<ドイツ・ベラルーシ報告>ドイツと日本の市民の違い「知りたがりの怒りんぼうにならなくちゃ」3/22おしどりマコケン(内容書き出し)

「暴く!東電の実態 語る…福島の今」おしどりマコ&ケン
 2014年3月22日(土)茨城県土浦市の土浦市民会館

動画はこちら↓
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/130613

http://www.ustream.tv/recorded/45148648



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あとドイツに行っておもしろかったのは、
プロテスタント教会の方に呼んでいただいて、
ものすごいいろんな講演会をセットしていただいていたんですね。
それで、学校であったりとか、いろんな教会であったりとか、教会に限らずいろんな地域に呼んでいただいて、
今の福島の日本の現状を話して原発事故の現状の話をして、という事を言われて、
で、最後に質疑応答の時間がとってあったんですけど、
もう、質問が終わらないんですよね。

ケン:終わらない

マコ:
学生もドイツの人達も、日本人村とか日本人会とかそういうところじゃなくて、
学校5つぐらい回ったんですけど、普通のドイツの地域の人達が通う職業訓練校だったり、進学校だったり、
いろんなところに行ったんですけど、なので別に脱原発の人たちばかりじゃないし、
活動家の人達じゃないしというところでいろいろ話をさせてもらったのが面白かったです。
で、めちゃめちゃ原発事故に関して興味を持っている人が多くて、ドイツの人は。

どこの学校、どこの地域に行っても質問されたのは、
日本の原発事故を受けてドイツでは脱原発、原発を手放す政策に舵を切ったけれども、
なんで日本はまだ原子力を使って、しかも海外に売ろうとしているんですか?
って質問されるんですよね。

どこかの高校の学生に質問されたんですけど、
もう冷静にね、
「日本は広島と長崎にもう原爆が落ちて、そして福島でレベル7の事故が3つあって、でも原子力を使うんですか?」
って聞かれて、
「僕にはなんか分裂症みたいに、なんでそんなふうになるのか理解できないんです」と聞かれて、
すごく素朴な疑問として思っている人が多かったんです。
本当に、それはそうですね。

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で、私の声がかれているのも、ドイツで1日に1時間半の講演を3回とかやったんで、
「どれだけしゃべり続けたんだ」みたいなね。
終わってからも彼等はすごく質問が多くて、ずーっと囲んで聞かれるんですよ。
すごい、なんでしょう、不思議でしたね。
原発事故の事に限らず特定秘密保護法とか、

ケン:NHKのこともね、

マコ:
「NHKの会長は大丈夫ですか?」って聞かれて(笑)
なんで知ってんの?みたいな。
ドイツは公共放送が沢山あって、地域ごとに公共放送があるんですって。
ドイツは電力会社もいっぱい選べるんですね。
なのでなぜ日本の電力会社、電力会社の団体電事連がそんなに社会や経済界に影響を持っているとか、
メディアに影響力を持っているとか、それがまず理解できないと。
そして公共放送であるNHKが暴走するのも理解できないみたいな感じなんですね。

普通にこうやって囲まれてしゃべっていた時に
「ドイツは電力会社もいっぱいあるし公共放送もいっぱいあるからいいよね」みたいなことを言うと、
ドイツの10代の若者に「まあね、沢山ある方がフェアですよね」みたいな事を言われて、
「一つだけだと偏るじゃないですか。沢山ないと選べないじゃないですか」みたいな事をいわれたので、
なんか、すごく、がっくりきましたね。
なんか、近代化の違いみたいで。

もうね、遠くの国の事にここまで疑問と興味があるのかというか、
「もうみんな日本が好きなだけかしら」って最初は思う位。

ベルリンで講演をさせていただいた時に、ドイツの年配の男性から、
もちろんドイツ語での質問ですよ。
「非常用電源装置は津波で流れたと思いですか?」と聞かれて、
「日本でもそんな質問来ませんよ」みたいなね。

「何で日本は原発を止めないんだ」という質問をもうあっちこっちでされた時に答えていたのが、
もちろん日本の国民すべてが原発を支持している訳じゃないし、反対している人たちも多いと。
「どちらかといえば、おそらく反対している人たちの方が多い」という話をしてたんですね。

それで私がその時によく引き合いとして出したのが、
事故があった平成23年の9月に原子力委員会が原子力政策に対する国民の皆さんからの意見募集結果について
パブリックコメントですね、
その話をよく出していました。

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原子力政策のあり方に関する検討でパブリックコメントを募集したんですよね。
でも、

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直ちに廃止し、再生可能エネルギーなどに転換すべきが67%
段階的に廃止し、再生可能エネルギー等に転換すべきが31%

つまり足すと「98%が原子力を廃止し、再生エネルギー等に転換すべき」という調査の結果になったんですよね。
で、原子力政策をどうするのか?というパブリックコメントがこういう形で
98%が「即時に、もしくは段階的に原子力を止めて再生可能エネルギーにしましょう」という意見だったけれども、
これを踏まえたうえで今の政府は原子力を使っていくと、原発を再稼働する事に決めたんですと。

で、こういう国民の意見は、エネルギー政策に関しては本当に反映されていないという様な実感を持っています、
という話をしたんですよね。

で、そうすると、職業訓練校だったよね。
すごい穏やかで、ちょっと驚く、この説明を受けて意見が出てきて、
「日本人は何で暴力に訴えないんですか?」と言われたんですよ。
「あれ」と思って、すごく穏やかに質問がきたんですけど、
「ポスターで社会は変わると思うんですか?」と言われて、
すごいなんか、「わー痛いところ突かれたな」と思って、
それでも暴力で変わるとも思いませんけれど、暴力で変えるのが正しいとは思わないんですけど、
私が今回ドイツへいろいろ取材や司会をしたり、発表をしたり、いろいろベラルーシで取材をしたり、
その時によく日本の方々が、
「日本の現状をドイツで話して外圧をかけるように訴えて下さい」みたいな事をよく言われたりとかしたんですけど。
なんか、その気持ちもすごく分かるし、
もう、福島の友人からはいろんなところに直訴したりとか、すごくそれも分かるんですけど、
でも彼に「ポスターで社会が変わると思っているんですか?」と言われた時に
「そりゃそうだ」と思って、
「外圧で訴える」という前に、私たち自身がね、死に物狂いになったかな?というのがすごく思ったんですね。
それは暴力に訴えるという事じゃなくて、なんかその、
そんなに死に物狂いにならないうちに海外の外圧でよろしくみたいなのは、
それは私はなんか、うん、なんか違和感があるんですよね、なんかそう思いました。
だから私もうちょっと頑張ろうと思ったんですけど、

ケン:
やっぱり中で、自分たちが必死になっていたら周りから見ていてもね、
言わなくても外圧がかかってくるかもしれないからね。

マコ:
プロテスタント教会のちょっとハードスケジュールのコーディネートで、
いろいろ取材をさせていただいたんですけど、
3月11日近辺をまたいでいたので、いろんな脱原発のデモも取材に行ったんですよね。
で、すごーいのどかなデモもあり、大規模なものもあり、面白かったんですけど、
本当にいろんなタイプのデモがあって、世界女性デモとかそういうのもいっぱいありました。

ケン:そうですね、あと「犬も殺さないで」っていうね

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マコ:
それでこのシュツットガルトのデモに行った時に、通訳をして下さったアライトミコさんという方が、
シュツットガルトのデモに取材に行ったので、
「ドイツってデモが多くて、そして楽しい感じでいいですね、ハイキングみたい、遠足みたい」って言ったんです。
「でもそれはね、力のないデモなんですよ」というお話をされて、
力のないデモは笑ってみていると。

ケン:誰が笑って見ているの?

マコ:
警察だったり。
でも本当に社会を動かすような大きい力を持ったデモは、
武装警察が周りにいて、放水車をかけて、催涙弾を投げて、弾圧はするし、
そしてひどい状態になってもそれはあんまり報道は取り上げないし、
「そんなに日本と変わりませんよ」って言われたんですね。

2010年にシュツットガルトのデモで、大きいデモがあって、
その時に学生の団体に向けて放水車が放水しようとしてたんですけど、
それを年配の男性が間に入って「やめろ」って止めて。
そうすると放水車はそのお爺さんの顔をめがけて放水して、
そうするとその勢いで目が飛び出て失明された方がいる
んですよ。
私はこの取材の日にその話を聞いて、
もう、自分が取材をしたりいろいろしなければいけなかったんですけれど、
もうすごいなんかビックリして悔しくて、
何か途中で泣いちゃって、すごい衝撃だったんです。

それで、ドイツもやっぱり、
日本人は「ドイツすごい」とか「ドイツ素敵」とか憧れている人が多いけど、
でもやっぱりひどい政治家も多いし、
政府もひどいし、企業もひどいし、報道もひどいし、警察もひどいと、
よその国の事は声高に報じるけれど、自分の国の事はヒドイ事はそんなに出さないよ、みたいな話を聞いて、
でも、日本とドイツが多分一番違う点は、市民の心だって言われたんですよね。
市民が抗議したり監視したり怒ったりするのは、日本とドイツを比べて
やっぱりドイツの人達の方が良く怒るし良く調べるし、っていうふうな事を聞きましたね。

ケン:はい。

マコ:
だから今回いろいろ取材をしていて、
「知りたがりの怒りんぼうにならなくちゃ」って思ったんですけど、
やっぱり足りないのは、私は「怒りだな」と思いましたね。



ふぇみん新聞2014年4月15日号
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今月3月4日、ドイツで「原発事故がもたらす自然界と人体への影響について」の国際会議が開催された。
主催は核戦争防止国際医師会議(IPPNW)・ドイツ支部など。
世界各国の医師や科学者たちが集い、放射能汚染の健康被害について議論する中、
東電記者会見の取材を続けるお笑い芸人、おしどりマコさんも招待を受け参加した。
この会議や現地の様子についておしどりマコさんの寄稿。

今月2月24日から3月15日まで、ドイツとベラルーシに行ってきました。
核戦争防止国際医師会議(IPPNW)に出席・発表するためと、ドイツとベラルーシの取材をするため。
そして牧師の御好意でいろいろな脱原発のデモ・集会の取材と、各地の教会や学校で講演をしてきました。

活動家だと思われる
IPPNWで一番印象に残ったこと。
何人もの科学者が同じような事を発言していました。

「自分は一科学者、一研究者だが、原子力に都合の悪い事実を出すと活動家のように思われてしまう」

これは私も本当に同感!
私はげhh発事故の取材を続けているだけですが、いつの間にか「脱原発芸人」のように思われてしまっています。
この事がなぜ問題か。
原子力に都合の悪い事実を出す人間を「活動家」として捉えてしまっては、公平な議論が出来ないからです。
日本で取材していたとき逆の現象も感じました。
原子力推進側にも、福島第一原発事故の対応はマズイ、という意見はあるんですね。
しかし、原子力に都合の悪い事実を出す人間を「活動家」ととらえる風潮で、そういう意見が出にくくなる。
これは良くない現象です。
原子力は単なるエネルギーの選択肢の一つ。
イエスかノーかではなく、もっと議論がなされるべきだと思います。

政府の「安全」は無意味
IPPNWでは、様々な研究者の発表がありました。
原子力発電所の周囲5kmに小児白血病のリスクが増えたという研究で知られる
(Kikk Study)のアルフレード・ケルブライン、
放射線生物学者のキース・ペーパーストックは世界保健機関(WHO)で働いていましたが、
突然何の理由もなく2001年にWHOの被ばく影響部門を閉鎖されたと言います。
生物生態学者のティモシー・ムソーはツバメで被ばくの影響を調べています。
ツバメは飲酒も喫煙もせずストレスもないので、
被ばくによる健康影響が出てもその他の要因にされないからいいのだそう!

IPPNWは原発事故だけでなく、劣化ウラン弾や原子力発電所や核実験など、
様々な核の影響に関して調査し、警告を出す医師たちの組織です。
「原子力・核の歴史は、権力、企業、国家にとって都合のいい事実を出し続けており、
その下で住民が虐げられてきている。
国連科学委員会(UNSCEAR)やWHOも、原子力ロビーに屈している事は我々にとって周知である。
日本で原発事故があったが、政府が発表する『安全』など何の意味もないことは、
チェルノブイリ事故を経験した我々ヨーロッパの研究者にとっては当たり前である」
10日間、生活を共にした研究者の方々からたびたびこういう事を言われました。

政治に敏感な若者
そして、衝撃だったのが、学校や教会で講演をしてまわったときの事。
最後の質疑応答コーナーですさまじい量の質問がどこでもきて!
帰る支度をしていても囲まれて、
「公共放送のNHKの会長についてどう思う?」まで聞かれるとは!
「すごいね、ひょっとしてみんなもう支持している政党とかあるの?」と聞いてみると
「僕は社民党に考えが近い」
「緑の党がいい」
「政党『左』を今のところ支持している」などすぐに返ってきて。
「わ、日本では学生の時にどの政党がいいか考えている人はほとんどいないよ」と私が言うと、子どもたちは
「え?じゃ日本は選挙権を持つ年齢になってから、支持政党を考えだすの?それじゃ遅くない?」
…おっしゃる通りでございます…。

どこの学校でも質問されたのが、
「ドイツは日本の原発事故を受けて原発を手放すことに決めたけれど、
なぜ日本は再稼働させて海外に原発を売っているの?」

職業訓練校は学生の年齢層が高いので、ハッキリとこう言う学生もいました。
「日本は長崎と広島に原爆が落ちて、福島でレベル7の原発事故が3件あって、
それでもまだ原子力を使い続けようとするのはなぜ?僕は理解できない」

この質問には毎回こう答えていました。
「日本の国民すべてが原発再稼働に賛成のわけではない。
例えば原子力委員会が2011年に行った原子力政策について民意を調べるパブリックコメントでは、
即時に脱原発、段階的に脱原発の意見は合わせて98%だった」

するとあるギムナジウム(中等教育機関)でこう返されました。
「なぜ暴力に訴えないの?ポスターで原発がなくなったり、世の中が変わると思っているの?」
これには私は唸りました。
暴力に訴える、というのは良いことではないけれど、思うところがあったのです。
ドイツに行っている間、日本の方々から
「日本の惨状をドイツで訴えてきて!外圧で日本を動かして!」という声を沢山いただいて。
気持ちはわかるんだけど、ちょっと納得がいっていなくて。
外圧に訴える、という前に、私たちは、全力で、死にもの狂いで、何かした?
自分たちが全力を尽くす前に、外圧に訴えて、というのは、少し安直でズルい気がしていたのです。
「ポスターで世の中は変わると思っているの?」という学生の質問はそこを突かれた気がしたのです。

知識と怒りを
ドイツで、さまざまなデモの取材もしました。
遠足みたいな気軽で楽しいデモがたくさんあって。
でも「遠足みたいなデモは、何も社会を変えないデモだから」と言われてしまいました。
「本当に社会を変えるような大きい力のあるデモは武装警察が制圧に来るよ。
ケガをする人が沢山出るよ。でもメディアはほとんど報じない」

そして衝撃の話を伺ったのです。
「2010年のシュツットガルトでの大きいデモで、学生たちに放水車が向かっていたので、
老人が間に入ったら、放水車はその老人の顔をめがけて放水をして。
両目が飛びだして流れてしまい、彼は失明してしまった。
その写真が1枚だけ新聞に載って、その後、老人のところに沢山のメディアが取材に来たけれど、
ほとんど掲載される事はなかったんだって。
ドイツも日本と同じ、政治家も企業も警察も報道もひどいことが多いよ。
でもドイツと日本の違うところは市民かな。
ひどい事に対して、講義したり、監視したりする市民は、日本よりは確実に多いと思う」

私たちに足りないのは知識と怒り、という事を改めて感じました。
私は「遠くの誰かが虐げられている事に対して、自分が怒りを持って動く事ができるか」
というのはキーワードだと思います。
この怒りは重要。
知りたがりの怒りんぼうにならなくてはね!








「今回ヨーロッパに来て大変驚いた事は、
ヨーロッパのみなさんが日本を“民主主義の自由の国だ”と思われている事です」
おしどりマコさん3/6フランクフルト(文字起こし)


2014年3月22日 茨城講演の文字起こし
「大きいニュースにならなかった500万ベクレル」おしどりマコケン
(3/22茨城&東電会見&田中委員長会見文字起こし)


<福島第一原発>1・2号機排気筒倒壊の危険~
中央部分の鉄骨に切れ目・地表近くは25シーベルト/時で人が近づけず
3/22おしどりマコケン(内容書き出し)


<福島第一原発>どこが一番怖い?
「たどり着くまでに死ぬかもしれない」3/22おしどりマコケン(内容書き出し)


<ドイツ・ベラルーシ報告>核戦争防止国際医師会議
「新生児の死亡率について誰か論文を書いたか?なぜ日本人は調査しない?」
3/22おしどりマコケン(内容書き出し)





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コメント

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国ですよ

続きますが(^_^;)
国家が国民を造るのであり、その逆など観たことも聴いたことも
ないわけです。

目立って特徴的な違いはそこにひとつはあってドイツは連合国に
打ち負かされて存在していた国家が無くなってしまいました。
ヒットラー・ナチの有力支持層は市民でその実態は公務員層とその
退職者たちがあったようで彼らも敗戦で茫然自失状態。これが幸い
したのでしょう・・イメージですが。
日本は不幸なことに国家は条件付降伏で残ってしまいました。国土は
めちゃめちゃで国民は海外に六百数十万人(当時の人口比で一割)、
もっと多かったんじゃぁなかったかなぁ・・軍隊でもその数字は部隊
壊滅状態で実質的に滅んでいたけど国家は残ってしまっていました。

だからその後も国家栄えて国民アホが好都合の、全部とは言わないけど
そういう明治国家形成過程の続きをやって来てしまって、仕舞いには
アホに馬鹿だと言うと自分はどっちなんでしょうか?はっきりしろって
怒ってくる、そんな悲惨な場面に落ちこんでいます。

国家と国民の成長とは車の両輪だという考えもありますが、それは
どこのドイツなんだぁっていうことなんですよ。