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5月23日月曜日
参議院行政監視委員会1~小出裕章氏~


参議院の行政監視委員会「原発事故と行政監視の在り方」
                     小出裕章氏





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小出参考人
私の今日の資料は、こちらに、見ていただきながら話を進めたいと思いますし
みなさんのお手元に資料がすでに配られていると思いますので
それをご覧いただきながら聞いて下さい

今日は原子力をこれまで進めてきた行政に対して一言私は申したいことがあってここに伺っております
まず、私自身は原子力に夢を持って原子科工学科というところに入った人間です
何故そんなことになったかと言うと
原子力こそ未来のエネルギー源だと思ったからです

無尽蔵にあると
石油や石炭は枯渇してしまうから「将来は原子力だ」という事を信じて この場に足を踏み入れた人間です
ただし、入ってみて調べてみたところ原子力と言うのが大変貧弱な資源だという事に気が付きました
今これからこのスライドに
再生不能エネルギー資源と言うものの量を順番に書いていこうと思います
まず、一番多い資源は石炭です
大変膨大に地球上にあるという事が分かっています
ただし今書いた四角は究極埋蔵量です
実際に経済的に掘れると分かっているのは確認埋蔵量と言われているものなわけですが
この青い部分だけだという事になっています
ではこの四角がいったいどのくらいのことを意味しているかというと
今、右の上に小さな四角を書きましたが
これは世界が一年ごとに使っているエネルギーの総量です
と言う事は石油の現在の確認埋蔵量だけでいっても
数字で書きますととこんなことになりますが
60年70年はありますし究極埋蔵量が全て使えれば
800年近くあるというほど石炭は沢山あるという事が分かっています
その次に天然ガスがある事もわかっている。石油もある。
そしてオイルシェール、タールサンドといっている現在はあまり使っていない資源もあるという事が
すでに分かっているわけです

そして私自身はこういう化石燃料と呼ばれている物が
いずれ枯渇してしまうから原子力だと思ったわけですが
原子力の資源であるウランは実はこれしかないのです
石油に比べても数分の一石炭に比べれば数十分の一しかないという大変貧弱な資源だったわけです

ただ、わたしがこれを言うと原子力を勧めてきた行政サイドの方がたは
「いや、それは違うんだ」と「そこに書いたのは核分裂性のウランの資源量だけを書いただろう」と
「実は自分達が原子力で使おうと思っているのは 核分裂性のウランではなくてプルトニウムなんだ」と言うわけです
つまり、非核分裂性のウランをプルトニウムに変換して使うからエネルギーとして意味がある事になるという事を言っているわけです

どういう事かと言うとこういうことです
まず、ウランを掘ってくるという事はどんな意味でも必要です
それを濃縮とか加工という作業を行って原子力発電所で燃やす
これは現在やっていることな訳です
しかしこれをいくらやったところで今聞いていただいたように原子力はエネルギー資源にはならないのです
そこで原子力を推進している人たちは実はこんなことではないと言っているわけですね

ウランはもちろん掘ってくるわけですけども
あるところからプルトニウムというものにして
高速増殖炉という特殊な原子炉を作ってプルトニウムをどんどん増殖していくと
それを再処理とかしながらぐるぐる核燃料サイクルで回しながらエネルギー源にするんだと言った訳です
で、最後は高レベル放射線廃物という大変厄介なゴミが出てきますので
それをいつか処分しなければならないという仕事を描いたわけです

ただプルトニウムという物質は地球上には一滴もありませんので
仕方ないので現在の原子力発電所から出てくるプルトニウムというのを再処理して
高速増殖炉を中心とする核燃料サイクルに引き渡すという。こういう構想を練ったわけです
しかし、この構想の一番中心は高速増殖炉にあるわけですが
この高速増殖炉は実はできないのです

日本の高速増殖炉計画がどのように計画されて破たんしていったかという事を
今からこの図に示そうと思います
横軸は1960から2010まで書いてありますが西暦です
何をこれから書くかと言うと原子力開発利用開発長期計画というものが出来た年度を横軸にしようと思います
縦軸の方は1980から2060まで数字が書いてありますが
これは、それぞれの原子力開発利用開発長期計画で
高速増殖炉が、いつ実用化できるかというふうに考えたという見通しの年度を書きます

原子力開発長期計画で一番最初に高速増殖炉に触れられたのは
第3回の長期計画1968年でした
その時の長期計画では高速増殖炉は1980年前半に実用化すると書いてあります
ところがしばらくしましたら、それは難しいという事になりまして
次の原子炉開発長期計画では1990年前後にならないと実用化できないというふうに書き換えられました
それもまた出来なくて、
5年経って改定された時には高速増殖炉は2000年前後に実用化すると書き換えたわけです
ところがこれもできませんでした
次の改定では2010年に実用化すると書きました。
これも出来ませんでした
次は2020年代に・・もう実用化ではありません技術体系を確立したいというような目標に変わりました
ところがこれもできませんでした
次には2030年に技術体系を確立したいということになった
では、次の長期計画でどうなったかというと・・
実は2000年に長期計画の改定があったのですが
とうとうこの時には年度を示す事も出来なくなりました
私は仕方ないのでここにばってんを付けました
そしてまた5年後に長期計画が改定されまして
こんどは原子力政策大綱という大仰な名前にかえて改定されましたが
その改定では2050年に1機目のの高速増殖炉をとにかく作りたいという計画になってきたわけです
みなさんこの図をどのようにご覧になられますでしょうか?
私はここに一本の線を引きました
どんどん目標が逃げていくという事がわかっていただけると思います
横軸も縦軸も一マスが10年で
この線は何を示しているかと言うと
10年たつと目標が20年先に逃げるということなのです
10年たって目標が10年先に逃げたら絶対にたどりつけません
それ以上ひどくて10年たつと20年先に目標が逃げているわけですから
永遠にこんなものにはたどり着けないと言う事を分からなければいけないと私は思います
ところがこういう長期計画を作ってきた原子力委員会というところ
あるいはそれを支えてきた行政は一切責任を取らないという事で今日まで来ている訳です

日本はもんじゅという高速増殖炉の原型炉だけにもすでに1兆円のお金を捨てしまいました
現在の裁判制度ですと1億円の詐欺をすると1年実刑になるんだそうです
では1兆円の詐欺をしたら何年の実刑をくらわなければいけないでしょうか
1万年です・・・
原子力委員会、原子力安全委員会あるいは経産省、通産省等々行政にかかわった人のなかで
もんじゅに責任のある人は一体何人いるのかは私はよく知りません
でも、仮に100人だとすれば
一人ひとり100年実刑を処さなければならないという
それほどの事をやってきて結局誰もいまだに、なんの責任も問わないままいるという
そんな事になっている
原子力の場と言うのは大変異常な世界だと私には思えます



次は今進行中の福島の事故のことについて一言申し上げます
皆さんご存じだろうと思いますけど
原子力発電とは大変膨大な放射能を取り扱うというそういう技術です
今ここに真っ白なスライドがありますが
左の下の方に今私は小さい四角を書こうと思います
書きました
これは何かと言うと広島の原爆が爆発した時に燃えたウランの量です
800グラムです
皆さんどなたでも手に持てるというその位のウランが燃えて広島の町は壊滅した訳です
では、原子力発電。この電気も原子力発電から来ているわけですけども
これをやるために一体どのくらいのウランを燃やすかと言うと
1つの原子力発電所が1年動くたびに1トンのウランを燃やすと・・
それほどの事をやっている訳です
つまりそれだけの核分裂生成物と言う放射性物質を作り出しながらやっているということになります


原発は機械です
機械が時々事故を起こしたり故障を起こしたりするのは当たり前のことです

原発を動かしているのは人間です
人間は神ではありません
時には誤りを犯す。あたりまえのことな訳です
私達がどんなに事故が起こって欲しくないと願ったところで
破局的事故の可能性は常に残ります
いつか起きるかもしれないという事になっている訳です
そこで、原子力を推進する人たちがどういう対策をとったかというと
「破局的事故は滅多におきない。そんなものを想定することはおかしい。
だから想定不適当と言う烙印を押して無視してしまうという事にしたのです
どうやって破局的事故が起きないかというと
これは中部電力のホームページから取ってきた説明の図ですけども
沢山の壁があると
放射能を外部に漏らさないための壁があると言っているのですが
このうちで特に重要なのは第4の壁というように書いてある原子炉格納容器というものです
巨大な鋼鉄製の容器ですけども
これがいついかなる時でも放射能を閉じ込めるという
そういう考え方にした訳です

原子炉立地指針と言うものがあって
その指針に基づいて重大事故、仮想事故というかなり厳しい事故を考えていると彼らは言うわけですけど
そういう事故では格納容器という放射能を閉じ込める最後の防壁は絶対に壊れないという
そういう仮定になってしまっているのです
絶対に壊れないなら放射能は出るはずないということになってしまいますので
原子力発電所はいついかなる時でも安全だと
放射能が漏れてくるような事故を考えるのは想定不適当
想定不適当事故という烙印を押して無視するという事にしたという訳です

ところが実際に破局的事故は起きて
今現在進行中です
大変悲惨な事が今福島を中心に起きているということは
多分皆さんご承知いただいている事だろうとおもいます

ただ、その現在進行中の事故にどうやって行政が向き合ってきているかということについても
大変不適切な内容が沢山あったと私は思っています
防災というものの原則は危険を大きめに評価してあらかじめ対策を取っておく
住民を守る。
もし、危険を過大に評価していたのだとすれば
あぁ、これは過大だった。でも住民に被害を与えなくて良かったと胸をなでおろす
それが防災の原則だと思いますが
実は、日本の政府がやってきた事は一貫して事故を過少評価して楽観的な見通しで行動してきました
国際事故評価尺度で当初レベル4だとかいう事を言って
ずっとその評価を変えない。
まぁレベル5といった事もありましたけど
最後の最後になってレベル7だと・・
あまりにも遅い対応の仕方をする
それから避難区域にし関しても
一番最初に3キロメートルの住民に避難指示を出す
これは「万一の事を考えての指示です」と言ったのです
しかし、しばらくしたら今度は10㎞の人達に避難指示を出しました
そのときも「これは万一の事を考えての指示です」と言ったのです
ところがそれからまた暫くしたら20㎞の人達に避難の指示を出す
その時も「これは万一の事を考えての指示です」
というような事を言いながら
どんどんどんどん、後手後手に対策がなっていったという経過をたどりました

わたしは、パニックを避ける唯一の手段と言うのは
正確な情報を常に公開するという態度だろうと思います
そして初めて行政や国が住民から信頼を受けるそ
してパニックを回避するのだと私は思ってきたのですが

残念ながら日本の行政はそうではありませんでした
常に情報を隠して危機的な状況でないという事を常に言いたがるという事でした
スピーディーという100億円以上のお金をかけて
25年もかけて築き上げてきた事故時の計算コード
それすらも隠してしまって住民には知らせないというような事をやったわけです

それから現在まだ続いていますが誰の責任かを明確にしないまま
労働者や住民に犠牲を強制しています
福島の原発で働く労働者の被ばくの限度量を引き上げてしまったり
あるいは住民に対して強制避難をさせる時の基準を
現在の立法府が決めた基準と全く違って引き上げてしまうというような事をしている
本当にこんな事をやっていていいのだろうかと、私は思います

現在進行中の福島の原発事故の本当の被害って
一体どれだけになるんだろうかと私は考えてしまうと途方にくれます
失われる土地というのは
もし現在の日本の法律を厳密に適用するなら
福島県全域と言ってもいい位の広大な土地を放棄しなければならなくなると思います
それを避けようとすれば住民の被ばく限度を引き上げるしかなくなりますけれども
それをすれば住民たちに被ばくを強制させるということになります
一次産業はこれからものすごい苦難に陥るだろうと思います
農業漁業を中心として商品が売れないという事になるだろうと思います
そして住民たちは故郷を奪われて生活が崩壊していくことになる筈だと私は思っております
東京電力に賠償をきちんとさせるという話しもありますけど
東京電力がいくら賠償したところで足りないのです
何度倒産しても多分足りないだろうと思います

日本国が倒産しても多分購いきれない程の被害が私は出るのだろうと思っています
本当に賠償するんならという事です

最後になりますが、ガンジーが7つの社会的罪という事を言っていて
彼のお墓にこれが碑文で残っているのだそうです
一番初めは
「理念なき政治」です
この場にお集まりの方々は政治に携わっている方ですので
充分にこの言葉をかみしめていただきたいと思います

その他沢山
「労働なき富」「良心なき快楽」「人格なき知識」
「道徳なき商業」
これは多分東京電力をはじめとする電力会社に私は当てはまると思います
そして
「人間性なき科学」
これは私も含めたいわゆるアカデミズムの世界が
これまで原子力に丸ごと加担してきたという事を私はこれで問いたいと思います

最後は
「献身なき崇拝」
宗教をお持ちの方はこの言葉もかみしめていただきたいと思います

終わりにします
ありがとうございました

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