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03.31
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「臨床医が見たチェルノブイリ、福島の現状」
牛山元美医師(さがみ生協病院)
2014年3月18日

文字起こし部分のYoutube→http://youtu.be/k1Pv7KyuK9c?t=1h12m57s


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私の友達が今ガザというところで仕事をしています。
その人から紹介された人がこの間医者で来たんですけれど、
その方の本の中に
「悪魔が生き延びるには、ただあなた達のような善良な人々が何もしないでいればいいだけなのです」
というふうに書いています。





それを見て、「う~ん、なにかしなきゃ」と思って、
私は今自分の病院で、神奈川県とか関東にいる人達で被ばくを心配している方。

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もしかしたら、もしかしたら結構何100ベクレルも食べているかもしれないんです。
わからないんです。
福島だけの話じゃない。
だからそういう方達に向かいあって、そういう方達の話を聞いて、
安心できるようにと思っています。
安心できるように、甲状腺エコーをしたり、白血球を調べたりという検査をいましています。

でも細々とやっています。
毎日の外来が忙しいので。
この1年でたったの65人です、笑っちゃうんですけどそのぐらいです。

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それで使っている問診票っていうのは、
市民と科学者の内部被曝問題研究会というところの医療部会というのが、
松井英介先生が中心になって作られた「健康ノート」というのがこの2月に出たんですけど、
その中の問診を使ってやっています。
とてもいろんな資料があっていいので、ぜひよかったら、チャンスがあったら見て下さい。
目次があったり問診票があって、
それで私たちがやった検査結果なんですけど、

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もちろん神奈川に住んでいる人達なのでそんなに、もちろん癌は出ていません。
たったの65人です。

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でも皆さんいろんな症状を訴えている。
これが何時かなにかのお役に立つかな、と思って今一生懸命やっています。

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実際には実はA2判定の方も3割、4割出ました。
で、B判定の方も出て、
お子さん二人とも伊藤病院とかうちの近くの内分泌専門の病院とかを紹介しています。
今は経過観察中です。

大人の方は、実は大人も女性で、5mmとか6mmの結節がある人は山ほどいます、もともと。
みんな「1年に1回ぐらい様子を見ればいいでしょう」という話になっていた、今まではね。
しかも、町田や相模原の人達が多いので、この方たちに対しては1年に1回見ていきましょうとお話ししています。
ただ子どもさんは私たちには経験がないので、慎重にやりたいのでそうやってご紹介しています。



http://youtu.be/k1Pv7KyuK9c?t=1h15m5s
前回三田先生のお話をみなさん聞かれたと思います。
私も三田先生からいろいろと資料を頂いて、勉強させていただいた事があったので、白血球とかを見たんですけど、

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下が年齢です。
白血球とかの正常値って、実はすごい幅があります。
で、お子さんの年齢によってもすごく違います。
もう、生まれた時は3万とかあってもおかしくないんですけど、どんどん減ってきます。
その中に私が調べた60何人の方のデータ。
大体この均衡に入っています。
右が大人の方、親ですね。
左が子どもさん。

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で、これが好中球ですけど、
私が調べたたった65名の話なので何とも言えませんが、
そんなに落ちているとも言えないかな。
分からないけれど、正常値の中にほとんどの方が入っているし、はみ出ている方もあります。
正常値はもともと95%の正常の方が入るようになっていますから、必ずそこから出る正常の方があるんです。
まぁ、上に出ている人もいれば、下に出ている人もいる。
まだまだ何も言えないです、この状態では。

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あとリンパ球。
リンパ球が割とちょっと少なめかな。
普通はリンパ球の方が高くなって好中球が下がるんですけど、ちょっと一緒に下がっている。
ちょっと分かりません。
謙虚に事実を見つめていきたいと思います。

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という事でこれが最後ですけれども、
このポスターを頂きました。
「原発はエネルギーじゃなくて人権問題」
原発作業員の人達は本当に、3分の1がホームレスの人たちだったというのもあります。
おしどりマコちゃんが報告してくれていますけれど、
「健康障害が絶対にあるよ」というのを前提にした労働なので、
そういう労働は本当に許されるのかしら?という話です。

後は、とても放射能による健康障害は立証するのが難しいです。
もともと軍事機密なんです、放射能の害は。
ビキニ事件の時にマグロ漁船の方達が浴びた灰を10g調べれば、
アメリカがどんな戦核を作っているのかが全部わかるって言われたんです
全部軍事秘密だから日本は全然研究させてもらえなかった。
その結果今の事態になっている訳です。
しかも、被害を受けた人達が因果関係を立証しないといけない。
放射能のせいだというのを私たちが証明しなければいけないと言われている。
それって、まさしく薬害。
水俣病や公害だとか、スモンだとか、水俣病の被害と同じ構造があるから、
「ああ、同じ事を日本政府は昔からやってるんだな」というのを、
今になって私は初めて、もうつくづく感じました。

なんか、本当にこういう、原発や放射能っていうのは、
すごく人が健康に過ごす権利、基本的人権を侵害しているものなんだなというのをつくづく感じています。
で、ここにちっちゃく。
「あんまり顔を大きく映さないで」と言われているので、
ベラルーシに医学研修に行った5人の仲間とそれ以外の人達です。

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私は被ばくによる健康被害を減らすために医者としてできる事をしたいと今も思っています。
医学的な知識や両親にう基づく提供をしたいとおもって、
この5人で実は県境なき医師団というのをパロディで作ったんですけど、
なかなか福島の医者は発言が出来ないです。

福島の県内で甲状腺のエコーを検査する資格を取りました。
この中で二人取ったんです。
でも、取ってこれから検査をやっていくにあたって、
やっぱりいろんな過激な(笑)激しい事をなんか言うとまずいという事で、
自分たちはちょっと出てこない。

というので、いろんな意見を言う時に意見が言いたくてうずうずしている連中で、
今度は20ミリシーベルトを許さない医師の会を作ったんですけど、
なんか、作ってはいるんですけれどもなかなかうまくいきません。
是非皆さんからお力添えをいただきたいと思っています。

ということで、ご清聴ありがとうございました。
http://youtu.be/k1Pv7KyuK9c?t=1h18m27s


質疑応答に続くーー








放射線被ばくを学習する会「臨床医が見たチェルノブイリ、福島の現状」
2014年3月18日 牛山元美医師 文字起こしブログ

1.「やっぱりこれは大気中核実験どころじゃない被ばくを私たちはしているんじゃないか」

2.「医療被曝も本当は身体に悪いんだよ」

3.「当初鼻血を出した子が甲状腺癌や白血病になったの?」

4.「事故当時0歳~4歳位の子ども達が、ずーっといつの年代でも一番甲状腺癌を発症している」

5.「気にしちゃいけないんでしょ?」って。 「いや、これは気にした方がいいです」

6.IAEAと福島医大「福島の悲劇を奇跡に変えよう!」 「は?」

7.~相模原・町田など65名の甲状腺エコーと白血球検査結果~

8.質疑応答「ベラルーシでの癌のタイプ・他」

9.質疑応答「井戸川元双葉町長&報道ステーション現場」





2014年2月14日
三田茂医師講演会文字起こしブログ

1.<甲状腺基礎知識> 「甲状腺がん・甲状腺腫瘍は 内分泌内科ではなく、耳鼻科や頭頸部外科」

2.<甲状腺疾患>「今後は今までの常識とは違う」

3.<血液検査>「ホットスポットに住む4歳男子」

4.<白血球・好中球・リンパ球> 「小児で全体的に大きく減少」

5.<白血球異常> 「前は2回測ってもいなかった地域の子から異常が出始めるようになった」


6.<質疑応答1> 「僕が東京を出て岡山に行く理由」

7.<質疑応答2> 「だけど、医師会は動かなかった」

8.<質疑応答3> 「"観察した結果好中球が減った"というのが僕の結論です」





2014年3月11日 報道ステーション 内容書き出しブログ
1.子どもが甲状腺がんに・・・ 母が苦悩の告白
2.「甲状腺がん増加は4~5年後」チェルノブイリの“知見”検証
3.「不安あおる」と県に止められた甲状腺初期被ばく調査



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