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09.22
Mon
報道するラジオ「福島第一原発~作業員の3年半」
2014年9月12日放送


賃金
文字起こし部分のYoutube→http://youtu.be/yNKPNhLXVzU?t=25m21s

上田:
そして次なんですけれども、
次は作業員の皆さんの賃金の問題です。
これまで多重請け負いと中間搾取についてお伝えしてきました。
東京電力が作業を、「元請け」と呼ばれている会社に発注をしまして、
そこが1次の下請け会社にまた発注をして、
またその下の企業に発注をして、
その仕事をまたその下に下にというふうに多重の下請けの構造が存在していて、

水野:何重にも下請け構造になっている、はい。

上田:
その都度間の会社に賃金を中間搾取されてしまうというふうに、作業員の方が訴えている問題ですね。
同じ作業をしている仲間同士でも賃金が大きく違っている事があったり、
そのために、そういう事が分からないように、
給料の話をお互いに聞く、するという事が、タブーになっていたりするという事があるという問題です。

原発事故から3年以上が経ちまして、ようやく東京電力、
去年ですね、動き出しました。
去年の12月に待遇改善で東京電力が作業員の日当を見直しました。
日当計算で1万円から2万円の増額をした」というふうに話をしていまして、
その分が作業員の皆さんの手元に行くようになっている、なんです。


水野:日当で1万から2万円増額、プラスαですね。

上田:
そうです。
で、この事に関して東京電力に問い合わせますと、
この増額分は、認めていないんですけれども、
「危険手当」と皆さんは呼んでいる。
東京電力はこれが「危険手当」という事は認めていないんですね。
この賃金の増額について聞きました。


作業員:自分で、危険手当が5000円位しかついていないんで、

上田:そうなんですか!

作業員:
それも、裁判とかがいっぱい起きて、うるさくなってから5000円つくようになって、
その前までは、残業2時間って言われていたんです。
「残業2時間分だけつく」みたいな。
残業2時間分って3000円位なんですよ。
しかもその3000円もらっているころの方が震災後すぐなんで、
すぐって言っても半年位経ってからなんですけど。
それから1年位してから5000円に上がっているんで、おかしな話ですよねそれも。
もっと危ない時期の方がお金が出ているべきなのに出ていないじゃないですか。

上田:今で日当ってどのくらいなんですか?

作業員:今だと、1万5000円位ですけど、

作業員:
うちの会社はついこの間まで危険手当が無かったみたいなんです。
急に国が入ってきて危険手当を出すようになったから、
1万4000円出る訳じゃないですか。
今のエリアで仕事している場合には、危険手当が1万4000円なんですよ。
それプラス日当ですから、
今まで1万5000円だったり1万6000円だったりしたのが、
1000円で働かせる訳に行かないじゃないですか。
だからみんな給料がちょっと上がったって言っていましたよ。

上田:そんなもんですか。

作業員:
ええ。
でも、東京の現場で1万円もらっていたのが、オレなんかだと5000円。
こっちでは日当が5000円位になっちゃっているんじゃないか

上田:
ああ、そうか。
総額が上がっているのに日当が下がっちゃうことになるんですね。

作業員:ええ、でも、「倍だからいいだろ」とか言われちゃうんですよ。



水野:
お金の話、リスナーの方も
「作業員の方の待遇は以前に比べてどうなんですか?」って聞いて下さっているんですね。
今の話は東電の話・・え?東電は日当計算で1万円から2万円増額するっていう話なんでしょ?

上田:はい

水野:なのに先程の方は、2000円分しか増額の部分は無かったって言ってましたよね。

上田:そうなんです。

水野:これってどういう事なんですか?

上田:
危険手当分も賃金もピンハネされているって言う事ですよね。
そしてその次の人、ちょっと数字の話がいろいろ出てきましたけれども、
総額が2万円の手取りで、1万4000円位が危険手当だと把握していると。
そうすると日当がたったの6000円だという事になります。

水野:なりますね。

上田:
東京の線量の無いところ、同じ建設作業の相場が大体1万円だという事なんですね。
東京の放射線量の無い現場よりも、
日当だけを取ってみると日当が下がってしまっているということになってしまう。
でも会社からみると、
「総額で東京が1万円で福島の現場が2万円と倍になっているからいいでしょ」というふうに言われてしまっている。

水野:
それは違うはずですが、
ああ「総額で倍だからアナタにとってはとくでしょ」という意味合いな訳ですね?
会社が言うのは。
はぁ〜〜

上田:
結局一緒にしてごまかされてしまっているという、
中間搾取の構造というのは相変わらずで、その総額全てが作業員の手元には行かないようになっている。

水野:いかないんですね!はぁ〜・・・

上田:
そして以前は、住むところ食べる所というものがついていました、作業員の皆さんには。
手当として。

水野:住むところは会社側が用意をしていた。

上田:はい。

水野:
で、ご飯代は出ていた、あるいは用意されていた訳ですね。
だから、住んだり日常生活を送る分の値段は、直接は作業する方はいらなかったんですね。
最初はね。

上田:
そうです。旅館やホテルに泊まるなどして、その分は会社が出していた訳ですけれども、
今は皆さん自分でアパートを探してそこに住んで、
自炊したり、コンビニエンスストアでお弁当を買ったり、
そうやって過ごしている訳ですね。

水野:
その分のお金を賃金から差し引いたら、
手元に残るお金は以前に比べたら決して多くはなってはいないんじゃないですか?

上田:
むしろ少なくなっているでしょうね。
皆さんは、少し増えたような感じをしている人もいるようですけど、
よくよく聞いてみると、やはりそうではないという事が分かりました。
そして、次のこの声です。


作業員:比重が分からないんですよ、結局。

上田:何のお金がいくらなのか?とか?

作業員:結局もとからいくら出ているのか?はっきりした数字が分からないから、一人頭

作業員:
どれくらいの、危険手当がいくら出ている。
人間に対してはギャラはいくら位出ているっていうのをはっきり示してくれていないから、
いくらピンハネされているのか?
ピンハネは全然問題ないと思うんですよ、会社運営のためには。
ただ「こりゃあ取り過ぎだろう」っていうのだとか、
「会社によって違う」だとか、
みんな上手い言い方をする訳ですよ。
だったら国が出てきているんだったら、はっきりとした数字を示すべきだと思うんですよ。
白紙の日当のところにサインさせられたりしています
から、


上田:あ、そうですか。

作業員:
変な業者が真ん中に入ってきちゃって、何にもしないのに毎月100万とか抜いちゃったり。
人数いればいるほど、一人頭抜ける訳だから、デカイですよ。


上田:どこからいくら危険手当ですよ、と出ているのかが全く分からないと。

水野:明細書は無いんですか?

上田:
はい。明細書が無いんですね。
出ていない。
で、なぜこんな事になっているのかというと、
東京電力は「一人当たりの日当、危険手当はこれだけですよ」という支払い方はしていないし、
危険手当も「危険手当はこれだけですよ」という払い方をしていないというふうに話をしています。
作業に応じて入札で、「この作業の総額はいくらですよ」という大きい数字。
この中に先程お話しした増額分も含めて数字を出している。
なので、その作業をいったい何人で、どのくらいの期間するのかで、割り算をしますよね。
そうすると一人頭の日当が変わってきますから、
増額した分が必ずしも作業員全員にその分行くとは限らないんですよ。


水野:そういうシステムなんだ。

上田:
ええ。
危険手当に該当するものが一人当たりどれくらいというのが決まっていないんです。
どの程度の額を作業員個人に渡すのか?という事は
下請けの企業、その会社員の方が所属している企業の裁量で決まってしまう。
なのでピンハネされて危険手当が確保されないという状況なんですね。

水野:ん〜、そういう事なんですね…

上田:
例えば除染作業というのが地域にありますけれども、
この場合は国、環境省ですよね。
例えば「最低でこのエリアだと1万円」などというように、危険手当の額が決まっています。
このために、除染作業に従事する方はこの特殊勤務手当なんですけれども、
これが大体1万円だったら、自分のところのお給料からこれを引くと
「日当はいくら位だな」というのが分かるようになっているんですけども、
この原発で作業する方っていうのはそういうものが分からないようになってしまっているんですね。

水野:
それは文句も言いたいですし、
「どうなってるんだ」と、確かめたいですよね、作業員の方にしてみたら。

上田:
なるでしょうね、はい。
そして、原発事故というのはやっぱり東京電力の判断でこうなってしまっているわけなんですが、
先日裁判で廃炉作業に入っている作業員の方が、
「危険手当を下請け企業が搾取したのを東京電力が放置している
ということで訴える裁判がありました。

この時の訴状では、
「一人につき東京電力から1万円から10万円位の危険手当が下請け企業に支払われているんだ」と、
いうふうに、訴状には書いてあったという事なんですが、東京電力に聞きますと
「まだ訴状が届いていないのでコメントできない」ということでした。


水野:
さっきのお話の中で意味がよくわからなかった、
「白紙のところにサインをさせられる」ってありましたね、あれはどこですか?

上田:
白紙の領収書にサインをするというのはですね、
作業員の人が所属先の企業を飛ばして、
その一つ上の企業や元請け企業に給料について訴えるケースがあるんですね。
そうなりますと、その会社員の方が所属している下請けの企業全体が、
次から「どういう管理をしているんだ」という事で、
えー、次から仕事をもらえないケースが。


水野:
君の会社の作業員が、君の会社を通り越して、ちょっと文句を僕のところに持ってきたけれども、
どうなってるんだ、君のところ!
もう、次外すよ、作業から。
っていう事になりうる

上田:
なので下請けの会社は空欄の領収書を発効してサインをさせて、後から額を決めて、
いくら払っているのかはそれは分からないようにして、上の企業に言うと。
ピンハネ額を増やすための手口な訳ですよね。

水野:はー!

上田:
東京電力が危険手当とか、最低限の日当はいくらと決めない今のやり方ですと、
危険手当はいくらなのか?
日当はいくらなのか?という事がいつまで経っても分からないんですよ。

水野:額が分からない訳ですね、はぁ〜

上田:
そういう事になってしまっているので、危険手当がいったいどうなのか?
じゃあ、東京の、先程の線量の無い普通の作業の日当を基準にすると、危険手当は少ないという事にもなるし、
ま、皆さんの怒りになるのも分かるんですよね。

水野:
んー、数字だけをみていたら一見良くなっているのかと思うところがあるんですが、
よくいろんな事を総合してみたら、分からない事ばかりだし、
悪化しているケースもあり得るという事ですよね。

平野:
これは本来はやっぱり労働基準監督署がね、きちんと目を光らすべきですよね。
そういう話は特にない訳でしょ?

上田:少しずつそういうところに訴えている作業員の方もいらっしゃる

平野:訴えているか、間接的にちょっと警戒をしているという感じですかね。

水野:でも訴えにくい環境作りですよね、今の話だと。

上田:
ですから作業員の方も、
「もうこれ以上福島では働かない」という判断をされた方が、そういったところに駆け込むような動きが

水野:
線量がいっぱいになってもう働かないから、じゃあ、ちゃんと思ったことを言おうと。
でも、まだまだ働きたいという方は、なかなかものが言いにくい環境になってらっしゃると。

上田:そうですね、はい。



東京電力原発作業員日当「中抜き」容認ー元請けへの文書書き出し&
「1万円→2万円に増額」廣瀬社長会見文字起こし



補償もしない・保険も無い・金だけピンはね「偽装請負」ー原発労働者の実態ー

「大震災から1年~原発事故を支え続ける作業員」
たねまきJ上田アナ作業員のインタビュー3/5(内容書き出し)






「使い捨て労働で事故を収束できるのか」弁護士の中西基さん・
たねまきJ 3/6(内容書き出し)


[政府の除染モデル事業の実態]賃金ピンハネ「詐欺のよう」3/28東京新聞より

「原発作業員が語る福島第一原発のその後」
水野さん、平野さん、上田さん・報道するラジオ10/5(内容書き出し)


事故から3年 相次ぐミス 作業員が語る疲弊する現場3/10報道ステーション(内容書き出し)
「せめて危険手当はちゃんと渡してくれ」っていうのは当たり前だと思うんですけどね。




原発の廃炉作業 事業所への指導強化を
NHK 9月22日 20時33分

塩崎厚生労働大臣は、福島県いわき市を訪れ、東京電力福島第一原子力発電所で廃炉作業に当たる作業員への手当が適切に支払われないなどの事例が相次いでいることを受けて、作業に当たっている事業所への指導や監督を強化していく考えを示しました。

厚生労働省によりますと、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業などを巡って、ことし4月から先月末までの5か月間に、作業員への手当が適切に支払われなかったり、安全対策が不十分だったりした事例が127件ありました。これを受けて、塩崎厚生労働大臣は、22日、原発周辺の地域を管轄する、福島県いわき市の労働基準監督署を訪れ、担当者から、作業員の労働環境などについて報告を受けました。
このあと、塩崎大臣は、記者団に対し、「廃炉や除染の作業は、多いときには7次くらいの下請け企業に助けてもらわなければならない。人を確保して作業を進めるうえで、法令違反があってはならない」と述べ、事態を放置すれば廃炉を進めるうえで影響が出かねないという認識を示しました。
そのうえで、塩崎大臣は、「働いている人たちに使命感を持って作業に取り組んでもらうことが廃炉の推進につながるのであり、厚生労働省も責任を果たしていく」と述べ、作業に当たっている事業所への指導や監督を強化していく考えを示しました。







報道するラジオ「福島第一原発~作業員の3年半」2014年9月12日 文字起こしブログ

<作業員の証言1>
「福島第一原発施設内に焼却設備を今つくっています」9/12報道するラジオ(文字起こし)
〜今年9月だけで柏崎刈羽原発の焼却設備では不適合GⅢグレードがなんと3件も!!


<作業員の証言2>
「メーターを振り切ってて、機械が壊れちゃってるっていうような、いますよ」
9/12報道するラジオ(文字起こし)


<作業員の証言3>
賃金「白紙の日当のところにサインさせられたりしています」
9/12報道するラジオ(文字起こし)


<作業員の証言4> 労働環境と健康「みんな具合が悪くても我慢するようになっちゃう」
9/12報道するラジオ(文字起こし)


<作業員の証言5> タンク・凍土壁・アルプス…
「結局ゼネコンのただの食い物ですよ」9/12報道するラジオ(文字起こし)







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コメント
福島の作業員の危険手当はピンハネも半端ない。賃金はハッキリせず、書類にサインをさせる際、予め説明するんです。書いていい所、空白の所と、ちゃんと説明者が居て、サインを拒む人は作業に従事できません。私の会社はハッキリと金額を言いましたが、ピンハネも承諾させられました。私は65ミリシーベルトになって外されましたが、何時まで経っても、明快な金額が提示されなかった為会社を辞めました。ひどい時は1日5分で1.8ミリシーベルト浴びた時もありますが、ピンハネを一次会社と二次会社がピンハネを打ち合わせしている話しも聞いた事があります。作業員は出稼ぎが多い為少しの事は我慢するのです。帰されないために。もうウンザリして辞めました。十数年働きましたが福島以外の管理区域にでる危険手当もピンハネ、又は貰ってない作業員が殆どです。多少の怪我はもちろん隠します。会社自体が労災に持ち込んだら許さない、という雰囲気を作っている為、働きたい人は我慢します。私の知っている労災隠しは、話せば会社が潰れてしまうのは間違いない程のものてす。一次会社も知っているくせに知らないフリをするのです。接待も半端ではありません。そんな金があるのなら、もう少し作業員に回せば良いものを。もう福島には2度と行くつもりは有りません。使い捨てされるのは、もうウンザリです。たった5分でガラスバッチがパンク寸前になる仕事で、月20日の日報じゃ、一般の仕事した方がまだましだ。今考えると僅かな金で馬鹿な事しました。爆発して一ヶ月後に働いて月40万にならないんだから。作業員が居なくなったら、少しは上がるのかな?震災の始めの頃に行った人は馬鹿を見た。今更金額を上げるなら初めに遡ってくれるのが筋ってもんだ。始めがたいへんだったんだから。休憩所も無く、、、フッ馬鹿馬鹿しい。
ハルシオン | 2016.02.14 23:07 | 編集
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