文
- 「不安あおる」と県に止められた甲状腺初期被ばく調査3/11報道ステーション(内容書き出し)
もう観てご存知なのでしょうか?
既に此処でも掲載していたらゴメンなさい。
いつもお邪魔さまで・・気が引けるんですが。
問題の深刻さから言うと不謹慎ですが楽しくなって大笑いしながら
動画視聴しました。
ZDFホイテショー「ニコニコする人に放射能は来ない!」、http://www.youtube.com/watch?v=tQ0_J3jSWDU&feature=youtu.be
アメリカの核政策の原発やお金儲けのTPPや軍隊戦争協力の集団自衛権に協力させられるなら、見返りにプルト無料で返還なんかしないで核爆弾ロケット所有くらい認めさせるくらいのバーター取引しろよというのが原則です。 日本人みんなへたれですよ。
何でなんだろうって考えると、歴史の教育が足りないんです。人類史上から数えると、福島の盗電原発事故なんて、1950年からみても60年のうちに3回しかないんです。私は知っています。チェルノブイリ、スリーマイル、盗電原発・・・いずれも事故処理に30年+(収束してないぜ・・)かかってます。
そう考えると、この原発事故なんて、人類史上最高の事故だと、私は思うんですけど、身近な隣人は違いました。。^^;;;;;;;;;;
チェルノブイリ原発事故と比較させるように、誘導しようと思います。
なんでだか、「日本国政府は類似してると思われるチェルノブイリ原発事故と福島の盗電原発事故と比較しようとしない。
半日左翼の戯言、引きこもりの戯言、そう思うなら思ってかまわない。でも事故の経過を見守って欲しい。疾病率がどの程度か私にはよくわからないが、阿鼻叫喚の地獄が待ってるんだろうなぁ・・・・。