2014年5月30日 報道ステーション
火山学者が「異論」、川内原発の審査基準 投稿者 kotetsu1111
鹿児島県のこの川内原発
これは「原発再稼働一番乗りじゃないか」って言われているところですね。
どうしてか?って言えば、簡単に言うとつまり、
地震とか津波、その想定をクリアしていると。
で、比較的、活断層のことも心配しなくていいんじゃないかというふうに言われているところなんですが、
しかしここからですね、
一方でこちらをご覧ください。

ピンクで囲ってありますが、桜島も一部入るんですが、姶良カルデラといいます。
カルデラですから、火山活動で出来た大きな窪地が海底、その底に眠っているという事になります。
これは地元の方々には恐縮なんですが、あえて言いますと、
万が一、もしこの姶良カルデラが爆発したことを想定した時に、
火砕流の流れを含めて川内原発に影響は?と。
このあたりの視点で今日は問題を見ていきます。
火山学者が異論
川内原発の調査基準
鹿児島市吉野町

すごいですね。
鹿児島大学 井村隆介準教授

井村:
そうですね、ここからは桜島が目前に見えます。
で、桜島の噴火というのを私たちは普段鹿児島に住んでいると意識しているんですけれども
実は川内原発に影響を及ぼすような大規模カルデラ噴火というのは、
この桜島の北側に広がる、この錦江湾全体ですね。

桜島の周囲に広がる錦江湾。
その海底は巨大な窪地になっていて、実は姶良カルデラという巨大火山だ。
直径は20km。
桜島より遥かに大きい。

この姶良カルデラはおよそ3万年前に日本で最大規模の巨大噴火を起こし、
大規模な火砕流が南九州一帯を覆った。

井村隆介準教授:
火砕流というのは火山灰とか火山ガスがですね、数100度という温度を持って
ここから、そうですね半径80kmぐらいの間に広がったので、
南九州の動物植物は全て死に絶えてしまった。
完全に想像を超えるような、そういう噴火が起こるんだという事ですよね。

姶良カルデラは今も活動中だ。
前回噴火した際、現在川内原発があるところまで火砕流が到達したと井村氏は考えている。
我々は火砕流の現場に向かった。
もし原発を火砕流が襲えば、その被害は甚大なものとなる。
川内原発から2.8kmの地点
井村:これが全部シラスの壁になります。
Q:火砕流の跡?

井村:
ええ、火砕流の、という事になります。
一見固いんですけど、サラサラしていますね。
だから白っぽくてシラスって言うふうに言われる訳ですね。
3万年前に姶良カルデラから出たものですね。
全体としては5mからまださらに下に10m近くあるんじゃないかなというふうに思います。

原子力規制委員会が去年作った新規制基準には火山の影響も盛り込まれている。
例えば噴火による火砕流が原発敷地内に到達する可能性がある場合は「立地不適」とされている。
これまで九州電力は「火砕流の痕跡は近くまで来ているが川内原発敷地内にはない」としてきた。
しかし、3月19日

九州電力担当者:
当社としては破局的噴火が発生した場合には敷地への影響があるという事で、モニタリングの評価対象としております。
「火砕流が原発敷地内に及ぶ可能性がある」ということだ。
そうなると新基準では「立地不適」となるかと思えば、そうはならなかった。

井村:
彼等(九州電力)は「もう数万年に1回だから稼働中には起こりません」というふうに持っていっちゃっている。
その議論の仕方がとても粗いというのが火山学者としての見方ですね。

九電は「川内原発の運用期間中、つまり50年程度の期間に姶良カルデラが噴火する可能性は十分低い」と評価し、
規制委員会もそれを認めたために「立地不適」にはならなかったのだ。
井村氏は「50年ほどの間に噴火しないとは科学的には言えない」と言う。
そして新基準では、地震の影響は10数万年レベルで検証しているのに、
火山は数万年レベルの事すら考慮されないのはおかしいと言う。
結局、規制委員会は「火山について、川内原発の運転には影響がない」とし、
あとは、噴火の前兆をモニタリングし、全長を把握した際対策をとればよいとした。
これについても多くの火山学者から異論が出ている。
我々は国内の多くの火山学者にアンケートを行った。
「運転に影響がない」という規制委員会の判断が妥当としたのは、回答を寄せた35人のうち5人。
6割以上が「妥当でない」と回答した。
さらに巨大カルデラの噴火の前兆を捉えることは可能か?との問いには
可能としたのは9人で、半数は可能ではないとした。
その中の火山学者の声
火山学会の中に設置された原子力問題対応委員会の石原委員長は、
日本火山学会 原子力問題対応委員会 石原和弘委員長

石原:非常に火山活動の予測・評価に関して、非常に楽天的な方法とかが示してあるのがちょっと驚きでしたね。
Q:現時点で50~60年先の噴火の可能性を完全に言い切ることはやっぱり難しいですか?
石原:
そうですね。
50年100年となってくると、これはやはりどんな状況になるのかというのは、見当がつきませんよね。
火山の場合は、噴火のたびに前兆なり、噴火に至るまでのプロセス、
それから噴火の様式が変わるということでね、
カルデラというのはほとんど多くの火山が海底にある。
そこの観測というのは、まだ本当にほとんどなされていない。
火山噴火予知連絡会 藤井敏嗣会長

藤井:
原発が稼働している期間内に噴火があるかどうかという判断すら難しいのに、
それがいかにもできるように書いてある事がまずおかしいと思いますし、
今は、(火山噴火の)中長期の予知というのは出来ないんですよ。
それが規則正しく100年とか150年おきに起こるわけではなくて、
非常に長い期間休んでいて、突然活発になってそれからしばらく数100年間盛んになったりとかですね、
そうするのが普通ですから、
過去のものを調べて統計的に頻度から次の噴火を予測するっていう事は、
今はその手法は確立していないんです。

我々は火山学者の声を規制委員にぶつけた。
多くの火山学者が疑問を持つ、川内原発の火山についての審査
規制委員会のトップに質問をした。
原子力規制委員会2014年5月28日
テレビ朝日 村田卓:
火山噴火予知連の藤井会長が、
「姶良カルデラが川内原発の運用期間中に破局的噴火を起こさないと断言できない」と我々の取材に答えていますし、
また「モニタリングでは破局的噴火かどうかの兆候は判断できない」というふうに異論を唱えています。
火山噴火予知連の中心人物がこのように異論を唱えている中で、
川内原発のカルデラの火山影響評価についての審査はこのまま進むのでしょうか?

原子力規制委員会 田中俊一委員長:
カルデラ噴火についての研究はふじゅう、あのー、データとか研究は十分ではないという事は事実だと思います。
最近の研究によりますと、ようするに、カルデラ噴火の場合には、
噴火の数10年前くらいから、マグマの大量の蓄積が起こる、という事です。
当然その、地殻変動とかなんかっていう事が、あの、検知できるというふうに判断されていまして、
もうひとつの疑問。
規制委員が審査のよりどころとする火山のガイドラインがこのままでいいのか?
このガイドラインが既成の公式の会合では去年専門家の意見として東大の中田教授の見解を聞いただけで作られた。
その中田教授は
東大地震研究所 火山噴火予知研究センター 中田節也教授

中田:
大きな噴火でも予兆が出ることは間違いないんですけど、
「それが数年前に分かるか」って言われると、まず「不可能」であろうと
モニタリングさえやれば何でも分かるんだという形でまとめられた気がするので、
その辺は不本意であったという気がしますね。
関わった学者も「不本意」としているのだ。
テレビ朝日:この火山影響評価ガイドを見直す、あるいは記載を変えるような考えがおありなのか?

田中俊一:
必要があればそういう評価ガイドの改訂とかそういうこともあろうかもしれませんけど、
現在の時点で、あのー、今のガイドラインを変えるという必要はないと思います
こう否定したが規制委は巨大カルデラ噴火に関する基準を新たに作るために調査を始めた。
しかし、姶良カルデラは過去のデータが少ないなどの理由で、調査対象とされていない。
古舘:これでいい訳ではないという事をひしひしと感じるんですよね、古賀さん見解をお願いします。

古賀茂明 元経産官僚:
そうですね、これ、
規制委員が厳しいとか、島崎委員が厳し過ぎるとかよく聞くんですけれども、
私はこれを客観的に見れば間違いだと思うんですね。
むしろ日本の規制委員会、あるいは島崎さんでさえ、むしろ甘いというふうに私は見ています。
で、構造的に問題がありまして、アメリカだったらたとえばちょっとでも危なければ規制側が
「もう危ないからやめたら」と言うんですね。
そうすると、やめて諦めるか、電力会社がですね。
あるいは規制委員会をなんとかして説得しようという事でありとあらゆる証拠を出さなければいけません。
それでも説得できなければもう諦めるしかないんですね。
ところが日本の方がなんか逆になっていまして、
電力会社が「大丈夫だ」で、規制委員会が「危ないんじゃないの」って言うとですね、
電力会社の方がものすごく批判を始めるんですね。
「おかしい!規制委員会って厳し過ぎるじゃないか」って。それも電力会社だけじゃなくて、
自民党の族議員とか経団連とかが「ワーーーッ!」と言って批判をする。
そうすると今度規制委員会はですね、現地まで出かけて行って、
穴掘ったり削ったりして一生懸命危険だっていう事を証明するための作業をしているという。
立証政権が完全に逆転されているんですね。
その、政治家が専門家を批判しているなんていうのは信じられない状況で、
そんな中では、果たして客観的に検査って出来ているのか?と。
むしろ信用できないんじゃないかっていう事になっちゃうと思うんですね。
この状況はすぐに変えないといけないと思います。
古舘:どうしたらいいか?っていう。
古賀:
そうですね、それからもうひとつ非常に重要なことは、
電力会社は「経営が苦しいから電気料金を値上げするぞ」とか、「原発動かさないなら」と脅かしを始めていますけれど、
これはすごくおかしくって、
というのは、元々原発を選んだのも、あるいは原発にこんなに依存したのも、全部電力会社の選択なんですね。
沖縄電力はそんなことしませんでした。
北陸電力もほんのちょっとしかしませんでした。
ところがいま、あまりにも依存し過ぎたために経営が厳しくなっている。
それから、「急に安全の基準が厳しくなった」と言ってますけど、
実は世界中ではもうとっくに厳しくなっていて、
電力会社は全部分かっていたのにそれを真面目に対応しなかった。
で、今ごろになって「大変だ」って言っていると。
さらに「審査が遅い」と言っていますけれども、
実は規制委員会が「東日本大震災が起きたんだから地震の大きさを見直したらどう」とこう言ったのに対して、
みんなでですね、「そんなの無視しよう」と言って、ずーっと無視していたために審査が遅れちゃった。
全部電力会社の責任で、いま苦しいところに追い込まれているんですね。
そうなのに、「今苦しいから全部消費者の方に転嫁します」と、
「みなさん値上げを認めて下さい」とこういうふうになっているので、この値上げは絶対に許しちゃいけない。
で、まず、責任を取ってもらうのは電力会社
電力会社に責任を取ってもらうっていうのは、経営者に退任してもらうとか、あるいは株主はもう株は紙切れになる。
あるいは銀行は貸付責任を取って債権をカットすると、そういう責任を全部取ってもらって、
どうしても足りないというのだけは消費者が負担すると。
ま、これは言ってみれば破たん処理みたいなものなんですけど、
別に破たんと言っても電力会社が無くなるわけでもないし、電力が供給できなくなる訳じゃなくて、
ま、JALみたいにですね、破たん処理すると、
身軽になって、飛行機は飛ぶし、なんの問題もなく事業は継続する。
電力会社の場合も電力は供給されるし、消費者はそれによって値上げを回避できるというですね、
そういう道を探るべきであって、
なんにもだれも責任を取らないまんま消費者に転嫁するというのは絶対にやめてほしいなと思いますね。
古舘:そうですねぇ。
川内原発と火山
<川内原発と火山>「まず再稼働!それから考えよう」って・・・
<川内原発と火山>
椎名毅議員(結いの党)「破局的噴火はこれから6万年は来ない」と基準に取り込むようお願いしたい。
4/24衆議院原子力問題特別委員会・田中委員長(文字起こし)
<川内原発と火山>
「川内原発というのは桜島と霧島を心配しているだけじゃダメなんだ」
広瀬隆氏4/18鹿児島(文字起こし)いろいろ参考資料あり
火山学者が「異論」、川内原発の審査基準 投稿者 kotetsu1111
鹿児島県のこの川内原発
これは「原発再稼働一番乗りじゃないか」って言われているところですね。
どうしてか?って言えば、簡単に言うとつまり、
地震とか津波、その想定をクリアしていると。
で、比較的、活断層のことも心配しなくていいんじゃないかというふうに言われているところなんですが、
しかしここからですね、
一方でこちらをご覧ください。

ピンクで囲ってありますが、桜島も一部入るんですが、姶良カルデラといいます。
カルデラですから、火山活動で出来た大きな窪地が海底、その底に眠っているという事になります。
これは地元の方々には恐縮なんですが、あえて言いますと、
万が一、もしこの姶良カルデラが爆発したことを想定した時に、
火砕流の流れを含めて川内原発に影響は?と。
このあたりの視点で今日は問題を見ていきます。
火山学者が異論
川内原発の調査基準
鹿児島市吉野町

すごいですね。
鹿児島大学 井村隆介準教授

井村:
そうですね、ここからは桜島が目前に見えます。
で、桜島の噴火というのを私たちは普段鹿児島に住んでいると意識しているんですけれども
実は川内原発に影響を及ぼすような大規模カルデラ噴火というのは、
この桜島の北側に広がる、この錦江湾全体ですね。

桜島の周囲に広がる錦江湾。
その海底は巨大な窪地になっていて、実は姶良カルデラという巨大火山だ。
直径は20km。
桜島より遥かに大きい。

この姶良カルデラはおよそ3万年前に日本で最大規模の巨大噴火を起こし、
大規模な火砕流が南九州一帯を覆った。

井村隆介準教授:
火砕流というのは火山灰とか火山ガスがですね、数100度という温度を持って
ここから、そうですね半径80kmぐらいの間に広がったので、
南九州の動物植物は全て死に絶えてしまった。
完全に想像を超えるような、そういう噴火が起こるんだという事ですよね。

姶良カルデラは今も活動中だ。
前回噴火した際、現在川内原発があるところまで火砕流が到達したと井村氏は考えている。
我々は火砕流の現場に向かった。
もし原発を火砕流が襲えば、その被害は甚大なものとなる。
川内原発から2.8kmの地点
井村:これが全部シラスの壁になります。
Q:火砕流の跡?

井村:
ええ、火砕流の、という事になります。
一見固いんですけど、サラサラしていますね。
だから白っぽくてシラスって言うふうに言われる訳ですね。
3万年前に姶良カルデラから出たものですね。
全体としては5mからまださらに下に10m近くあるんじゃないかなというふうに思います。

原子力規制委員会が去年作った新規制基準には火山の影響も盛り込まれている。
例えば噴火による火砕流が原発敷地内に到達する可能性がある場合は「立地不適」とされている。
これまで九州電力は「火砕流の痕跡は近くまで来ているが川内原発敷地内にはない」としてきた。
しかし、3月19日

九州電力担当者:
当社としては破局的噴火が発生した場合には敷地への影響があるという事で、モニタリングの評価対象としております。
「火砕流が原発敷地内に及ぶ可能性がある」ということだ。
そうなると新基準では「立地不適」となるかと思えば、そうはならなかった。

井村:
彼等(九州電力)は「もう数万年に1回だから稼働中には起こりません」というふうに持っていっちゃっている。
その議論の仕方がとても粗いというのが火山学者としての見方ですね。

九電は「川内原発の運用期間中、つまり50年程度の期間に姶良カルデラが噴火する可能性は十分低い」と評価し、
規制委員会もそれを認めたために「立地不適」にはならなかったのだ。
井村氏は「50年ほどの間に噴火しないとは科学的には言えない」と言う。
そして新基準では、地震の影響は10数万年レベルで検証しているのに、
火山は数万年レベルの事すら考慮されないのはおかしいと言う。
結局、規制委員会は「火山について、川内原発の運転には影響がない」とし、
あとは、噴火の前兆をモニタリングし、全長を把握した際対策をとればよいとした。
これについても多くの火山学者から異論が出ている。
我々は国内の多くの火山学者にアンケートを行った。
火山学者へのアンケート(34人が回答)
Q.「川内原発の運転に影響がない」とした規制委員会の判断は妥当か?
Yes 5人
No 21人
その他 8人
Q.巨大カルデラの噴火の前兆を捉えることは可能か?
Yes 9人
No 17人
その他 8人
「運転に影響がない」という規制委員会の判断が妥当としたのは、回答を寄せた35人のうち5人。
6割以上が「妥当でない」と回答した。
さらに巨大カルデラの噴火の前兆を捉えることは可能か?との問いには
可能としたのは9人で、半数は可能ではないとした。
その中の火山学者の声
火山学会の中に設置された原子力問題対応委員会の石原委員長は、
日本火山学会 原子力問題対応委員会 石原和弘委員長

石原:非常に火山活動の予測・評価に関して、非常に楽天的な方法とかが示してあるのがちょっと驚きでしたね。
Q:現時点で50~60年先の噴火の可能性を完全に言い切ることはやっぱり難しいですか?
石原:
そうですね。
50年100年となってくると、これはやはりどんな状況になるのかというのは、見当がつきませんよね。
火山の場合は、噴火のたびに前兆なり、噴火に至るまでのプロセス、
それから噴火の様式が変わるということでね、
カルデラというのはほとんど多くの火山が海底にある。
そこの観測というのは、まだ本当にほとんどなされていない。
火山噴火予知連絡会 藤井敏嗣会長

藤井:
原発が稼働している期間内に噴火があるかどうかという判断すら難しいのに、
それがいかにもできるように書いてある事がまずおかしいと思いますし、
今は、(火山噴火の)中長期の予知というのは出来ないんですよ。
それが規則正しく100年とか150年おきに起こるわけではなくて、
非常に長い期間休んでいて、突然活発になってそれからしばらく数100年間盛んになったりとかですね、
そうするのが普通ですから、
過去のものを調べて統計的に頻度から次の噴火を予測するっていう事は、
今はその手法は確立していないんです。

我々は火山学者の声を規制委員にぶつけた。
多くの火山学者が疑問を持つ、川内原発の火山についての審査
規制委員会のトップに質問をした。
原子力規制委員会2014年5月28日
テレビ朝日 村田卓:
火山噴火予知連の藤井会長が、
「姶良カルデラが川内原発の運用期間中に破局的噴火を起こさないと断言できない」と我々の取材に答えていますし、
また「モニタリングでは破局的噴火かどうかの兆候は判断できない」というふうに異論を唱えています。
火山噴火予知連の中心人物がこのように異論を唱えている中で、
川内原発のカルデラの火山影響評価についての審査はこのまま進むのでしょうか?

原子力規制委員会 田中俊一委員長:
カルデラ噴火についての研究はふじゅう、あのー、データとか研究は十分ではないという事は事実だと思います。
最近の研究によりますと、ようするに、カルデラ噴火の場合には、
噴火の数10年前くらいから、マグマの大量の蓄積が起こる、という事です。
当然その、地殻変動とかなんかっていう事が、あの、検知できるというふうに判断されていまして、
もうひとつの疑問。
規制委員が審査のよりどころとする火山のガイドラインがこのままでいいのか?
このガイドラインが既成の公式の会合では去年専門家の意見として東大の中田教授の見解を聞いただけで作られた。
その中田教授は
東大地震研究所 火山噴火予知研究センター 中田節也教授


中田:
大きな噴火でも予兆が出ることは間違いないんですけど、
「それが数年前に分かるか」って言われると、まず「不可能」であろうと
モニタリングさえやれば何でも分かるんだという形でまとめられた気がするので、
その辺は不本意であったという気がしますね。
関わった学者も「不本意」としているのだ。
テレビ朝日:この火山影響評価ガイドを見直す、あるいは記載を変えるような考えがおありなのか?

田中俊一:
必要があればそういう評価ガイドの改訂とかそういうこともあろうかもしれませんけど、
現在の時点で、あのー、今のガイドラインを変えるという必要はないと思います
こう否定したが規制委は巨大カルデラ噴火に関する基準を新たに作るために調査を始めた。
しかし、姶良カルデラは過去のデータが少ないなどの理由で、調査対象とされていない。
古舘:これでいい訳ではないという事をひしひしと感じるんですよね、古賀さん見解をお願いします。

古賀茂明 元経産官僚:
そうですね、これ、
規制委員が厳しいとか、島崎委員が厳し過ぎるとかよく聞くんですけれども、
私はこれを客観的に見れば間違いだと思うんですね。
むしろ日本の規制委員会、あるいは島崎さんでさえ、むしろ甘いというふうに私は見ています。
で、構造的に問題がありまして、アメリカだったらたとえばちょっとでも危なければ規制側が
「もう危ないからやめたら」と言うんですね。
そうすると、やめて諦めるか、電力会社がですね。
あるいは規制委員会をなんとかして説得しようという事でありとあらゆる証拠を出さなければいけません。
それでも説得できなければもう諦めるしかないんですね。
ところが日本の方がなんか逆になっていまして、
電力会社が「大丈夫だ」で、規制委員会が「危ないんじゃないの」って言うとですね、
電力会社の方がものすごく批判を始めるんですね。
「おかしい!規制委員会って厳し過ぎるじゃないか」って。それも電力会社だけじゃなくて、
自民党の族議員とか経団連とかが「ワーーーッ!」と言って批判をする。
そうすると今度規制委員会はですね、現地まで出かけて行って、
穴掘ったり削ったりして一生懸命危険だっていう事を証明するための作業をしているという。
立証政権が完全に逆転されているんですね。
その、政治家が専門家を批判しているなんていうのは信じられない状況で、
そんな中では、果たして客観的に検査って出来ているのか?と。
むしろ信用できないんじゃないかっていう事になっちゃうと思うんですね。
この状況はすぐに変えないといけないと思います。
古舘:どうしたらいいか?っていう。
古賀:
そうですね、それからもうひとつ非常に重要なことは、
電力会社は「経営が苦しいから電気料金を値上げするぞ」とか、「原発動かさないなら」と脅かしを始めていますけれど、
これはすごくおかしくって、
というのは、元々原発を選んだのも、あるいは原発にこんなに依存したのも、全部電力会社の選択なんですね。
沖縄電力はそんなことしませんでした。
北陸電力もほんのちょっとしかしませんでした。
ところがいま、あまりにも依存し過ぎたために経営が厳しくなっている。
それから、「急に安全の基準が厳しくなった」と言ってますけど、
実は世界中ではもうとっくに厳しくなっていて、
電力会社は全部分かっていたのにそれを真面目に対応しなかった。
で、今ごろになって「大変だ」って言っていると。
さらに「審査が遅い」と言っていますけれども、
実は規制委員会が「東日本大震災が起きたんだから地震の大きさを見直したらどう」とこう言ったのに対して、
みんなでですね、「そんなの無視しよう」と言って、ずーっと無視していたために審査が遅れちゃった。
全部電力会社の責任で、いま苦しいところに追い込まれているんですね。
そうなのに、「今苦しいから全部消費者の方に転嫁します」と、
「みなさん値上げを認めて下さい」とこういうふうになっているので、この値上げは絶対に許しちゃいけない。
で、まず、責任を取ってもらうのは電力会社
電力会社に責任を取ってもらうっていうのは、経営者に退任してもらうとか、あるいは株主はもう株は紙切れになる。
あるいは銀行は貸付責任を取って債権をカットすると、そういう責任を全部取ってもらって、
どうしても足りないというのだけは消費者が負担すると。
ま、これは言ってみれば破たん処理みたいなものなんですけど、
別に破たんと言っても電力会社が無くなるわけでもないし、電力が供給できなくなる訳じゃなくて、
ま、JALみたいにですね、破たん処理すると、
身軽になって、飛行機は飛ぶし、なんの問題もなく事業は継続する。
電力会社の場合も電力は供給されるし、消費者はそれによって値上げを回避できるというですね、
そういう道を探るべきであって、
なんにもだれも責任を取らないまんま消費者に転嫁するというのは絶対にやめてほしいなと思いますね。
古舘:そうですねぇ。
川内原発と火山
<川内原発と火山>「まず再稼働!それから考えよう」って・・・
<川内原発と火山>
椎名毅議員(結いの党)「破局的噴火はこれから6万年は来ない」と基準に取り込むようお願いしたい。
4/24衆議院原子力問題特別委員会・田中委員長(文字起こし)
<川内原発と火山>
「川内原発というのは桜島と霧島を心配しているだけじゃダメなんだ」
広瀬隆氏4/18鹿児島(文字起こし)いろいろ参考資料あり
危ない!川内原発「鹿児島の皆さん本当の事を知って下さい」 広瀬隆氏
2014年4月18日 文字起こしブログ
<鹿児島2区>広瀬隆さん4/18ありかわ美子候補4/19(文字起こし)
徳田毅前衆院議員の辞職による鹿児島2区衆院議員補選
<川内原発と放射能汚染>
「川内原発で事故があった場合はこういうふうに流れる。つまり日本は終わる」
広瀬隆氏4/18鹿児島(文字起こし)
<川内原発と火山>
「川内原発というのは桜島と霧島を心配しているだけじゃダメなんだ」
広瀬隆氏4/18鹿児島(文字起こし)いろいろ参考資料あり
<川内原発の断層と地質>
「そこに川内原発を建設するとは尋常な神経ではない」 広瀬隆氏4/18鹿児島(文字起こし)
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