<原子力補償条約>「我が国のメーカーが海外にプラントを輸出する場合に原子力事故の責任を免除する」7/1後藤政志氏(文字起こし)

「原子力賠償条約」について   後藤政志氏

2014年7月1日
皆さんこんにちは、後藤政志です。
今日は原発事故免責という内容で、
東京新聞に実は6月30日、1日前です、昨日ですね。
昨日の新聞の1面に出た記事です。
これを元にですね、ちょっとお話をさせていただきます。

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内容が非常に、タイトルを見ていただくと分かるんですけれど、
政府が加盟を目指しています「原子力補償条約」というものですけれども、
正確には「原子力損害の補完的補償に関する条約」という、略称「CSC」と言っています。

それにこの秋に政府が加盟するという動きがあるという事なんですね。
その意味するところが非常に気になりましたので、ちょっとお話をさせていただきます。
内容は、そもそもこれは米国が中心になって
米国とアルゼンチン、それからモロッコ、ルーマニアの4カ国がすでに加盟しています。
ただ、これはカナダの加盟の話もあるみたいなんですが、
実は日本に、民主党政権時代から加盟のお誘いがあって、
ただこの条約は制限があって5カ国以上。
それと熱出力でトータル5億キロワット以上の原発、合計の出力ですね、熱出力で。
という制限があるんですね。
実はカナダが入ったとしても足りないらしいですね。
で、「日本に是非入って欲しい」と、ま、そんな意味背景はそんな事らしいです。

原子力事故の免責
ただですね、この持っている意味が非常に問題です。
政府が何を言っているかと言いますと、
この条約に加盟する意義をハッキリ言っています。
その一番大切な話が、
我が国のメーカーが海外にプラントを輸出する場合に原子力事故の責任を免除する
「免除される」と。
そういう事がこれの一番大きな意味だと思います。

他にもあと4つばかり並べておりますけれども、
一番とにかく問題なのは「事故の時に免責される」という事が真っ先に来るんですね。
そうすると、日本の場合には原発を輸出するのは道義的に
福島の事故があって、それをそのままにして原発を輸出することは
道義的に許されないだろうというふうに考えるところもある
んですけれども、
それをわざわざ免責してしまうということですね。
これは非常に問題があるというふうに思います。

それで「免責する」という事は、
本来ならば福島のような事故が起こった時にどういうふうな責任を取るかというのは、
今まさに原発訴訟に、メーカー訴訟まで含めてですね、
いろんなところが訴訟を起こしているところがあります。
被害を受けている人々が電力会社とかメーカーに対して訴訟を起こすという動きが、
少しずつ今流れがあるんですね。

それが何を意味しているかと言うと、
あれだけ大規模な事故を起こしておいて、だれも責任を取らないというのは本当ですか?
という、ごく当たり前の市民感情から来ています。

これはいろんな事故の時に、たとえばJR西日本の鉄道の事故の時にですね、
当事者はともかくその企業の責任を問うという動きがあったんですね。
で、訴訟が起こっているんですけれども、
結局最終的には全部責任を逃れる形になってしまって、
それは何故かというと、個々人の責任を問いますと、
その人はその立場で、たとえば事故の予見は出来たか?そういう事になるわけですね。
そうすると一人一人を見ていくといろんな逃げを打っていく訳です。
私はこの事は知らなかったとか、関与の仕方がこうだとか、

そうするとたとえば福島の事故だったら東京電力があって、多くの人がかかわっていますよね。
それが、会長がいて社長がいて福島のサイトの所長がいてとか、
それぞれの役割の人がいるんですね。
それを、一人一人の事を見ていくと、それぞれ部分的には役割を果たしているのは当然だけど、
「その人がこういうミスをしてこうだから事故になった」というのはなかなか言えないですよね。
それは当然なんですよ。

そうするとこれだけの大規模な事故だと「みんなでやった」という事になるわけですよ。
決定的に予見、なにかが、
事故が起こることが分かっていたじゃないかということが証明されない限り免責になる、という、
そういう構造になっちゃっているんです。

それは非常に問題で、そういうやり方をなんとかしなきゃいけないというのが、
法律の学者の中にもそういう事を一部言っている人がいるんですね。
「責任を追及すべきである」
私も事故そのものを直接的な担当者の責任という事はあまり、そういう事は重視しない方なんですけれども、
構造的に起こった事故と言いますか、それに対する責任というのはきちんとしないと再発防止にならない、
というふうに思っているんですね。

それで今一つ話を飛ばしましたけれども、
ひとつ話を戻しまして、
今回の条約の加盟の意義というのを今の事故の時の免責というのがありました。

1カ国70億の補償金
それだけではなくて、
事故の時には加盟している各国から1カ国当たり70億円の事故の時に対する補償が出てきます。
ですから、「日本で原発事故が仮に起これば各国から70億円補償が入ってくる」と、そういう事を言っているんです。
ですけど、ご存じのように原発の事故というのは70億って・・・、桁が何桁も違う。
数兆円で済めばいいですよ。
数兆円で済むのは難しいですね。
数10兆になる可能性すらあります、トータル積算していくとね。
そういう事故の規模。
あるいは一番最初福島は、一番最初にポーンと出た数字で200兆ですよ。
最大被害を受けると200兆ぐらい行くんじゃないかという、そういう試算も会った位です。
そうするとそれに対して70億円ですか、10カ国あったって700億円ですね。
100カ国だって7000億円でしょ。
桁が違う訳ですね。
そんなものを補償だって言っているのは詭弁なんですね。

またもうひとつは「国際的に賠償する条約に未加盟というのは非常に不都合だ」と。
「だからそれを解消したい」。
で、「今回これに加盟する」という事を言っているんですね。

これもなんていうんですか、内容が内容ですから、形の上だけで入って、
しかも自分たちは免責される側になるんだ、むしろですね輸出する。
そういう構造を持っていますから、この意味合いというのは
私は福島の事故を出した日本の国でありメーカーの立場としては、これは非常に無責任だというふうに思っています。


米国からの要請
それからもうひとつあるんですけれども、
「米国からの強い要請があってそれに答える」と言っているんですね。
つまり米国の顔色をうかがっているんです。
これもまたおかしな話であって、
そもそも原発事故に関して、今回の福島の事故で言えば東京電力がけしからんという事もありますけれども、
そもそも原発の事故なんてシステムの大きなプラント事故ですから、
運用がどうこうというよりは、もっと基本的な設計がいけなかったとか、
そもそもの脆弱性とかそういう事が関わるわけですから、
当然、東京電力があるところに関わったのは当然ありますが、
もっと根本的にはGEとか東芝・日立がその問題に少なくともまずコミットしなければいけない。
関わらなければいけない。
事故原因の究明がそうなんですね。

事故の原因究明
ですからこの問題は何が問題かと言いますと、
「福島の事故原因はなぜだれも責任を取っていないか」というのが根底にあります。
それは想定外の津波が来て、それで事故の予見、可能性予見が出来なかった、想定外だったと。
こういうシナリオにしているんですね。
そうすると実は地震か津波かという話に関しましても、
津波が来る前に地震で損傷しているところがあるために、一部機能しなかった可能性があるところがあっても、
それは証拠が無いから分からないという事だったんですね。

その事を問わないまま物証、つまり物的な証拠がありませんから、
今でもプラントの中に立ち入れないですからね、そんなに。
そうすると、どういうふうに壊れてどうなったか分からないままに、原因はもう分かったことにしている訳ですね。
これは非常に非科学的なんです。


たとえば航空機事故などがあったら、部品の1個1個を海の中をさらっても引き上げてきて調べるんですね。
それで初めて「あ、こういうメカニズムで壊れた」という理論がそういう物的に証明されるんです。
原発においては全くそれをやっていないんです。
単にシュミレーションでやったことから、多分こういうふうにしてメルトダウンしたんだろう。
こうなってこういうふうに融けていってこうなったんだろう。
じゃあどこに溶融物があるんですか?
それすら分からないんでしょ?
犯人がどこにいるか分からないまま被疑者不詳でやられているだけで、というのが現実ですね。
これは非常に問題だと思います。

それからもうひとつは、
事故原因解明のための全調書。朝日新聞で出ていましたね、
吉田所長の書簡なるものが一部ヒアリング(吉田調書)
それが公開されていなかったっていう、朝日新聞が出していましたけど、
で、ああいうヒアリングした内容ですとか、事故調査委員会が調べた内容というのは、
非常に重要な一証拠なんですね。
それを本人がいいとか悪いとか、プライバシーの問題で言うレベルじゃないです、ハッキリ言って。
私はそれはよほどのことがなければ出す義務があると思います、道義的に。
福島の事故に関わった問題に対してですね、
これはプライバシーにかかわるなんていう事を持ってね、話が出来ないあるいは出てこないという事になると、
事故原因が究明できなくなる。
これは、私は、そのしゃべった人の責任を追及する意味じゃなくて、
事故原因を究明するために絶対にそれはしゃべるべきだと思います。
罪を問うんじゃなくて、その中身をちゃんと調べる。
それが絶対に必要です。

<政府事故調 吉田調書>
「3号機の格納容器の圧力異常上昇を報道機関に流すのを止められた」
5/21報道ステーション(内容書き出し)



それともうひとつはデータです。
これは木村俊雄さん、東京電力のね、木村俊雄さん。
彼が元技術者ですけど、「データがちゃんと出ていない」と言って、
「コンピューターデータを出せ」と言って、
彼は東京電力が出してきたデータを彼なりに解釈していろいろ質問している。

格納容器の蓋さえも開いていない状況で、 「安全だ、妥当だ」ってよく言えるもんだよね
「原発再稼働わたしはこう思う」木村俊雄氏元東電社員4/3(動画・内容書き出し)



で、そういうプロセスが行われていないんです、いまだに。
そういう事が開示されていない。
つまり、事故に対するいろんな聞き取り調査とか、
直接かかわった人の、吉田さんの証言だとか、
そういう事をリアルにちゃんと見ないでおいて、問題がなにかなんてわかる筈ないんです。
またデータも、コンピューターのデータをちゃんと出さないでおいて、
非常に粗いデータだけ。
コンピューターのデータは非常に細かい、時間が短い分析ができるので詳細が分かるんですね。
そこの事を分析せずに事故原因が分かったとするのは、言い過ぎなんですね。

ですから私もそれがないと全く分からないまでは言いませんけど、
それは当然のこととしてやらなければいけないということ。


企業秘密
さらにもうひとつ言います。
今規制基準の審査に入っていますけれども、各原発で。
あの中でたとえば、圧力容器の圧力が上がったので、安全弁をふかします。
その安全弁は何気圧でふくかというのは、白塗りになっている。
つまりデータを出していないんです。
安全にかかわるデータがいっぱい白塗り黒塗りになっているんです。
これは考えられないんです。
これはね、企業秘密だそうです。


何を言っているんですか、あれだけの事故を起こしておいて。

その性能はなんだ、これは企業秘密だと。
物事の軽重というか、重要な事と大したことがないことの重みがみんな分からないんですよ。
特にマスコミの人達。
全くこれはおかしいと思いますよ。
こんなことを許していたら事故なんか防げるはずがありません。

審査も、
今規制委員会がやっている審査ですね、
そのデータを開示しなくてもいいなんていう事を何であれ許しているんですかね?規制委員会は。
出させるべきです、全部。

出ないと、規制委員会には出していると思うんですよ、もちろん数字は。
ですけど他の人には見えない訳ですよ。
そうだと、規制委員会のある一部の人達がみて、それでもしそれに対して違う考えとか何かがあったら、
他の人から本来だったら「それは違うんじゃないか」とか本当だったら出てくるんですね。
私も気が付いたらそこで言いたい事があるわけです。
ところが、そういうデータを出さない訳ですね。
これは非常にひどい話です。
事故を、私に言わせると隠蔽していると言ってもいい位ですね。

それから、そもそも東京電力がどこまで事故について分かっているかと言いますと、
吉田所長の発言を聞いていてもですね、いろんなものがちゃんと分かっているとは思えない。

たとえばアイソレーション・コンデンサー(非常用復水器)というい号機の電気がない時に駆動する筈だったのが駆動しなかったですね。
あれなんて動いているとか動いていないとか、
それがどういうシステムになっているとか、そういう細かいデータが分かり切っていないんですよ。
そうすると、運転している側の人達が、どこまでそれを理解できているか?というのは怪しい

だいたい、アイソレーション・コンデンサー非常用復水器というんですけど、
原子炉を電気がなくても冷却できる装置が動いていると。
動いている時に1時間当たり何度ぐらい温度が落ちるかというそういう評価があるんですね。
それ以上急激に冷やさない方がいい。
これは一般的にそうなんですけど、それを緊急時にそんなのを適用するのはおかしいんですけど、
そうすると、そういう運転操作そのものの意味とか、緊急性とか、そういうことだって混乱して見える。

そうすると本当に事実を分かって運転している状態になっていないんじゃないかというのが1点。


原発メーカーの関与
それともうひとつは、ではそれだったら、
事故についてはGEと東芝が積極的に関与すべきですね。1点。

それと、その時に電力会社の陰に実は隠れているんですよ、メーカーは。
多分裏では東電とのやりとりはしているでしょうけれども、
表へメーカーを出さないことによって東電が表に出てやり取りしている。
東電が分かり切っているのではなくて、本当はメーカーの方が遥かに分かっているのに、それを出さないんです。
それによって、原子力ムラという原子力の産業自身を維持するためなんです、私から言わせると。

実際にメーカーが、ちゃんと分かっている人達が正面に出て説明するべきなのに一切やっていない。
未だにやっていないんですね。

事故後も、これからもやってこない。
それは電力会社の所有物であって、メーカーはそれに従っているだけだというポジションです。

ですから先程話したように、電力会社が分かっていない部分があるのはあたりまえですよ。
設計しているレベルと運転しているレベルが違うのは当たり前です。

自動車をつくったトヨタ自動車と、それを運転する運転手とね、
事故が起こった時にこのメカニズムはどうか、という事は自動車メーカーの方がわかっているんですよ。
自動車メーカーが責任を負うにきまっているじゃないですか。
なんで原発においてはGEと東芝は出てこないんですか?
おかしいと思いませんか?


そうするとですね、表向きに責任を電力会社が負って、
しかも実質的には東京電力、電力会社は責任を回避しておいて、
で、メーカーには責任が及ばないようにしている。

こうやりますと、原発の基本的な問題ですね。
計画から設計、基本的な考え方、
そういうふうなところに関しては問われないようになっているんですよ。
せいぜいあってもこの装置がどうであったか、作動したのか、
そういうレベルの、浅いレベルの直接的な問題だけを問題にして、「ああわかりました」と。
じゃあそれを、今度はうまくやります、新しい装置を付けてOKです。
そのレベルで原発の安全性を語っているんです。

私はそんなのは全く考えられないと思います。
あれだけの大事故に至ったという事はある装置がきっかけであるかもしれない。
それが全体像をどう構成していって、
じゃあ、どうやって原発というものの安全性を考えるかという、根本に立ち返る。
そもそもGEの、東芝の設計は正しかったか?
GEのあのタイプはどうだったか?というこの根本的な問題に行かない限り事故原因の究明とは言えないんですね。


日本原子力学会
しかもついでに申し上げますと、日本の原子力学会が「もう事故原因は分かった
事故の直接的原因も根本の原因も分かった」と報告書を出している。


「分かった」と言っているけれど、本当に信じられないのは
先ほども言いました物的な証拠がある訳じゃないのに、今までに出てきた報告書を舐めてですね、
それを「こうだ」ってまとめているだけなんです。
特に国会事故調が疑問として出している事についてはことごとく否定している。
という事を表明しています。

それは一つの表明でいいんですけれども、問題なのは
「全部分かった」という事ですね。
直接的あるいは間接的な根本原因まで分かったという表現は、
これはとても学者が言っている話じゃない!
とんでもない話ですね。


もし原子力学会が学者の集団だとするならば、これは信じられないですね、私はそういうふうに思います。
今の福島の事故において、ある程度分かったことは認めますけれども、
分かっていないのもいっぱいあって、
「もしかしたら」と、こう、推測されているんですね、いろんな事が。
その状態においてあくまで「全てが分かった」というのはこれは非科学的だし、
物事を色眼鏡で見ているというふうにしかみえません。
それが原子力の学者であるならば、
その人達はもう、また原子力ムラとしてやっている以外の何物でもないという批判にさらされると思います。

過失の有無にかかわらず、原発が福島のような事故を起こす。
起こせば膨大な被害を生ずるわけですね。
それは十分わかっているはずなんです、原発というものの特性をみれば。
スリーマイル島、チェルノブイリ以降分かっているはずなんですよ。
それで事故を起こしてしまったんでしょ。
そしたらその責任は少なくともどこであるか、という事はある面で自明なんですよ。
今の法体系がそれを許さないだけなんです。
と私は思います。

このままですと、各電力会社もメーカーも民間の損害賠償、そういう意味でも担保できない、被害に対してですね。
それを肩代わりして政府、あるいは政府という事は我々自身国民が負担してやるという構造になっていて、
しかも今度は輸出をして、輸出をした時には免責だからいい、という事で原子力を進めようとしているんですね。

これはですね、もう、とても話にならないと思います。

原子力詐欺
とくに輸出の時に私が心配していますのは、
そんな契約を結ぼうと、事故を起こしますよね、輸出して。
そうしたら、大体原子力の技術に対して日本が輸出するというのは、
相手の国はあまり原子力について分かっていないことが多いんですね。
そうすると中身においては日本が責任を負うにきまってるじゃないですか。
その時に事故については仮に免責とか言っていたり、
そもそも事故をどういう契約にしているか、ですね。
日本が相手と契約する時に、「事故は起こらない」という表現を、
全く起こらないかどうかは分かりませんけれど「ほとんど起こらないんだ」と。
つまり相手を安心させるような言葉を今までも並べている訳です。
福島の事故があったけれども、それを反省して今回は充分に安全なものを作ったとか、
そういう物のいい方で輸出していく訳です。
そうすると、安全なものとして抽象的に物を言っているのであって、
具体的にこれで安全性を確保できるなんていうものはないんです。
基準として何々を満足したと言っているんだけど、
それが安全の担保になるわけではないですね、それだけでは足りないんです。
そうすると、そういうものを輸出した時に、
輸入した側は「福島を受けて充分に安全だと言うから、一応輸入して、日本に任せましたよ」
でも、万が一それで事故が起こったらどうなるか?
必ず言うと思いますよ。
「安全だというから輸入したんだんでしょ、事故を起こしたのはどうしてですか?」
というふうになります。
その時に「免責条項ですから」と言って、当事者の国の責任だというふうに今押し付けようとしているんです。
それがですね、めちゃくちゃに無理がある。

原発というものの特性すら相手がどこまで理解しているか怪しいんです。
被害の規模がどうなるかもちゃんと説明しきれていない。

そうすると、普通に私たちが民間で損害保険契約とかをしますよね。
その時にこれで損害が起こった時にどこまでが補償の範囲ですか、という契約のなかには、
明確に最大の規模でこういう事があったらこうだということを、
一番被害が大きい時のことをきちんと説明する筈です。
その被害に対して補償がどうこうという議論をしている筈です。、
それを言わずにね、「大丈夫だ」と言ってあいまいな形でサインさせておいて、もし契約したなら、
それはあとから言ったら民法上の常識的に無効ですよ。

詐欺と一緒。
安全だと言って輸出しておいて事故になって、
「いや、これは当事者の、そちらの問題でしょ」というのはですね、詭弁もいいとこ
で、
こんなことをやったら、今、韓国や中国との関係でいろいろ摩擦があったりします。
未だに第二次大戦の話が、引きずっている状態ですよ。
それを考えたらね、これに加えて原発を抱えるんですから、
これはもう取り返しのつかないことになる、私はそう思います。

特に日本は、
今回は確かに地震津波が関係があったので、一つあるんですけれども、
それでも日本はその中でも原発としては相対的に比較的、技術力と経験とそういう体制ができている方なんです。
世界的にみると。
それでも事故を起こしている。
そうすると、そうでないと言いますか、まだこれから築こうとしている国がそんな簡単にできると私は全く思いません。
もし、日本がやっているレベルに持っていくだけでも何十年もかかる筈です。
そうするとその間に事故が起こる可能性はものすごく高いです。
これは明らかです。
そうするとその時に一体、誰がどうやって何を言い訳するんでしょうか。
事故が起こった時。

責任者不在
そういう意味の本当の責任が、じゃあ、原子力規制に関して考えますと、
原子力規制委員会、規制庁は、その規制基準を守りさえすればそれでOKしているんですね。
ですけど、それを守るという事はそれで事故が起こらないということを意味していないんですよ。
こういうルールを作ったけれどこれを守ればいいことにします。
たとえば飛行機が突っ込んできても、飛行機は確率的にはここには来ないから、
確率がある程度小さかったらいいとします。
そういうルールをつくっているんです。
ぶつかっちゃったらもうおしまいになっちゃうんだけどそれでいいとしている。

基準を満たすという事はですね、
たとえ事故が起こってもそれは不可抗力だからいいという考え方を取っているんです、規制委員会は。
それはですから、「安全に対しては補償していません」と言っているんです。


その次に、では政府はどうなのか?
政府は行け行けどんどんで、規制委員会がOKだったらOkだということで、
全然安全保障について担保なんてしていませんよね。
そうすると、過失の有無にかかわりなく原発が福島のような事故を起こして、
その被害が先ほど言いましたように当然あります。

そうすると、電力会社もメーカーも規制委員会も、それから規制庁、そして政府も、
一切どこも原発については原発を推進はするけれども責任は負わない。
この無責任な体制が続くという構造になるかと思います。
わたしはそれが一番間違っているというふうに思うんですね。

そう考えますと、いまの、
昨日今日ですね、特に集団的自衛権の問題が閣議決定で強行に持っていこうとする不穏な空気がありますし、
それも非常に重要な問題だと思うんですが、
原発に関してもある面では同じように、強引に政治的に物事を進めようとしている節があって、
ごく普通の私たちの生きていくという、生きるという生活実感というか、人間が生きていくという事とか、
それから経済性ですね、普通の意味の経済を回していくという事とか、
そういう常識的なものに対して、真っ向から反することをやっている。
今の自民党政権はそういうふうにやっていると見えます。
これは単に自民党政権と言うよりも今の安倍政権が特にそういう傾向が強くて、
こういう強引な事をやっていることはですね、やがて私は破綻するだろうとは思うんですが、
それよりも何よりもそこに行く前に、破たんする前に被害が出たらどうしようもないわけですから、
これはなんとかしなければいけない

根本から考え直さないと私は取り返しがつかなくなると思います。

だんだん原発の事も忘れられつつある状態でにあると思いますけれど、
これはとんでもないことだというふうに私は思っています。
そういう意味でこの原発輸出に関する国際協定ですね、
条約を結ぶとかそういう事についてきちんと私たちは見ておかなければいけない。
そのように考えます。

どうもありがとうございました。




東京新聞 2014年6月30日 朝刊
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原発事故 メーカー免責 
政府が加盟目指す「原子力賠償条約」

東京新聞 2014年6月30日 朝刊

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臨時国会提出準備 輸出容易に
政府は、原発を持つ国同士が重大事故時の賠償金を支援する条約を、米国などと結ぶ方針を決めた。表向きは被害に備えるためだが、条約では事故の賠償責任は発生国の電力会社が全て負うルールで、本当の狙いは、日本から原発輸出をしやすい環境づくりにある。条約加盟で、日本は脱原発からさらに遠ざかる (岸本拓也、山川剛史)

この条約は、米国が中心の「原子力損害の補完的補償に関する条約(CSC)」。日本が加われば発効条件を満たすため、米国はかねて参加を強く求めていた。安倍晋三政権は既に米国に加盟の意思を伝え、今秋の臨時国会に承認案を提出する準備を進めている。

条約加盟の意義をめぐり、2011年11月、文部科学省が原子力委員会に出した文書には、「わが国メーカーが海外にプラント輸出する場合、(中略)原子力事故の責任を免除される」ことが、トップで書かれていた。同省は本紙の取材に、現在も重要な理由であることを認めている。

条約では異常に巨大な天災の場合を除き、賠償責任は全て、事故発生国の電力会社が負うルール。輸出先が加盟国なら、日本製の原発でもメーカーは免責される。日本の原発メーカーにはリスクが減る分、輸出が容易になるとみられる。

外務省の担当者は条約加盟の意義を「外国企業が東京電力福島第一原発の事故収束作業に参加しやすくなる」とする。損害賠償訴訟も全て発生国で行われることになり、廃炉作業で事故が起きても米国に多い超高額の訴訟リスクが低くなるから-との理屈だ。だが、これが条約でいう原発事故に当たるかすらも不明だ。

安倍政権は原発輸出を成長戦略に掲げ、輸出先と見込むアジア各国に条約加盟を働き掛ける考えだ。

<原子力損害の補完的補償に関する条約(CSC)> 米国、アルゼンチン、モロッコ、ルーマニアの4カ国が加盟するが、「5カ国の加盟と原発の熱出力が計4億キロワット」の要件を満たさず未発効。カナダが近く加わるが出力が足りない。米国は日本に、民主党政権当時から加盟を強く求めてきた。同種の国際条約には欧州が中心のパリ条約、東欧や中南米を中心としたウィーン条約がある。日本政府は対米関係や国内制度との近さを理由に、CSC加盟を進めたい考え。







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見やすくなってる♪

線が引いてあってどの文が重要なのか分かりやすいですね♬
今回のはかなり重要なので多くの人に
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